東陽テクニカは、フィンランドのIQM Quantum Computersから購入した超電導型量子コンピューター「IQM Radiance20」を、産業技術総合研究所の「量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)」に設置すると発表した。民間企業が自社で投資・導入した量子コンピューターをG-QuATに設置するのは初めて。稼働開始は2027年初頭を予定している。
東陽テクニカは、IQM社と量子コンピューターの販売代理店契約を結び、量子技術の社会実装に向けた事業を展開している。2026年4月には、20量子ビットのハイエンド拡張モデル「IQM Radiance20」の導入を決定し、売買契約を締結していた。
設置先となるG-QuATは、産総研が2023年7月に設立した研究開発拠点。量子コンピューター、AI、HPCを融合した研究開発や産業応用、人材育成を進め、量子技術分野におけるグローバルなビジネスエコシステム形成を目指している。
東陽テクニカは、量子技術に関する研究開発が進むG-QuATが設置場所として最適と判断し、8月6日付で産総研と設置場所に関する賃貸借契約を締結した。量子コンピューターは2026年末までに納入され、稼働後はオンプレミスとクラウド経由の双方で、国内の企業、大学、研究機関などに利用機会を提供する。
日本では、2030年までに量子技術の国内利用者1000万人、量子技術による生産額50兆円などの目標が掲げられている。東陽テクニカは、量子コンピューターや量子センシングのユースケース創出、新たなビジネスモデルの開発、人材育成を通じて、日本における量子技術の社会実装を推進する考えだ。
実機を活用できる環境の整備は、量子技術の産業応用を進める上で重要な基盤となる。今回の設置が、企業や研究機関による共同研究、ユースケース創出、量子人材育成を加速させるかが注目される。



