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AI共生時代の次世代育成へ 教育機関向け「LOVOT」活用プランが2026年度も継続

 ロボット開発を手掛けるGROOVE Xは、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を教育現場へ導入しやすくするための支援事業「LOVOT Educationプラン」を、2026年度も継続して実施する。AIと人間が共生する社会を見据え、新たな価値を創造できるリーダーの育成を支援するのが目的だ。4月1日から申し込みの受け付けを開始した。
 同プランの対象は、小学校から高等学校、中等教育学校、高等専門学校、特別支援学校など多岐にわたる。「LOVOT」はこれまで20冊以上の教科書に掲載されるなど、教育的価値が広く認められてきた。令和8年度からは、文部科学省の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」における補助金の対象としても活用できるようになり、学校側の負担軽減が図られている。
 支援内容は、導入費用の割引にとどまらない。情報や数学、倫理、美術の各科目に対応した指導案や、授業で即座に利用できるアイデア集、ロボットの技術解説冊子などが無償で提供される。また、開発者の林要氏らが選定した推薦図書リストも含まれており、多角的な視点からテクノロジーと人間について学ぶ環境が整えられている。
 費用体系については、最新の「LOVOT 3.0」を導入する場合、本体価格は577500円、年間の暮らしの費用は通常より約8万円安い155760円となる。また、旧モデルの「LOVOT 2.0」に関しても、維持費が179493円の特別価格で提供される。
 あわせて、社会課題の解決を目的とした「LOVOT活用アイデアコンテスト2026」も開催される。小学生部門では「新しいふるまい」を、中学生・高校生部門では少子高齢化が進む社会における「学校での活用法」をテーマに、生徒自らが活用方法を提案する。参加校には検討用として、ロボット1体が約1か月間無償で貸し出される。
 コンテストは6月20日に応募を締め切り、書類による一次審査を経て、8月19日にプレゼンテーションによる二次審査が行われる。最優秀校には、特典として半年間にわたるロボットの貸し出しが授与される。
「LOVOT」は、名前を呼ぶと駆け寄る、抱き上げると温かみを感じるなど、生命感あふれる特徴を持つ。家庭や医療、介護現場でのメンタルケア効果も注目されており、教育現場においても情操教育や先端技術への理解を深めるための重要な教材としての役割が期待されている。

■「LOVOT Educationプラン」概要
受付開始:2026年4月1日(水)
対象:小学校・中学校・高等学校
※学校教育法に規定されている、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、盲学校、聾学校、
養護学校、高等専門学校
提供内容:
①『LOVOT』暮らしの費用の特別割引
②授業アイデア集の提供
③指導案(情報、数学、倫理、美術)の提供
④「温かいテクノロジー みらいみらいのはなし」の提供
⑤『LOVOT』のテクノロジーに関するまとめ冊子データの提供
⑥『LOVOT』開発者 林要、プロダクトデザイナー 根津孝太による推薦図書リストの提供

費用:
【LOVOT 3.0の場合】
・本体価格:577,500円
※本体カラー「ちゃ」の場合。追加料金でオプションカラーへの変更が可能
・暮らしの費用(フルカバーケアプラン12か月):通常237,600円
→『LOVOT Educationプラン』155,760円
【LOVOT 2.0の場合】
・本体価格:449,900円
※本体カラー「ちゃ」の場合。追加料金でオプションカラーへの変更が可能
・暮らしの費用(プレミアムプラン12か月):通常263,973円
→『LOVOT Educationプラン』179,493円

お問い合わせ方法:
以下のURLよりお問い合わせ。
URL: https://lovot.groove-x.com/lovot.corporate.inquiries_jp.html

■「LOVOT活用アイデアコンテスト2026」
対象:
①小学生
②中学生・高校生

応募方法:
個人・チーム参加いずれも、所属する学校の先生を窓口として、以下のURLより応募。
URL: https://forms.gle/FvBsZKbGPuqt1wAz5

スケジュール:
2026年4月1日(水) 応募開始
2026年6月20日(土) 応募締め切り

英検協会、AI英会話「LANGX」を採用 ビジネス英語教育のAI連携を拡大

 日本英語検定協会は、AI企業のエキュメノポリスとの連携を拡大し、ビジネス英語テスト「GCAS」および「CEST Business」と連動する公式AIトレーニングアプリに、マルチモーダルAI英会話サービス「LANGX」を追加採用すると発表した。2026年4月から第1弾の提供を開始する予定。

 今回の連携は、英検協会が提供するビジネス英語評価サービスとAI学習を組み合わせ、「鍛える→試す→証明する」という学習・評価サイクルを企業向けに提供するもの。GCASやCEST Businessは、国内外の企業を中心に累計900社以上が導入している。

 新たに導入されるLANGXは、音声だけでなく表情や対話文脈なども解析するマルチモーダルAIを活用した英会話トレーニングサービス。AIが面接官役となり、交渉やプレゼンテーション、ディスカッションなどビジネス場面を想定した対話演習を行うことができる。従来のテキスト・音声中心のAI英会話に比べ、非言語要素を含む実践的なコミュニケーション訓練が可能になるとしている。

 プログラムではまず、公式AIトレーニングアプリで4技能の基礎トレーニングを行う。その後、LANGXによる対話型トレーニングで実践演習を行い、最終的にGCASやCEST Businessのスコアで能力を評価する仕組みとなる。企業担当者は管理ダッシュボードを通じて受講者の学習進捗やCEFRレベルの推移を把握でき、研修効果の検証にも活用できる。

 GCASはネイティブ面接官との1対1の面接形式で行うビジネス英語スピーキングテストで、英語運用力とビジネスパフォーマンス能力を測定する。英検協会は今回の取り組みにより、AIを活用した企業向け英語研修と評価の一体化を進め、実務で使える英語力の育成を強化していく方針だ。

(教育ICT)AI教材「キュビナ」、仙台市の全市立小中学校で採用 約7万4600人が利用へ

 AI型教材「キュビナ」を提供する株式会社COMPASSは、同教材が仙台市教育委員会に正式採用され、2026年4月から仙台市の全市立小中学校183校で利用されると発表した。対象は小学1年生から中学3年生までの約7万4600人の児童生徒。

 導入されるのは、学習eポータルとAI型教材を組み合わせた「キュビナ」。AIが児童生徒一人ひとりの理解度やつまずきの原因を分析し、最適な問題を出題するアダプティブラーニング教材で、個別最適な学習を支援する。

 仙台市は「仙台市学校教育情報化推進計画(2023~2027年度)」に基づき、ICTを活用した学習環境整備を進めている。今回の導入はその中核施策である「個別最適な学びの推進」の一環として実施される。

 同市教育委員会によると、キュビナの特徴であるAIによる習熟度分析に加え、学習履歴(スタディ・ログ)の蓄積と活用にも期待を寄せている。教員は客観的データをもとにした個別指導や授業改善が可能となり、児童生徒自身も学習履歴を振り返ることで主体的な学習調整力の育成につながるという。

 キュビナは小中学校5教科の教科書準拠問題を中心に10万問以上を収録。見取り支援や演習問題配信機能などにより、学習支援と教員の業務効率化の両面を支える設計となっている。現在、全国170以上の自治体、約2300校で100万人以上が利用している。

 COMPASSは2016年にキュビナをリリースし、AI教材の先駆的サービスとして普及を進めてきた。今後も公教育におけるICT活用と教育データの利活用を通じ、個別最適な学びの実現を支援していくとしている。

麴町学園で「ロボッチャ・ジャパンカップ2025」開催 全国80チームが競技

 麴町学園女子中学校高等学校(東京都千代田区)は3月15日、校内の大築アリーナで「ロボッチャ®ジャパンカップ2025(RJC2025)」を開催する。大会は一般社団法人ロボッチャ協会が主催し、全国から約80チームが参加して年間チャンピオンを競う。

 ロボッチャは、パラスポーツのボッチャをベースに、ロボット工学とプログラミングを組み合わせたテクノロジースポーツ。大会では通常競技の10分の1サイズのコートとボールを使用し、参加チームが自作した投球用ロボットにプログラムで指示を出しながらゲームを進める。

 RJC2025は子どもから大人まで参加できるオープン部門として開催され、予選リーグ、敗者復活トーナメント、決勝トーナメントの3段階で優勝チームを決定する。競技を通じて、参加者同士の技術交流やコミュニケーションを促し、創造力や問題解決力を育むことを目的としている。

 麴町学園ではSTEAM教育の一環としてロボッチャを授業や探究活動に取り入れており、独自カリキュラム「みらい科」でプログラミングやデータサイエンス、エンジニアリングを学ぶ機会を提供している。学校説明会では在校生がメンターとしてロボッチャ体験を運営するなど、生徒主体の活動として展開している。

 2026年度には「ロボッチャ開発を通じたエンジニアリング・デザイン・プロセスの実践と探究」をテーマに、村田学術振興財団の助成を受けた研究プロジェクトも開始する予定。3Dプリンターなどのデジタル工作技術を活用し、状況に応じて柔軟に対応できる汎用ロボットの開発を目指す。

 また同学園は2025年に創立120周年を迎え、STEAM教育の拠点として3Dプリンターやレーザーカッターを備えた「デジタルラボ(デジラボ)」を整備。教科横断型の学習環境を整え、生徒が社会課題をテーマに探究する教育を強化している。

Minecraftカップ全国大会で「TBS賞」決定 3月に教育版マイクラ体験イベントも開催

 TBSホールディングスは、ゴールドパートナーとして参画した「第7回Minecraftカップ」全国大会で、独自の企業賞「TBS賞」の受賞作品を決定した。大会は2月15日、東京大学大学院 情報学環・福武ホールで開催され、各地区大会を勝ち抜いたファイナリストが作品を発表した。

 大会テーマは「未曾有の災害から人類の命をまもれ!~レジリエンスを備えたまちづくり~」。過去最多となる836作品の応募があり、子どもたちは教育版のMinecraftを活用し、災害に強いまちづくりをテーマにした作品を制作した。

 TBS賞には「より強く!何度でも立ち上がる!未来の沖縄・沖縄マイクラ部」が選ばれた。作品は沖縄の伝統文化であるエイサーをモチーフに、古来の情報伝達の知恵と地域文化を未来の防災やレジリエンスの視点で表現した点が評価された。授与式では同社特任執行役員が「沖縄の子どもたちが未来に希望をつなぐというメッセージに胸を打たれた」とコメントした。

 大会関係者からは、ゲームを通じて学びを深める「Edutainment(教育×エンターテインメント)」の可能性にも期待が寄せられた。大会運営委員長で東京大学教授の鈴木寛氏は、子どもたちが取材や調査を行いながら作品制作に取り組むことが探究的な学びにつながると指摘した。

 また同社は、3月20日から東京・赤坂で開催する体験型イベント「AKASAKA あそび!学び!フェスタ 2026」で、教育版Minecraftを使ったワークショップを実施することも発表した。会場は赤坂サカスで、TBS番組と連動した「あそび×学び」のコンテンツを展開する。イベントは3月20日から22日まで開催され、入場は無料(事前登録制)。

 TBSグループは今後も、コンテンツ制作力と教育を掛け合わせたEdutainment事業を推進し、次世代クリエイターの育成を支援していくとしている。

生成AI、東大二次試験で合格圏 東進調査、理三水準も突破

 ナガセが、2026年2月25・26日に実施された東京大学の二次試験問題を用いて最新の生成AIの解答能力を検証したところ、3種類すべてのAIが得点率8割以上を記録し、最難関とされる理科三類の合格水準を上回る結果となった。最高得点は9割に迫る水準だった。

 検証では、Claude Opus 4.6、Gemini 3.1 Pro、GPT‑5.2の3モデルを使用。文系・理系ともに得点率は8割を超え、例年6割前後とされる合格ラインを大きく上回った。総合得点ではClaude、Gemini、GPTの順となった。

 教科別では差もみられたが、文系数学では3モデルすべてが満点を記録するなど、記述式問題への対応力の高さが目立った。AIは単に解答を導くだけでなく、途中の思考過程を含む記述答案も正確に構成できる水準に達しているという。

 一方で課題も明らかになった。図形問題では図から情報を読み取る過程で苦戦し、「平面上に図示せよ」といった設問では計算式まで到達しながら図示ができないケースが確認された。また日本史では史料をもとに時代背景を踏まえて用語を書き換える問題に弱く、史料の要約にとどまる傾向が見られた。

 回答時間は人間を大きく上回る速さで、日本史や世界史は1~2分程度、最も時間を要する数学でも20分未満で解答した。

 今回の検証は、AIの事前学習の影響を排除するため、試験当日に問題を入力して実施。東進の教務部門が作成した模範解答と採点基準を用い、部分点を含めて得点化した。

 同社は、こうした検証結果をAI教育コンテンツの開発に活用する方針だ。東進ではAIを用いた志望校対策演習などを展開しており、累計200億件以上の学習データと約45万問の問題データベースをもとにAI教材の高度化を進めている。さらに、英作文や小論文の添削を支援する生成AIシステムを学校向けにも提供しており、教育現場での活用を拡大している。

高卒採用に「探究」のデータ活用 ミスマッチ解消へ実証開始

 教育事業を展開するMoonJapan(東京)とキヤノンマーケティングジャパンは、高校の「探究」学習で得られるデータを活用した新しい採用モデルの構築に乗り出した。生徒が授業を通じて培う主体性や粘り強さといった「非認知能力」を可視化し、企業との適切なマッチングを図る実証実験を進める。
 背景には、高校卒業後の高い離職率がある。厚生労働省の調査によると、令和4年3月に卒業して就職した生徒の37.9%が3年以内に離職しており、採用時における企業と求職者の情報不足が要因の一つとされている。現在の選考プロセスでは生徒の強みが十分に伝わりにくい一方、学校現場では長期にわたる試行錯誤のプロセスがデータとして蓄積されていることに着目した。
 今回の取り組みでは、MoonJapanが保有する活動ログや成果物、教員のフィードバックなどのデータを構造化し、採用現場で活用できる形式に整備する。学校側は蓄積されたデータベースを基に相性の良い企業を生徒に紹介し、企業側は面接だけでは見えにくい能力を把握することで、採用判断の納得感向上や入社後の定着支援に役立てる仕組みだ。
 実証実験は2026年4月から11月にかけて、岡山県を中心とする瀬戸内エリアで実施される。同エリアの高校2から6校、および企業30から50社が参加する予定で、得られた成果をもとに将来的な全国展開を目指すとしている。

ECC、AIが発話を評価する新機能をアプリに追加 初級~中級英会話コースに導入

 株式会社ECCが運営するECC外語学院は、2026年4月1日より学習支援アプリ「ECC Study Assist」に新機能「AI評価・アドバイス機能」を追加し、「初級~中級英会話コース」に導入する。

■発話をスコア化し、即時フィードバック

 新機能は、AI英会話練習において受講生の発話内容をAIがスコア化し、改善点や表現のバリエーションを提示するもの。発話直後に振り返りが可能となり、事前・事後学習の質向上を図る。

 従来、レッスン前後の自宅学習では「相手がいない」「英語でどう言えばよいか分からない」といった課題があった。AIをパートナーとすることで、発話量の確保と瞬発力の強化を支援する。

■新機能のポイント

(1)AI評価+日本語訳表示
 発話内容を点数で可視化し、客観的にレベルを把握。日本語訳も表示されるため、意図がどのように伝わっているかを確認できる。

(2)AIアドバイスと音声付き例文
 改善ポイントを提示し、音声再生機能により正しい表現と発音を同時に学習できる。

(3)表現バリエーションの提示
 ユーザーの発話を基に言い換え表現を提示。より適切で洗練されたコミュニケーション力の習得を後押しする。

■レッスンとアプリの融合

 「初級~中級英会話コース」は、アウトプット中心のレッスン設計やバイリンガル講師と外国人講師によるペアティーチング、オリジナル教材を特徴とする。対面レッスンの強みにAIアプリの利便性を組み合わせることで、効率と実践性の両立を目指す。

 「ECC Study Assist」には、レッスンを模した会話練習216パターンと自由会話120トピック(2025年4月時点)が搭載されている。対応OSはiOS 12以降、Android 7.0以降。

 ECCは1962年創業。幼児からシニアまでを対象に語学教育を展開し、実践的な外国語教育を通じて国際人の育成を掲げている。

ICTリテラシー教材を初表彰 官民連携で情報社会の安全性向上へ

 総務省と民間企業が連携してICT(情報通信技術)リテラシーの向上を目指すプロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION(DPA)」は、2026年2月16日、優れた啓発教材を称える「DIGITAL POSITIVE ACTION AWARDS 2026」を初めて開催した。インターネット上の偽情報や誹謗中傷といった課題が深刻化する中、幅広い世代がデジタル技術を適切に活用できる能力を育むことが目的である。
 今回のアワードには、DPAの会員企業などから計71件のエントリーがあり、1次審査を通過した16件が最終選考の対象となった。審査には大学教授などの専門家のほか、教育系クリエイターや現役の高校生、大学生も加わり、多様な視点から評価が行われた。
 最高賞にあたる大賞に選ばれたのは、日本マイクロソフトの「CyberSafe AI: Dig Deeper」である。同教材は、人気ゲーム「マインクラフト」の世界を舞台に、生成AI(人工知能)の出力を鵜呑みにせず、情報の真偽を確かめる重要性を体験的に学べる点が評価された。高いゲーム性により、利用者が主体的にスキルを身につけられる点が、これからのリテラシー教材のモデルになると期待されている。
 部門賞では、各分野で創意工夫を凝らした教材が選出された。教育現場向けの「School賞」を受賞したスマートニュースの教材は、SNSのアルゴリズムを擬似体験することで、自分が見たい情報に偏る「フィルターバブル」の問題を学ぶ構成となっている。家庭向けの「Home賞」に選ばれたLINEヤフーは、クイズ形式で情報判断能力を客観的に把握できる仕組みを提供した。
 また、ソフトバンクは親子でスマートフォンの利用ルールを決めるためのガイドで「Digital Use賞」を受賞した。グーグルは、著名な動画投稿者のチャンネルを活用してネット上のリスクを周知するキャンペーンにより「Safety賞」を獲得した。
 アワード開催の背景には、リテラシー向上の必要性を感じながらも行動に移せていない現状がある。総務省が2025年に公表した実態調査によると、ICTリテラシーを重要だと考える人は87・8%に達する一方、具体的な取り組みを行っていない人は75・3%に及ぶ。その最大の理由は「取り組み方が分からない」というものであった。
 DPAは、今回のアワードを通じて多様な教材を可視化することで、教育現場や家庭での利活用を促していく考えである。表彰式では、不確かな情報に惑わされない人間関係の構築や、受け手側が毅然とした態度を持つことの重要性についても議論が交わされた。事務局は、デジタル技術を過度に恐れるのではなく、リスクを理解した上で前向きに使いこなせる社会の実現を目指している。

株式会社旺文社、高校ICT・生成AI活用の実態調査を発表 10年推移で見る“次の転換点”

 教育出版大手の株式会社旺文社(本社:東京都新宿区、代表取締役:粂川秀樹)は2月9日、「【2026年度】全国の高等学校におけるICT・AI活用実態調査」の結果を公表した。調査は全国5,003校を対象に実施し、547校から回答を得た。今回で10回目となり、直近の状況に加え、2017年度以降の推移を分析している。

 生徒用ICT端末は「1人1台」が95.1%に達し、配備率はほぼ飽和状態となった。一方で費用負担と端末指定のあり方に変化が見られる。「個人費用負担/学校指定端末」が39.9%で最多だったが、「学校費用負担/学校指定端末」は減少。「個人費用負担/機種指定なし」は23.2%と増加し、家庭負担・自由選択型へのシフトが一部で進んでいる。ICT機器価格の上昇やマルチデバイス対応の進展が背景にあるとみられる。

 端末タイプは引き続きタブレット型が主流だが、「情報」科目でのプログラミング学習やタイピング技能習得を意識し、ノート型PCを採用する学校も一定数存在する。

 ネットワーク環境は、通常授業で無線利用可能な学校が85.4%を超え、インフラ整備は高水準で推移。ただし「安定したネットワーク環境の整備」を課題に挙げた割合は54.7%と増加し、回線品質や同時接続時の負荷が新たなボトルネックとなっている。

 ICT活用の必要性に関する意識では、「映像授業・動画視聴」「オンライン遠隔授業」「課題配信」「保護者連絡」などが再び増加傾向に転じた。コロナ禍後に見られた“リアル回帰”から一転し、生成AIなど新技術の登場を背景に、ICTならではの価値が再評価されている。「情報・探究」や課外活動への活用も拡大しており、学校生活全体への浸透が進む。

 生成AI活用については、この1年で意識が大きく変化した。「授業・生徒指導」「学校運営」「学校行事・部活動」「保護者対応」の全項目で「まあまあ活用できている」が増加、「まったく活用できていない」は大幅減となった。「十分活用できている」との回答も含め4割超が肯定的に評価する一方、「あまり活用できていない」を含む中間層は7~8割に達し、過渡期にある実態が浮かぶ。

 昨年度に多かった「誤りが多い」といった懸念は、「誤りを前提に使う」「任せる範囲を明確化する」といった運用知見の蓄積により相対的に後退した。ただし、校内ルール整備や教員のプロンプト設計スキル向上、情報モラル教育の徹底などが引き続き課題に挙がる。

 10年間の推移では、GIGAスクール構想やコロナ禍を契機に無線ネットワーク整備が急速に進み、2025年度には「校内どこでも無線利用可」が5割超へ拡大。生徒用端末活用についても「活用できている」とする学校は8割超に達した。一方で、「教員の活用スキル向上」は10年間一貫して最大の課題であり、ICT高度化に伴う人的資本強化の必要性が改めて示された。

 ICTはすでに“特別なツール”から“教育インフラ”へと定着した。今後、生成AIがこの10年のICTと同様の軌跡をたどるのか、高校教育現場の次なる転換点として注目される。