ウィザス、ファンド傘下で非上場へ NSSKが公開買付けを開始

株式会社ウィザスは6月9日、投資ファンドの株式会社NSSK-J1による株式公開買付け(TOB)に対して賛同を表明し、株主に対して応募を推奨する方針を発表した。買付けが成立すれば、同社はNSSK(日本産業推進機構)の完全子会社となり、今年9月頃を目途に上場廃止となる見通しだ。

今回の公開買付けは、NSSKが設立した買収目的会社NSSK-J1が実施主体となり、6月10日から7月22日までの期間で全株式取得を目指す。買付価格は1株あたり3,237円に設定されている。買付け成立の条件として、議決権ベースで約90%以上の株式取得を目指しており、これを満たした場合、スクイーズアウトを経て非上場化する予定。

ウィザスの筆頭株主であるGlobal ESG Strategy(GES)ファンドを運用するSwiss-Asia Financial Services、および創業家(堀川一晃氏とその関係者)とはすでに応募契約を締結しており、両者から計約40%の株式がTOBに応募される予定である。

ウィザスは、1976年の創業以来、学習塾や広域通信制高校の運営を中心に事業を展開し、教育業界での存在感を高めてきた。今回のTOBと非上場化は、短期的な市場評価に左右されず、中長期的な成長戦略の実行を目的とするものとしている。

なお、GESは、今回のTOBを通じて自らが提起していたガバナンス改革や創業家支配の是正といったエンゲージメントの目的が一定程度達成されると判断し、6月の株主総会に向けて提出していた株主提案を取り下げることを発表した。GESは、TOB価格が交渉を経て引き上げられたことや、NSSKによる買収後の中長期的な企業価値向上への期待を評価し、公開買付者との応募契約を締結した上で、ウィザスの非上場化を支持する立場に転じた格好だ。

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