Category: 塾ニュース|生活

四ツ谷駅前の再開発着工、UR・三菱地所が31階建て複合ビル

都市再生機構(UR)と三菱地所などは9月6日、JR四ツ谷駅前(東京・新宿)の「四谷駅前再開発事業」の起工式を開いた。施行者はURで、事業パートナーとして三菱地所などが参加する。総事業費は約840億円。計画地は四ツ谷駅の北西の外堀通り沿いで、財務省の宿舎や新宿区立小学校の跡地などを含む約2.4ヘクタールを一体的に整備する。オフィスに加え商業施設と住宅、教育施設、公益施設の計5つ機能が入る。建物の延べ床面積は約13万9700平方メートルに及ぶ。地上31階建ての複合ビルを2019年度に完成させる。

保育所・児童手当ネット申請、来夏可能に

政府は2017年夏から、インターネットで保育所の申し込みや児童手当の申請手続きを済ませられるサービスを始める。マイナンバーの個人向けサイト「マイナポータル」を活用し、申請を受け付ける地方自治体に利用者の情報が届くようにする。全国の自治体の参加を促すため導入費補助も検討する。共働きの女性などの負担を少しでも減らし、子育てしやすい環境を整える。マイナポータルは17年1月に運用を始める予定だったが、同年7月に遅れる見通し。運用開始にあわせて保育所の申し込み、児童手当の申請ができるページを設ける。

保育所・幼稚園「第2子から無料」広がる 自治体が独自制度

兵庫県明石市は9月から、世帯の所得を問わず第2子以降の認可保育所や幼稚園などの料金を無償化した。秋田市は今年4月2日以降に生まれた第2子以降について、認可保育所や認定こども園、幼稚園を無料にした。世帯の納税額や第1子の年齢などに条件がある。香川県坂出市は第1子が保育所や幼稚園に通っている場合、所得に関係なく第2子の保育所や幼稚園の料金を無料にした。岡山県備前市は第1子から所得を問わず保育所や認定こども園、公立幼稚園を無償化した。

 国は条件付きで第2子の料金を半額、第3子以降を無料にしているが、さらに支援を手厚くする。若い世代が子育てしながら働きやすい環境を整えることで、人口減に歯止めをかけ、地域を活性化させる狙いだ。

14歳2カ月プロ棋士 将棋・藤井新四段 62年ぶり最年少

日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「奨励会」の三段リーグの最終戦が9月3日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、中学2年生の藤井聡太三段(14)が史上最年少の14歳2カ月でプロ棋士になることが決まった。これまでの記録は加藤一二三・九段(76)が1954年に樹立した14歳7カ月で、62年ぶりに更新する。10月1日付で四段に昇段する。中学生棋士には過去、加藤九段のほか、谷川浩司九段(54)、羽生善治王座(45、王位・棋聖)、渡辺明竜王(32、棋王)の4人がいる。

土曜日の夜は美術館巡りを 国立施設、閉館20時に延長

世界文化遺産登録が決まった国立西洋美術館(東京都)をはじめ、東京と京都、大阪、奈良にある国立の美術館、博物館8館が9月3日から、常設展示場の土曜の開館時間を午後8時まで延長した。金曜は既に延長済みで、午後8時までの夜間開館が週末の2日間に広がる。海外には夜も観覧できる美術館などがあるが、日本の国立文化施設の閉館は午後5~6時と早めだった。外国人旅行者から「夜も見て回りたい」との声が寄せられたため、訪日客の増加を目指す施策の一環として、文化庁が対応を見直した。

公園に学童クラブ 東京・荒川

東京都荒川区は2018年4月、小学生を放課後に預かる学童クラブを都立公園内に整備する。公園に福祉施設を建てることを認める国家戦略特区の枠組みを活用する。これまで保育所の計画はあるが、学童クラブは全国初となる。8月31日、都内で開いた国家戦略特区の会議で小池百合子都知事が表明した。学童クラブは都立汐入公園の駐車場脇に設ける。約200平方メートルの用地で定員60人の公設民営型の施設とする。すぐ近くに小学校があり、利便性も高いとみている。

秋田に土方巽の美術館 10月オープン

舞踏家の土方巽(1928~86年)の功績を伝える美術館が10月下旬、秋田県羽後町にオープンする予定だ。約50年前、土方の姿を捉えた写真集の撮影現場となった縁があり、住民有志が発案した。土方は白塗りの肉体で感情を表現する前衛芸術「暗黒舞踏」の創始者。30代だった昭和40年秋、田園風景が広がる羽後町の田代地区を突然訪れ、子供を抱きかかえて田んぼの中を走るなど奇抜なパフォーマンスを披露。その様子を若手写真家だった細江英公さんが撮影、44年に写真集「鎌鼬」を出版した。

森絵都著「みかづき」刊行

「小説すばる」(集英社)に2014年5月号から16年4月号まで20回に渡り連載された森絵都さんが著した「みかづき」が2016年9月5日、集英社より刊行された。
 昭和36年、赤坂千明から学習塾の立ち上げに誘われ、大島吾郎の教育者人生が始まる。「大島さん、私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです。太陽の光を十分に吸収できない子どもたちを、暗がりの中で静かに照らす月、今はまだ儚げな三日月に過ぎないけれど、かならず満ちていきますわ」。題名の「みかづき」はここに潜み、以後三世代に渡り、塾を舞台に教育の何たるかを綴る。
 吾郎が五十何冊目かに書いた初めての自叙伝のタイトルも「みかづき」とした。出版記念パーティーでの吾郎のスピーチでは、「教育の完成はありません。満月足りえない途上の月を悩ましく仰ぎ、奮闘を重ねた同志の皆さんに、この場をお借りして心から敬意を表します」とまとめた。
「圧倒された」とは、書評家の北上次郎氏。
 1960年代から2000年代までを駆け抜ける塾を舞台にした親子3代の物語。ぜひご一読を。
 お求めはお近くの書店か、インターネットの書籍販売ページヘ。

■みかづき

森絵都(著/文)
発行:集英社。
四六判   472頁 
定価:1,850円+税
2016年9月5日発売

■森絵都(もり えと)

作家。1968年東京都生まれ。早稲田大学卒業。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。著書に『つきのふね』(野間児童文芸賞)『カラフル』(産経児童出版文化賞)『DIVE!!』( 小学館児童出版文化賞)『風に舞いあがるビニールシート』(直木賞)『永遠の出口』『クラスメイツ』等多数。

地震の後も熊本の私塾が貫いた、民間教育機関としての使命

4月14日に発生した震度7の前震をはじめとする一連の地震は、熊本一帯に大きな被害をもたらした。それでも現地で私塾に携わる人たちは過酷な状況のなか、子供たちに学ぶ機会を提供し続けている。地震発生から4ヶ月近く経った熊本で、4つの教育現場をレポートする。

お金や理屈より、授業の再開を優先

早稲田スクールの本部校舎は大きな被害は免れたが、地震発生後に解体や大規模修理が必要となった校舎もあった。

早稲田スクールの本部校舎は大きな被害は免れたが、地震発生後に解体や大規模修理が必要となった校舎もあった。

熊本県内屈指の教室数をほこる「早稲田スクール」(熊本市中央区)は、地震によりひとつの校舎が解体、3校で大規模修理が必要となった。解体される校舎は移転先が見つかったものの、3校は授業再開の目途が立たなかった。そこで3校の駐車場に、トレーラーで運んですぐに使用できるユニットハウスを複数設置。5月10日には授業を再開した。

ユニットハウスの外観。手前2棟がトイレ、奥2棟が教室として使用していた。

ユニットハウスの外観。手前2棟がトイレ、奥2棟が教室として使用していた。

実はプレハブを建てたほうが費用的には負担が少ないのだが、あえてユニットハウスを選択した理由を同社の向田敬二社長が語った。「安価なプレハブを建てることも考えましたが、建築の申請や工事に長い時間がかかるんです。そうなると生徒の学習はますます遅れます。保護者も心配されますし、受験生への影響は特に大きい。ですから費用がかさんでも学習環境を早く整えなければいけない。お金や理屈ではなく、そういう思いを社内で共有して授業再開に向けて取り組みました」

仮設教室の内部

仮設教室の内部

向田氏自身も被災し、自宅近くの高校に1週間避難していた。同様に被災していた社員も少なくない。それでも同社は生徒の学習環境を整えることを優先した。向田氏は授業再開後の生徒について「それはもう喜んでいました」と、顔をほころばせた。1学期の終わりには校舎の修理がほぼ完了し、生徒たちは通いなれた校舎で夏期講習に勤しんでいる。

 

学ぶ機会を教材で提供…阿蘇地区の中学校にテキストを寄贈

なるほどゼミナールの山中孝光社長

なるほどゼミナールの山中孝光社長

熊本市東区の「なるほどゼミナール(ナルゼミ)」では、教室の水道が復旧した4月25日から「震災特別講習」を無料で実施した。それから学校が始まるゴールデンウィーク明けまでの2週間、休日を返上して朝9時から夕方6時まで授業を継続。特に小学生が通常より50人も増えたため、卒塾生の大学生や高校生がボランティアとして講師を買って出た。同社社長で講師でもある山中孝光氏は、さらに多くの子供たちに勉強する場所を与えたいと協力を呼びかけ、同様の講習が他塾でも実施された。

阿蘇地区の中学校で寄贈するテキストを生徒に手渡す山中氏

阿蘇地区の中学校で寄贈するテキストを生徒に手渡す山中氏。

しかし、阿蘇地区の子供たちは熊本市内への道路やJRが寸断されており熊本市内の塾に来ることができない状況が続いている。山中氏はここでも「阿蘇地区にいる受験生たちにも力になりたい」と考えたという。そこでナルゼミで使用しているテキスト「高校入試対策 Spurt+(スパートプラス)」を440人分、2200冊を阿蘇地区の4つの中学校に寄贈した。

「勉強の仕方が誰でもわかるようになる」という工夫が凝らされているテキストは、阿蘇地区の中学校の先生からも好評を得た。現在は、多くの住宅が倒壊した益城町の中学校にも同様の支援を行うため、クラウドファンディングで資金を募っている。

無料の授業で笑顔を増やす

〝夏期講習も無料で教えます〟。益城町でも特に被害が大きい惣領地区で、ひときわ目立つ横断幕を掲げる「さくらゼミナールましき校」。小5から中3が対象の学習塾だ。こちらの平屋で鉄筋構造の校舎はほとんど被害を受けなかったが、周囲に住む多くの子どもたちは家を失い、避難所生活を強いられることになった。

さくらゼミナールましき校の石井仁晃校長

さくらゼミナールましき校の石井仁晃校長

そこでさくらゼミナールは、4月25日から5月8日の間、ましき校を13時から17時まで無料で開放した。「生活のための避難所は大人が中心の環境になってしまいます。まずは子どもだけの居場所が必要だと感じ、教室を開放しました。ただ、子供たちは来ても元気がないんです。ですから、まずは勉強というより一人一人の話を聞いてあげることから始めました」ましき校の校長、石井仁晃氏はそう語った。

校舎の前面に「無料」の横断幕を掲げる。

校舎の前面に「無料」の横断幕を掲げる。

さらに、ウェブサイトを通して寄付金を募り、ゴールデンウィーク後に再開した授業や夏季講習も無料で実施することにした。この期間で生徒は100人近く増えたが、資金面での負担が大きく、9月からは無料で続けるわけにはいかないため、今後は被災者を支援する他団体と協力し、新たな方法で生徒のサポートを続けていくという。

生徒たちも地震直後にくらべ「笑顔が戻ってきました。それを見た保護者の笑顔も増えていると感じます」と石井氏は言う。笑顔を増やしたい。それが支援を続ける原動力だ。

私塾と学校が連携、小学校内で塾を開く

熊本県内に528校ある小中学校うち、一時は351校が地震の影響で休校となった。益城町立広安西小学校は避難所となり、約800人の避難者を受け入れた。授業は5月9日に再開したものの、その週は2時間しか授業ができなかった。

そこでPTAが中心となり、放課後に希望者が勉強できる「ガッツ学習塾」を16日から開始。ここで子供たちの宿題や復習をサポートしたのが、熊本県内で明光義塾を運営する「サクセスリンク」(熊本県玉名市)と、家庭教師派遣の熊大アカデミーを展開する「九州教育研修センター」(熊本市中央区)の講師たちだった。

明光義塾 帯山教室の尾方範夫教室長

明光義塾 帯山教室の尾方範夫教室長

明光義塾の帯山教室教室長、尾方範夫氏は「PTA会長が私と知り合いということもあり、すぐに話がまとまりました。熊大アカデミーの講師は熊大の教育学部生が多く、授業ではレクリエーションなども取り入れました。大人が協力して子供の学習をサポートしました」と語った。

益城町立広安西小学校の井手文雄校長

益城町立広安西小学校の井手文雄校長

同校の井手文雄校長は、私塾の取り組みについて「学校と学習塾は、立場は違っても気持ちは変わりません。勉強はもちろん、子供たちを見守るという点でも、子供と保護者に安心感を持ってもらったと思います」と述べた。

熊本の私塾に携わる人たちは、震災直後から子供たちに勉強を教えるという務めを全うした。その役割をそれぞれの立ち位置から貫くことで被災者に安心感を与えた。熊本の私塾をはじめとした教育関係者に敬意を表したい。

ガッツ学習塾の授業の様子。5月16日から7月22日まで実施した。

ガッツ学習塾の授業の様子。5月16日から7月22日まで実施した。

シー・シェパード、捕鯨妨害禁止で日本側と合意 米での訴訟決着

南極海などで調査捕鯨を行う日本鯨類研究所(東京)は8月23日、米国の反捕鯨団体「シー・シェパード」との間で、米連邦地裁での調停により、日本側の調査船に対する妨害行為を永久に行わないことなどを柱とする合意に達したと発表した。鯨研が妨害中止を求めて2011年に米ワシントン州の連邦地裁に起こした訴訟が決着した形。鯨研によると、シー・シェパードや創設者のカナダ人、ポール・ワトソン容疑者は調査船への攻撃や安全を脅かす航行のほか、公海上で調査船の約450メートル以内に接近することも禁止された。