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ヒッグス粒子発見のATLAS実験などが2025年ブレークスルー賞受賞 日本からも多数参画

 2025年ブレークスルー賞の受賞者が4月5日(日本時間4月6日)に発表され、欧州合同原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で実施されている4つの国際共同実験が基礎物理学部門を受賞した。対象となったのは、ATLAS、CMS、ALICE、LHCbの4実験で、我々の自然観や宇宙観に根本的な変革をもたらした研究成果が評価された。

 とくに、2012年にヒッグス粒子を発見したATLAS実験には、日本から13の大学・研究機関、約160人が参画しており、東京大学素粒子物理国際研究センターは、現地拠点の整備や国内解析センターの設置を通じて国際研究の中核を担っている。
 この受賞を受け、ATLAS、ALICE、LHCbおよび日本国内で相補的な研究を行うBelle IIの研究者による合同記者説明会が、4月25日に東京大学本郷キャンパスの小柴ホールで開かれた。

江戸川区の中学校で硫化水素発生 実験中に生徒6人が体調不良、3人搬送

 東京都江戸川区の区立小松川中学校で5月15日、理科の授業中に行われた実験で硫化水素が発生し、生徒6人が体調不良を訴えた。このうち13歳の男子生徒3人が病院に搬送されたが、いずれも軽症とみられる。

 警視庁や消防によると、異変が起きたのは午後1時前。2年生のクラスで行われていた理科の実験で、鉄と硫黄を混ぜて熱し、生成された硫化鉄に塩酸を加えることで硫化水素を発生させる内容だった。授業終了後、生徒6人が気分の悪さを訴え、3人が救急搬送された。
 学校側によれば、当時は教室のドアや窓を開放したうえで、教師が生徒に対し「試験管から離れて手であおいでにおいを確認するように」と指導していたという。ただし、体調不良を訴えた生徒らは、誤って試験管に顔を近づけ、硫化水素を直接かいでしまった可能性がある。
 硫化水素は少量でも強い臭気を放ち、高濃度では意識障害などを引き起こすおそれがある。中学校の授業では通常、安全な範囲でごく少量を発生させるが、吸引の仕方を誤ると健康被害につながるという。
 学校ではこの後、全校集会を開いて保護者と生徒に対する説明を実施。保護者の1人は「テレビで知って急いで駆けつけた。息子の無事を確認してほっとした」と語った。
 警視庁と消防は、実験中の教室の状況や指導内容に問題がなかったかなど、当時の詳しい経緯を調べている。

東北森林管理局 花粉の少ないスギ苗木を山形の国有林に初植栽 花粉症対策で5万8000本

 花粉症対策の一環として、東北森林管理局は2025年度、花粉の発生量が通常のスギやヒノキの約半分以下に抑えられるスギの苗木およそ5万8000本を、山形市を中心とした半径50キロ圏内の国有林に植えると発表した。

 政府は花粉症対策として、2033年までにスギの人工林を2割削減し、約30年後には全国的な花粉発生量を半減させる方針を掲げている。今回の植栽はその方針に沿ったもので、苗木は山形県が開発した低花粉性のスギを使用。福島県を除く東北5県を管轄する東北森林管理局において、この苗木を実際に国有林に植えるのは山形県が初めてとなる。

国産手術支援ロボット「ヒノトリ」で肺がん手術に成功 中四国で初 鳥取大病院

 鳥取大病院(鳥取県米子市)は、国産手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を用いた肺切除手術に成功したと発表した。日本人の体格に合わせた設計や高性能な制御プログラムを備えたヒノトリによる肺のロボット手術の成功は、中四国地方で初めてとされる。

 手術は昨年12月25日、肺がんステージ2と診断された50歳代の女性に対して実施。肺の約2割を切除し、術後6日目には軽快して退院。その後も4月24日までにヒノトリを使用した手術は計14件行われたが、すべて問題なく経過しているという。

絶滅種スライゴオオサンショウウオ 日本で発見 池袋の水族館で公開中

 絶滅したと考えられていた世界最大の両生類「スライゴオオサンショウウオ」が、実は日本国内で生きていたことが明らかになった。東京・池袋のサンシャイン水族館では、現在開催中の特別展「真夜中のいきもの展」でその姿が一般公開されている。
 このスライゴオオサンショウウオは、中国原産で国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにも「絶滅寸前」として掲載される希少種。以前は「チュウゴクオオサンショウウオ」と同一と考えられていたが、京都大学などの研究グループによるDNA解析の結果、別種であることが判明した。

ニッスイと新日本科学、ニホンウナギ人工種苗の大量生産で共同研究

 ニッスイは4月7日、新日本科学と共同で、ニホンウナギの人工ふ化した稚魚「人工種苗」の大量生産技術に関する研究を進めると発表した。すでに2024年10月から共同研究を開始しており、2027年度をめどに事業提携の可否を判断する。

 ニホンウナギは国内流通の大半が、稚魚の「シラスウナギ」を天然から採捕し、養殖する形で供給されている。水産庁によると、1980年代以降、シラスウナギの採捕量は低水準で推移し、減少傾向が続いている。こうした中、人工種苗による安定供給の確立は喫緊の課題とされる。
 新日本科学は2014年から人工種苗の研究を開始し、2017年に生産に成功。2019年には鹿児島県沖永良部島に研究施設を開設し、基礎研究を進めてきた。一方、ニッスイはこれまでブリの人工種苗大量生産で培った技術を持ち、今回の共同研究でそのノウハウを応用する。
 両社は今後、親魚からふ化させたウナギの稚魚を安定的に育成・量産するための技術開発を進め、天然資源への依存からの脱却を目指す。

NASA予算大幅削減案、科学ミッションに深刻な影響 ゴダード閉鎖の可能性も

 アメリカ政府が2026年度予算案の草案を各省庁に送付し、NASAの次年度予算が大幅に削減される可能性が浮上した。米メディアの報道によると、NASAの総予算は20%減額され、科学プログラムの予算は半減する見通し。宇宙望遠鏡や金星探査計画の中止、さらにゴダード宇宙飛行センターの閉鎖まで検討されており、各方面から深刻な懸念の声が相次いでいる。

 草案によれば、天文物理学や太陽物理学、地球科学、惑星科学の各予算は軒並み30〜50%の減額となり、2026年以降に打ち上げ予定の赤外線宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン」や、40年ぶりとなる金星探査機「ダヴィンチ」は中止が避けられない情勢。また、火星探査ローバー「パーサヴィアランス」が採取したサンプルを地球に持ち帰る「MSR計画」も停止の可能性が高まっている。
 さらに、今回の草案にはNASAの主要拠点であるゴダード宇宙飛行センターの閉鎖案も盛り込まれた。天文・惑星・地球観測の中核拠点で、約1万人の職員と契約者を抱える同センターの閉鎖は、NASAの科学ミッションに壊滅的な影響を及ぼすとみられる。
 予算案には、イーロン・マスク氏も「懸念すべき事態」とコメント。バイデン政権下でNASA長官を務めたビル・ネルソン氏も、「NASAの科学を蹂躙すれば、有人探査にも影響する」と批判した。
 この予算案は今後、米議会での審議に入るが、歳出委員会のクリス・ヴァン・ホーレン上院議員は「科学ミッションは国家安全保障と技術革新に直結する。ゴダードの機能を削ぐのは危険だ」と述べ、徹底抗戦の構えを示した。
 一方、4月9日に上院商務委員会で承認公聴会が行われた次期NASA長官候補のジャレッド・アイザックマン氏は、民間宇宙飛行士の経験を持ち、有人探査の推進を公約に掲げている。しかし、その翌日に示された今回の草案は、同氏の方針と大きく矛盾する内容であり、今後のNASA運営の行方に注目が集まる。

ドイツ新興企業の試験ロケット、打ち上げ直後に爆発

 ドイツの宇宙開発新興企業イザール・エアロスペースが開発した試験ロケット「スペクトラム」が3月30日、ノルウェーで打ち上げられたが、数十秒後に水中に落下し、爆発した。同ロケットは、欧州初の軌道ロケット打ち上げを目指して設計されており、スウェーデンや英国などもこの分野への参入に意欲を示している。

 現在の衛星打ち上げ市場では、イーロン・マスク氏のスペースXが米国からの打ち上げを主導するほか、エアバスとサフランが共同出資するアリアングループが仏領ギアナで打ち上げを行っている。また、スペースXは世界各地で衛星通信サービス「スターリンク」を展開し、存在感を強めている。
 ドイツ航空宇宙産業連盟のトップは今回の試験について、「初の打ち上げは今後の進展につながる」と評価。そのうえで「欧州は宇宙における主権を早急に確保する必要がある。スターリンクに代わる通信網は存在すべきだ」と述べ、欧州独自の宇宙開発の重要性を強調した。

ISSから9カ月ぶりに帰還した宇宙飛行士が会見 宇宙船の不具合を語る

ISS滞在が当初予定の1週間から宇宙船の問題で予想外に長引き、9カ月以上を地球に帰還できなかったNASAの宇宙飛行士、サニ・ウィリアムズさんとバッチ・ウィルモアさんが帰還後、初の記者会見に臨んだ。
 2人は3月18日、帰還用の宇宙船でパラシュートでフロリダ沖に着水。無事帰還を果たした。

 記者会見でウィルモアさんは、長期にわたるミッションの結果として、「宇宙船を開発したボーイング社だけでなく、自分自身も含め全員に責任がある」と述べた。誰かを責めることなく、前向きに今回の経験を生かすべきだと強調した。
 また、トラブルが発生した「スターライナー」については、得られた教訓をボーイング社に伝え、今後の宇宙船開発に役立てることを誓った。

土浦一高 12年ぶりに科学の甲子園全国大会に出場

 茨城県代表として県立土浦一高(同県土浦市真鍋)が、「第14回科学の甲子園全国大会」に12年ぶりに出場する。大会は、3月21日から24日まで、茨城県つくば市のつくば国際会議場とつくばカピオで開催される。土浦一高のメンバーは、本番に向けて実験や学習を重ね、「全力で楽しみたい」と意気込みを見せている。

 大会には全国47都道府県の代表校が出場し、1日目には化学、地学、生物、物理、数学、情報の6分野から出題される筆記試験を行う。2日目には、科学的な知識を応用して課題を解決する実技競技が行われ、各競技の成績点数を合算して優勝チームを決定する。
 土浦一高の出場メンバーは、有志で集まった8人の生徒。2年生の原田飛駆人さん、多田創平さん、藪内智悠さん、徳永開さん、大久保佑紀さん、金子拓生さん、1年生の佐藤拓実さん、大澤直人さんの7人が、放課後など限られた時間で実験を繰り返し、知識を深めてきた。メンバーはそれぞれ卓球部、陸上部、弦楽部に所属しており、部活動の合間に熱心に学んでいる。
 大会最終日には、会場近くの研究施設や科学館を見学するほか、学校同士の交流会も開かれる予定だ。土浦一高のメンバーは、学びながら楽しむことをモットーに、全国大会に臨んでいる。