九州産業大学(福岡市)は3月19日、7千倍の高倍率で観察できるカラー電子顕微鏡を開発したと発表した。光学顕微鏡と電子顕微鏡の画像を、独自の画像処理により高倍率でカラー化する装置を開発。システム全体で「蛍光電子顕微鏡」と命名した。光学顕微鏡は色を識別できるが、倍率が最大3千倍程度と低い。一方、電子顕微鏡は高倍率だが色を識別できない課題があった。同大によると、実用レベルとしては世界初。がん組織の病理診断などでの活用を見込んでおり、倍率を2万倍まで高め、2018年の製品化を目指す。
大阪大の西田幸二教授らは3月9日、ヒトのiPS細胞で目の発生段階を再現し、本物に近い角膜上皮を作ることに成功したと発表した。角膜の難病を持つ患者に移植する臨床研究を来年度中に申請する計画だ。
特殊なたんぱく質で作った「足場」の上でiPS細胞を培養した結果、4種の細胞層に自然と分かれ、バームクーヘンのように同心円状に広がる組織ができた。中心部に脳につながる中枢神経のもとになる細胞、一番外側には目の表面になる細胞ができ、その間に角膜などを作る2種類の細胞が並んだ。
このうち角膜のもとになる細胞を取り出してシート状にし、角膜上皮を作った。ウサギ7匹の目に移植して、シートの効果で瞳が透明になることを確認した。
iPS細胞から特定の細胞を作る技術はすでにあり、網膜の難病患者に移植する臨床研究が始まっている。今回はより実際の目の発生に近い状態で4種の細胞層を作ったため、それぞれの細胞の機能が高いという。
ソニー・グローバルエデュケーション(以下、SGED)は、新たなコンセプトにもとづいたロボット・プログラミング教育キット「KOOV(クーブ)」を2016年夏に発売することを明らかにした。自由な形を作れるアーテック社のブロックと、電子基板を組み合わせたロボット教育キットだ。

ソニー・グローバルエデュケーションの礒津 政明社長
『月刊私塾界』3月号の〈企業研究〉でも紹介しているSGEDは、誰もが簡単に教育を受けられ、競い合い学び合えるよう、アプリやサービスの枠を超えた新しい教育インフラを創り上げることを目的に2015年4月に設立された。現在、世界的に注目を集めているSTEM(Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Mathematics:数学の略)教育において、ロボット・プログラミングが主要な教材として広がりを見せているが、今回リリースした「KOOV」は、SGEDが昨年秋に初等教育向けに策定した「STEM101」という、Think(思考力)、Make(創造力)、Feel(探究力)の3つの要素で構成されるの新しいカリキュラムのMake=「技術・工学を中核に、ロボット、プログラミングなどものづくりを習得する創造力プログラム」の要素を具現化した最初のプロダクトとして発表した。
KOOVは、2016年夏に商品化を予定。商品化にあたってSGEDは学校教材のトップメーカーであるアーテックと共同開発契約を締結し、製品開発をはじめている。両社のノウハウを活かし、ロボット・プログラミング教育の事業を拡大していくとしている。