Category: 塾ニュース|地域教育

教科書謝礼金問題 校長や副校長、教員ら計16人を懲戒処分

東京都教育委員会は5月30日、教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せていた問題で、閲覧したり、謝礼金を受け取ったりした小中学校の校長や副校長、教員ら計16人を懲戒処分にしたと発表した。一連の問題で都教委が懲戒処分や文書訓告などにしたのは計238人。教科書会社から計2万円を受け取ったとして、区立中学校の男性校長(58)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。238人の処分内容は、減給がこの1人。他に戒告が20人、文書訓告や口頭注意、指導が217人。

高校教科書でも謝礼か 大阪府立高、複数教員が申告

教科書会社が検定中の教科書を小中学校の校長や教員らに見せていた問題に絡み、大阪府立高校の複数の教員が「検定中の教科書を見せられ謝礼を受け取った」などと府教育庁に申告したことが、5月26日分かった。府立高の少なくとも5人の教員が、教科書会社から検定中の教科書を見せられ、謝礼をもらったと申し出た。府教育庁は4月、府議会からの要請を受け、府立高に教科書会社から謝礼を受け取った教員がいないか調査するよう通知していた。高校教科書について謝礼支払いの疑いが明らかになったのは初めて。

貧困の子を救う拠点 日本財団、50億円で100カ所設置

日本財団は5月23日、貧困家庭の子供に学習や食事を提供する拠点を、今後5年間で全国に100カ所設置するプロジェクトを始めると発表した。プロジェクトには50億円を拠出し、第1号拠点を今年11月に埼玉県戸田市に開設する。主に小学校を通じて利用者を募り、3~10歳児を20人程度受け入れる。東京のNPO法人のスタッフやボランティアが学習支援にあたる。必要に応じて病院や児童相談所、福祉事務所などの機関につなげる役割も果たすという。成果を長期的に検証し、貧困の連鎖の解決につながるモデルをつくりたい考えだ。

放課後無料塾で宿題サポート 益城のPTAや塾会社協力

熊本地震で震度7の激震に2度見舞われた熊本県益城町の町立広安西小学校で5月16日、PTAと学校が運営する放課後の無料学習塾が始まった。PTAの発案に県内で個別指導塾を運営する「サクセスリンク」(熊本県玉名市)と、家庭教師派遣の「熊大アカデミー」(熊本市)が協力。復習や宿題をサポートし、学習習慣を戻そうと取り組む。16日は1~6年生の計約300人が参加した。塾は夏休み前まで続ける。

 町内の小中学校全7校は4月15日から休校し、今月9日に授業を再開したばかりだ。広安西小では計約60時限分の授業が遅れている。町教育委員会は夏休みを短縮して授業時間を確保することを検討している。

高校教科書、安保法盛る 各社 17年使用

3月に検定合格した高校教科書のうち地理歴史と公民の計32点中20点で、教科書会社が、安全保障関連法と、選挙権年齢を18歳以上に引き下げた改正公選法がそれぞれ成立したとの記述追加を申請し、文部科学省が認めた。安保関連法を盛り込んだのは、日本史A3点、現代社会10点、政治・経済2点の計15点。18歳選挙権を盛り込んだのは、世界史A2点、世界史B1点、日本史A4点、現代社会10点、倫理1点、政治・経済2点の計20点。両法が検定申請後に成立したため、各社が合格後に申請していた。

「教員へ謝礼禁止」明記  教科書協会

教科書協会(会長、鈴木一行・大修館書店社長)は4月27日、教科書会社が検定中の教科書に対する意見を求め、教員らに謝礼を渡していた問題で、営業活動に関する「教科書発行者行動規範(案)」をまとめ、文部科学省に提出した。行動規範案は検定や選定期間中の教科書に対する意見を聞き、謝礼を渡してはならないと明記した。使用中の教科書について意見を求める場合は謝礼の支払いを認めるものの、金額などは公正取引委員会と調整中とした。悪質な違反が判明すれば社名を公表し、協会からの除名を含めた処分を科す。

教科書協会がルール改定案

教科書会社40社でつくる教科書協会(東京)は4月27日、 教科書会社が教員に検定中の教科書を見せて謝礼金を支払っていた問題で、再発防止のための自主ルールの改定案を文部科学省に提出した。新ルールでは、教員ら採択関係者に謝礼を渡すことについて、国の検定期間(約1年間)と、市町村教育委員会などが使用教科書を選ぶ採択期間(約半年)には一切してはならないと規定。それ以外の期間に、検定中でない教科書について教員らから意見を聴き、適正な対価を支払うことはできるとした。

官公民連携で貧困の状況にある子供を支援 学習塾は学びの分野で支援を、全国学習塾協会・安藤会長が呼びかけ

貧困の状況にある子供の「今」だけでなく、「未来」を見据えた支援が届くことを目指す活動を官公民連携でおこなう「子供の未来応援プロジェクト」は、4月27日、全国に支部を持つ支援団体や、企業、NPO、自治体等の関係者らを集め、「子供の未来応援国民大会 ─夢を、貧困につぶさせない─」を全社協・灘尾ホールにて開催。

挨拶する加藤勝信・内閣府特命担当大臣

挨拶する加藤勝信・内閣府特命担当大臣

冒頭、主催者を代表して加藤勝信・内閣府特命担当大臣から挨拶があった。続いて、子供の未来応援国民運動に協賛するNTTドコモ、イトーヨーカ堂から協力事例報告や、NPO法人キッズドア、公益財団法人あすのばから、草の根で支援をおこなうNPO等が抱えている課題について説明があった。

公益社団法人全国学習塾協会の安藤大作会長

公益社団法人全国学習塾協会の安藤大作会長

同大会に出席した公益社団法人全国学習塾協会の安藤大作会長からは、「私たちは子供の未来応援国民運動における貧困家庭を救う4つの支援のうち、「学び」の分野でご協力できると考えています。これまでにも地方自治体から要請を受けて、勉強する意欲と力があっても、家庭の事情などで塾などに通っていない小中学生の学習支援を、2010年からスタートしており、この動きは確実に広がりを見せています」と発言。官公民が連携し、社会全体で支援の輪を広げていくためのネットワーク構築に向け、大きな一歩となった。

ノーベル学習館 「すらら」のホームティーチャーを募集

ノーベル学習館の新ブランド「Every」の外観

ノーベル学習館の新ブランド「Every」の外観

創業56年を誇るノーベル学習館(広島県竹原市)は昨年、「Every」という新たな業態の個別指導塾を立ち上げた。このEveryでは、「すらら」というeラーニングをベースにした指導とウェブ英会話を利用した小学英語をおこなっているのが特徴だ。

対応学年と教科は、年長及び小学校1年〜6年までが英語・国語・算数・理科・社会、中学部は英語・国語・数学・理科・社会となっている。それぞれの科目にはゲームのようにキャラクターとストーリーが設定されていて、各キャラクターが語りかけてくれながら学びが展開していく。そうしてゲーミフィケーションの要素を多く含んでいるため、子供たちも熱中しやすくなっている。

カラフルでポップな印象のインテリア

カラフルでポップな印象のインテリア

同塾が「すらら」を取り入れたのは、品質はもとより、料金を上げずに授業時間を増やしたかったから。ノーベル学習館の西川敏博代表取締役は、「個別指導に来るお子さんは学力に悩みを抱えている場合が多く、成績を上げようとするとどうしてもレッスン時間を増やすことになり、

その結果、月謝も高くなってしまいます。しかし、eラーニング使えば授業時間を増やしても、これまでと同じ料金で指導することができる。そこで『すらら』を中心に学んでもらうEveryを立ち上げることにしたのです」と話す。

ノーベル学習館の西川敏博代表

ノーベル学習館の西川敏博代表

そんなノーベル学習館では今後、幼稚園児・小学生を対象としたホームティーチャーを募集して、『Every』の学習コンテンツをホームティーチャーの自宅でも学べるようにしていきたいと考えている。「それはPCを使用した自立型教材であるため、指導というよりも見守りに近く、自宅でも充分に教えることができます。また、子供を預ける選択肢の1つには学童保育がありますが、ホームティーチャーが近所の子どもたちを放課後お預かりして学習の場を提供できれば、学童保育の代わりにもなります」と意気込む西川代表。

ホームティーチャーを募集するエリアは、まずは東広島・呉エリアから広げていきたいとのこと。単価は地域性があるためあえて決めず、加盟金も不要というから良心的だ。「この事業を1つの社

会貢献として発展させていきたいと考えています。学童保育の代わりを地域が請け負うという想いに、共感してもらえる方にホームティーチャーになってもらいたいですね」と語る西川代表。Everyに関する情報は『月刊私塾界』5月号でも取り上げている。また、ホームティーチャーに関する詳細は、同社専用ウェブページに掲載。問い合わせは、電話082・437・3900(個別指導Every西条中央教室)へ。

小中一貫の「義務教育学校」 

小中学校の9年間を通して同じ学校で学ぶ制度が今月、始まった。小中学校を合わせた「義務教育学校」だ。中学入学後の環境の変化で、学習などでつまずく「中1ギャップ」の防止などが狙い。教育効果が期待されているが、この4月には全国で公立22校が導入し、ほかに公立114校、国私立5校が今後開校する方針という。導入済みか、今後導入する公立136校のうち、学年の区切りは「4・3・2」が57%で最多。ただ、従来通りの「6・3」も12%で、2番目に多かった。文部科学省は周知に力を入れる。