Category: 塾ニュース|教育ICT

小中高の教科書、デジタル化検討へ 16年度中に結論

政府の教育再生実行会議が4月22日にまとめる提言案に教科書デジタル化の推進が盛り込まれる見込みだ。これを受け、5月にも有識者会議を立ち上げて、2016年度中に結論を出したい考え。現行制度は全ての教科書が紙の本であることが前提で、導入には学校教育法など関連法の改正が必要だ。今でも教科書は作り始めてから使い始めるまで最低3年はかかるうえ、デジタル版の開発には紙よりも多くの時間が必要となる。導入時期は、早くても新学習指導要領がスタートする20年度よりも後になりそうだ。

子ども向け携帯、ウエアラブルも登場

携帯電話はまだ早いと考える低学年や未就学児の親たちに向けた商品が、今月発売されたウェアラブル端末「ドコッチ」。加速度センサーを備え、保護者がスマートフォンでアプリを起動すると、「運動している」「休んでいる」など子どもの状態が常時表示される。端末を外したかどうかもわかる。近くにいる時もはぐれないよう、親のスマホとの距離が見通しの良い場所で50メートル程度離れた場合に、双方にアラートを出す機能も。定型文でメッセージもやりとりできる。

放課後教室 行橋市、週3回に

福岡県行橋市は今年度から基礎学力を強化する小学生の「放課後教室」を週1回から3回に増やすほか、行橋北小を「教育ICT(情報通信技術)推進校」とし、タブレット端末を積極活用する取り組みを始める。放課後教室は基礎学力をつけるため2007年度から小学校高学年と中学生の希望者に実施している。教員免許を持つ社会人が放課後、宿題やドリルのアドバイスをするもので、小学校では昨年度、237人が参加した。今年度は小学校での実施数を週3回に増やし、基礎の定着をはかっていく。いずれも学力向上を目的としている。

FLENSが中学生向けの学習管理ツールを搭載 新たに英語コンテンツも追加

FLENS(フレンズ)株式会社(東京・品川区、大生隆洋代表)は、同社が各地の学習塾や学校などの教育機関に提供している、タブレットPCで全国の生徒がリアルタイムに対戦型の授業をおこなうことができる「FLENS」に、中学生向けの学習管理ツールを新たに搭載。また、中学の英語教科にも対応した。

確認テストモード

確認テストモード

この学習管理ツールには、高校の入試対策用に使う「確認テストモード」と、弱点克服のための「個人帳票」、そして講師の指導力向上ための「弱点分析帳票」が含まれる。これまでは、全国の自分にぴったりのライバルと競い合いながら基礎知識の定着を図る「コンテストモード」に加え、今回搭載された「確認テストモード」では、より入試問題に則した形式で学習できるようにする。これは、学習塾で普段実施している確認テストを、タブレットで実施することにより、プリント準備や採点をはじめ、結果の入力や宿題管理といった業務にまつわる講師の負担を軽減し、効率よくテストを実施することができる。また、思考力を問う問題や図表の読み取り問題など実践的な内容を確認テスト形式で行うことができる。

個人帳票

個人帳票

また、弱点克服のための個人帳票によって、受講当日に間違えた問題や未回答問題のテキスト対応ページ、過去の学習履歴などを随時帳票で出力でき、復習に役立てられる。実際に授業が終了してから数分で帳票を出力でき、校舎責任者がリアルタイムに確認してフォローできる。また、各教室の用途に合わせて、ペーパーでもPCの画面上でも出力でき、CSVテキスト形式で書き出して独自の学習管理システムに取り込むこともできる。

理科解答分布図

理科解答分布図

さらに、ペーパーテストによる採点で困難だった単問単位の正解率分析や、生徒の誤答パターン分析もできるうえに、正解率だけではなく、生徒がどのように間違えたかを視覚的に見易い画面でタイムリーに把握できるため、間違えやすい問題などを重点的に教えるための授業の補完ツールとしても使えそうだ。

そして、今回追加された中学校向けの英語コンテンツでは、中学1年~ 中学3年を対象に、語彙力、文法、用法など基礎力の定着を図る事を目的としたコンテンツが7200問を収録されている。FLENSが提供する家庭学習用教材「リハトレブック」は、教室では週1回20分の確認テスト講座を想定して設計されており、家庭学習と連動して繰り返し行うことで、各学年で重要な基本項目を効率よく習得できるという。なお、中学生向け英語コンテンツは、2014年10月から2015年3月まで実施された福生市と慶応義塾大学とFLENSの産学官協働実証実験でも採用されていた。

単問別正解率グラフ

単問別正解率グラフ

「Romo(ロモ)」ロボット使いプログラミング体験

米国のロモティブ社が開発した教育用ロボット「Romo(ロモ)」は、スマホと駆動装置を組み合わせたロボットを使ってプログラミングを学ぶシステム。ロモは昨夏から日本での販売が始まり、今年2月には、米国のマサチューセッツ工科大メディアラボが開発したプログラミング学習用ツールと連動した新作も発表された。自分で入力したプログラム通りに動き回るロボットを見て、コンピューターの世界を体感してもらうのが狙いだ。

オンライン学習塾のアオイゼミ 有料の新サービス「SACLASS」を始動

オンライン学習塾『アオイゼミ』を運営する株式会社葵は、この4月から新たに、最難関公立高校受験生向けのオンライン学習塾『SACLASS(サクラス)』の提供を開始する。このサービスの特徴は、それまでライブ授業を無料で配信していたアオイゼミとは違い、有料でのサービス提供(受講料:2万7000円・税別/月、入会金・教材費・夏期/冬期講習代含む)となっていることと、入塾テストが設けられていることだろう。

SACLASS(サクラス)の紹介ページ

SACLASS(サクラス)の紹介ページ

まず、有料サービスになったことで、受講生には様々な特典が用意されている。例えば、受講生一人ひとりに「専属チューター」がつくことは特筆すべき点だ。そして、そのチューターと講師によって、「やることリスト」という受講生一人ひとりに合った学習リストが作成され、それをもとに勉強の進み具合に合わせて、過去の講義動画を使った復習や予習などのアドバイスをしてくれる。その際の面談は、チャットのような形で双方向のやり取りが可能になっている。さらに、サクラスの受講生限定で、いつでも何度でも質問できる「質問掲示板」も設置され、24時間以内に質問に対する回答が返ってくるなど、手厚いフォローが受けられる。

また、ハイレベルな授業について行けるように、オンラインのサービスとしては珍しく入塾テストが設けられており、基礎学力を養成するアオイゼミとは一線を画している。

ライブ授業は、毎月郵送される専用テキストを使用して、米アップルのiPadで受講する。そして、授業中も直接質問することが可能になっているだけでなく、例えば部活や用事で授業が受講できなくても過去の授業動画を常時無制限に見て学習することができる。

アオイゼミの石井貴基代表

アオイゼミの石井貴基代表

また、自習用テキストや参考書には、受験研究社の教材から生徒一人ひとりに合わせた形で提供される。初年度は、中学3年生を対象に、100名限定で募集する。基本的には、数学と英語のみの週2日の4講座だが、夏期講習と冬期講習は、それに加えて国語、理科、社会の入試対策授業も配信される。

「自分のデバイスで好きなものを見る、使う現代に適した学習スタイルを提供し、次世代の学習塾をつくりたいと思っています」と同社代表取締役塾長の石井貴基氏は語る。SACLASSはオンライン学習塾の新たな市場を開拓するのか、動向を見守りたい。

好学出版が、小学生向け問題集に対応した「デジタル指導書」をリリース

株式会社好学出版は、自社の学習塾向けの小学生向け問題集『コア』に対応した「デジタル指導書」を発売した。同社のデジタル指導書は、昨年に発売された中学問題集『ウイニング』に続いてのリリースとなる。このデジタル指導書は、小学5・6年生向けの4教科(国語、算数、理科、社会)の『コア』に対応した約1200ページを電子黒板に表示して使用できる。画面をタップするだけで電子黒板に映ったテキストを拡大・縮小、あるいは、問題の解答も表示され、直感的にシンプルな操作で授業が進められるように工夫されている。

画面をタップするだけで直感的に操作できる

画面をタップするだけで直感的に操作できる

電子黒板を導入する塾も増える中、授業でどういったアプリケーションを使うかが焦点になるだろう。同社が開発したデジタル指導書は、インタラクティブPDFで提供されるため、米・アドビが提供する無料のAdobet ReaderがインストールされているPCであればスムーズな運用が可能になっており、すぐに授業に組み込むことができる。

編集部の松田義信課長

編集部の松田義信課長

このデジタル指導書の開発に携わった同社編集部の松田義信課長は「実際に使われる先生方のご意見も伺いながら、デジタル指導書を使うために特別に操作方法を覚える必要がないように設計しました」と語る。実際に使ってみると、初めて触れる記者でもすぐに使うことができ、優れたユーザビリティを備えていることを実感できた。

国語の掲載文、理科、社会の図版も収録されているコンテンツはすべて著作権処理が施されているので、写真や図版を安心して授業で使うことができる。理科や社会では、フルカラーの教材の魅力を存分に活かすことができるため、すでに導入した塾では、生徒が常に目を前に向けて授業に集中できるという効果も出ているという。

講師にとっては、黒板やホワイトボードに解答を書くことや、地図や実験の図を描きながら説明する必要がなくなり、板書の時間を短縮できることから、生徒と向き合うことに集中して、理解度を深めるために、より濃度の高い授業をおこなうことができる。価格も通常の指導書を購入するのと変わらない程度の価格に抑えられており、PC1台毎にライセンス提供されることから、規模の大きい塾にとっても導入しやすい。好学出版では、今後も季節講習の教材などへのデジタル対応も検討しているといい、塾における教育ICTの推進を教材の面から後押ししていく。

佐賀の小学1年生がプログラミング授業の成果発表

タブレット端末を使ってプログラミングに親しむ学習実証研究の最後の授業が2月12日、武雄市山内町の山内農村環境改善センターであった。市立山内西小学校の1年生40人を対象に、DeNA(ディー・エヌ・エー)、東洋大学と市が昨年9月、三者協定を結び、昨年10月から今月までに隔週ペースで計8回の授業を実施してきた。DeNAの川崎修平最高技術責任者がすべての授業で講師を務めた。この日、児童たちは自分で完成させた作品を1人ずつ発表した。

デジタル学習支援システム 阪大などが新開発

大阪大学のサイバーメディアセンターなどはデジタル教材の新たな支援システムを開発した。新システムは「ウェブ・オーシーエム・ネクスト」。阪大のほか北大、東北大、九大などが連携して開発した。新システムは、決まった形式に従ってパソコンを操作すれば、問題文や画像などの編集・作成ができる。時間・場所に縛られず、ウェブ環境さえ整えば、勉強できる利点もある。システムに不慣れな教師でも簡単に独自教材を作れるため、個人の学習状況に応じたきめ細やかな指導ができると期待されている。

産官学が連携し、ICT利活用を促進するための「標準化」策定と普及図る共創会議が設立

ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)設立発表会が、2月2日、電通ホール(東京都港区)で開かれた。同会議は、企業、教育団体、有識者、省庁が数多く参加している。設置された席も満席になり、注目の高さが伺えた。

現在、学校の現場では、電子黒板やデジタル教科書の利用が増加し、生徒1人につき1台のタブレット端末を配布し学習に利用する学校も出てきている。授業以外では、教職員の校務にもICT機器が利用されるなど、様々な場面でICTの活用が進んでいる。さらに学校だけでなく、オンラインで家庭学習ができる教育サービスなどを提供するEdTechと呼ばれる教育ベンチャー企業や、大学の講義配信サービスからはじまったMOOKsなど、教育の中に様々な形でICTを利用する動きが活発になっている。

ICT CONNECT21 発表会の様子

ICT CONNECT21 発表会の様子

しかし一方で、ICTの利用が進むにつれて、学習者の個人情報の保護、ユーザビリティーやアクセシビリティの向上、コスト削減などの諸問題とも向き合わなくてはならない。そういった背景の中、教育の中でICTを活用するための「標準化」の策定を担い、その普及を図るべく、ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)は設立された。

「標準化」が策定されれば、様々な教育サービスが同じフォーマットを使用し、操作方法の共有、連携が可能になる。そうなれば、学習者や指導者、また提供者にとって相乗効果が生まれ、ICTのよりよい利用ができるようになることだろう。同会議の会長に就任した一般社団法人日本教育情報化振興会会長、白鴎大学教授である赤堀侃司氏は、

「日本の教育システムは極めて優れています。世界に向かって堂々と発信していいわけです。伸ばすべきところはもっと伸ばし、コアとなる日本の素晴らしさを海外に発信していいと思っております。そういった中で、このICT CONNECT 21が起爆剤となれば大変嬉しいです」と述べた。

劇的に変化している教育パラダイムの中、ICTの利活用は切り離せない。そうしたことからも、今後のICT CONNECT 21の活動が、日本のICTの教育利用の道標となることを期待したい。