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公私の別なく教育について語りあう 駒込と白鷗がイベントを開催

駒込中学校高等学校は昨年12月3日、都立白鷗高等学校・同附属中学校の善本久子統括校長を招き「未来型 中高一貫教育シンポジウム」を開催した。テーマは『激動の時代を生きる日本の子どもたちへ ~公私の別なくこれからの教育を語りあう~ 』だ。

まずは基調講演として善本氏が登壇。初の都立高校であり、また都内初の中高一貫校でもある白鷗は2018年に設立130周年を迎えるが、同校ではダイバーシティを尊重しながら国際的な「競争」と「協働」の両方ができるリーダーを育てているとのこと。人種、宗教、国、文化など違いを尊重できるようになるまでは大変であるが、多様性をじっくり育成しているとした。また教育委員からは「競争」という言葉が心配だと言われたというが、手を携えるだけでなく競い合いは大切であり、競い合うことによって成長できると訴えた。

続いては駒込中学校高等学校の河合孝允校長が基調講演をおこなった。今の日本の学校はテーラーシステム型指導方式で、大手企業もこれを採用しているが、それによって横並びの閉鎖的体制や重厚長大型産業時代の成功体験から抜け出せず、教育も産業も世界から孤立したことを指摘。また自己肯定感の低い日本の子どもたちに必要なことは「いのちへの気づき」だと訴えた。今後は主体的な学びとリーダーシップが必要となるため、駒込ではSTEM教育ならびにIoT時代対応のプログラミング授業や理数探究型授業を実施、また「一隅を照らす」という教育理念を心の教育の柱にしていると紹介した。

今度は教育評論家・コンサルタントの若泉敏氏をモデレーターに迎え、鼎談がおこなわれた。大学入試改革について問われた善本統括校長は、「大学入試が変わらないと高校教育が変わらない。そしてゴールができれば高校側にもミッションが生まれるため、40年ぶりの改革は歓迎する。また本改革は一体感のあるものになりつつあるのでよいと思う」と述べた。

若泉氏が「私立学校の教員育成は独自におこなってほしいと言われているがどう思うか?」と問うと、河合校長は「読み書きそろばんといった基礎学力をすべて否定するのではなく、社会的な教育レベルを落とすべきではないことを再確認した上で、中高の教育と大学入試改革をする必要がある」と答えた。

議論が白熱するなか、会場からも質問が寄せられた。「それぞれの学校で最近はどのような取り組みをしているか?」との問いに対し、河合校長は「世界水準のディープラーニングをおこなっている」と答え、善本統括校長は「大学は通過点に過ぎないため生きる力を育もうと、高2、3生にプレゼンの授業を実施している」と述べた。

若泉氏は「子供を認め、子供が本気になったら支えていくことが必要だと思う」と締めくくり、シンポジウムは盛況のうちに幕を閉じた。

 

「愛される塾には理由がある!」 全国学習塾協同組合が勉強会を開催

全国学習塾協同組合(AJC)は11月19日、第6回パロス塾運営勉強会を開催した。隔年で開催している本勉強会の、今回のテーマは「愛される塾には理由がある」。3名の講師が、それぞれ有益な講演を実施した。初めに登壇したのは、さくら労務コンサルティング 特定社会保険労務士の浦島行徳氏だ。浦島氏は学習塾特有の「コマ給制度」には落とし穴があることを紹介。また申告制の出勤管理では労働基準監督署から指導を受ける可能性が高いことから、タイムカードに変えるべきであること、さらにはアルバイトであっても有給が発生するため本人から要望があれば支給しなければならないことなど、塾経営における様々な盲点を指摘した。

続いて、習志野市で40年にわたり塾を運営している修学舎 塾長の玉城邦夫氏が講演。塾を立ち上げてから多くの先生のところへ見学に行っているという玉城氏は、現在でも毎月のように千葉県内の塾へ見学に行っており、今あるのは仲間のおかげであると述べた。またアンテナを立ててほかから学ぶ塾は伸び続け、そうでないと衰退していくと強調。修学舎で実践していることは何でも伝えるため、その代わりに効果のある取り組みを1つ教えてほしい、そしてAJCに入会してほしいと訴えた。さらに生徒を集めるには「限りなく安くすること」「実績を確実に上げること」の2つに尽きると主張した。

ラストは千葉市の学習塾、青葉学院 塾長の佐久田昌知氏が講演。佐久田氏は自塾の取り組みをざっくばらんに紹介した。例えば生徒獲得コストは1人につき2〜3万円で、チラシ3千枚で1人、DM400枚で1人獲得できているという。そのため生徒100人増やすには300万円ほど必要であるが、もし広告費が年間売上の5%に達した場合はコストのかけ過ぎであるとした。

また、入会相談では塾側から質問することが大切であるほか、学校生活において「欠席」は内申書に響くが、「遅刻」であれば問題ないなど、塾に入っていなかったら知り得なかった情報を伝えることも必要だと説明。さらに成績下落による退会を防ぐため、一時的に成績が下がるかもしれないことを入会時に伝えておくことが重要で、退会の申し出があってから伝えたのでは言い訳にしか聞こえないので気をつけるべきだとした。様々な具体例を挙げながら詳細にわたる情報が提示された講演に、参加者は多くの気づきを得たに違いない。

「アオイゼミ」を運営する教育ITベンチャー企業の葵 Z会グループ入りを

通信教育の株式会社Z会(静岡県長泉町、藤井孝昭社長)と、中・高生向けにオンライン学習塾「アオイゼミ」を提供する株式会社葵(東京都新宿区、石井貴基社長)は、葵がZ会の100%子会社となり、Z会グループに参画することを発表した。
「アオイゼミ」は、12月5日現在で登録ユーザー数が40万人を超え、有料のプレミアムプランの新規加入者数は、昨年同期比で300%以上に伸びており、今後さらなる加入者数の増加が見込まれている。
 そんな中、葵はなぜZ会グループへの参画を決めたのか。葵の石井貴基社長は、「創業から5年間ベンチャー企業としてやってきましたが、教育というのはノウハウの蓄積、コンテンツの生産を独自でやり切るのは時間がかかります。また、オンライン学習サービスにも様々な業種からの参入もあります。その中でナンバーワンのサービスを目指すために、Z会あるいは、栄光グループのリソースを活用させていただくことを決めました」と、その理由を話す。
 Z会グループに葵が加わることによって、様々なシナジーが予想される。例えば、葵の持つ4000本以上の映像授業、Z会の教材、グループの栄光ゼミナールが持つ中学・高校・大学受験のコンテンツなどの相互活用や共同開発が可能になる。
 また、グループ以外の学習塾に教材を販売しているエデュケーショナルネットワークは、デジタル教材の開発に葵が持つ開発力を生かすことができるほか、教務などにおけるICTの利活用に、アオイゼミのオンラインで培ったノウハウが使えることも大きい。
 来春以降には、共同で立ち上げる新規事業の計画も進んでいる。EdTech(教育系ITベンチャー)企業である葵のZ会グループへの参画は、新たな業界再編の嚆矢(こうし)となるか。注目が集まる。

塾を対象に「サス学」の提供を計画

株式会社ジェイシー教育研究所(千葉県千葉市、佐藤健一代表)は、学習塾に向けた「サス学(※)」セミナーを12月に東京と大阪で開催した。「サス学」の理念と特徴、そして現場での実践例が紹介された。
 「サス学」は、サステナビリティ学習の略で、三井物産株式会社と一般社団法人サステナビリティ・エンパワーメントが運営する探究型学習塾ネクスファが共同開発した。社会の事象を題材に、子供たちの「持続可能な未来を作り出す力」を育てるための探究型の学び方だ。
 授業は、「探究する心」「多様な価値観」「思いやる心」「やりとりする力」「生み出す力」「伝える力」の6つの力と心に着眼して進められる。具体的な授業の流れは、まずテーマを決め、テーマについてインプットとアウトプットを繰り返し、最終的にその成果を発表(プレゼンテーション、展覧会・ポスターセッションなど)する。

杉浦正吾氏。「12個全部結ぶ子もいれば、あるいは1つだけ深く結ぶ子など子供の個性によって「『サス学』らしんばん」の使い方が違いおもしろい」

 そこで積極的に活用されるのが、オリジナル教材「『サス学』らしんばん」。これは、あらかじめ設定された12の項目からテーマが〝ものごと〟とどのように繋がっているかを俯瞰でき、学びを発展させるためのツールだ。
「例えば、『未来型の図書館を作ろう』というテーマの場合、『サス学』らしんばんを使えば、『図書館と宇宙』、『図書館と生き物』などと繋げることで、未来の図書館を具体的にイメージすることができます。文字通り、思考のためのコンパス(羅針盤)になっています」と、ネクスファの杉浦正吾代表は話す。
 学びを通したアウトプットは、子供たちだけでなく保護者も参加する発表会で行われる。大人が思いつかないようなアイデアが披露されることもあり、保護者からも高い評価を受けている。
 しかし、発表の結果だけでは子供たちの学びを評価しないのもこのプログラムの特徴だ。ネクスファは、発表に至るまでのプロセスを大事にしながら学習評価を行っている。その評価軸は、東京大学などと協働しながら研究開発が進められてきた。
「私たちが見据えているのは、子供たちが大人になったときに自ら生きていく力を身につけもらうことです。2020年には大学入試が変わりますが、そこで必要になってくるのがまさにこの力だと思います」と、ネクスファの辻義和副代表は語る。

堀洋一氏。「5月に東京ビックサイトで開催される第10回教育ITソリューションEXPO(EDIX)にブース出展し、「サス学」のコーナーを用意する予定です」

 現在、ネクスファは通常授業のほかに、2014年から開催している5日間の集中プログラム「三井物産『サス学』アカデミー」や、2017年からは、柏の葉T-SITEのT-KIDSシェアスクールで1日完結の「サス学」プログラムを提供するなど、他社との連携も積極的に進めている。今後は、ジェイシー教育研究所が主体となって、「サス学」のライセンス事業も展開していく。
「2018年度には夏期講習向けの短期プログラム、2019年度には通年講座用プログラムの提供を目指しています」と、ジェイシー教育研究所の堀洋一氏は、今後の計画について語る。

※「サス学」は三井物産株式会社の登録商標。

N予備校、CG技術体験教材を無料一般公開

学校法人角川ドワンゴ学園 「N高等学校」は、ネットで課外授業を受けることができる双方向学習アプリ 『N予備校』にて、12月21日、「CG技術体験」の教材を無料で一般公開をした。『N予備校』プログラミングコースでCG(コンピュータグラフィックス)を扱った教材は初めてとなる。

この教材は2017年秋の紫綬褒章を受章した西田友是氏(UEIリサーチ所長、東京大学名誉教授)とCG-ARTS協会(公益財団法人 画像情報教育振興協会)の共同研究により作成された。西田氏はCG分野の世界的発展に尽力したパイオニアで、株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荒木隆司)のCG研究機関である「UEIリサーチ」の所長を務めている。

学習者・教育者がCGの基礎技術の理論を視覚的に体験することで、より一層の理解を深めることができるものとなっている。通常のN予備校の講義とは異なり、CGアルゴリズムの動く実装サンプルとして、体験中のCGのソースコードを確認できる学習参考教材となっている。なお、『N予備校』プログラミングコースでは、入門コースの一部と本CG教材のみが、現在無料で一般公開されている。

日本アクティブラーニング協会「教育ポートフォリオ」研究会を増設開催

日本アクティブラーニング協会は、大学入試等での多面的な人物評価に活用される「ポートフォリオ」について、実証事例をもとに研究する取り組みとして、「教育ポートフォリオ」研究会を今年8月より実施しているが、全国の学校からの多数の要望を受け、2018年1月より増設実施することを決定した。来年1月の開催予定は1月13日(京都)、1月20日(東京)となっており、今後、要望に応じて全国の主要都市でも行っていく予定だ。

ポートフォリオは、テストの点数だけではわからない人の成長プロセスや非認知能力を可視化でき、振り返りによる学びの効果向上や入試における多面的・総合的評価を実現するツールとして期待されている。国内大学のAO入試や海外大学の入試ではすでに取り入れられており、2020年入試改革においては、すべての入試方式で、数年間にわたる学校内外の活動記録をまとめた活動実績報告書(ポートフォリオ)が求められるようになる。

現在、日本国内にも、ポートフォリオを活用した教育を実践している現場はあるものの、アナログでの運用になっているケースが多く、また、集合知としてモデル化されているわけではない。日本アクティブラーニング協会は、「教育ポートフォリオ」の実践という共通の目的意識を持った教育関係者と協働することで、点在しているナレッジを集め、ポートフォリオ活用型の教育モデルの形成に向けてアクションをとるため、「教育ポートフォリオ」研究会を今年8月より開催してきた。この取り組みには、中学校・高校を中心として、これまでに全国100校以上の学校関係者が参加している。

このプログラムは、独立行政法人教職員支援機構「平成29年度教員の資質向上のための研修プログラム開発支援事業」に採択されており、文科省/JASSO「トビタテ!留学JAPAN」で活用されているSNS型eポートフォリオ「Feelnote」(特許第6028123号)を使って行われる。

■名称:「教育ポートフォリオ」研究会
■対象:小中高大教職員、教育委員会、その他教育関係者
■日程:京都会場 2018年1月13日(土)13:30~17:30
東京会場 2018年1月20日(土)14:00~17:30
■定員:各日程30名(先着順) ※各団体2名様まで。
■会場:【京都】京都コンピュータ学院 京都駅前校
京都市南区西九条寺ノ前町10-5
【東京】株式会社サマデイ内 研修スペース「The Gallery」
東京都千代田区六番町12-6
■参加費:無料
■主催:日本アクティブラーニング協会
株式会社サマデイ
■申込方法:下記特設サイトのフォームより
http://www.activelearning.or.jp/studygroup/

 

《Feelnoteについて》
SNS型eポートフォリオ「Feelnote」は、SNSのような感覚で記録をしていくだけで、気軽に一生モノのポートフォリオが作成できる学習者主体のシステム。現在、文部科学省/JASSO「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」や中高一貫校などに在籍する国内の中高生、大学生に活用されている。米国の有名大学が採用し、日本の大学に展開を予定している入試システム「Universal College Application」と連携する公認システムでもある。

ウェブサイト:http://www.feel-note.com
活用事例:https://edutmrrw.jp/2017/innovation/1205_hiroogakuen

■運営事務局
一般社団法人日本アクティブラーニング協会
http://activelearning.or.jp/

やる気スイッチグループ「慣用句かるた大会」開催

株式会社 やる気スイッチグループホールディングス(東京・中央区)が運営する幼児教育の「チャイルド・アイズ」では、小学生を対象に思考力を競う「慣用句かるた大会」を2018年1月14日(日)に初めて開催する。関東の教室から勝ち上がった40名の子どもたちによる決勝大会(個人戦・チーム戦)で頂点を競う。

「慣用句かるた」は、読み上げられた内容と一致する、慣用句カードと絵カードをとる早さを競うゲーム。中学受験に出題される慣用句の頻出順に32種類の意味カード・絵カード・慣用句カードから構成されている。

■開催日:2018年1月14日(日)
■時 間:10時30分~14時30分
■会 場:やる気スイッチグループ本社 特別会場
■プログラム:
10:30~12:00(午前の部)
  ・開会の宣言/ルール・得点説明/個人戦組み合わせ発表/個人戦/個人戦点数計算

12:00~12:40(お昼休憩)

 13:00~14:00(午後の部)
  ・団体戦組み合わせ発表~トーナメントの場所決めくじびき/団体戦

 14:00~14:30
  ・講評/表彰式/記念写真撮影

「私塾会館設立」のため私塾会館推進拡大会議を開催

「私塾の歴史資料館」は、11月5日、調布市市民プラザ「あくろす」にて「私塾会館設立」のため私塾会館推進拡大会議を開催した。坂田義勝埼玉県私塾協同組合理事長の挨拶から始まり、「『私塾の歴史資料館』が開設され、今度は『私塾会館』を設立を目指し、今回は立ち上げ式ということで、少しでも具体的な内容を議論したい」と語った。

その後、各支援者から近況の報告や私塾会館設立への意気込みなどの挨拶があり、第二部へと移った。第二部は、須原秀和・須原英数教室塾長による記念講演が行われた。テーマは「ジェークリル」教育の提唱と実践─2020年以降のグローバル教育の時代に向けて─。京都大学時計台記念館国際交流ホールにおいて研究発表を行った内容だ。

記念講演が終わり「私塾の歴史資料館」の佐藤勇治館長は「私塾会館」については賛同者が100名になったら運営委員会を作りたい。その委員会で、私塾会館についての役員を20名ほど決めて欲しいと願っています。今年中には100名の賛同者を得て36,000の私塾人が集える私塾会館を作りたい。今回は、若い人たちに引き継いで欲しい。大手の塾の方々に参加していただき、運営委員会が発足できればいいなと思っております。と思いを話した。

最後に、司会者の松田邦道・学校教育支援調査会会長が賛同者を拡大していくための名称を会場に訊ねたところ全会一致で「推進委員会」に決まった。会場からは、私塾会館についての質問が寄せられ、利用方法や、運営方法について踏み込んだ討議が行われた。

プログラミングを通じて『21世紀型教育』聖学院中学校で学研のプログラミング授業を実施

株式会社学研ホールディングス(本社:東京品川 代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社、株式会社学研プラスが運営する「Gakken Tech Program」は、学校法人聖学院 聖学院中学校(東京北区 校長:角田秀明)で取り組んでいる「思考力ラボ」の中で、プログラミング授業を2017年10月~11月に実施した。

学校法人聖学院では、さまざまな価値観を持つ人々とともに歩む中で、社会が求める自己表現・創造力・分析力・問題解決力・コミュニケーション力などを育む「21世紀型教育」を実践し、生徒の全人格的な成長と完成を目標としている。
Gakken Tech Programでは、21世紀のさらなる変化を遂げる時代に、プログラミング学習を通じて未来を生き抜く力を養うことを目指す。70年の教育の歴史を持つ学研が独自に作成した教材を使い、物事を論理的に考える力やプレゼンテーション力、自分のアイデアを形にするまでの苦労と喜びを、たくさんの子どもたちと一緒に学んでいる。
聖学院が目指している「21世紀型教育」に、Gakken Tech Programの理念や取り組みが一致したことから、今回の授業が実現した。

●Gakken Tech Programの詳細はコチラ
http://gakken-tech.jp/camp/?utm_source=prtimes20171207-01

◆プログラミング授業の概要
聖学院中学校1年生の希望者90名が3クラスに分かれ、「マインクラフト」を使って合計3回のプログラミング学習に取り組む。クラスごとに生徒3~5名が1グループとなり、生徒たちは学研が作成したテキストや講師の説明を受けながら学習を進める。
授業の中には、グループ全員で協力するようなカリキュラムが設けられており、わからないところが出たときには、同じグループ内のメンバーで協力して解決していく仕組みとなっている。

◆プログラミング演習のようす
授業は、テキストや投影資料を見ながら、プログラミングがはじめての生徒にも対応できる形で実施した。つまずいた生徒に対しては、講師はもちろん、同じグループの生徒たちが教え合うことで理解を深める。この形式は、1人で淡々と進める印象のあるプログラミングの中において、コミュニケーション力を育めるような仕組みとなっている。

◆最終日の授業ではドット絵作りとプレゼンテーション
生徒たちはそれまでに学んだプログラミングを用いて、グループで協力してドット絵作りにチャレンジした。ドット絵を作るにあたり、まずは日本語でプログラムの動きを考え、それをもとにパソコンを使用し、コード入力をする。
授業の最後は、プレゼンテーションを行いました。グループごとに成功したところや失敗した原因を考え、発表し、講師からフィードバックをすることで、プログラミングに対する知識の定着や分析力、問題解決力、プレゼンテーション力も身に付けることができた。

◆生徒たちからは「楽しく学べた」との声が多数

授業後の生徒たちに、アンケートを取って今回の授業の感想を聞きました。その結果、80%以上の生徒が「楽しく学べた」という回答していました。さらに、多くの生徒が、「プログラミングに興味を持った」と回答していました。

【生徒たちの感想】
●ゲームと数学が合体したようでおもしろく感じた
●自分たちでプログラムしたのを発表することができたからとても楽しかった
●コードを書くのが楽しかった。でも、エラーが起きて未完成のときはくやしかった
●だんだんタイピングが早くなっていって、うれしかった
●グループでプログラミングできてとても楽しかった
●自分で計画を立てて、コマンドのスペルミスがないように長いコードを打つのは大変でしたが、打ち終わったときに達成感を感じました
●打ちこむのは大変だけど、完成したら、すごいうれしかった
●楽しかったけど、できない友だちに教えるのが大変だった
●みんなで意見を出し合い、作品の完成に成功した

【教員の感想】
思考力ラボの全体企画を担当する21世紀教育企画部長の児浦良裕教諭からは、以下のような感想をいただきました。
●中1からプログラミングを経験させたかったが、適切なレベルがなく困っていた。しかし、このプログラムは難しすぎず簡単すぎず、適切なレベルだったため、全員が最後までやり抜くことができた。
●プログラミングに登場する変数感覚が数学と同じであることを実感させることができた。
●通常、ブロック型のプログラミングが多い中、コード型のプログラミングにチャレンジすることができたため、「エラーが起きたものを修正する」というトライアンドエラーを経験させることができた。
●プレゼン作品には、こちらが想定していた以上にクリエイティブなものが複数あり、生徒たちの可能性を引き出すことができた。

◆3日間のカリキュラムまとめ
ゲーム「マインクラフト」に「タートル」という追加機能を入れ、マインクラフトでプログラミングのコードを入力できるようにして、モノづくりをしながらプログラミングの基礎、タイピング、パソコンの使い方を学ぶ。

【1日目】
●プログラミングの目標
・「タートル」をプログラミングで動かして、マインクラフトに用意された迷路を解く。
●学習内容
・コンピュータへの命令のしくみ
・ファイルの保存方法
・フォルダ構造
・コードの書き方
・コードの実行方法
・順次処理
●指導方法
・テキストを生徒全員に配布し、生徒はそれを読みながらパソコンでプログラミングを行い、わからないところは講師に聞く。

【2日目】
●プログラミングの目標
・マインクラフトのキャラクター「クリーパー」の顔を作る。
●学習内容
・1日目の振り返り
・FOR文
・SELECT文
●指導方法
・スクリーンに投影した内容を、司会の指導のもと、生徒全員で同じようなタイミングで進めていく。

【3日目】
●プログラミングの目標
・マインクラフトのさまざまなキャラクターの顔を作る。
●学習内容
・2日目の振り返り
・2日間の学習の定着
・プレゼンテーション
●指導方法
・マインクラフトのキャラクターの顔をプログラミングで作り、感想をプレゼンテーションするという課題を、配布したプリントの内容をもとにグループワークで進める。

塾の行き帰りをスマホで見守り エフ・イー・エスが「ココいるME!」をリリース

システム開発会社の株式会社エフ・イー・エス(東京・新宿区)は、災害時安否システム「ココいるネット」の新シリーズ「ココいるME!」の提供を開始した。学習塾・学校向けサービスであるココいるME!は、過去20年間にわたって学習塾の運営を行っていた同社ならではの視点が随所に盛り込まれている。

「防犯・リスク回避機能」としては、本人の選択によってGPSによる移動経路を見守る「フォローミー機能」、着信偽装で不審者へけん制する「フェイクコール機能」、登録連絡先へ位置情報つき通知メッセージを即時に発信する「SOS発信緊急機能」、鳴動と同時にSOS発信とGPS追跡で連れ去りなどを抑止し対応する「GPS追跡防犯ブザー機能」がある。これらの機能は不安や危険度によって段階的、選択的に使い分けられるようになっているだけでなく、保護者や塾管理者は、アプリのほか携帯やPCでも通知や連絡を受け取ることが可能だ。

また「防災・家族安否機能」としては、「リアルタイム家族安否情報共有機能」「家族安否確認結果からの、塾側での生徒の安否情報自動集約機能」を搭載している。

ココいるME!は既存サービスとの差別化を図っている点も注目だ。例えば、専用端末による常時監視は主に幼児向きの機能で、小学生以上になると常に位置を監視されることを敬遠する傾向にあるという。そのためあまり普及していないが、ココいるME!は、家を出てから帰るまでを自動追尾できるだけでなく、子供自身の操作によって追尾機能を起動することもでき、抵抗感を減らす工夫をしている。

従来の入退室通知メールサービスは、「帰宅してからメールが届く」などタイムラグがあり、特にリスクが高まると言われる通塾・帰宅途中の見守りはカバーできていなかった。しかし、ココいるME!では各みまもり機能の利用をプッシュ通知で知らせることによって、入退室通知メールサービスの様なタイムラグを解消している。

通塾時の安全に対する保護者の関心の高さは、入退室通知メールサービスの90%近い普及率が証明している。しかし現状では、リスクの多くなりがちな通塾・帰宅途中での塾側の対策は防犯ブザーの配布や警備員配置が中心だ。単なる防犯ブザーの警告音では周囲への注意喚起効果が薄いため携行を忘れがちなのに対し、スマートフォンは常に携帯していることが多く、同社によると子供や家族の外出時のあらゆる場面において、防犯やリスク低減に役立つとしている。インターネットベースなので、災害などで通信会社が使えない時でも有効で、すでに数校の大学では海外留学向けに採用が始まっている。

ココイルME!の機能について詳しくは、エフ・イー・エスの特設ページへ。