Category: 月刊私塾界本誌

月刊私塾界2023年5月号(通巻505号)

巻頭言

 4月出雲を旅した折、三保神社を訪れた。全国各地にあるえびす神社の総本社だ。その近くにある大正レトロ感漂う「青石畳通り」を散策しているときだった。古い民家の軒先に燕の巣を発見した。巣の中で囀る雛たちを仰ぎ見ながら、長い間燕の巣を見なかったなーと感傷に浸っていた。ふと気付くと、沢山の燕が、長い歴史を持つ港町を、勢いよく飛び回っていた。巣もあちらこちらにあった。何か豊かなものを感じた。

 近年、燕は減少している。水田の減少により、餌となる昆虫が減ってしまったり、巣材となる良質の泥が減少したことが要因だ。また、住宅が高層化し、建材が変化し、土壁やモルタル壁が減り、泥が付きにくいタイルなどに替わった。また、家の軒先が狭くなったことも影響している。

 自然や環境の変化以外に、悲しくなるような要因もある。人が巣を壊してしまうのだ。巣の周りに落ちる糞、その臭いと雛たちの鳴き声を嫌い、人間が除去してしまうのだ。天敵であるカラスの増加の次に来る原因である。

 古来より、燕は農作物を食べる害虫を餌とすることから、益鳥とされてきた。また、春を告げる渡り鳥として、「巣を作ると商売が繁盛する」など、身近な鳥として親しまれてきたのに、である。多くの人々が燕を害鳥として見るようになってしまった。

 これが減少の大きな要因とは、寂しい限り。段ボールで糞よけを設置したり、蒲鉾の板などで巣台を作ったり、共存の知恵を絞りたいものである。 

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社エデュケーショナルネットワーク 二つのオンラインコンテンツで生徒と塾を後押し
  • 8 CatchUp2 株式会社ウイングネット 完全個別最適化に向けウイングネットが進化中
  • 10 CatchUp3 株式会社スタディラボ 約1年の実証販売を終えたスタディワンが本格始動
  • 12 CatchUp4 ワークスモバイルジャパン株式会社 集客と生徒・保護者対応の悩みはLINE WORKSで解決!?
  • 14 CatchUp5 リード進学塾 スピーディーかつきめ細やかな対応がうれしいFLENSの「School Manager」
  • 16 CatchUp6 株式会社ジーニアス 開校初年度から東北大に3名が合格! 高校部門の悩みを解決した東進衛星予備校
  • 18 CatchUp7 株式会社SmartWorx 幾多の塾を再生し続ける SmartWorXの学習塾向け営業管理システム「塾アゲ!」
  • 26 HOT TOPICS【特別取材】受験生の合否を分かつ「究極の面接」の実態に迫る!
  • 30 挑む私学 星の杜中学校・高等学校
  • 35 目次・巻頭言
  • 36 NEWS ARCHIVES
  • 64 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 65 【特集】教育ICT考2023 S/S〈前編〉
  • 92 TOP LEADER Interview 成すべきことは、多くの民間教育機関が 子供たちの未来のためにスクラムを組むこと。 株式会社 創造学園
  • 104 企業研究(125) 株式会社F学
  • 107 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(351)
  • 108 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(120)
  • 110 白書界隈徘徊話(98)
  • 112 自ら動き出すチームにする方法(104) 中谷彰宏
  • 114 塾の家計簿(72)
  • 116 シン・ジュクジン(18)
  • 117 芸術見聞録(118)
  • 118 わが子、就学中(26)
  • 119 塾長の机
  • 120 為田裕行の「教育ICT行」(98)
  • 121 10¹⁵ PETA(24)
  • 122 現代学習塾経営概論(2)
  • 123 Opinion from School(47)
  • 124 林明夫の「歩きながら考える」(213)
  • 126 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(49)
  • 128 私塾界インサイト(62)
  • 132 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(18)
  • 134 咲かせよ桜(99) 小林哲夫
  • 138 論点2023(6) Web3.0
  • 142 編集後記
  • 144 Book Review
  • 146 塾長のためのガジェット講座

 

月刊私塾界2023年4月号(通巻504号)

巻頭言

 人生は常に岐路に立っている。「やる/やらない」の。
「やる」に進めば、失敗のリスクがついてくる。「やらない」に進めば、成功を収めることはできない。
 進む道は勿論「やる」方向だ。たとえ失敗しても、次の「やる」に進む。再び失敗しても、「やる」に進む。そのように次から次へと「やる」道へ進む。「やらない」道へは決して進まない。
「やらない」方向に成功はない。「やる」方向には失敗もあるが、成功の可能性は常にある。成功確率がゼロか数パーセントかだ。答えは明白。確率が少しでもある方へ進む。
 しかし、人間は往々にして「やらない」方を選ぶ。失敗を恐れて。格好悪い姿を晒したくない。言い訳はさまざまだ。そして無限にある。だが、それでは成功を掴むことはできない。
 どんなに苦境に立たされても、「失敗しない道」ではなく、「リスクはあっても成功する確率がある道」を選んで、頑張り続けることが大切だ。
 このことはご自身の仕事、生徒たちの勉強にも言えることではないだろうか。
 この春、桜が咲いた生徒たちは怠け心や失敗の恐怖に果敢に立ち向かい、成功を収めたのではないだろうか。
 読者諸氏も間近に見た生徒たちから学び、常に「やる」を選択し、厳しい学習塾業界を突き進んでいただきたい。
 そのような読者を本誌は全力で応援していく所存だ。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社花形 続々と総合型選抜対策サービスを拡充「総合型選抜専門塾AOI」の展望を聞く
  • 8 CatchUp2 ネスグローバル株式会社 合格率100%を保証するネス英検塾
  • 10 CatchUp3 株式会社白沢プランニング 独自の取り組みを交え岡山・山陰に東進の存在価値を高める
  • 16 HOT TOPICS【特別掲載】大学入試問題は、なぜ、時代を映す鏡なのか?
  • 24 挑む私学 香川誠陵中学校・高等学校
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 58 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 60 【特集】オンライン座談会 私塾界Outsight
  • 72 Special Report SRJがオンラインセミナーを開催 付加価値をもたらす最強のツールを提供
  • 78 TOP LEADER Interview 「中学受験の先も伸びる地頭がいい子」を育てる。それが日能研の永遠のテーマ。 株式会社 日能研関東
  • 88 企業研究(124) 一般社団法人スポーツひのまるキッズ協会
  • 90 現代学習塾経営概論(新連載)
  • 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(350)
  • 92 疾風の如く(166) 学習塾WeeD(京都府) 代表 野田 宣之 さん
  • 94 For Whom the 塾 Tolls(23)
  • 96 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(119)
  • 98 白書界隈徘徊話(97)
  • 100 自ら動き出すチームにする方法(103) 中谷彰宏
  • 102 塾の家計簿(71)
  • 104 シン・ジュクジン(17)
  • 105 芸術見聞録(117)
  • 106 わが子、就学中(25)
  • 107 塾長の机
  • 108 為田裕行の「教育ICT行」(97)
  • 109 10¹⁵ PETA(24)
  • 110 1981(48)
  • 111 Opinion from School(46)
  • 112 林明夫の「歩きながら考える」(212)
  • 114 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(48)
  • 116 私塾界インサイト(61)
  • 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(17)
  • 122 咲かせよ桜(98) 小林哲夫
  • 126 論点2023(5) 活用進むチャットボット
  • 130 編集後記
  • 132 Book Review
  • 134 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年2月号(通巻502号)

 長野県善光寺平にある小さな町、小布施をご存じだろうか。訪れた人は誰でも、他の町との違いに気付く。何故か。
 筆者は二十数年前、初めて訪ねた。目的は、小布施ワイナリーを訪問することだったので、町づくりのことを全く知らなかった。にもかかわらず、町を散策していて、不思議な居心地の良さを感じ、佇まいを堪能していた。伝統的町並みを保存している場所は、全国に沢山ある。何か所も、何度も行ったことがある。その中には観光地として名声が轟いている町もあった。だが、小布施はそれらの場所とは全く異なる雰囲気を醸し出していた。その時は、「修景事業」(景観を修復する)のことなど何も知らなかったというのに。
 小布施の町づくりは、理念が明確だ。例えば「住民主体のまちづくり」「外はみんなのもの、内は自分たちのもの」。簡単なようで、実践することは難しい。更にその理念を具現化する論理が構築され、技術やノウハウを獲得する努力を町全体で行ってきた。1981年に始まる長年の積み重ねの成果だ。
 皆さんの学習塾にも経営理念、教育理念があると思う。日々の授業はそれと繋がっているだろうか。教育理念からカリキュラムが導かれ、そのカリキュラムをベースにシラバスが作成されているだろうか。教育理念から非常勤講師の教え方まで、一貫した論理があるだろうか。そしてそれらが不断の努力で、しかも全員で、日々ブラッシュ・アップされているだろうか。独自性、信頼性はここから生まれるものと考える。 

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社マイスタディ 入試問題対策を4月から「動画でわかる中3の4月から始める高校入試問題集」が広げる 入試対策の可能性
  • 8 CatchUp2 一般社団法人教育アライアンスネットワーク(NEA) NEAの新代表理事が語る教育サービスの展望と未来
  • 12 HOT TOPICS ①【特別連載】これからの教育業界では学力の定義が大きく変わる(前編)
  • 16 挑む私学 神戸龍谷中学校・高等学校 創立100周年を迎えた神戸龍谷、2023年度より新コース制を導入
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 49 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 50 【特集】『学習塾白書2022』を読む
  • 68 TOP LEADER Interview
  • 78  HOT TOPICS② ニュース作文コンクール受賞者東京の部表彰式 2022
  • 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(348)
  • 84 疾風の如く(163) まなびコーチング(東京都) 代表 長尾 圭 さん
  • 86 For Whom the 塾 Tolls(21)
  • 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(117)
  • 90 白書界隈徘徊話(95)
  • 92 自ら動き出すチームにする方法(101) 中谷彰宏
  • 94 塾の家計簿(69)
  • 96 シン・ジュクジン(15)
  • 97 芸術見聞録(115)
  • 98 わが子、就学中(23)
  • 99 塾長の机
  • 100 為田裕行の「教育ICT行」(95)
  • 101 10¹⁵ PETA(22)
  • 102 1981(46)
  • 103 Opinion from School(44)
  • 104 林明夫の「歩きながら考える」(210)
  • 106 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(47)
  • 108 私塾界インサイト(59)
  • 112 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(15)
  • 114 咲かせよ桜(96) 小林哲夫
  • 118 論点2023(3) LTVとは
  • 122 編集後記
  • 124 Book Review
  • 126 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2022年12月号(通巻500号)

巻頭言

 はや師走。
 正に光陰矢の如し、である。
 この季節になると前記のことわざが口をつく。他の季節にそれを耳にすることは、まず無い。
 何故か?
 年の瀬を迎えると、この1年を振り返り、それを元に来年の希望を抱くからではないだろうか。
 貴塾は次年度に向けどのような新たな施策を練っているのであろうか。
 変化が早いこの時代、前年度と同様のことを行なっていては、それは退歩になる。講座、教材、カリキュラム、指導方法などは如何であろうか。
 他業種を見渡して欲しい。どの業界、どの企業も常に新製品、新商品を市場に投入し続けている。
 学習塾業界も決して例外ではない。学習指導要領は変化し続けている。英語4技能、プログラミング、そして情報などに対し対応できているであろうか。
 また、新型コロナウイルス禍により人々の生活様式や行動態様は変わってきている。
 生徒、保護者のウォンツやニーズに応え続けなければならない。そのためには彼ら・彼女らが発するそれらに対し、常に耳を澄ませている必要がある。それなくしてしては市場に取り残されてしまう。
 企業は変化対応業といわれる所以である。
 コロナ禍も第8派に見舞われている。ゆめゆめ対策に怠りは無いと推察するが、十分注意し、また健康に留意し、冬期行事を無事成功させていただきたい。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社英俊社+株式会社成学社 膨大な過去問のデータベースから教材化 「KAWASEMI」は問題集作成のセオリーを変えた
  • 8 CatchUp2 株式会社インフィニットマインド 読解力を鍛える『読む蔵』が低学年版を来春リリース
  • 10 CatchUp3 株式会社むぎ進学教室 東進本部の運営モデルを実践することで様々な分野が改善
  • 12 CatcUp4 株式会社やる気スイッチグループ やる気スイッチグループが大切にしてきた「自分力」とは
  • 14 CatchUp5 志学会 課題先進地域で最新鋭の教育ICTを利活用
  • 16 Moonshot Review 塾市場 2 倍計画は動き出している ── デジタルで実現される新たな事業モデル
  • 22 HOT TOPICS① 小学校の英語教育はICTとデータ活用で変わる
  • 24 HOT TOPICS② 京進、日本初の海外大学進学準備校開校により、 グローバル人材育成を加速
  • 26 HOT TOPICS③ 【緊急提言】今、教育関係者に求められる意識改革とは?  2030年 これだけ変わる教育業界〈後編〉
  • 36 挑む私学 西大和学園中学校・高等学校 東大合格者急増中の西大和学園がさらなる高みへ
  • 39 目次・巻頭言
  • 40 NEWS ARCHIVES
  • 68 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 69 【特集①】 株式公開企業塾 2023年2・3月期  第2四半期(2Q)決算を読む 
  • 78 【特集②】塾長の銘
  • 84 〈特別企画〉通巻500号記念 特別インタビュー 株式会社開倫塾 代表取締役 林明夫 氏
  • 88 Special Report  3年ぶりに開催されたウイングネットセミナー  テーマは「子どもの力を育てる~現場力の育成~」
  • 92 教育サービス業界 企業研究(121) ワークスモバイルジャパン株式会社
  • 95 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(346)
  • 96 疾風の如く(161) 尋真塾 塾長 池上 眞さん
  • 98 For Whom the 塾 Tolls(19)
  • 100 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(115)
  • 102 白書界隈徘徊話(93) 西村克之
  • 104 自ら動き出すチームにする方法(99) 中谷彰宏
  • 106 塾の家計簿(67)
  • 108 シン・ジュクジン(13)
  • 109 芸術見聞録(113)
  • 110 わが子、就学中(21)
  • 111 塾長の机
  • 112 為田裕行の「教育ICT行」(93)
  • 113 10¹⁵ PETA(21)
  • 114 1981(44)
  • 115 Opinion from School(42)
  • 116 林明夫の「歩きながら考える」(208)
  • 118 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(46)
  • 120 私塾界インサイト(57)
  • 124 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(13)
  • 126 咲かせよ桜(94) 小林哲夫
  • 130 論点2022(12) 遠隔授業
  • 132 編集後記
  • 134 Book Review
  • 136 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2022年11月号(通巻499号)

巻頭言

 2年半程前のことである。
 新型コロナウイルス感染症対策として、多くの学習塾がオンライン授業を導入して数カ月が経過した頃のことだ。
 生徒や保護者にリアルでの授業かオンラインでのそれを選択していただくこととした。通塾の負担や感染症への不安解消から、オンライン授業を選ぶものと思っていたが、実際には殆どの家庭がリアルでの授業を選択した。
 非常に不思議に感じたとともに違和感を抱いた。
 最近になり、その疑問への解答がわかった。
 東北大学加齢医学研究所の川島隆太所長曰く、コミュニケーションが深まってお互いを理解し、共感するようになると、脳のある部分の活動が同期する現象が起きる。
 対面で会話をしているときには話が盛り上がるとどんどん同期が高まっていくのに対して、オンラインの場合には、会話は続いているのに、全く同期しないという。
 なるほど、経験的にこのことを理解していたため、リアル(対面で)の授業を選択したのだ。
 同所長は更に興味深いことを述べる。
 人間は感情を伝えるのには、口元を中心とした顔全体の表情が必要になる。
 対面のやり取りでも、マスクをしていると、脳の共感が起こりづらいそうだ。
 如何であろう。読者諸氏の学習塾では、マスクをして授業を実施してるのではないだろうか。
 一考の余地はありそうだ。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社KEC Miriz ミライズが描くミライの教育
  • 8 CatchUp2 株式会社学書 国内外で存在感を増す学書の戦略
  • 10 CatchUp3 株式会社名大SKY 小学生の集客のフックに! 良心的な価格帯も嬉しい「スマイル将棋」
  • 12 CatcUp4 株式会社ライトハウスエデュケーション 地方の高校生も安心して留学できる充実のサポートサービス
  • 14 CatchUp5 株式会社Progress AI・プログラミングと金融リテラシーが学べる「サイバース」
  • 16 CatchUp6 株式会社エデュマン 高校との連携、様々なイベントの開催 すべては岡山の教育レベルを上げるために
  • 20 HOT TOPICS1 SRJ経営勉強会 2022 in TOKYO──3年後のさらなる業界激動を見据えた先手必勝経営とは?
  • 24 HOT TOPICS2 【緊急提言】今、教育関係者に求められる意識改革とは? 2030年 これだけ変わる教育業界〈前編〉
  • 32 挑む私学 須磨学園中学校高等学校 女子校から共学、そして進学校へ。継続的改善を続ける須磨学園
  • 35 目次・巻頭言
  • 36 NEWS ARCHIVES
  • 64 【緊急アンケート】次年度の授業料は値上げしますか?
  • 66 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 67 【SpecialReport】私塾界リーダーズフォーラムONLINE 2022A/W
  • 85 TOP LEADER Interview 進学実績よりも個々の成長にフォーカスした教育を。 KEC教育グループ
  • 100 教育サービス業界 企業研究(120) 株式会社 80&Company
  • 103 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(345)
  • 104 疾風の如く(160) アイデア数理塾 塾長 油谷 拓哉さん
  • 106 For Whom the 塾 Tolls(18)
  • 108 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(114)
  • 110 白書界隈徘徊話(92) 西村克之
  • 112 自ら動き出すチームにする方法(98) 中谷彰宏
  • 114 塾の家計簿(66)
  • 116 シン・ジュクジン(12)
  • 117 芸術見聞録(112)
  • 118 わが子、就学中(20)
  • 119 塾長の机
  • 120 為田裕行の「教育ICT行」(92)
  • 121 10¹⁵ PETA(20)
  • 122 1981(43)
  • 123 Opinion from School(41)
  • 124 林明夫の「歩きながら考える」(206)
  • 126 新・授業改革を目指して(129) 石川幸夫
  • 128 私塾界インサイト(56)
  • 132 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(12)
  • 134 咲かせよ桜(93) 小林哲夫
  • 138 論点2022(11) PBLについて
  • 142 編集後記
  • 144 Book Review
  • 146 塾長のためのガジェット講座

寺子屋ISHIZUE 代表 藤原 柏甫さん|疾風の如く|2022年10月号

講師はみんな高校生!
教え合い、学び合う現代の寺子屋

大人が教え、子どもが学ぶ。
先生は教壇に立ち、生徒は黙ってそれを聞く。
それが、たまらなく退屈だった。
ならいっそ、自分で作ってしまえ。新しい授業の形を。
常識の外にある、教育の姿を。

寺子屋ISHIZUE 代表 藤原 柏甫さん

2004年生まれの塾長が創る
まったく新しいオンライン塾
寺子屋ISHIZUE 代表 藤原 柏甫さん

「協学」とでも表現すればいいだろうか。教育者と学習者が垣根なく共に学び合う教育思想のことだ。
「例えるなら、生徒と一緒に砂場で穴を掘っているイメージです。『この先に何があるのか、一緒に見てみようよ』みたいな」と語るのは藤原柏甫。まさしくそんな「協学」スタイルのオンライン塾「寺子屋ISHIZUE」の代表だ。
 そうした同塾の教え合い・学び合いのスタイルも非常にユニークだが、特筆すべき点がもう一つある。なんと、同塾の講師たちは全員が高校生だということだ。そして藤原自身も実は2004年生まれ。高校を中退後に飛び級で海外大学に籍を置いているが、日本の学制に照らせば高3に相当する年齢だ。
 塾の運営に「大人」は一切関わっていない。「放課後に集まって一緒に自習」というのとも違う。完全に若者だけで事業として塾を回し、教え合い、学び合っているのだ。

学校は楽しいのに
授業だけがつまらない

 中学受験で全国的な名門校に進学した才児だった藤原。しかし独特な寮生活に馴染めず学校を去る羽目に。次いで母の出身地だった台湾へと渡り、そこで一人暮らしをしながら現地の中学校に通った。だが「生活していくので精一杯でした。家事や身のまわりのことをしているとあっという間に深夜になり、朝に起きられなくて」。結局自学自習が増え、何のために学校へ行っているのか分からなくなり、中3のときに帰国。都内の有名私立中に編入した。
 ところが帰国後も、台湾で抱いた違和感が拭えない。「学校の勉強って、みんなで揃って先生に教えてもらう。それって何か意味があるのかなと……」。帰国後に編入した学校も、「学校そのものは楽しかったが、授業だけがつまらない」という感覚だった。
 そこが「寺子屋ISHIZUE」の原点だ。「文句を言うだけなら誰でもできます。それなら、自分でやってみようと思って」と、他校に通う仲間ら3人とオンライン塾を作った。
 最初は、とにかく「本当に楽しいと思える授業を自分たちで作ってみたい」という一心。ビジネスとしてのスタートではなかった。ウェブサイトもチラシもない。もちろん教室もない。「いま思えば、怪しさ全開ですよね」と笑うが、Twitterで手あたり次第に「体験授業を受けてみませんか?」とメッセージを送った。しかし、蓋を開けてみればこれが大好評。相応の受講生が集まるようになり、「楽しかった」「今度は何をやるの?」という声も次々に寄せられた。そこで思い切って起業することにしたのだ。

「普通」や「常識」に囚われず
自分の世界観を見つけてほしい

 寺子屋ISHIZUEのコンセプトは「近い世代間での対話を通して自ら学ぶ姿勢を育てる」ことだ。高校生講師たちは、「これだけは負けない」という「好き」を持っており、テーマは宗教や政治、プログラミングからAIまで多種多様だ。その知を共有する形で、授業内でディスカッションやプレゼンをふんだんに行う。形としては「国語」「英語」という教科名を銘打っているが、学校で習うそれとは明らかに違う。講師が「届けたい」「やりたい」と思うことが授業の中心であり、生徒も近い世代の講師との対話を通し自分の世界観を育む。興味の発露だったり、生き方のロールモデルだったり、講師は自分の知識を活かして生徒が自ら学ぶ架け橋となる。
「生徒たちには、自分が本当に楽しいと思えるものを見つけてほしい」と藤原。言い換えればそれは、無意識下に閉じ込めた自分の世界観に気付くということだ。「子どもたちの多くは『普通』や『常識』を刷り込まれ、あたかもそれが自分の意見であるかのように思い込まされています。そこから脱して、自分軸を持てる人になってほしいです」。
 大人が教えて子どもが学ぶ。よく考えればそれも、私たちが「常識」に染められている証左なのかもしれない。その枠を脱したとき、新たな教育の形が見えてくるはずだ。

寺子屋ISHIZUE HP
https://www.terakoya-ishizue.com/
寺子屋ISHIZUE instagram
https://www.instagram.com/ishizue_official/

月刊私塾界2022年10月号(通巻498号)

巻頭言

 比較的落ち着いて生徒指導に集中できる時期を迎えていることと思う。
 しかし、次年度の事業計画を策定中のところが多いのではないかと推察する。
 その中で授業料をどうするか決めたであろうか。これだけ物の値段が上がり、物価上昇の先が見えない中で。
 学習塾最大の経費である人件費に頭を悩ませる。
 原価計算を厳密に実施しているところは少ないであろうから、どの程度授業料をあげたらいいのか、あげられるのか、なかなか見当がつかない。
 競合他社の状況を見てから決めるのでは、1周遅れになってしまう可能性があるため、それもできない。
 原価計算をしてこなかったツケが回ってきた。
 国語の授業でテキストの文章を音読させると、その生徒の読解力をおおよそ把握できる経験をお持ちの方が多い。
しかし、その科学的根拠を考えたことがある方は極少数だ。
例えば1年生までは、文字を1文字ずつ読んでいるが、2年生くらいからはまとまりで読むようになる。読み方によって、脳で処理する場所が違う。
 ことほど左様に塾人は経営でも、生徒指導でも経験則だけに頼りがちである。
 経験則に従うことが悪いわけではない。それだけで済ませてしまうことが問題なのである。
 一度我が身を振り返っていただきたい。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社アクアプランネット「よりよく生きるために」その理念に基づき多彩なサービスを展開
  • 8 CatchUp2 名門公立高校受験道場「自学力」武器に 全国の個人塾が協働し、名門公立高校受験道場を組織化
  • 10 CatchUp3 株式会社ウイングネット 変化する入試、進化するウイングネット
  • 12 CatcUp4 株式会社コンシェルジュ+個別指導塾テスティー株式会社 LINEマーケティングツール『KUZEN LINK』で新たな顧客との接点とその可能性を追求
  • 14 CatchUp5 株式会社サテライトネット 密度の濃いカリキュラムと質の高い講師 しかも加盟金・システム費・研修費・登録料は0円
  • 22 HOT TOPICS【緊急提言】今、教育関係者に求められる意識改革とは? 2030年 これだけ変わる教育業界〈前編〉
  • 26 Special Report 2030年に向けて学習塾がいま解決すべき課題 ~オレコからワンパスオレコへ~
  • 32 挑む私学 灘中学校高等学校 卓越した頭脳が集結する関西の名門校が、生徒の才能を引き出す仕組み
  • 35 目次・巻頭言
  • 36 NEWS ARCHIVES
  • 64 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 65 【特集】 共通テストの新科目『情報Ⅰ』とは
  • 78 TOP LEADER Interview 100億円企業へ間近、規模拡大より、地に足の着いた事業展開を。SOUEIグループ
  • 92 教育サービス業界 企業研究(119) 株式会社イリス
  • 95 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(344)
  • 96 疾風の如く(159) 寺子屋ISHIZUEs 代表 藤原 柏甫さん
  • 98 For Whom the 塾 Tolls(17)
  • 100 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(113)
  • 102 白書界隈徘徊話(91) 西村克之
  • 104 自ら動き出すチームにする方法(97) 中谷彰宏
  • 106 塾の家計簿(65)
  • 108 シン・ジュクジン(11)
  • 109 芸術見聞録(111)
  • 110 わが子、就学中(19)
  • 111 塾長の机
  • 112 為田裕行の「教育ICT行」(91)
  • 113 10¹⁵ PETA(19)
  • 114 1981(42)
  • 115 Opinion from School(40)
  • 116 林明夫の「歩きながら考える」(205)
  • 118 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(45)
  • 120 私塾界インサイト(55)
  • 124 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(11)
  • 126 咲かせよ桜(92) 小林哲夫
  • 130 論点2022(10) ESG投資とは
  • 134 編集後記
  • 136 Book Review
  • 138 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2022年9月号(通巻497号)

巻頭言

 新型コロナウイルス禍第7波を無事乗り越えられただろうか。
 また、猛暑日が続く中での夏期講習。生徒の通塾に心を配られたことと推察する。
 公立小中学校での教員不足が報道されて久しい。今年4月の始業式時点で約2割の学校で教員不足が起きている。一大事である。
 ふた昔前、教員は人気職種で、高倍率の難関採用試験を通らなければならなかった。
 それが現在は、学校の過酷な労働環境が敬遠されていたり、給与などの処遇面が魅力的でなかったりで、応募者が減少してしまった。
 翻って学習塾はどうか。非常勤講師の募集に苦労しているとの声をよく耳にする。
 こちらもふた昔前は、大学生の人気アルバイトだった。
 ところが現在はそうではない。以前は時給が高いアルバイトだったが、他の業種の時給が上がったことや、個別指導における時給が低くなったことにより、その差が大きく縮まった。
 それだけではない。学校同様長時間拘束されたり、業務の多様化が進んだりした結果でもある。
 ふた昔前までであれば、生徒が理解できるまで、授業後補講したり、授業で使用するプリントを作成することなどは、時給に含まれる当たり前の業務であった。
 しかし、現在はそれがそうではなくなった。
 読者諸氏の学習塾では、残業代をきちんと支払っているだろうか。補助業務に対する処遇はどのようになっているだろうか。
 点検必須。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社idea spot イデアスポットが授業改革に電子黒板『プロメシアン』を選んだ理由
  • 8 CatchUp2 株式会社聖文館+FLENS株式会社 『School Manager』を導入し管理コストを約4割削減 神戸の老舗「若松塾」のDXへの挑戦
  • 10 CatchUp3 一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会  発達障害の子供たちへの指導に関する研修会を開催へ ワーキングメモリ教育推進協会が教育事業者向けに
  • 12 CatcUp4 練成会グループ 悲願の自社システムが教育格差の解消にも
  • 14 CatchUp5 株式会社スコップ クリエーティブ力の電通が発案 子どもの創造力を育てるスコップ・スクール
  • 16 CatchUp6 株式会社ジェイシー教育研究所 サス学の導入をスムーズにするクラウドサービスが登場
  • 20 HOT TOPICS1 【特別寄稿】ついに逆転。「一般選抜」が少数派になる中で 主流となる「総合型選抜」の本質とは?
  • 24 HOT TOPICS2 英語教育にICTは必要不可欠に
  • 28 Special Report セイコーエプソンとスタディラボが実現する子供部屋のDX
  • 32 挑む私学 雲雀丘学園中学・高等学校 探究を究めた学びで国公立大学合格者が飛躍的に増加
  • 35 目次・巻頭言
  • 36 NEWS ARCHIVES
  • 64 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 65 【特集】① 幼児教育考
  • 78 【特集】② 株式公開企業塾 2023年2・3月期 第1四半期(1Q)決算を読む
  • 94 TOP LEADER Interview すべては子どもたちの未来のために。  株式会社 リソー教育
  • 104 教育サービス業界 企業研究(118) 株式会社コンシェルジュ
  • 107 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(343)
  • 108 疾風の如く(158) 株式会社BYD/3rd Class 代表取締役/主宰 井上 創太 さん
  • 110 For Whom the 塾 Tolls(16)
  • 112 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(112)
  • 114 白書界隈徘徊話(90) 西村克之
  • 116 自ら動き出すチームにする方法(96) 中谷彰宏
  • 118 塾の家計簿(64)
  • 120 シン・ジュクジン(10)
  • 122 芸術見聞録(110)
  • 123 塾長の机
  • 124 為田裕行の「教育ICT行」(90)
  • 125 10¹⁵ PETA(18)
  • 126 1981(42)
  • 127 Opinion from School(39)
  • 128 林明夫の「歩きながら考える」(205)
  • 130 新・授業改革を目指して(128) 石川幸夫
  • 132 私塾界インサイト(54)
  • 136 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(10)
  • 138 咲かせよ桜(91) 小林哲夫
  • 142 論点2022(9) NFTとは?
  • 146 編集後記
  • 148 Book Review
  • 150 塾長のためのガジェット講座

【お知らせ】通信設備復旧

ご報告

2022年8月25日午前11時30分頃より弊社事務所の通信機器の不具合、通信障害のために固定電話、FAXが不通となっておりましたが、先程、8月26日午後12時45分に復旧いたしました。

皆様にはご心配とご迷惑をおかけいたしました。

株式会社私塾界

東大毎日塾 代表 内田悠斗さん|疾風の如く|2022年8月号

教育格差のない世界を目指して「いつも隣に東大生を」

自分は、予備校も通わず東大へ。でもそれは「環境」のおかげだ。
分からないことはいつでも聞けたし、共に頑張れる仲間もいた。
じゃあ、それがない子どもたちはどうすればいい?
だから、僕が作った。
いつも隣に、東大生がいる環境を。

東大毎日塾 代表 内田悠斗さん

東大毎日塾 代表 内田悠斗さん
東大に現役合格できたのは
環境に恵まれていたから

「教育の地域格差」という社会問題が指摘されるようになって久しい。都市部では学校や塾・予備校が多数あり、最先端の学習ツールも豊富だ。かたや地方では、そうもいかないことが多い。学校は地域に一つだけ、学習塾もないという町は少なくない。より良い教育を受けたくても、そもそもスタートラインにさえ立てないのだ。

「その点、僕は環境に恵まれていただけなんです」と内田悠斗(27)は言う。自身は地元のトップ公立高校に通い、質の高い教育環境に身を置くことができた。
 特に大きかったと感じているのは、優秀な友人たちに囲まれていたことだ。彼らと切磋琢磨することができたし、分からないところはよく教えてもらっていた。予備校にも通わず東大に現役合格できたのは、そのおかげだと言ってはばからない。
 そしてその経験が、内田が開いた「東大毎日塾」の礎となっている。東大毎日塾は、オンラインの個別指導塾。最大のウリは、東大生が専属メンターとなっており、彼らに24時間質問し放題であることだ。優秀な友人たちにすぐ質問できる環境にあった自身の環境を、塾という形で再現しようとしたのである。
オンラインであれば、地域のハンデもない。一般的に、東京にいなければ受けられない東大生の指導やアドバイスを、どこからでも、しかもいつでも享受できるのだから魅力的だ。内田はこうして、少しでも教育の地域格差をなくそうとしている。

「勉強が得意な側の理屈」で塾のサービスを考えていた

 しかし、そんな東大毎日塾だが、開校当時はなかなか経営が軌道に乗らなかったと言う。
「誤算というか、大きな思い違いをしていたんです」と自責の念を込めて語る内田。
「最初は『質問し放題』だけで十分魅力になると思ってたんですよ。実際、そんな塾は珍しかったし、しかも東大生ですからね。でもそれは、ニーズを無視した『勉強が得意な側の人』の理屈でしかなかったんです」。
 自分自身は、環境に恵まれたおかげもあって「得意な側」としてここまで来ることができた。分からないことだけをピンポイントで聞ければ後は自分でやればいいし、効率的だと思っていた。
 しかし、いくら自由に質問できる環境があっても、それを活用できないタイプの子どもだっている。勉強を「自走」できて、初めてこの環境のメリットを享受できる。ここへの理解や共感が抜け落ちていたのだ。

自分の形を押し付けず、プランニングやコーチングを重視

 そんな考えを反省した内田、「質問し放題」という強みは残しつつも、学習のプランニングやコーチングに力を入れ、ティーチングも加えた3つの軸で塾のサービスを作り替えた。そもそもどうやって勉強すればいいのか、志望校合格に向けてどんな戦略を立案すればいいのか、そのプランのチェック機能をどう稼働させていけばいいのか。これを東大生メンターが担う形にしたのである。
 大事にしているのは「生徒に寄り添う」こと。ややもすれば、東大生は自身がやってきた勉強法に自信を持ちがちだ。しかし、それを生徒に押し付けないことだけは、徹底してメンターたちにも指導する。「この勉強法で成果が出ないのは本人の努力不足」などと的外れな評価をしてしまってはいけない。
 その成果か、少しずつ生徒も増え、今では確固たる人気塾だ。他塾との提携事業にも乗り出した。「東大生講師がいつでも塾生の質問対応を代行」というキラーコンテンツを活かして、地域学習塾における人材不足問題の解決を目指している。提携塾は地方に居ながら「東大生から教えてもらえる塾」として新たなキャッシュポイントが構築できる。
 一人の行動で、世界から教育の機会格差を根絶するのは難しいかもしれない。しかし、目の前の子どもたちを助けることはできるはず。内田は、そんな思いで今日も生徒と向き合っている。

・東大毎日塾 https://www.toudain.com/service/

・塾経営者向けページ https://www.toudain.com/service/juku/

・東大生の頭の中 https://www.toudain.com/