文部科学省は7月29日、学校で子供が使うコンピューターや校内のネットワークシステムの標準的な仕様を定めることなどを盛り込んだ「教育の情報化加速化プラン」を発表した。授業で必要な機能は備えつつ、価格を抑えて普及を促すため、教育委員会や学校と企業が連携し、来年度にも調達用ガイドラインを作る。
子供向け教材の開発や教員を支援する人材を確保するための官民協議会も来年度に設置。プログラミング教育が始まる2020年度以降を見据え、全国でICT(情報通信技術)を効果的に活用できる環境整備を急ぐ。
野村総合研究所の試算によると、10~20年後にAI(人工知能)やロボットに代替可能な職業に就いている人は、全労働人口の約49%にもなるという。「取り立てて人間にやってほしい理由もない(付加価値が低い)仕事は早晩消えていく」と<テクノ失業の恐怖>を予測する。野村総研は代替可能性が高い100種の職種リストをまとめていて、こんな仕事が挙げられている。『事務員』『受付』『経理事務』など、かつての末端ホワイトカラー職種がすでに激減しているという。
https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx
第7回教育ITソリューションEXPO(EDIX)が、5月18日から20日にかけて開催された。学校や塾・予備校などの教育関係者が、ICTの導入・検討するために数多く来場した。
今回のEDIXには、過去最多の680社が出展。特に目立ったのは、アクティブラーニングを意識した展示だ。ICTを使うことによって、教室に留まらず、遠隔地の学校や企業であっても協働で授業や実習を行え、能動的に学ぶことができるサービスが多く提案されていた。
その中でユニークだったのが、ヤマハ株式会社の提案である。ヤマハは、同社の製品であるボーカロイドを使った〝音楽〟のアクティブラーニングを紹介していた。興味を持った人も多く、開催されていたセミナーも盛況だった。
これらに加えて、今回から「学びNEXT みらいの学びゾーン」という名称で、最先端の学びを提案する企業を集めたゾーンが新設された。
この学びNEXTでは、STEM教育やプログラミング、人工知能、あるいはVR(仮想現実)などを使った学びが提案されていた。また、理科実験の教材やカリキュラムなどがセットになっている理科実験トータル支援システムなどもあった。
今までは、それまで使っていた教材や設備をただ電子化することに主眼が置かれていた向きがある。しかし、今回のEDIXでは、アクティブラーニングなどの新しい学びに対するICTの利活用法に主眼を置いたサービスや商品も増え、バラエティー豊かになってきた。学びNEXTが新設されたことも大きなトピックであり、教育ICTが次のステージへ入ったと感じさせる内容だった。
ただ一方で、同じようなものに感じる製品が多くあったのも確かだ。今後、ICTを使うことによって生まれる新しい学びの提案が、使いやすさも含めて、どのようにアップデートされていくのか期待したい。