教職課程を厳選、CBTや段階別免許を検討 中教審が教員制度改革案

 文部科学省は9月9日、中央教育審議会大学分科会の会議資料として、教職課程や教員免許制度を見直す「審議のまとめ(案)」を公表した。教員免許取得に必要な共通的な学修内容を厳選し、多様な学部・学科の学生が教職課程を履修しやすくする一方、各自の「強み専門性」に関する学修を位置付ける。

 教職課程には、児童生徒の多様な特性と包摂、学級経営、教育方法、デジタル学習基盤などを加える。コアカリキュラムの到達状況を確認するCBTを導入し、教員採用試験の一次選考との連動も検討する。教育実習では、記録様式の全国標準化・電子化や、一部を学校体験活動とする仕組みを盛り込んだ。

 教員免許状については、基礎的、標準的、上級の段階に再編する方向を提示。算数、理科などの小学校専科免許状の新設、高専卒業者の免許取得、特別免許状の授与基準の具体化なども検討する。

 現時点では審議案であり、実施時期や具体的な必要単位数は決まっていない。ただ、教員不足への対応が、採用人数の確保から養成・免許・研修制度全体の再設計へ進んでいる。塾講師や民間教育経験者が学校教育へ参入する経路が広がる可能性もあり、教育人材市場への影響を継続して見る必要がある。

総合型選抜、728大学が実施 私大入学者の61・7%が推薦・総合型

 東進ハイスクール・東進衛星予備校などを運営する株式会社ナガセは9月8日、学校推薦型選抜と総合型選抜の拡大をまとめた入試分析を公表した。2025年度に総合型選抜を実施した大学は、国公私立を合わせて728校となり、大学全体の93・6%に達した。私立大学では574校が実施している。

 入学者に占める学校推薦型・総合型選抜の割合は、私立大学で61・7%となり、一般選抜は4割を下回った。国立大学でも20・4%、公立大学では32・9%を占める。実施校の割合は、学校推薦型選抜が国立93・8%、公立99・0%、総合型選抜が国立92・6%、公立80・6%だった。

 文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型・学校推薦型選抜で、面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などによる評価を必ず行うとしている。指定校推薦の一部などには例外がある。

 大学受験指導は、一般選抜向けの教科学習だけで完結しにくくなった。志望理由書、小論文、探究活動、面接、英語資格を含む複数の選抜方式を早期から組み合わせることが、塾の進路指導上も主要課題となる。

ブレスト、専用AI学習アプリを全14校舎へ 約400名が利用

 株式会社NITI Technologyは9月9日、株式会社ブレストホールディングスと共同開発した学習アプリ「ブレストAIアカデミー」を、ブレストグループの全14校舎へ導入したと発表した。中学3年生を中心に約400名が利用している。アプリは生徒自身のスマートフォンから使用する。問題を撮影して質問できる5人のAI先生、AIが出題する口頭試問、学習時間を記録する自習室タイマー、ランキングとミッション、学習カレンダー・宿題管理の5機能を備える。

 開発の起点となったのは、生徒が講師へ質問する際の待ち時間と、通塾日以外の学習状況を教室側が把握しにくいという課題だった。定期テスト対策では、英語の授業中にタイマーや質問機能を利用する運用も始めた。今後は数学など他科目と他学年へ広げ、学習ログ分析や保護者共有機能を強化する。他塾・教育事業者への提供も検討する。

 生成AIの導入では、教材機能だけでなく、講師が対応すべき質問の選別や家庭学習管理など、教室運営との接続が重要になる。本件は全校舎で運用段階へ進んだ事例だが、導入開始日、利用率、回答精度、講師業務の削減時間は公表されておらず、効果検証は今後の確認事項となる。

「ミライ式」が大垣書店内へ出店 専用教室を設けない学習塾

 株式会社TricoLogicは9月9日、株式会社大垣書店が京都市中京区に開業する複合型文化施設「BOOKHOME」内へ、「ミライ式 烏丸御池BOOKHOME校」を開校すると発表した。ミライ式として京都府への初出店で、オンライン校を含む全国25校目となる。同校では、専用の仕切られた教室を設けず、本と人が行き交う書店空間全体を学びの場として使用する。対象は小学1年生から中学3年生。探究型の学習と全科目の先取り学習を提供する。開校日はBOOKHOMEの開業に合わせるが、生徒募集開始日や定員、授業料は現時点で公表していない。

 TricoLogicは直営校とFCの展開に加え、事業会社との協業による教育拠点づくりを進める方針である。同社公式サイトでは、配管工事、印刷、内装、プラント設計など教育業界外の企業もFC加盟企業として掲載している。

 少子化や物件費、人材確保を背景に、既存施設の空間や集客力を活用する共同出店は、教室開発の選択肢となり得る。今回の校舎が継続的な集客や教室運営を実現できるかは未確認だが、書店と学習塾を組み合わせた異業種連携モデルとして動向を追う価値がある。

非受験小学生との接点づくりを支援

無料テスト連動の算数教材「これヤバ!ドリル」11月発売
 エデュ・プラニング株式会社(大阪市中央区、代表取締役・間屋口克氏)は、無料の実力テストから保護者面談、入塾後の学び直しまでを一体化した、学習塾向け算数教材「これヤバ!ドリル(これができないとヤバいよ!ドリル)」を11月1日に発売する。
 主な対象は、中学生を中心に指導する一方で、中学受験を予定していない小学生(非受験小学生)との接点づくりに課題を抱える地域塾。同社は本商品を、単なる教材ではなく、「無料テストを入口とした集客の仕組み」と位置づけている。

 この仕組みは、次の3段階で構成される。
 まず、塾名を入れた無料テスト「これヤバ!テスト」(小5・小6用各5種、印刷・配布専用)を地域の小学生に配布し、基礎学力の定着状況を確認する。次に、その結果をもとに保護者面談を行い、学び直しが必要な単元を具体的に示したうえで、通塾を提案する。入塾後は「これヤバ!ドリル」を使用し、前学年までの重要単元に立ち返って学び直しを進める。

 ドリルの収録範囲は、小5用が小3~小4、小6用が小3~小5。現在の学年で学ぶ内容は扱わないため、塾で使用しているメイン教材と役割が重複しにくい設計となっている。
 価格はいずれも990円(税込)。小5用はA4判・本文108ページで、小6用は現在制作中。ともに11月1日の発売を予定している。
 この仕組みは、熊本市の学習塾「ナルゼミ(なるほどゼミナール)」を運営する山中氏が、非受験小学生向けに独自に実践してきた取り組みを体系化したものだ。
 同社によると、この仕組みの原型を運用してきたナルゼミの小学生在籍数は、今年8月時点で69名。さらに、2027年4月に中学1年生となる現小学6年生に関して、在籍生以外の9名がすでに入塾を予約しているという。
 同社は、こうした実績について、「これヤバ!ドリル」の原型となった教材上の工夫に加え、日々の指導や成績向上の実績によって生まれたものだと説明する。今回商品化したドリルは、その取り組みを他の教室でも実践できるように構成したという。

 無料テストを通じて非受験小学生との接点をつくり、保護者面談から入塾後の学び直しへとつなげる仕組みは、少子化が進む中、生徒募集に悩む地域塾にとって、検討に値する選択肢の一つとなりそうだ。
 同社は今後、「これヤバ!」シリーズの他教科への展開も検討している。

教育測定研究所、「英検Jr.®」団体向け情報サイトを公開

 株式会社EduLabのグループ会社、株式会社教育測定研究所は9月8日、児童向け英語テスト「英検Jr.®」オンライン版の団体利用に関する情報サイトを公開したと発表した。サイト自体は9月1日に公開されている。対象は英会話教室、幼稚園、学童、学習塾などで、BRONZE、SILVER、GOLDの各テストについて、実施形式、料金、申し込み方法、活用事例、よくある質問をまとめた。1人から申し込むことができ、教室と自宅のいずれでも受験できる。

 同社によると、オンライン版とペーパー版を合わせた導入団体は、2026年2月時点で1500団体を超える。受験後には成績表や証明書が発行され、英語学習の到達度確認や継続学習の目標設定に使える。幼児・小学生向け英語教室では、学習成果を保護者にどう示すかが継続率にも関わる。外部テストを授業や面談に組み込む動きが広がれば、英語指導そのものに加え、評価結果の説明や次の学習目標を提示する設計が競争要素となる可能性がある。

生成AI普及後も英語学習費「減らす」は2・4% 保護者210人を調査

 教育情報メディア「English Hub」を運営する株式会社ハーチは9月7日、生成AI・自動翻訳技術の普及と、子供の英語学習に対する保護者の意識を調べた結果を発表した。調査は2026年8月、小学生から高校生までの子供と同居する保護者210人を対象にインターネットで実施した。今後、子供の英語学習にかける費用や時間を「減らす」とした保護者は2・4%にとどまり、「変えない」が66・2%、「増やす」が19・5%だった。

 生成AIを毎日利用している保護者85人に限っても、「減らす」は4・7%だった。生成AIの利用頻度によって、英語学習への投資意向に明確な差は確認されなかったとしている。一方、生成AIや翻訳技術の普及により「英語を学ぶ意味が変わった」と考える保護者は49・5%を占めた。調査結果からは、翻訳技術が普及しても英語教育需要が直ちに縮小するわけではない一方、求められる英語力の内容は変化していることがうかがえる。学習塾や英会話教室には、翻訳では代替しにくい対話、交渉、発信といった力をどのように育てるかが問われそうだ。ただし、調査対象は210人に限られ、結果の一般化には注意が必要である。

京都大学、若手研究者支援と業務組織を改革 研究時間の確保へ

 京都大学が、若手研究者の育成と研究力の強化に向け、研究支援体制や大学内の業務組織の改革を進めている。日本経済新聞が9月8日、若手研究者の研究時間を確保するため、明治期以来の研究組織を見直す計画として報じた。京都大学が8月28日に公表した「国際卓越研究大学 研究等体制強化計画」に関する総長メッセージでは、博士後期課程学生や若手研究者への支援、研究支援人材の強化、研究設備の共用化などを主要施策に位置付けている。

 業務面では、複数部局の事務を担う「デパートメントオフィス」や、研究者と専門人材による多職種協働チームを整備する。研究者が担ってきた管理・事務業務を見直し、研究や若手育成に充てる時間を増やす狙いがあるとみられる。博士人材や若手研究者の育成は、大学院への進学者確保や理系人材育成にも関わる。大学側が研究環境とキャリア支援をどこまで改善できるかは、高校生や保護者が大学・大学院を選ぶ際の判断材料にもなりそうだ。組織再編の具体的な規模や実施時期については、今後の大学発表を確認する必要がある。

総合型選抜受験者の44・6%が塾・予備校を利用 「塾シル」が大学生らを調査

 株式会社ユナイトプロジェクトが運営する塾検索サイト「塾シル」は9月8日、総合型選抜と塾利用に関する調査結果を発表した。総合型選抜のみを受験した大学生195人のうち、87人、44・6%が大学受験に際して塾・予備校を利用したと回答した。調査は2026年7月に大学生1215人、8月に総合型選抜経験者416人を対象としてインターネットで実施した。塾を利用した理由では、「学校の進路指導だけでは不安だった」が44・7%、「一人での対策に自信がなかった」が37・4%、「保護者に勧められた」が32・0%だった。

 一方、有料サービスを利用しなかった人では、「学校の対策で十分だった」が27・4%で最多となった。総合型選抜の拡大に伴い、志望理由書、面接、小論文、探究活動などを支援する市場が塾にも広がっている可能性がある。ただし、経験者調査は塾利用者と非利用者がほぼ同数になるよう集められており、44・6%を受験者全体の利用率として一般化することはできない。

夜間中学発の日本語授業モデル 荒川区立第九中がICT個別学習を組み合わせ

 株式会社すららネットは9月8日、荒川区立第九中学校夜間学級が、日本語の一斉指導、テキストを使った演習・対話活動、ICT教材による個別学習を組み合わせた授業モデルを体系化したと発表した。45分の授業を、一斉指導20分、テキスト演習と対話15分、ドリルやテストによる個別学習10分に分ける。テキストとICT教材の対応関係を指導計画に明示し、担当者が替わっても一定の流れで授業を進められるようにした。個別学習には、同社の日本語学習ICT教材「すらら にほんご」を使用している。

 夜間中学には、年齢、母語、日本語能力、来日前の学習歴が異なる生徒が在籍する。日本語指導が必要な児童生徒も増えるなか、指導の質を教員個人の経験だけに依存させない仕組みづくりは重要性を増している。外国人児童生徒を受け入れる学習塾にとっても、一斉説明と対話、個別演習を時間単位で組み合わせる方法は、多様な習熟度に対応する授業設計の参考となりそうだ。