奨学金の在り方を議論する文部科学省の検討会議は6月3日、給付型奨学金について入学前に対象者に周知するようにすることや、一定の学業成績を修めた学生に限るなど制度設計の考え方を公表した。当初は貸与としつつ、所定の条件を満たせば一部の返還を免除する方法などを検討しており、来年度予算の概算要求時に詳細な方向性を示す。現行の貸与型奨学金に関しては、本来無利子で借りられるはずの2万4千人が財源不足から有利子で利用しているとして早期の解消が必要だとした。
自閉症やアスペルガー症候群の人を支える改正発達障害者支援法が5月25日の参院本会議で可決、成立した。一人一人の特性に応じ、学校で個別計画を作成したり、事業主に雇用の確保を求めたりするなど、教育、就労の支援充実が柱。関係機関が連携し、切れ目ない対応を目指す。支援法は議員立法で2005年に施行され、改正は約10年ぶり。発達障害は見た目には分かりにくいが、他人とのコミュニケーションが苦手といった特性がある。周囲の理解が不十分なために日常生活で困ることが多く、社会的障壁を取り除く必要があるとした。
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は5月20日、発達障害がある子供向けの教育の充実などを盛り込んだ第9次提言を安倍晋三首相に提出した。提言は「様々な仕事が機械に代替される社会では、多様性が発展の原動力」とし、発達障害や日本語が不自由な子供の教育の重要性を強調した。発達障害を巡っては必要とする支援情報を個別に記入し、乳幼児期から高校まで引き継ぐ「カルテ」の義務化を提言。大学の教職課程で発達障害に関する科目を必修にすることも盛った。
政府・与党は今夏の参院選を6月22日公示―7月10日投開票とする方針を固めた。参院選の選挙期間は通例17日間。投開票日を7月10日にした場合、通例では公示日は6月23日になるが、同日は沖縄の「慰霊の日」に当たるため、1日前倒しする。政府・与党は選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が施行される6月19日の翌日以降で公示日を検討してきた。国会の会期延長がなければ投開票日は7月10日、17日、24日のいずれかとなる。このうち3連休の中日にあたる17日、夏休み中の24日を避け、10日にすることにした。
衆院選挙制度改革を巡り、「1票の格差」是正と定数を10減して465議席とする改正公選法などが5月20日の参院本会議で自民、公明、おおさか維新の会などの賛成多数により可決、成立した。小選挙区で「0増6減」、比例代表で「0増4減」する。新定数の465は戦後最少。早ければ来夏以降に適用される。都道府県の人口比を反映しやすい議席配分方法「アダムズ方式」は2020年国勢調査を基準に導入する。
厚生労働省千葉労働局は5月19日、最長で月約197時間の違法な時間外労働をさせていたとして、千葉市の棚卸し業務代行会社「エイジス」(売上高は2016年3月期で179億円、従業員は3月末時点で252人)を是正指導したと発表した。同省は昨年5月、複数の事業所で違法な長時間労働をさせる企業について、是正指導をした上で社名を公表する方針を決定。今回が初のケースとなる。同社は昨年5月以降、営業拠点4カ所で働く従業員63人に、労使協定で定めた上限時間を上回る時間外労働や休日労働をさせていた。
政府の産業競争力会議は5月19日、成長戦略の素案をまとめた。安倍晋三首相が目標に掲げる名目国内総生産(GDP)600兆円の達成に向け、成長戦略の柱はロボットやAIを駆使した「第4次産業革命」を推進する。自動運転車やIT(情報技術)で生産管理するスマート工場、小型無人飛行機「ドローン」などの最新技術で、米国などに比べ見劣りする生産性を高める。外国人の経営者や技術者らが住みやすい環境を整え優れた人材も呼び込む。5月末に経済財政運営の基本方針や規制改革の実施計画とあわせて閣議決定する。
文部科学省は5月17日、2020年度に導入する次期学習指導要領での国語のあり方を議論する中央教育審議会の会合で、都道府県名に使う全ての漢字を小学校で学習する案を示した。47都道府県名に使われている漢字のうち「茨」や「媛」など20字は現在、小学生は国語で学んでいない。常用漢字表は10年に見直され、都道府県名の漢字が全て加わっていた。新たに加わるのは「熊」「潟」など20字で、小学校で習う漢字は計1026文字になる。同省は今後、新たに加える漢字をどの学年で学習するかを検討していく。
選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる参院選を前に、各地の選挙管理委員会が大学構内で期日前投票所の設置を進めている。引き下げで大学生はほぼ全員が有権者となる。低迷する若者の投票率アップを狙うほか、地域の有権者にも使ってもらう。公益財団法人「明るい選挙推進協会」によると、13年参院選の20代の投票率は33.37%で、全体(52.61%)を大きく下回った。若者の低投票率に歯止めがかからない中、多くの自治体は学生が身近に投票できる場所を設けるだけでなく、選挙に触れる機会を増やして政治参加を促したい考えだ。
伊勢志摩サミットに伴う日米欧主要7カ国(G7)の教育相会合が5月14日、岡山県倉敷市で開幕した。議長を務める馳浩文部科学相は「教育は未来への先行投資。あらゆる子供が社会から排除されない機会をつくることが重要だ」と述べ、グローバル社会での教育の在り方や、十分に学ぶ機会が得られない子供への支援について協議を始めた。G7レベルの教育相会合は2006年以来となる。会合にはユネスコや経OECDの担当者も出席。各国が今後も定期的に集まって議論する重要性が確認され、17年にイタリアで開くことを決めた。