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株式会社ドローンネット、遠隔操作スプレー技術の特許取得を発表

 株式会社ドローンネット(東京・千代田区、村上一幸 代表取締役社長)は、スプレー装置の操作機構を無線化した新技術「遠距離操作スプレー」(特許第6851442号)に関する特許を正式に取得し、同技術を活用したドローン搭載型スプレーユニットの社会実装および商用展開を開始したことを発表した。

 この技術は、噴霧装置と操作部を分離し、遠隔から無線でスプレー操作を行える仕組みにより、従来では困難だった高所や危険区域での安全かつ正確な噴霧作業を可能にする。ドローンに搭載することで、あらゆる現場の作業効率・安全性を大きく向上させる革新的なソリューションとして注目されている。


■ 特許技術の構造と強み
遠距離操作スプレーは以下のような構造的特長を備えている
・スプレー本体に電子制御基板・駆動装置・ノズルを内蔵
・トリガー操作信号を無線で送信し、離れた場所から噴霧を制御
・遮蔽された空間、高所、隔離区域などでも遠隔操作が可能
・複数台の一括制御や順次制御にも対応可能な柔軟性
・既存スプレー装置への後付け拡張(アドオン)も視野に設計

この技術により、作業者の安全確保だけでなく、省人化、作業時間の短縮、広域対応といった多面的なメリットが期待できる。

■ 実用展開と活用可能な現場領域
 ドローンに本特許技術を組み込むことで、従来の人力作業では対応が難しかった以下の分野で実用が期待される
・災害対応:立ち入り不能エリアでの消火剤・消毒液の噴霧
・建設・インフラ保守:橋梁、法面、トンネル等への塗布や補修
・農業・環境管理:山間部・河川敷での除草や害虫駆除処理
・公共衛生:都市インフラや交通施設の衛生管理・防疫作業


■ 特許情報
発明名:遠距離操作スプレー
特許番号:特許第6851442号
登録日:2021年11月1日
出願人:藤井電工株式会社
発明者:藤井一義、藤井輝久

米大学研究に危機 トランプ政権、助成金削減で基礎研究が崩壊の瀬戸際

 トランプ米政権が進める連邦助成金の大幅削減により、全米の大学研究が深刻な危機に直面している。医療やAI(人工知能)などの重要分野で研究の中止や縮小が相次ぎ、代替資金の見通しも立たないまま、多くのプロジェクトが頓挫している。

 ハーバード大医学部のデビッド・ネイサン教授は、全米1700人の糖尿病患者を長年追跡してきた研究で、3月10日に突然資金打ち切りを通告された。翌日に予定していた患者の来院は中止され、全国の研究スタッフ200人は解雇を余儀なくされた。同研究にはコロンビア大の研究者が関与しており、助成金も同大経由で提供されていたが、政権が同大学への4億ドル(約590億円)の支援を差し止めたことが背景にある。ネイサン教授は4500万ドルの資金回復に奔走している。

ispaceの月面着陸、再挑戦も失敗 通信途絶と減速不足が影響か

 東京の宇宙ベンチャー企業「ispace」は6月6日未明、日本の民間企業として初の月面着陸に挑戦したが、月着陸船との通信が回復せず、着陸に失敗したと発表した。同社は原因究明に取り組むとし、再挑戦への意欲もにじませている。

 月着陸船は同日午前3時すぎに月面への降下を開始し、午前4時17分に月の北半球の平坦な地点への着陸を予定していた。しかし予定時刻を過ぎた午前4時半すぎ、通信が確立できていないことが明らかになり、午前9時から開かれた記者会見で袴田武史CEOは「通信の回復は見込めない」と述べ、着陸の失敗を認めた。

 会見で明らかにされたデータによれば、着陸船は高度約1キロまでしか正確な高度を把握できず、着陸に必要な減速も不十分だった。これにより「月面に衝突した可能性が高い」との見方を示した。
 ispaceは2022年にも月面着陸に挑戦し、通信途絶により失敗。今回は制御システムや着陸地点を見直しての再挑戦だった。袴田CEOは「2度目の失敗を重く受け止めたい。原因解明を通じて前回の課題を克服できていたかも含め検証する」と述べた。
 この日は東京都内で企業関係者ら約500人が集まり、応援イベントが開かれた。着陸船のデータがリアルタイムで表示される中、通信途絶の報に場内は緊張感に包まれ、集まった人々の表情は険しかった。
 一方で、専門家からは技術力を評価する声も上がった。東京大学大学院の宮本英昭教授は「着陸直前まで迫った完成度の高さは評価できる。周回軌道から降下に成功した点は前回に続く成果だ」とコメント。さらに「世界が注目する中、民間企業の技術力を印象づけた。失敗を糧にして再び立ち上がってほしい」と期待を寄せた。
 宇宙開発における民間企業の役割についても、「参入によって開発スピードが上がり、リスクも取れるようになる。日本が月輸送手段を持つことは国際協力でも優位に働く」と述べ、民間主導の意義を強調した。
 ispaceの挑戦は、月面輸送を担う日本企業の技術的自立と将来の宇宙産業発展に向けた大きな一歩でもある。苦い結果に終わったが、その歩みは確実に次につながっている。

七支刀 奇跡の保存状態 奈良博がCT調査で判明

 古墳時代に朝鮮半島から伝わったとされる国宝「七支刀(しちしとう)」の内部が、極めて良好な状態で保存されていることが、奈良国立博物館の最新のX線CT調査で明らかになった。剣の内部はほとんど腐食しておらず、1600年前の鉄製品とは思えぬ保存状態に、館長は「奇跡的だ」と述べている。

 七支刀は、長さは75センチほどで左右に三本ずつ枝のような刃が突き出した独特の形状を持つ鉄剣で、奈良県天理市の石上神宮が所蔵している。神社には当初「六叉鉾(ろくさのほこ)」という名前で伝わり、ほかの宝物とともに「神庫(ほくら)」と呼ばれる特別な蔵に納められ、大切な祭祀が行われる際などに限って使われてきた。今回の調査は、同館で開催中の展覧会にあわせ、保存状態と文字の再確認を目的に実施された。
 X線CTにより、さびに覆われた表面の下にも白く映る密度の高い部分が多く確認され、内部の鉄がほとんど劣化していないことが判明。加えて、金を象嵌したとみられる文字の一部も鮮明に浮かび上がった。

中国の宇宙ステーション「天宮」で新種の細菌発見 宇宙環境に適応した特徴も

 中国の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」で、新種の細菌「Niallia tiangongensis(ニアリア・ティアンゴンエンシス)」が発見された。3月に学術誌「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology」で発表された。
 細菌はミッション「神舟15号」(2022年11月~2023年6月)において、宇宙ステーション内で採取されたサンプルから見つかった。無重力環境であるステーション内の操縦席コントロール部分に生息していた。桿菌(棒状の細菌)で、好気性かつ胞子を形成する性質を持つ。天宮で新種の細菌が見つかるのは初めて。

 この細菌は、地上の土壌や廃棄物に含まれる既知の細菌に近縁で、免疫力の低下した人に感染症や敗血症を引き起こす恐れがあるという。解析の結果、Cytobacillaceae(サイトバチルス科)のNiallia(ニアリア属)に属する新たな株と特定された。
 特筆すべきは、宇宙空間という極限環境への適応である。Niallia tiangongensisは酸化ストレスへの耐性が高く、放射線による細胞損傷の修復を助ける独自のバイオフィルム形成能力を持つことが確認された。

名古屋の小学校で理科実験中に児童が重度のやけど 誤指導が原因

 名古屋市内の市立小学校で、理科の授業中に誤った実験手順が指示され、6年生の児童が右腕に重いやけどを負っていたことがわかった。名古屋市教育委員会が5月30日に発表した。
 事故が起きたのは5月28日午前10時ごろ。理科の授業で植物の葉に含まれるデンプンを確認する実験中、担当の常勤講師(28)が、本来はエタノールを入れた試験管を湯煎で加熱するべきところを、誤ってガスコンロで直接加熱するよう指導。エタノールに引火し、実験に参加していた児童の右腕に炎が燃え移った。児童は重度のやけどを負い、感染症のリスクもあることから入院し、手術を受ける予定。

ヒッグス粒子発見のATLAS実験などが2025年ブレークスルー賞受賞 日本からも多数参画

 2025年ブレークスルー賞の受賞者が4月5日(日本時間4月6日)に発表され、欧州合同原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で実施されている4つの国際共同実験が基礎物理学部門を受賞した。対象となったのは、ATLAS、CMS、ALICE、LHCbの4実験で、我々の自然観や宇宙観に根本的な変革をもたらした研究成果が評価された。

 とくに、2012年にヒッグス粒子を発見したATLAS実験には、日本から13の大学・研究機関、約160人が参画しており、東京大学素粒子物理国際研究センターは、現地拠点の整備や国内解析センターの設置を通じて国際研究の中核を担っている。
 この受賞を受け、ATLAS、ALICE、LHCbおよび日本国内で相補的な研究を行うBelle IIの研究者による合同記者説明会が、4月25日に東京大学本郷キャンパスの小柴ホールで開かれた。

江戸川区の中学校で硫化水素発生 実験中に生徒6人が体調不良、3人搬送

 東京都江戸川区の区立小松川中学校で5月15日、理科の授業中に行われた実験で硫化水素が発生し、生徒6人が体調不良を訴えた。このうち13歳の男子生徒3人が病院に搬送されたが、いずれも軽症とみられる。

 警視庁や消防によると、異変が起きたのは午後1時前。2年生のクラスで行われていた理科の実験で、鉄と硫黄を混ぜて熱し、生成された硫化鉄に塩酸を加えることで硫化水素を発生させる内容だった。授業終了後、生徒6人が気分の悪さを訴え、3人が救急搬送された。
 学校側によれば、当時は教室のドアや窓を開放したうえで、教師が生徒に対し「試験管から離れて手であおいでにおいを確認するように」と指導していたという。ただし、体調不良を訴えた生徒らは、誤って試験管に顔を近づけ、硫化水素を直接かいでしまった可能性がある。
 硫化水素は少量でも強い臭気を放ち、高濃度では意識障害などを引き起こすおそれがある。中学校の授業では通常、安全な範囲でごく少量を発生させるが、吸引の仕方を誤ると健康被害につながるという。
 学校ではこの後、全校集会を開いて保護者と生徒に対する説明を実施。保護者の1人は「テレビで知って急いで駆けつけた。息子の無事を確認してほっとした」と語った。
 警視庁と消防は、実験中の教室の状況や指導内容に問題がなかったかなど、当時の詳しい経緯を調べている。

東北森林管理局 花粉の少ないスギ苗木を山形の国有林に初植栽 花粉症対策で5万8000本

 花粉症対策の一環として、東北森林管理局は2025年度、花粉の発生量が通常のスギやヒノキの約半分以下に抑えられるスギの苗木およそ5万8000本を、山形市を中心とした半径50キロ圏内の国有林に植えると発表した。

 政府は花粉症対策として、2033年までにスギの人工林を2割削減し、約30年後には全国的な花粉発生量を半減させる方針を掲げている。今回の植栽はその方針に沿ったもので、苗木は山形県が開発した低花粉性のスギを使用。福島県を除く東北5県を管轄する東北森林管理局において、この苗木を実際に国有林に植えるのは山形県が初めてとなる。

国産手術支援ロボット「ヒノトリ」で肺がん手術に成功 中四国で初 鳥取大病院

 鳥取大病院(鳥取県米子市)は、国産手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を用いた肺切除手術に成功したと発表した。日本人の体格に合わせた設計や高性能な制御プログラムを備えたヒノトリによる肺のロボット手術の成功は、中四国地方で初めてとされる。

 手術は昨年12月25日、肺がんステージ2と診断された50歳代の女性に対して実施。肺の約2割を切除し、術後6日目には軽快して退院。その後も4月24日までにヒノトリを使用した手術は計14件行われたが、すべて問題なく経過しているという。