Archive for: 1月 2015

人工知能でカンニングを発見 京大などのグループ

人工知能を使い、試験で他人の答案をのぞき見するなどのカンニングを検出する技術を、京都大などのグループが開発した。京都大の大関真之助教(システム構成論)らは、「機械学習」と呼ばれる人工知能の技術を使い、試験を受ける人の過去の成績と、試験問題の難易度、クラスメートの回答の重なり具合などを計算するプログラムを作った。カンニングの疑いが低い人を順番に除外して、疑わざるを得ない人を特定する。これまで教員の経験に頼っていた手法を取り込み、高い精度で自動的に見つけ出せるという。

3年で1000校超減る 統廃合、小学校同士が7割

文部科学省は1月19日、統廃合に関する全国調査の結果も公表した。2011~13年度の3年間で小中学校計1852校が統廃合の対象となり、計782校になった。統廃合の内訳は小学校同士が72%、中学校同士が24%。小中学校を1校にまとめる小中一貫校が4%あった。各教委に統廃合の効果を聞いた(複数回答)ところ、「友人が増えた」(66%)、「多様な意見に触れる機会が増えた」(55%)との答えが多かった。「通学時間が長くなることによる児童生徒の疲労」を課題として挙げた教委も22%あった。

センター試験終了 各科目の平均点の中間集計は21日に発表

大学入試センター試験は1月18日、理科と数学の試験があり、2日間の日程を終えた。大学入試センターは21日に、各科目の平均点の中間集計を発表。科目ごとの平均点の差が大きく、得点調整をする場合は23日に発表する。国公立大への出願は26日から2月4日まで。

在宅患者向け小型心電計 東北大

東北大学の吉沢誠教授らのグループは在宅患者向けの小型心電計を開発した。患者の胸にセンサー付きの専用パッドを貼り、心拍の状態を読み取る。データは近距離無線通信「ブルートゥース」で室内のスマホなどに送信。医師はクラウド経由でスマホやタブレットから心電図の波形を確認できる。心拍に異常があればスマホの画面やメールでアラームを送る仕組みだ。昨年12月にイメージワンが発売した。価格は5年間のシステム利用料を含め、25万円。医師不足に悩む国内の在宅医療機関や高齢者施設のほか、海外でも販売する計画だ。

無利子の奨学金 所得の低い世帯向けがより手厚く

大学生は、無利子で借りられる人が44万1千人から46万人に。増える1万9千人のうち新たに対象となる人は8600人で、過去最高の8人数になるという。無利子の奨学金は所得の少ない世帯が優先されるが、枠が広がり、基準を満たせば年収300万円以下の世帯の学生全員が無利子で受けられるようになる。高校生への返済不要の奨学給付金は、概ね年収250万円未満の家庭で、一番上の子の私立の全日制が1800円増の年3万9800円に、国公私立の通信制も年9千円前後増える。生活保護の世帯では通信制も新たに対象となる。

最近の子ども「キレやすい」約4割 教員対象のアンケート結果

味の素(東京都中央区)が実施した教員対象のアンケート調査結果では、以前より当てはまる子どもの行動を聞いたところ、「落ち着きがない」との回答が42・5%▽「キレやすい、ぐずりやすいなど必要な時に感情を抑えられない」40・5%▽「かみつく、たたくなど暴力的に振る舞うことが多い」35%−−の順だった。運動能力に関しては30・5%が「予想外の部位にけが・骨折をする」、28・5%が「転倒した際に手が出ず、顔から転ぶことがある」を挙げた。

いじめ撲滅を目指す「ピンクシャツデイ」が日本でも始動

1月12日(月)、日本教育学院 光が丘教室(東京・練馬区)において2月25日(水)に開催される「ピンクシャツデイ」のキックオフミーティングがおこなわれた。ピンクシャツデイとはカナダのバンクーバーで2007年に始まったいじめ反対運動のこと。2人の学生が学校でいじめられていた少年を助けるために、少年が着ていたのと同じピンクのシャツ50枚を学校で配布。すると校内がピンクに染まり、いじめが自然となくなったという。

その出来事をきっかとして、毎年2月の最終水曜日にはピンクのシャツを着ながら曲に合わせて踊るチャリティーイベントが開催されるようになった。現在では世界75カ国、200万人がこの運動に携わっている。

武田利幸専務理事と日本教育学院に集まった学生達 日本でピンクシャツデイの活動が始まったのは13年2月。当初は個人有志によっておこなわれていたが、14年10月には一般社団法人 ピンクシャツデイジャパンが設立され、今年が日本におけるピンクシャツデイの初の正式イベントとなる。

今回のミーティングに集まったのは、練馬区内の理美容店に貼ってあったポスターに興味を持ったという学生たちと、同法人の専務理事である武田利幸氏の友人だ。「ピンクシャツデイに細かい制約はありません。バンクーバーではその日、州知事がピンクのシャツを着て過ごし、銀行でも行員がピンクのシャツを着用したりします。それに、2月の最終水曜日だけはなく、自分だけのピンクシャツデイをつくってもいいのです。みんなでピンクのシャツを着て、いじめ撲滅のきっかけをつくりましょう」と呼びかける武田氏。現在、日本では2000人がピンクシャツデイ運動の会員に登録しており、15年中にはすべての都道府県に支部をつくりたい考えだ。

大阪で初の中学統一テスト 475校実施、内申に反映へ

大阪府内の公立中学1、2年生全員を対象にした府教育委員会の独自の統一テスト「チャレンジテスト」が1月14日、府内475校で初めて行われた。今年は約15万人が対象で、中1が国数英の3教科、中2が国社数理英の5教科。2学期までに学習した内容が出題される。今回は試行だが、2015年度以降、結果を高校入試の内申点の修正に用いる。文部科学省によると、統一テストを高校入試に結びつける手法は珍しい試みという。府教委の担当者は「学力向上につなげたい」としている。

放課後学習はワオの講師がオンラインで授業 佐賀・上峰の中学校

放課後の教室で、パソコンを通して学習塾の講師からオンラインで教わる「補充学習」が1月9日、佐賀県上峰町の上峰中学校で始まった。町が委託した学習塾はワオ・コーポレーション(本社・大阪市)。今回のために雇用した5人の講師が佐賀市内の同社事務所でパソコンの前に着席、指導した。昨年12月に事前テストを行い、生徒一人ひとりの理解度に応じた個別カリキュラムも作成して臨んだ。1回の学習定員の5人の生徒が端末画面に映る講師に質問したり、デジタルのペンとノートを使って添削指導を受けたりした。

LINE、チャットで求人

LINE(東京・渋谷)が49%、人材サービスのインテリジェンスホールディングス(HD)が51%を出資して新会社を設立し、2月中に「LINE バイト」サービスを始める。資本金は3億円。インテリジェンスはアルバイト求人情報サービス「an」で取り扱う約10万件の求人情報を提供するほか、新規の求人企業を開拓する。学生などの求職者は普段使っているLINEの対話機能を使って希望に合った働き先を探せる。採用担当者と求職者がチャット形式で対話できるようにもする。