「泊まれる本屋」 BOOK AND BED TOKYO 

東京・池袋にある雑居ビルの7階にある「BOOK AND BED TOKYO」は昨年11月、デザイナーズやリノベーション物件などの不動産情報サイトを運営するR-STOREが、「泊まれる本屋」をコンセプトに開いたホステルだ。よく見ると本棚の奥には布団一枚分ほどのベッドスペースが埋め込まれ、3500円から泊まることができる。シャワールームも洗面台も共有だが、1日30人の宿泊予約は2ヶ月先までとりづらい状況だという(2016年3月時点)。

政府、大学生向け奨学金制度拡充へ

菅義偉官房長官は3月30日の記者会見で、大学生らを対象にした奨学金制度について、「無利子奨学金の拡充や、所得連動返還型奨学金の速やかな導入について検討している」と述べ、5月にまとめる「ニッポン1億総活躍プラン」に具体策を盛り込む考えを示した。安倍晋三首相も29日の会見で、「本当に厳しい状況にある子には、返還がいらなくなる給付型の支援によって手をさしのべる」と発言していた。ただ、民進党などが求めている給付型奨学金には巨額の財源が必要で導入のめどは立っていない。

国基準保育施設、中部空港内に

愛知県常滑市の中部空港で、国の子ども・子育て支援新制度に基づき認可対象になった保育園が4月1日に開園する。空港内に国の基準を満たす保育施設ができるのは全国初で、従業員のほか地元住民も利用できる。同市内で保育施設を開いている民間会社「エスチャイル」が運営する。定員は0~2歳児の計19人で、中部国際空港のグループ会社や航空各社などの従業員枠14人、地元の地域枠5人。30日時点で14人が入園予定という。

 年中無休で午前5時半から午後11時まで受け入れる。施設は第2セントレアビル1階に設け、年齢別に区分けした部屋(計161平方メートル)や、滑り台などの遊具を備えた園庭(100平方メートル)がある。栄養士や保育士ら約10人で運営にあたる。

英ピアソンと提携拡大 日経

日本経済新聞社は英教育出版大手ピアソンの日本法人、ピアソン・ジャパン(東京・港)と企業向け英語事業で提携を拡大する。4月1日から、ピアソンのビジネス英語サービスの国内独占販売権を新たに取得する。企業向けの英語サービスを幅広く提供できる体制を整える。ピアソンが持つビジネス英語の会話力を判定するテスト「Versant(ヴァーサント)」と企業向け英語研修プログラムなどを独占販売する。ヴァーサントはパソコンや電話で英語の問題を聞き、英語で答えるテスト。全世界で約40万人が受験している。

NZの国旗、変更ならず

ニュージーランドの国旗変更を巡る国民投票の最終結果が3月30日、判明した。英国旗(ユニオンジャック)と南十字星をデザインした現国旗を維持すると答えた人が56.6%と、シダの葉を用いた新国旗への変更派(43.2%)を上回った。有効投票数は213万5622票だった。国民投票は郵送方式で今月3~24日に実施した。

「ブラックバイト対処マニュアル」早大、新1年生に配布

「ブラックバイト」の問題点と対応方法をまとめた「ブラックバイト対処マニュアル」を、早稲田大学出版部がつくった。大学が新1年生に無料で配り、注意を呼びかける。ブラックバイトに対しては厚生労働省も対策に乗り出しているが、大学側のこうした取り組みは珍しい。「賃金が求人票と違う」「希望を無視してシフトが決まる」「休憩がない」「辞めさせてくれない」など、ブラックバイトにありがちな17のテーマを取り上げた。全48ページで、税抜き500円で一般にも販売する。

大学生、生活費67万円 支援機構調査 14年度

大学生の2014年度の年間平均生活費は67万円で、12年度の前回調査に比べ3万円減少したことが日本学生支援機構の調査で分かった。不況の深刻化で仕送りが大きく減るなどして、00年度をピークに減少が続いていた生活費は12年度にやや増えたが、再び減少に転じた。このうち大学生の生活費の内訳は、下宿生で住居・光熱費45万円、食費26万円、娯楽・嗜好費14万円。自宅生は住居・光熱費がゼロで、食費10万円、娯楽・嗜好費13万円だった。「その他の日常費」は下宿生と自宅生を合わせた平均が14万円で、前回調査から2万円減った。

「最後の授業」で生徒たちが学んだ どんな知識より、かけがいのないもの

岐阜県内で東進ゼミナールを展開する株式会社東進(岐阜県美濃加茂市、飯田陸三社長)と、全国に生花を配達する花キューピット株式会社(東京・品川区、西家正純社長)は、塾を卒業していく生徒たちが、お母さん、お父さんに感謝の気持ちを花束に込めて贈る感動の動画を配信している。大学受験を終えて塾を卒業していく生徒のために開かれたパーティー。そこに集まった生徒たちに、〝花束をつくる〟というミッションが与えられた。

ときに談笑しながら花束をつくる生徒たち。

ときに談笑しながら花束をつくる生徒たち。

驚きを隠せない生徒たち。しかし、花キューピットのスタッフの指導のもと、生徒たちは見よう見まねで花束をつくり始める。用意されたのは「母への愛」を示すカーネーション。最初は戸惑いの表情を浮かべていた生徒たちも、お母さん、お父さんのために花を選びはじめると、やる気に満ちた表情を浮かべ、真剣な眼差しに変わった。花束に添える手紙も準備して、その瞬間を待つ。

一方、面談を理由に塾にやって来たお母さんとお父さん。待合室から呼び出されて面談をおこなうはずの教室に移動。しかし、ドアを開けるとそこには生徒たちが着席している。そして、ホワイトボードに大きく描かれた「卒業ありがとう」の文字の前にはわが子の姿。

一人ひとりに花束が贈られた。

一人ひとりに花束が贈られた。

何が起きているのか状況がわからぬまま、わが子のところに行くと、これまでの感謝を綴った手紙が読み上げられ、気持ちを込めてつくった花束が贈られた。

この日、東進ゼミナールのすべての校舎で同時におこなわれたこのイベントは、「最後の授業」として、「日頃からお世話になっている一番身近な人に〝感謝〟の気持ちを伝えることの大切さを知ってほしかった」と、東進の飯田裕紀取締役は話す。

感動の「最後の授業」の様子は、動画投稿サイトYouTubeで配信中。今年35周年を迎える東進では、新たな生徒紹介ツール『こうかんドリル』の開発・提供をはじめ、次世代の塾のあり方を提案している。今後は花キューピットとの取り組みを全国の学習塾にも広げていく。

生徒の知的好奇心を刺激し将来の選択肢を広げたい 沖縄受験ゼミナールがPepper導入で

沖縄受験ゼミナール(沖縄県那覇市、川満由美代表)は、今春からソフトバンクの人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を那覇本校に導入した。沖縄県の塾では初のペッパー導入となる。ペッパーの導入により、最先端の技術に触れながら、リアルな人との関わり合いを追求する。同ゼミナールの運営母体である株式会社OESの西田・グループマネージャーは「沖縄は長期的にICT(情報技術)産業の振興に力を入れていることもあり、生徒が最先端技術に触れる機会をつくりたいと考えた」と導入の意図を話す。

株式会社OESグループマネージャーの西田氏(写真左)と遠山氏

株式会社OESグループマネージャーの西田氏(写真左)と遠山氏

3月18日に開かれた入塾式では、ペッパーが「僕は沖ゼミペッパーです。生徒の知的好奇心を刺激して将来の選択肢を広げてほしいという依頼を受け、フランスからやって来たんだ」と自己紹介。生徒は愛くるしい容姿の人型ロボットに歓声を上げた。

同塾では今後、生徒たちに日常的にロボットに触れさせて、最新の情報工学への興味を喚起し、多様な進路の存在を示すことで、医師・公務員といった収入が安定すると言われている職業に偏りがちな生徒の進路志望の幅を広げることによって、情報技術系の企業が集積しつつある沖縄の人材開発に寄与していきたいとしている。実際に地元企業と協働で、プログラミング教室なども企画する。

沖縄受験ゼミナールの玄関で来校者を迎えるPepper

沖縄受験ゼミナールの玄関で来校者を迎えるPepper

日常的には、来校者への応対をはじめ、生徒に対しても時間割や教室変更を案内できるよう、専用アプリの開発も進めている。また、ペッパーの導入に合わせて、机が整然と並べられた従来型の講師室を、全国の主要大学で設置が拡がるラーニング・コモンズを意識した雰囲気の空間へと大幅にリニューアルした。生徒が講師に気軽に質問することができるようにすることに加え、講師間のコミュニケーションを促進するねらいがある。この講師室のリニューアルとペッパーの導入を機に、塾への来校者数も昨年の春に比べて約2倍に増えているといい、講師同士のコミュニケーションの密度も以前に比べて濃くなっているという。

大阪市教委 教員給与、能力重視に

大阪市教委は3月30日、年功序列の傾向が強い教員の人事・給与制度を見直し、能力や実績を重視した仕組みを導入する。教諭を二つの階級に分けて待遇に差をつけ、校長や教頭の給与を改善することで、指導力の向上や管理職への昇進意欲を高めるという。2017年度の導入を目指す。教員は現在、校長、教頭、首席・指導教諭、教諭、講師の5階級に分かれており、階級ごとに定めた基本給と勤続年数などで給与が定められている。基本給の上限は、教諭(約42万円)と校長(約47万円)で大きな差がないという。