文部科学省の中央教育審議会の部会は7月9日、教員の養成や研修などの改革に関する中間報告を取りまとめた。学校インターンシップを大学の教職課程に位置づけ、大学1年から学校現場を体験することで自らの教員としての適性を判断できるようにすることなどが盛り込まれた。また、現職の教員が、教職大学院や各地の教委による研修などを受けて一定の単位(ポイント)を取得すると、大学院修士課程修了程度の「専修免許状」を得られる「ラーニングポイント制(仮称)」も検討する。最終報告は年内の見通し。
下村博文文部科学相は77月10日の記者会見で、大阪府教育委員会が全国学力テストの結果を高校入試の内申点評価に活用する方針を示したことについて、来年度以降の実施要領を改定して入試に活用できないようにする考えを明らかにした。現在の実施要領は入試への活用を明確に禁止していないが、下村氏は来春入試での活用も、改めて見直しを求めた。ただ、「本年度については混乱を防ぐ観点から府教委との協議には応じる」とする一方、「混乱が起きないなら(活用しないことを)徹底してもらいたい」と強調した。
2020年東京五輪に向け、文部科学省の有識者会議は7月9日、全国の小中高校などで障害者スポーツや他国の歴史・文化などを学ぶ教育(オリ・パラ教育)に取り組むべきとする中間まとめ案を示した。五輪・パラリンピック選手を招いた授業をしたり、障害者スポーツを体験したりし、子供たちに五輪への理解を深めてもらう目的だ。オリ・パラ教育に先行して取り組んでいる東京都では、五輪・パラリンピックに出場した選手を学校に派遣し、子供たちと一緒に運動したり、大会での体験を話してもらったりしている。
文部科学省は6月30日、定員を超過して学生を入学させている私立大に対してペナルティーを厳しくすると発表した。文科省は、私大の収入の1割を占める助成金をカットする基準を厳しくすることで是正を迫る。現在は学生数8千人以上なら、入学者が定員の120%以上だと不交付となる。この上限を110%に下げる。都市部の私大を対象にすることを検討していたが、すべての私大に適用する。都市部に学生が集中している状況を改善し、教育の質も確保したい考えだ。2016年度から4年間で徐々に進める。
関西で近年、有名私大や、難関私立高の付属小が相次いで開校し、入学者獲得競争が激化している中、公正取引委員会は6月30日、私立小でつくる団体が加盟校間で児童の転校を制限する取り決めをしていたのは、独禁法違反に当たる恐れがあるとして、西日本私立小学校連合会(神戸市)と京都、大阪、兵庫3府県の私立小学校連合会の計4団体に警告した。4団体は経営の安定化を図るなどの目的で、2006~12年にかけて「近隣または同じ府県の私立小からは原則児童を受け入れない」などと決めたり申し合わせたりしていた。
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の調整会議が6月29日、東京都内であり、主会場となる新国立競技場の建設について、現行のデザイン案で総工費が2520億円となることが下村博文・文部科学相から報告された。この日は開催都市・東京都に費用負担は要請しなかったが、下村氏は「上限を上げてお願いするつもりはない」と述べ、当初の方針通りに500億円を求める考えを強調した。財源確保のため、命名権(ネーミングライツ)や寄付を検討する考えも示した。
文部科学省は6月24日までに、既存組織を改編し、2016年度に学部や大学院研究科などを開設する大学、短大のうち、今年4月分として届け出を受理した延べ49校を発表した。公立大1校と私立大14校が学部、私立大16校が学部の学科、私立短大4校が学科をそれぞれ設置。大学院研究科の設置は私立大3校、大学院研究科の専攻設置または課程変更が公私立大の11校。長崎県立大は経済学部と国際情報学部を廃止して地域創造学部などを新設。国際医療福祉大(栃木県)は成田保健医療学部と成田看護学部を千葉県成田市に設置する。
文部科学省は6月24日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)などに関する専門家会議の初会合を開き、中学3年生全員を対象に新設する英語の学力テストについて検討を始めた。会議は今後、専門のワーキンググループ(作業部会)を設置し、出題内容や成績の評価方法などの具体的な検討を進める。同省は今月、中学・高校向けの「生徒の英語力向上推進プラン」を発表。中3全員を対象に「読む・書く・聞く・話す」の4技能を測る共通テストを2019年度から複数年に1回実施する方針を打ち出した。
政府の法曹養成制度改革推進室は6月11日、2018年度までを法科大学院の集中改革期間と位置づけ、全修了生の司法試験合格率(累積合格率)の目標を「おおむね7割以上」とした改革案をまとめた。全法科大学院の14年度までの累積合格率は49.2%。70%を超えているのは一橋大、東大、京都大、慶応大の4校にとどまっている。改革案によると、文科省は司法試験の合格率や定員充足率などの数値を基に法科大学院を評価。結果が悪く改善が見られない場合は、学校教育法に基づく組織閉鎖(閉校)命令などの措置を検討する。
中央教育審議会(中教審)は6月12日、小中高校で教員以外の人材を充実させる「チーム学校」について「骨子案」を議論した。教員とは別に、部活の顧問や引率などができる「部活動支援員」(仮称)の配置を新たに検討することなどが盛り込まれた。部活動は教員の長時間勤務の主な原因の一つ。休日などに外部の指導員が教員に代わって引率しやすくするなどの狙いがある。骨子案はこのほか、子どもの心の相談に乗るスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門的な職種を法令に位置づけることも求めた。