河合塾グループにzero to oneが参画 AI・デジタル教育を拡大 新たな教育サービス創出へ

 河合塾グループのKEIアドバンスは、AIやデータサイエンスを活用した教育プログラムを開発・提供するzero to oneと資本業務提携を行い、同社が河合塾グループ入りしたと発表した。提携は6月30日付。今後は、zero to oneが持つAI・デジタル分野の教育コンテンツ開発力と、KEIアドバンスおよび河合塾グループのネットワーク、研究開発基盤を組み合わせ、AI時代に対応した新たな教育サービスの創出を目指す。

 zero to oneは2016年の設立以来、AI・デジタル分野を中心とした教育プログラムを展開してきた。東京大学大学院の松尾豊教授、東北大学大学院の岡谷貴之教授らAI分野の有識者、京都大学の飯吉透教授ら教育分野の専門家を顧問・監修者に迎え、「人工知能基礎」「ディープラーニング」「データリテラシー」など、産学連携によるオンライン教育プログラムを開発している。

 KEIアドバンスは、全国の大学を対象に、学生募集、広報、入試業務、教学、進学・資格対策、大学経営などに関する幅広いソリューションを提供している。2025年4月には「KEI大学経営総研」を設立し、大学経営全般に関する研究、情報発信、課題解決支援にも取り組んでいる。

 今回のグループインにより、両社はAI・デジタル教育の拡大と多世代への展開を進める。中学生、高校生から社会人、シニア層まで、それぞれの学習段階や目的に応じた教育プログラムを提供する方針だ。

 また、大学研究者や専門家、企業との連携を生かし、AI・デジタル分野に加え、入学前教育、探究学習、人材開発、起業家支援などの領域で、新たな教育コンテンツやプログラムの共同開発を進める。

 オンライン試験事業の強化も柱の一つとなる。zero to oneが展開する「さくらのクラウド検定」などのシステム・運営ノウハウと、全統模試をはじめとする河合塾グループの試験実施・運営の専門性を組み合わせ、オンライン試験プラットフォームの機能や信頼性、運営体制を高める。

 さらに、国や自治体と連携した地域人材育成、AI・デジタル活用支援の拡大も目指す。zero to oneは仙台市をはじめ、地域における人材育成やデジタル活用支援に取り組んできた。今後は河合塾グループのネットワークや人的リソースを組み合わせ、他地域への展開を進める。

 教育データとAIを活用した新サービスの創出も視野に入れる。両社は東北大学をはじめとする研究機関とも連携し、学習の個別最適化、成果の可視化、教材や評価手法の高度化に取り組む。グローバル展開も見据え、新たな教育事業の創出を目指す。

 KEIアドバンスの鈴木研史社長は、同社が持つ高等教育機関とのネットワークや経営・業務支援の知見、河合塾グループの教育基盤と、zero to oneの先進性を融合できることに期待を示した。高等教育機関向け支援を拡充するとともに、あらゆる世代に新たな学びを提供していくとしている。

 zero to oneの竹川隆司CEOは、AIの急速な進化により社会、産業、教育が大きな転換点を迎えているとし、河合塾グループの教育への信頼や多世代の学習者との接点、学校・大学・企業とのネットワークと、自社のAI・デジタル教育、産学官連携、オンライン教育の力を掛け合わせる考えを示した。

 生成AIの普及により、教育業界ではデジタル人材育成、入試・評価の高度化、学習の個別最適化が重要なテーマとなっている。今回の資本業務提携は、大学支援、AI教育、オンライン試験、地域人材育成を横断的に展開する体制づくりとして注目されそうだ。

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