ロイロノート 1日の利用者数が300万人を突破 導入は約1万4000校

 株式会社LoiLoは9月28日、協働学習・授業支援プラットフォーム「ロイロノート・スクール」の1日当たり利用者数が、同月に300万人を超えたと発表した。2018年11月の約6・6万人から約46倍に増えたという。

 同社発表によると、導入校は小学校から大学、特別支援学校など約1万4000校で、累計ユーザー数は約2500万人。複数の児童生徒が同じ画面を編集する「共有ノート」は1日約57万人、テスト・アンケート機能は同約68万人が利用している。作成されたノートは累計約15億個、教員と児童生徒の間で行われた資料配付や課題提出などのやり取りは約30億回としている。

 同社は今後、AIチャットの内蔵や外部AIとの連携、教員が利用を制御する「AIロック」などを開発し、追加料金なしで提供する予定だ。

 日次利用者数の拡大は、学校ICTが特別な授業用ツールから日常的な学習基盤へ移ったことを示す。学習塾でも、学校で作成されたデジタル教材や学習記録との接続を前提に、宿題、添削、協働学習の設計を見直す必要性が高まりそうだ。

オンライン予備校「河野塾」 提携自習室が全国300店舗を突破

 株式会社Stardyは9月28日、オンライン予備校「河野塾」の塾生向け提携自習室・学習スペースが、全国300店舗以上になったと発表した。同サービスでは、一定の利用条件を満たした河野塾生が、外部事業者の運営する自習室や学習スペースを優待価格または特別プランで利用できる。塾生はオンラインで授業を受けながら、居住地域や学習スタイルに合わせて提携施設を選択する。同社は今後も提携先を増やす方針である。

 オンライン塾は商圏の制約を受けにくく、校舎運営コストを抑えられる一方、自宅では集中できない生徒の学習場所をどう確保するかが課題になる。外部の自習室ネットワークと連携する今回のモデルは、指導機能と教室機能を分離し、必要な場所だけを他社との提携で補完するものといえる。

 既存塾にとっても、空き時間の教室を外部サービスに提供する、オンライン教材事業者と地域塾が学習場所を共同運営するといった展開を検討する材料になる。ただし、地域別の店舗数、実際の利用者数、提携施設側の収益条件は発表されておらず、事業性の評価には追加確認が必要だ。

文科省 生成AIガイドライン改定、デジタル教科書などを10月1日に審議

 文部科学省は10月1日、中央教育審議会初等中等教育分科会のデジタル学習基盤特別委員会を開催する。初等中等教育における生成AIの利活用ガイドライン改定、情報活用能力の抜本的向上、デジタルな形態を含む新たな教科書の制度改正などを議題とする。

 委員会ではこのほか、2026年度全国学力・学習状況調査とPISA2025のICT関係の結果、令和9年度概算要求、次期ICT環境整備方針等を検討するワーキンググループの設置についても扱う。会議は対面とオンラインを併用し、傍聴はオンラインで受け付ける。

 今回公表されたのは開催案内であり、制度変更が決定したわけではない。ただ、生成AIの利用ルール、端末整備、デジタル教科書を同じ会議で扱う点は重要だ。学校の授業環境が変われば、学習塾にも教材のデジタル対応や、学校と塾で異なるAI利用ルールの整理が求められる可能性がある。配布資料と審議結果を継続して確認する必要がある。

慶應義塾 全教職員約1万1000人にNotion展開 利用者の約8割がAI機能を活用

 慶應義塾とNotion Labs Japan合同会社は、慶應義塾が進める「AIキャンパス構想」の共通基盤として、Notionの全学展開を始めた。2026年5月27日、非常勤を含む全教職員約1万1000人に利用環境を提供した。発表によると、2026年8月時点の直近90日間では、Notion利用者の約8割がNotion AIを利用し、AI機能の実行回数は25万回を超えた。全キャンパスの教職員を対象とした研修には延べ1000人以上が参加。実務適用段階の研修では、参加者の9割以上が自分の業務に合わせた仕組みを作成し、8割以上が実際の業務での活用をイメージできたと回答した。

 主な用途は議事録作成、情報の横断検索、ナレッジ・マニュアル整備、タスク管理である。単にAIサービスのアカウントを配付するのではなく、合同チームが基盤設計、研修、教職員ポータルの構築まで担った点が特徴となる。学習塾でも、本部と教室間の情報共有、講師用マニュアル、面談記録、教材情報の検索などに応用できる。ただし、個人情報や成績情報を扱う場合は、利用範囲やデータ管理ルールを導入前に定める必要がある。

早稲田大学、生成AIチャットを学生支援に活用 応答数は従来比約8割増

 SELF株式会社は9月28日、早稲田大学に導入した生成AIチャットボット「SELFBOT」の活用事例を公開した。早稲田大学は2025年4月から、学生向け情報サイト「Support Anywhere」など、学生・教職員向けの複数の情報提供チャネルで同サービスを利用している。従来は、職員がキーワードと回答文を事前登録するチャットボットを運用していたが、誤字や想定外の表現、自然な文章での質問に対応しにくい課題があった。SELFBOTではウェブページなどを回答の参照情報として登録し、文章形式の質問にも対応する。職員が回答文を個別に作成する負担も減ったという。

 同社が公開したインタビューによると、一定期間の利用状況を比較した結果、応答数は従来型より約8割増え、2倍弱となった。比較期間と応答数の実数は公表していない。

 大学側は月ごとに担当者を決め、会話ログから重大な誤回答がないかを確認。学生の質問を分析し、ウェブページ、回答設定、プロンプトの改善にも利用している。生成AIを問い合わせ対応だけでなく、利用者の困り事を把握する手段とした点は、学習塾の生徒・保護者対応にも参考となる。

中央国際高・沖縄中央高、日本福祉大学と教育連携 大学施設や特別講座を活用

 学校法人中央国際学園が設置する広域通信制高校の中央国際高等学校と沖縄中央高等学校は9月18日、日本福祉大学と教育連携に関する協定を締結した。締結式は同大学の東海キャンパスで行われ、9月28日に発表した。協定に基づき、両高校は日本福祉大学のキャンパスなどの施設・設備を教育連携施設として活用する。大学教員による特別講座も実施し、高校段階の学習と大学での専門的な学びを接続する教育機会を設ける。

 中央国際高等学校では近年、日本福祉大学へ進学する生徒が増えているという。これまでも同大学の教員がサポートキャンパスを訪れ、心理学入門などの出張授業を行ってきた。今回の協定は、既存の交流を施設利用や教育プログラムへ広げるものとなる。

 通信制高校では、生徒の多様な学習状況に対応しながら、卒業後の進路を具体的に示す取り組みが重要になっている。大学の施設や教員と接する機会を設ける今回の連携は、進路選択と学習意欲の双方を支える高大接続モデルの一例となりそうだ。

文科省、全国学力調査データの貸与指針を検討 個票・匿名データの改定版を公表

 文部科学省は9月25日、「全国学力・学習状況調査」の集計結果データ貸与に関する有識者会議をオンラインで開催した。集計結果データの貸与に係るガイドラインの改定を議題とし、個票データ編と匿名データ編の資料を公表した。

 全国学力・学習状況調査のデータは、児童生徒の学力や学習状況、学校・地域による傾向などを分析する基礎資料となる。今回の会議ではガイドライン改定のほか、データ貸与の申出状況と個別案件の審査も扱った。貸与・申出状況と個別審査は非公開としている。公表された個票データ編と匿名データ編のガイドラインは、いずれも9月15日付の一部改定版である。具体的な改定内容や今後の運用については、会議資料と今後公表される議事内容を確認する必要がある。

 学力調査データの利用環境が整えば、教育施策や学習行動に関する研究の蓄積につながる。一方、今回の資料公表だけでデータの一般公開や民間利用の拡大が決定したわけではない。教育データ政策の進展として継続的に確認すべき案件である。

文科省、高等学校卒業程度認定審査の後期出願を開始 飛び入学者が対象

 文部科学省は9月28日、2026年度高等学校卒業程度認定審査の後期出願受付を開始した。出願期間は10月26日までで、郵送の場合は当日消印有効、メールの場合は同日23時59分まで受け付ける。同制度は、学校教育法に基づいて大学へ飛び入学したため、高校卒業資格を持たない人について、文部科学大臣が高校卒業者と同等以上の学力を有すると認定するもの。教育再生実行会議や中央教育審議会の提言を踏まえ、飛び入学制度の活用を促す観点から2022年度に始まった。

 出願書類の確認と審査は2026年11月から12月ごろに行い、結果は2027年1月末ごろに送付する予定。合格者には合格証書を交付し、大学卒業後の採用試験や国家資格の受験などに利用できる。

 一般に「高卒認定」と呼ばれる高等学校卒業程度認定試験とは異なり、大学への飛び入学者を対象とした審査制度である。対象者は限られるものの、学年や年齢にとらわれない早期進学を制度面から支える仕組みとして、進路指導担当者が把握しておきたい。

ワンダーファイ、カンボジアの幼小中一貫校設立に参画 2027年8月開校

 ワンダーファイは9月25日、同社が運営に参画するJapanese International School Phnom Penhが、カンボジア・プノンペンに幼稚園、小学校、中学校の一貫教育を行う新キャンパスを開校すると発表した。開校は2027年8月を予定し、9月22日に起工式を実施した。新キャンパスはプノンペンのミエンチェイ区にある約2ヘクタールの敷地に建設する。文部科学大臣による在外教育施設認定を目指す日本人学校と、国際バカロレア認定を目指す幼小中一貫のインターナショナルスクールを同一敷地に設ける。

 教育面では、国際バカロレアの探究学習と日本式の理数基礎教育を組み合わせる。既存のJISPP幼稚園は2025年に国際バカロレア候補校となっており、正式認定に向けた手続きを進めている。

 発表では、認定済みの日本人学校と国際バカロレア認定の幼小中一貫校を併設するモデルを「世界初」としているが、これはJISPPによる調査に基づく。出資額、ワンダーファイの具体的な運営範囲、定員や学費は明らかにしていない。教育企業が教材提供から学校運営へ事業領域を広げる海外展開例として、今後の運営体制と募集状況が注目される。

POPER、「Comiru」の動画添付上限を50MBへ 授業報告の映像共有を拡充

 株式会社POPERは9月25日、学習塾・スクール向け管理システム「Comiru」の指導報告書機能を更新し、添付できる動画の容量上限を従来の8MBから50MBへ拡大した。動画の添付機能は以前から提供していたが、容量の制限により送付できる映像は数秒程度に限られる場合があった。今回の更新により、画質によっては1分前後の動画も送付しやすくなる。問題に取り組む生徒の様子や授業中の発表、共同作業などを、指導報告書とともに保護者へ共有できる。

「Comiru」は、指導報告、保護者との連絡、出欠管理、月謝徴収などを一元化するクラウド型システム。2026年1月時点で7100教室以上、生徒51万人以上が利用している。

 学習塾では、成績や文章による報告だけでは伝えにくい学習過程を動画で示すことで、指導内容の可視化につながる可能性がある。一方、生徒の映像を扱うため、撮影・送信に関する保護者の同意、保存期間、共有範囲などの運用ルールも併せて整える必要がある。