「エジプト・バカロレア」対応数学教科書と小学生向け理科教科書の共同開発でMOU締結
教育サービス大手のスプリックス(東京都渋谷区)は2026年1月15日、エジプト・アラブ共和国 教育・技術教育省(MOETE)と、数学・理科を中心としたSTEM教育の基盤強化を目的とする包括的な教育協力に関する覚書(MOU)を締結した。調印式にはムハンマド・アブデルラティーフ教育・技術教育大臣のほか、在エジプト日本国大使館関係者も立ち会った。
今回のMOUは、初等・中等教育段階における基礎学力の底上げと、エジプト政府が推進する国家的STEM人材育成政策を背景に、日本式教育モデルや学力評価手法を取り入れた教育改革を進めるもの。スプリックスとMOETEは、これまでの協力関係を発展させ、全国規模での教育の質的向上を目指す。
MOUの柱の一つは、エジプトの新たな高校卒業評価制度「エジプト・バカロレア」に対応した数学教科書の開発だ。高校2・3年生を対象に、日本の学習指導要領を参考にした内容構成とし、教科書に加えてデジタル教材やワークブックなどの学習補助教材も整備する。学習成果の把握には、スプリックスが展開する学力評価テスト「TOFAS」を活用し、基礎学力の定着と向上を図る。
もう一つの柱が、初等教育段階における理科教育の強化である。小学校4年生から6年生向けの理科教科書を新たに開発し、観察・実験・考察を重視した教材設計を採用。科学的思考力や論理的に考える力の育成を通じて、理数系基礎力の底上げを目指す。教材はエジプトの教育制度や学校現場の実情に配慮しながら開発される。
スプリックスはこれまで、エジプト全土でプログラミング教材「QUREO」を展開し、約100万人規模の生徒が利用するほか、初等教育向け教科書の提供などを通じて同国の教育改革に関与してきた。こうした実績が評価され、今回の包括的な教育協力に発展した形だ。
MOU締結に先立ち、2026年1月14日には松本洋平文部科学大臣がエジプトを訪問し、スプリックスの教育ソリューションが導入されているエジプト日本学校(EJS)や公立学校を視察。日本式教育の実践状況や数学授業の様子が紹介され、日埃間の教育協力の進展を象徴する機会となった。
スプリックスは今後、数学・理科を軸としたSTEM教育の基盤整備を通じ、エジプト全体の教育制度を支える持続可能なモデルの構築を目指すとしている。また、本プロジェクトで得られる知見をもとに、国際的なSTEM教育モデルの確立にも取り組む方針だ。




