東京大は11月9日、2016年度推薦入試の出願状況を発表した。6日までの出願期間で全10学部の募集定員100人程度に対し、出願者は173人にとどまった。学部別の志願者は、法学部24人(募集人員10人程度)、理学部32人(同10人程度)など。文学部や薬学部など3学部は定員と同じか、満たなかった。推薦入試の受験者は出願書類で選考された後、面接などを受け、来年1月のセンター試験も受験。合格発表は2月10日に行われる。入試課の担当者は「現時点で志願者数への評価はできない」としている。
三省堂(東京)が小中学校の校長ら11人を集めた会議で検定中の教科書を見せ、謝礼を渡していた問題で、11人が所属する教育委員会は10月30日、不適切な行為だったとして、処分の検討などを始めた。当時11人のうち長野、兵庫、大阪、奈良、京都、福岡、大分の7人が中学校長で埼玉が中学教頭、岐阜が小学校長、山梨が小学教頭、青森が市教委指導主事だった。同社が昨年11月に会議について文部科学省に報告した際、北口克彦社長の判断で、謝礼支払いの事実を伏せていたことも分かった。
今回の採択時に埼玉、長野、岐阜、大分の4人は各県内の市町村で採択に関わる立場になり、京都の1人は府内の市町村に指導、助言をする審議会の委員となった。同社の教科書を推すような発言はなかったとされる。
政府は10月30日、2015年度の文化勲章を、ノーベル生理学・医学賞を受賞する天然物有機化学・薬学の大村智氏(80)、同物理学賞を受賞する素粒子・宇宙線物理学の梶田隆章氏(56)、俳優の仲代達矢氏(82)、神経科学の中西重忠氏(73)ら7人に贈ると発表した。文化功労者には俳優・司会・エッセーの黒柳徹子氏(82)ら16人を選んだ。文化勲章はほかに、法律学・行政法学の塩野宏氏(84)、染織の志村ふくみ氏(91)、光通信工学の末松安晴氏(83)が受章する。
文化功労者は梶田氏が文化勲章と同時受章となるほか、情報科学・認知科学・学術振興の安西祐一郎氏(69)▽脚本の橋田寿賀子氏(90)▽細胞生物学の大隅良典氏(70)▽分子生物学の岡崎恒子氏(82)▽スポーツの川淵三郎氏(78)▽政治学の佐々木毅氏(73)▽歌舞伎の尾上菊五郎氏(73)▽生化学・分子生物学の西村暹氏(84)▽箏曲の野坂操寿氏(77)▽狂言の野村万作氏(84)▽民俗学・地方文化振興の野本寛一氏(78)▽応用物理学の浜川圭弘氏(83)▽漆芸の三谷吾一氏(96)▽小説の皆川博子氏(85)。