Category: 塾ニュース|教育ICT

学研とアーテックがロボットプログラミング講座を開設へ

株式会社学研エデュケーショナルと学校教材を提供する株式会社アーテックが、ロボットプログラミング講座「もののしくみ研究室」の展開を始める。全国の学習塾・学校等を会場にして、2016年4月開講を目指す。

熱心にプログラミングの動作確認をする生徒。

熱心にプログラミングの動作確認をする生徒。

この講座は、国内企業2社の協業で行われ、アーテックが開発したマイコンとブロックロボットを使用し、「身近なもののしくみ」を構造とプログラミング双方から研究し、商品開発なども大きなテーマとして扱う。

アーテックが開発したマイコンのプログラム環境は、視覚的にプログラミングを学べる「Scratch(スクラッチ)」ベース。ロボットだけでなく、信号機や踏切、自動ドアなどの身近にある機器を題材にし、メカニズムやセンシング技術、プログラムによる制御を学び、思考錯誤を経ながら、目的の機器を製作できるように育成するのが狙いだ。

テキストには、プログミングに必要なデータを自分で調べ、記述する項目もある。

テキストには、プログミングに必要なデータを自分で調べ、記述する項目もある。

テキストは、STEM教育(Science=科学, Technology=技術, Engineering=工学, Math=数学)を意識した内容になっており、信号機や自動ドアなど複雑な機器をその本質まで深く掘り下げた解説が掲載される。巻末には国内のものづくり企業の技術者へのインタビューを入れるなど、子供たちが自分で制作したものと社会との繋がりを意識できるように工夫されている。

対象は、小学校3年生~中学1年生(講座は無学年)。3年間のカリキュラムになっており、月2回90分の授業で33テーマの内容となっている。21世紀型スキルの修得も意識され、ICTスキルからプレゼンテーション、コラボレーションなども指導に加えられている。

また、教材は中途入会を可能にできるようになっており、途中からでも無理なくすべてのカテゴリーが学習できるように工夫されているなど、学習塾などの運営リスクに配慮されているのも特徴のひとつだろう。そして、国内企業のコラボレーションよる初のロボットカリキュラムとして、海外にも販路を広げることも視野に入れている。グローバル社会を生き抜く中で、プログラミング学習が注目されている。今後は、プログラミング講座を開設する学習塾も増えていくとみられる。

佐賀・武雄市の小学校 ICT化により先生の「達成感」増し「多忙感」減る

市内の全小学生にタブレットを配り、教育のICT化を推進している佐賀県武雄市と、その効果等の検証をおこなっている東洋大学が、6月の第一次検証報告に続く第二次検証報告会を9月28日に開いた。冒頭、武雄市の小松政市長は「地方創生の根本は人づくりであり、人づくりに欠かせないのが教育である」と同市の教育に対する考えを述べた。

左から東洋大学 副学長の松原聡氏、武雄市長の小松政氏、武雄市教育長の浦郷究氏

左から東洋大学 副学長の松原聡氏、武雄市長の小松政氏、武雄市教育長の浦郷究氏

武雄市は市内1小学校の1年生を対象にプログラミング教育をおこなっているほか、全3年生以上の算数、全4年生以上の理科で反転授業を実施。6月の報告では98%の子供がプログラミング授業は楽しかったと答えていることや、85%が反転授業を楽しみにしているといった調査結果を紹介している。

そして今回は保護者、動画を開発した企業全3社、教員へのアンケート結果を報告。武雄市教育長の浦郷究氏は「検証を実施してもらえることは大変ありがたい。全市的にこの取り組みに意義を感じている」と感謝の意を述べた。

保護者に対するアンケートでは、反転授業を概ね理解している割合は約58%と、まだまだ認知度が低いことが分かった。また、動画を開発した企業からは「子供の学習に役立ち、普段の仕事とは違ったやりがいがあった」「教育現場でどのようなコンテンツが望まれているか把握できた」などの前向きな意見が聞かれた一方、3社とも開発費用の負担が大きいことを課題として挙げた。

教員へのアンケートでは「前もって動画を見ることで理解度が増しているのではないか」「事前に動画を見ることで自分の考えを持って授業に臨め、安心しているようだ」といった効果が挙げられたのに対し、課題として「反転授業に適した単元とそうでないものがあるため、どの単元を反転授業にすべきか見直しが必要では」「動画がない通常授業で、いかに予習を習慣づけるかがポイントだ」といった意見があった。

また、教員へは「多忙感」と「達成感」に関するアンケートも実施。反転授業以前の2014年2月は「達成感を感じつつも、多忙感を感じている」教員が多かったのに対し、実施後の15年2月は「達成感が増し、多忙感が減った」という結果が出ている。東洋大学 副学長の松原聡氏は「タブレットの導入で忙しくなっているはずだが、先生たちの多忙感が減ったことは大きい」と反転授業の効果を示した。

算数、理科に占める反転授業の割合は年間授業数の2割程度で、そのうちの約3割が教員の裁量によって通常授業に置き換えられている。今後はその3割を減らしつつ、15年4月にタブレットが配られた市内全中学生と合わせ、引き続き効果を検証していきたいとした。

武雄市教頭会が2014年2月と2015年2月に、それぞれ武雄市内の小中学校全教職員を対象に実施たアンケート調査で、校務に対する多忙感や達成感などを尋ねた。

武雄市教頭会が2014年2月と2015年2月に、それぞれ武雄市内の小中学校全教職員を対象に実施たアンケート調査で、校務に対する多忙感や達成感などを尋ねた。

公立学校のPC、6.4人に1台 電子黒板は9万573台

文部科学省が8月31日、公立学校のコンピューターは子ども6・4人に1台の割合で整備されており、このうちタブレット型は約15万台でこの1年間に倍増した、と発表した。調査は、全国の公立小~高校などを対象に3月1日現在で実施。コンピューターの整備状況は1年前の「6・5人に1台」からわずかに向上した
電子黒板は9万573台(前年8万2528台)が整備され、普通教室への校内LAN整備率は86・4%(前年85・6%)。教育用コンピューターのうちタブレット型は8・1%(前年3・8%)を占めた。

チケットはスイカ、NTTデータ

NTTデータはSuica(スイカ)などのIC乗車券をコンサートなどの入場券代わりに使えるシステムを開発した。消費者がサービスを利用するには、スマートフォン(スマホ)に専用アプリをインストールする必要がある。ネットでチケットを予約・購入した人は、スマホにスイカやパスモなどIC乗車券に記載されたID番号を読み込ませる。番号がネットを通じてNTTデータのシステムに登録される。購入者はコンサート会場などの入場口で登録済みの乗車券を読み取り機にかざすだけで入場できる。読み取り機はスマホでも代替でき、主催者は設備投資を抑えられる。

佐賀県ICT教育改善検討委、現場の課題まとめる

佐賀県教育委員会のICT教育検討会議が8月18日にあり、教育現場や家庭から聞き取ったICT教育の課題をまとめ、近く、これまでの経緯を山口祥義知事に中間報告し、年内にこれらの改善案をまとめる。県教委は、2011年度から今年度までの「ICT利活用教育推進事業費」に約65億円をかけている。昨年度から県立高校の新入生全員にタブレット端末を購入してもらい、授業で使うなど取り組みを本格化させている。この流れに待ったをかけようとしたのが山口知事、思惑どうりの答申ならいいのだが。果たして答えは?

スマホ画面投映で壁や机をタッチパネル化 富士通研究所

富士通研究所は7月27日、スマートフォン(スマホ)の画面を投映した壁や机をタッチパネルとして使えるシステムを開発したと発表した。赤外線を出す特殊なペンを使って投映した映像に触れ、写真を動かして相手の端末に受け渡したり、手書きのメモを映像内に貼り付けたりできる。人とペンの動きを捉えるカメラやセンサー、プロジェクターなどを天井に取り付けて実現した。学校の授業や店頭での商品説明に利用を見込む。2016年度にも、富士通子会社の富士通ソーシアルサイエンスラボラトリから販売する。

大学の講義中に質問や意見交換 朝日ネットがアプリ

朝日ネットは大学の授業で教授と学生の双方でコミュニケーションできるアプリ「レスポン」を開発し、提供を始めた。学生は教授からの質問にスマートフォンで答えたり、回答結果を集計したグラフや、他の学生の意見などを即座に見たりできる。「レスポン」はスマホやタブレットで無料で取得できる。教授はアプリを通じて学生の反応を見ながら授業を進められる。同社が大学向けに提供しているクラウド型学習支援システム「マナバ」と連動させると、教授側による回答履歴の管理のほか、スマホでの出席確認も可能になる。

大学受験支援アプリ「アプケン」大幅に刷新、無料で基礎学習

大学受験支援アプリ「アプケン」が6月、大幅に刷新。基礎学習は無料となり、スマートフォンのアプリの使い勝手がさらによくなった。アプケンはiPhoneとアンドロイドのアプリでの利用を推奨。パソコンやスマホ、タブレット端末などのブラウザーで使えるウェブ版 https://appken.jp もある。まずはアプリをダウンロードし、アプリ上で簡単な登録をすると、約1千問の基礎問題が解ける。アプリ上で有料のプレミアム会員になると、志望大学・学部が設定でき、出題傾向に合わせた学習も可能になる。

ソフトバンクとベネッセ、教育系出版5社のデジタル教材配信

ソフトバンクとベネッセホールディングスは6月24日、教育系の出版社5社のデジタル教材を学校向けに配信するサービスを夏から始めると発表した。学校の教員が生徒のタブレットなどに配信するほか、生徒自らが問題を検索して学習できる。ベネッセが持つ教材だけを提供してきたが、コンテンツを充実させて利用を増やす。両社が折半出資で設立したクラッシー(東京・新宿)がオプションサービスとして提供する。学研教育出版や山川出版社など5社が作成した教材を提供する。

佐賀県武雄市立小学校の反転授業 東洋大が検証報告

佐賀県武雄市立小学校が翌日の授業の要点を家庭でタブレット端末を使って予習する「反転授業」を東洋大学が検証し、「成績向上に寄与した可能性がある」とする報告書を6月9日に発表した。報告書によると、今年度の6年生について、昨春の県学力調査と今春の全国学力調査の結果を比較。市の平均正答率は、算数と国語でいずれも県平均を上回っていたが、算数の方で成績の伸びがみられたという。市教育委員会は今後、対象の学年や教科を広げる方針だ。

東洋大が検証報告

 

 

 

左から浦郷 究 氏、小松 政 氏、川崎 修平 氏、松原 聡 氏