Category: 塾ニュース|サイエンス

体内時計 コントロールする脳の神経細胞群を特定 筑波大らのチーム

筑波大の柳沢正史教授らのチームが、生物の体内時計の周期を保つペースメーカーの役割を果たしている脳の神経細胞群をマウスの実験で特定したと発表した。研究チームは、複数のアミノ酸の集合体であるペプチド「ニューロメジンS」(NMS)が視交叉上核でのみ生み出されていることに着目。マウスの実験で、NMSを生む神経細胞群の体内時計の働きを止めたり遅くしたりすると、個体の行動リズムもそれに合わせて変化することを確認した。同細胞群は視交叉上核の約40%を占めるという。

桜前線 平年並みか早め  ウェザーニューズ調べ

ウェザーニューズ(千葉市)は2月22日までに、今春の桜の開花は東日本から西日本にかけては平年並みかやや早め、北日本はやや早めとする予想を発表した。1月上旬と2月上旬の気温は平年よりかなり低かったが、開花直前に気温が上がり、3月下旬以降も高くなる日があるとみられる。予想によると、主な名所で最も早く開花が始まるのは、長崎市の立山公園と熊本市の熊本城で3月20日ごろ。その後、九州や四国沿岸から西日本、東日本へ広がる。

花粉飛散、いよいよ各地でピーク

日本気象協会(東京)は2月20日までに花粉の飛散の予想を発表した。飛散量は東北で昨年の3倍以上となるなど、東日本で多くなるとみられる。主な都市のスギ花粉のピークは、福岡が2月下旬~3月上旬と予想。その後は東京や名古屋、大阪、広島、高松が3月上~中旬、仙台と金沢が3月中~下旬と北上する。スギ花粉の後は、4月中旬にかけてヒノキ花粉が飛散するが、仙台と金沢は量が少ないため、ピークはないと見込まれている。北海道は4月下旬~5月上旬にシラカバ花粉が飛ぶとしている。

2014年の世界の平均気温、観測史上最高値

米海洋大気局(NOAA)は1月19日までに、2014年の世界の平均気温は、観測が始まった1880年以降で最高値を記録したことを明らかにした。世界の陸上、海上の平均気温は20世紀の平均より0.69度高く、これまでの最高記録を約0.04度上回った。先月の陸上の気温は平均を約1.36度も上回り、12月の気温としては観測史上3番目の高さ。史上最高の暖かさを記録した地域はロシア極東地域や米西海岸、欧州など。一方で北半球の積雪も下半期を中心に平均を超え、史上最大級の量を記録した。

人工知能でカンニングを発見 京大などのグループ

人工知能を使い、試験で他人の答案をのぞき見するなどのカンニングを検出する技術を、京都大などのグループが開発した。京都大の大関真之助教(システム構成論)らは、「機械学習」と呼ばれる人工知能の技術を使い、試験を受ける人の過去の成績と、試験問題の難易度、クラスメートの回答の重なり具合などを計算するプログラムを作った。カンニングの疑いが低い人を順番に除外して、疑わざるを得ない人を特定する。これまで教員の経験に頼っていた手法を取り込み、高い精度で自動的に見つけ出せるという。

無人探査機、彗星に着陸 世界初 欧州宇宙機関

欧州宇宙機関(ESA)は、無人探査機「ロゼッタ」から切り離した着陸機「フィラエ」が11月13日午前0時半すぎ(日本時間)、彗星に着陸したと発表した。彗星への着陸に成功したのは世界で初めて。着陸したのは、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。地球から5億キロ程度離れたところにあり、最高時速10万キロで太陽の方向に移動している。フィラエは今後、彗星の上にとどまり、ロゼッタも彗星とともに太陽に接近する。太陽に近づくにつれて彗星から噴き出すガスやチリの様子などを2015年末まで観測する。

人工知能「東ロボくん」、英語の成績アップ

国立情報学研究所などが開発する人工知能「東ロボくん」が、今秋の大学入試センター試験の模擬試験に挑戦した。10月30日、英語の成績が発表され、昨年に比べて大幅に点数を伸ばし、受験者の全国平均を上回った。昨年度の英語は200点満点で52点(偏差値41)と成績が悪かったため、研究チームはNTTを加えて人工知能を強化。過去問で「特訓」した結果、今年の模試は95点(偏差値50.5)に。苦手な会話文の完成や、文章の要旨把握の問題で正答率が上がった。英語以外の成績は11月2日に発表する。

若狭高校のサバ缶、JAXA宇宙食の候補に

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙日本食の新たな候補に、福井県立若狭高校(小浜市)のサバ醬油(しょうゆ)味付け缶詰が選ばれた。衛生面や栄養、設備などの基準を満たせば、保存試験を経て2016年秋ごろに認証される。栄養バランスを充実させ、宇宙に長期滞在する宇宙飛行士のストレスを減らそうと、07年からJAXAが認証を始めた。一定の栄養や保存期間があり、水分やかすが飛散しないなどが条件。これまでにラーメンや山菜おこわなど12社の28品目が認証され、27品目が宇宙へ運ばれた。

ノーベル物理学賞 赤崎・天野・中村氏 青色LEDを発明

スウェーデン王立科学アカデミーは10月7日、2014年のノーベル物理学賞を赤崎勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大学教授に授与すると発表した。少ない電力で明るく青色に光る発光ダイオード(LED)の発明と実用化に貢献した業績が認められた。照明やディスプレーなどに広く使われている。世界の人々の生活を変え、新しい産業創出につながったことが高く評価された。授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金800万クローナ(約1億2000万円)は3氏で分ける。

「アラル海」、ほぼ消滅 NASA画像公開

米航空宇宙局(NASA)は、かつて世界で4番目に大きな湖だった「アラル海」が過去14年で縮小を続け有害な砂をまき散らす広大な砂漠と化している画像を公開した。アラル海は中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンの国境をまたぐ地域にあり、現在は元の湖の中心だった部分が「南アラル海」と呼ばれている。縮小は今年に入ってピークに達し、南アラル海の東側の部分が完全に干上がった。