学研ホールディングス(HD)は9月から福岡県飯塚市の公立小学校全22校で、フィリピン人とのオンライン英会話のサービスを始める。対象となるのは6年生1116人で、「外国語活動」の授業でオンライン英会話を9月から来年の2月にかけて10~12回実施する。通常授業45分のうち、25分を英会話に充てる。
今年の夏休みは、塾が提供する自由研究や宿題のテーマにつながるような体験型のイベントが、各地で開催される。株式会社全教研(福岡市中央区、中垣一明社長)は、8月20日に東京・港区のNTTコムウェア次世代ネットワークラボで、「宇宙」をテーマにした次世代型の学びを体験できるイベント「サイエンス×littleBitsで学ぶ宇宙 ~キッズ宇宙開発局~」を開催する。このイベントに参加できるのは、小学1年生~6年生で午前・午後でそれぞれ20名(申し込み多数の場合は抽選)まで。参加費は1500円(税込)で、約2時間の体験型カリキュラムとなっている。
同イベントは、磁石で電子回路つないで電子工作をすることで、電子回路を楽しく学べる「littleBits」が提供するセンサー使い、宇宙工学や光の仕組みについて学習し、littleBitsが提供するセンサーを使って、自分だけのマーズ・ローバー(火星探査機)を完成させる。イベント中に作成したレポート(ミッション報告書)をもとに、グループごとでディスカッションもすりなど、講座の進め方もアクティブ・ラーニングの要素をふんだんに採り入れている。
ITスキルの向上のみならず、子供の創造性や自ら学ぶ姿勢を育むことを目指して昨年7月に開校した、株式会社ワオ・コーポレーション(大阪市北区、西澤昭男代表)の「WAO!LAB(ワオラボ)」では、小学1年生〜中学3年生を対象に、ロボットやプログラミング学習を気軽に体験できる夏期特別講座を用意している。同講座では、3Dプリンターを使ってフィギュアやはんこなど自分だけのオリジナル作品も作ることができる。
35周年スペシャルイベントに出席した来賓と東進の社員
岐阜県内で東進ゼミナールなどを展開する株式会社東進(岐阜県可児市)は、創立35周年スペシャルイベントとして「特別教育講演会」を、6月11日、美濃加茂市内で開催した。
東進ゼミナールの卒塾生でモデルで女優としても活躍する鈴木ちなみさん
会場には、東進の社員や講師のほかに、東進ゼミナールに通う生徒や保護者を含め約150名が参加した。スペシャルゲストとして招かれた、多治見市出身で高校時代に東進ゼミナールに通っていた、モデルで女優としても活躍している鈴木ちなみさんや、美濃加茂市の藤井浩人市長も登場し会場を沸かせた。
スペシャルゲストとして招かれた藤井浩人 美濃加茂市長
講演会では、元ユネスコ特命全権大使であり、千葉科学大学学長の木曽功・内閣官房参与や、公益財団法人ユネスコ・アジア文化センターの佐々木万里子氏らが招かれ、〝これからの教育〟をテーマに講演した。また、今年で創立35周年を迎える東進は、6月13日より社長に就任する飯田裕紀(ひろき)取締役の就任式もおこなわれた。
株式会社東進の新社長に就任した飯田裕紀氏
就任の挨拶で裕紀氏は「私たちは教育者として、教科や知識を教えるだけでなく、子供たちが成長し将来活躍できるよう、『生きていく力』をつけることが使命だと確信している。私の父(陸三氏)が創った企業理念「成長と感動」を引き継いで、より一層子供たちのために教育を追求していきたい」と話した。
飯田陸三前社長は「新たな教育ビジネスモデルを創り、それを成立させてほしい」と創業者として、そして父として息子に希望を託す。
同社は、その実現を目指して、ほか企業や団体とも積極的にコラボレーション(協働)し、最先端の教育を生み出して行きたいとしている。同社はこれまでにも、全国に花屋のネットワークをもつ花キューピットと、卒業に際して保護者に花をプレゼントすることを通して「感謝すること」の素晴らしさを体感してもらうイベントを企画したほか、広告代理店の電通とは、自分で教科にとらわれず自由に問題を考え、友人や先生や保護者と答えを出し合う「こうかんドリル」を考案し、子供の創造力や表現力、コミュニケーション能力を引き出すきっかけを用意している。また、今夏からは、語学留学を支援するスクールウィズと協働でフィリピン英語留学ツアーを企画し、生徒たちの自己管理能力、コミュニケーション能力、挑戦する力を鍛えるという。東進は、35周年を機に社長交代し、これからも社員一丸となって教育サービスの最先端をひた走るために、さらなる挑戦を続けていく構えだ。
明利学舎の外観
中学受験・高校受験に必要な力とはなにか?
いま、日本の教育は大きく変わろうとしている。文科省の中央教育審議会でも高校教育、大学入試、大学教育の三位一体の高大接続改革が議論されている。また、産業界や経済界からもグローバルに活躍できる人材のニーズが高まっていることから、2018年には小学5年生から英語が教科化されるなど、公教育でも大きな変化がはじまろうとしている。こういった環境の変化を受け、中学受験・高校受験においても、子供に求められる力が変化していくことは避けられないとみられる。受験事情が大きく変化していく中で、子供たちが身につけておくべき力とは一体何だろうか?
明利学舎の鈴木明男塾長
「間違いなく、ひとつ目に挙げられるのは〝国語力〟です」と答えるのは、明利学舎の鈴木明男塾長だ。「特に中学受験では1分間で1000字、10分で1万字の読書スピードが必要です。都立一貫校の適性検査型入試では、45分間で膨大な量の文章を読み、記述式で答えなければなりません」この国語力を下支えして、読解力や語彙力といった能力を伸ばすのに最も適しているのが読書だ。しかし、子供に読書の習慣をつけさせることは、そう簡単にできることではない。
それを実現するために、明利学舎で10年以上も前から導入しているのが、読書から国語力を育てる『読むとくメソッド®ことばの学校』だ。読むとくメソッド®ことばの学校は、あらかじめ選ばれた「良書」を、朗読音声を聞きながら読書することによって、「速読」や「多読」する力を自然に身につけることができる。また、音声の再生速度は10倍速まで上げることができるので、「読書速度」がアップし、その分たくさんの本を読めるようになるのが特長だ。
ゆったりとした空間で学べる明利学舎の教室
都立中高一貫校をはじめ、有名私立中学校受験に毎年着実に合格者を出している明利学舎は、同塾のある江戸川区のみならず、区外からも電車を使って通う生徒がいるほど、指導力には定評がある。並みいる競合の塾を抑えて明利学舎が選ばれるのには理由がある。それは、明利学舎が中学受験の先を見据えた教育をおこなっているからだ。
「中学受験の先」というのは、中学受験に挑戦して合格でも不合格でも、そこをゴールとするのではなく、合格したのなら将来自分が何になることを目指し、進学した学校でどんな力を身につけるかを意識できるようにし、不合格だったとしても、3年後に迎える高校受験に向けてさらに自分を高めるために努力できるようにすることだ。
明利学舎が、そのために取り組んでいることの一つが対象小5以上で『明利版 アクテイブラーニング(人間力養成講座)』だ。心温まるエピソードや人生哲学等々を用い、テーマについてデイベート、読解力や感想作文、小論文を書かせたりする。
また、独自におこなっている『親子特別授業』では、生徒だけでなく、必ず保護者にも参加してもらい、効果的な記憶法をはじめ、2日間にわたって人間力養成講座の要素を徹底的に身につけてもらう。
これらの取り組みは、まさにこれからはじまる高大接続改革で求められる能力であり、さらにはその先をも見据えた取り組みと言える。
国語力を身につけないことについて鈴木塾長は、「パターン学習しかやってこなかった子供は、言葉から具体的なイメージができないのです」と、その弊害を語る。
これが英語であっても、たとえば和訳問題であれば、英語の単語をいくら覚えていても、国語力がなければ、文章を組み立てることができない。あるいは、都立中高一貫校で課される適性検査型の試験で、文章を読み進めて答えなければならない問題では、なおさら国語力が求められる。
「読むとくメソッド®ことばの学校でトレーニングをすることによって、子供たちは自ら新しい本を読みたがるようになります。そして、日本語を理解できることによって、自ら勉強する意欲がでます。国語力が高い子は、総じて偏差値も高いですし、国語力=学力と言っても過言ではありません」(鈴木塾長)という。
読むとくメソッド®ことばの学校は、ただ速読、多読するだけではない。たとえば、読書で半年に一度の語彙や読解力は、「読書ワーク」という専用のテキストを用いて理解度の診断をする。また、「読書指数®診断」では、
A:推定語彙量診断(辞書から無作為抽出した50語の正答数から大まかな語彙量を推定)
B:学年語彙力診断(小2から小6の教科書レベルでどれくらいの語彙を知っているかを測定)
C:分野別語彙力診断(ことわざ、外来語、オノマトペなどの語彙力を測定)
D:読書速度診断(速く正確に読む読解力を診断)
これら4つの軸で国語力を客観的に診断する。読書を通して得られた国語力をきちんと数値で測り、子供たちの成長を可視化している。
読書の大切さは様々なところで言われているが、一方でその定義は曖昧だ。しかし、国語力という曖昧なものを数値化することによって、自分の力がどのくらいなのかを客観的にみられるというのが『読むとくメソッド®ことばの学校』の最大の特長でもある。
鈴木塾長は言う。「学力をつけると言って、詰め込み、パターン学習ばかりやってしてしまうと、日本語を読んでイメージする力がまったく身につきません。思考回路が硬化してしまうのです。すると、本当の意味で考えることができなくなってしまい、社会に出てからも、予測不可能な様々な問題に対して臨機応変に対応できなくなってしまう。こういった能力は、特に小学生のうちに鍛えるしかないのです」。
成績が伸び悩んでいるお子さんがいたら、ぜひ〝国語力〟に注目してみてはどうだろうか? あるいは、中学受験を考えている保護者のなかには、これから子供が大人になった時に生きていく世界に思いを馳せる方も少なくないのではないか?
国語力は、中学受験・高校受験で合格を獲得するためだけの力ではない。正解がひとつではない世の中で、これから社会で求められる力は、正解がない問題を如何に解決していくのか、ということだろう。つまりそれは、まだ形のないものをイメージし、言語化して他人と共有できる力と言い換えることもできる。それを支えるのは、紛れもなく国語力だ。そして、国語力は豊かな人生へと繋がっていく。つまり、『読むとくメソッド®ことばの学校』は国語力を育てるだけではなく、豊かな人生を生きるための〝人間力〟も育ててくれるのだ。
外部リンク:明利学舎のウェブサイト
外部リンク:ことばの学校を受講できる近くの教室を探す
幼児から高校生を対象に、〝熱中できるまなび〟のポータルサイト「学研ゼミ」(http://gk-zemi.jp/)が、7月1日にオープンする。それに先立ち、6月1日から登録受付を開始した。
7月1日から配信されるコンテンツは、無学年制のドリル学習コンテンツ「ワンダードリル」、6冊の辞典と学研ニューワイド学習百科事典が使い放題の「学研デジタル百科事典+(プラス)」、学研や提携会社のアニメーション、「理科の実験動画」、「逆上がりなどの体育動画」などが見られる「学研チャンネル」、「朝日小学生新聞・朝日中高生新聞」と協働し、学研オリジナル記事と合わせて毎日ニュースを配信する「学研ジュニア新聞 話したくなるニュース Powered by 朝日学生新聞社 × 学研」だ。これらは、すべて月額500円(税抜)で利用できる。
「ワンダードリル」のマップ画面
なかでも注目したいのは「ワンダードリル」だ。ゲーミフィケ―ションを採用し、ドリルの世界にキャラクターとして参加し、仲間と世界を冒険しながら学べるようになっている。トータルプロデュースは、チームラボが担当している。
学研デジタル百科事典+」のトップ画面
これらに加えて、「宇宙ミッション体験」、「マンガ家体験」などの体験コンテンツ、あるいはスイミングスクールなど異業種とコラボレーションした協業コンテンツも提供される予定だ。これらは、アクティブラーニングを意識したものだが、協業者は、導線コンテンツとしての活用も目論む。
学習塾向けには、7月1日から「学研プライムゼミ」という大学入試対策の映像講義コンテンツを提供する。こちらは、ウイングネット社と協働し、同社のウイングネットを通して配信する。先に挙げたコンテンツの導入はもちろんこと、生徒の進捗度合の管理機能など学習塾での運用を想定したものが多数搭載される。
学研教育アイ・シー・ティーの北居誠也社長
株式会社学研教育アイ・シー・ティーの北居誠也代表取締役社長は、「学研ゼミを使った教育ビッグデータの活用も想定している」と言う。そして、学研ゼミについて「学力を氷山に例え、見えている部分を3、見えていない部分を7とすると、我々はその見えていない部分も支援していきたい。そのために、学習記録や読書記録などのログも取ることが可能になっている」と語る。
10月1日には、キッズクラス、図書コンテンツなどを追加し、幼児もフォローした上でグランドオープンする予定だ。