東京学芸大学と福島県大熊町が連携協定を締結
―「教育ウェルビーイング研究開発プロジェクト」で復興と未来をつなぐ新しい学びを推進 ―
東京学芸大学教育インキュベーション推進機構(機構長:國仙尚彦)と福島県大熊町(町長:吉田淳)は、教育を軸とした地域づくりの推進を目的に連携協定を締結した。協定は、双方の知見や資源を生かしながら、地域教育の充実と新しい学校づくりを進めることを目的としたもの。締結式には大学と町の関係者が出席し、教育の力で復興から未来へとつなぐ取り組みを進めていく決意を共有した。
「学び舎ゆめの森」を中心に、教育を核とした町づくりを
今回の協定は、大熊町の新たな教育拠点「学び舎ゆめの森」の構想を基盤に、教育・福祉・地域振興など多分野を横断した協働を進めるもの。教育政策の立案支援、教員養成・研修、人材育成、産官学連携の促進など、幅広い領域での共同研究と実践を展開する。
國仙機構長は、「震災からの復興を力強く歩む大熊町と手を携えることは、日本の教育の未来を考えるうえで極めて意義深い。町が掲げる“子どもの幸せ”やウェルビーイングを共に探究し、地域に根ざした教育を共創していきたい」と語った。
ウェルビーイングを教育の視点から可視化
連携の中核となるのは、「教育ウェルビーイング研究開発プロジェクト」。同プロジェクトでは、教育を通じて人と地域の幸福(ウェルビーイング)をどう実現できるかを探究する。
荻上准教授は、「ウェルビーイングは抽象的でとらえにくい概念だが、大熊町との対話を通じて町に根差した指標を開発し、教育施策に生かしていきたい」と説明。「測定にとどまらず、教育現場と伴走しながら改善を重ね、中長期的に町の未来を共に描く」と展望を語った。
復興から未来へ、教育が支える町の再生
吉田町長は、「復興には建物などのハード整備だけでなく、教育や子育てといったソフト面の充実が欠かせない。行政・教育委員会・学校が一丸となり、この協定を実りあるものにしていきたい」と意欲を示した。
また、佐藤教育長は「震災と原発事故を経験した町だからこそ、対話を重ねて最適解を見いだす姿勢を教育に生かしてきた。このプロジェクトが掲げる“だれ一人取り残さないウェルビーイングな未来”の実現に、学芸大学とともに取り組みたい」と期待を寄せた。
未来の教育モデルを共に創る
東京学芸大学は「教員養成のフラッグシップ大学」として、全国の自治体と連携しながら教育の質向上と新しい学びの創造を推進している。今回の大熊町との協定は、震災復興と教育改革を結びつける先進的な事例として注目される。
大学と自治体が共に探究し、ウェルビーイングを基軸とした教育と地域づくりを進めるこの連携は、未来の学校・地域モデルを示すものとなりそうだ。




