高校授業料無償化の拡充を背景に、私立高校への進学意識が変化しつつある。スプリックスグループの湘南ゼミナール(東京都渋谷区)が実施した調査によると、当初は国公立高校を志望していた保護者の約半数が、制度内容を理解した後に「私立高校も選択肢に入れたい」と回答した。
調査は、小・中学生の子どもを持つ保護者516人を対象に、2025年12月にインターネットで実施された。2026年度から進む高校授業料無償化の拡充や所得制限撤廃について、保護者の認知度や進学意識への影響を探った。
その結果、高校授業料無償化について「詳細は知らない」と答えた保護者は74.4%に上り、制度の浸透不足が浮き彫りとなった。進学先として最も行かせたい学校種別は「国公立高校」が66.9%で最多となり、私立高校を避ける理由としては「国公立に比べて学費がかかるから」(75.9%)が最も多かった。
一方、無償化制度の具体的な内容を説明した後には意識の変化が見られた。当初、国公立高校を志望していた家庭の45.5%が「私立高校も選択肢に入れたい」と回答。私立を検討する理由としては、「授業料負担が軽減されるから」(83.4%)に加え、「学習・教育内容が適しているから」(58.0%)、「進学実績を重視したいから」(37.6%)などが挙げられた。
ただし、私立進学への不安も根強い。制度説明後も私立を志望しない理由としては、「授業料以外の費用(入学金・施設費など)がかかるから」が68.6%で最多となり、無償化の対象外となる諸費用が依然として大きな壁となっている。
自由回答では、「子どもが複数いるため、無償化で家計負担が大きく変わるのはありがたい」といった期待の声がある一方、「無償化を理由に設備費が上がるのでは」「倍率が高くなり、競争が激しくなるのでは」といった懸念も寄せられた。
湘南ゼミナールは今回の結果について、「正しい情報提供によって進路選択の幅が広がる一方、私立志望者増加による入試競争の激化も想定される」と分析。今後は、小学生段階から高校受験を見据えた先取り学習と、制度に関する情報提供を強化し、学力面と情報面の両面から保護者と子どもを支援していくとしている。




