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東北大学、大阪大学、名古屋大学のスパコンが連携 津波予測で6分以内の結果を達成

 東北大学、大阪大学、名古屋大学の三大学は11月7日、それぞれ保有するスーパーコンピュータを遠隔で連携させ、津波浸水被害を迅速に予測するシミュレーションの実証実験に成功したと発表した。
 実験では、東北大の「AOBA」、大阪大の「SQUID」、名古屋大の「不老」という名称のスパコンを、計算基盤「ExpressHPC(仮称)」を介して統合的に活用。構成や世代が異なる機器であっても、ユーザーが意識せずに連携可能な環境を構築した。各機器がそれぞれ兵庫県・高知県・和歌山県の津波浸水被害予測を分担して実施し、最長でも約6分以内に結果を得ることができたという。

 近年の災害対策需要の高まりが背景にある。津波発生時には迅速な避難判断が求められるため、従来よりも短時間で高精度な予測を行えるシステムの構築が課題だった。今回の実験成功は、複数の高性能計算機を地域にまたがって連携させることで、計算時間短縮と災害対応力の向上に資する可能性を示した。
 今後は実運用を見据え、異機種・異拠点の連携を常設化するためのインフラ整備や、予測対象地域の拡大、さらには台風・洪水など他種の自然災害シミュレーションへの応用も期待されている。こうした取り組みは、大学・研究機関・行政が連携を深め、防災体制の強化を図る上で重要な一歩となる。

沖縄美ら海水族館、世界初「クロコショウダイ」の繁殖に成功

― 稚魚の生体展示を開始、海洋生物の繁殖研究に新たな知見 ―

 沖縄県本部町の沖縄美ら海水族館(館長:佐藤圭一)は、イサキ科の魚「クロコショウダイ(学名:Plectorhinchus gibbosus)」の繁殖に世界で初めて成功し、館内の「サンゴ礁への旅 個水槽」にて繁殖個体の稚魚3匹の展示を開始したと発表した。

 今回展示されている稚魚は全長約4センチ。生物の状態により展示期間は変更される可能性があるという。


7年間の飼育研究が実を結ぶ

 親魚は2018年7月、沖縄本島北部の海域から全長2.5センチの個体を搬入し、7年にわたる飼育を経て全長約40センチの繁殖可能なサイズに成長。2025年3月にはオス同士による「口合わせ行動」が頻繁に観察され、同年6月に初めての産卵を確認した。

 孵化直後の稚魚は半透明だが、全長6ミリ前後に成長すると体が黒褐色に変化し、鰓蓋棘(さいがいきょく)が著しく発達するなど、成長段階の詳細な変化も確認された。


養殖・種苗生産への応用に期待

 クロコショウダイは千葉県から琉球列島にかけて分布する魚で、成魚は全長45センチほどに達し、暗灰色の体色が特徴。沖縄県内では食用魚として知られるが、流通量は少ない。

 今回の繁殖成功により、同館では繁殖行動や仔魚期の成長に関する新たな知見を多数得られたとしており、今後は本種の種苗生産技術や養殖研究の発展にもつながることが期待されている。


海洋研究と教育の拠点として

 沖縄美ら海水族館は、南西諸島や黒潮域の多様な生態系を再現し、「沖縄の海との出会い」をテーマに生物多様性の保全と教育普及を進めている。運営は一般財団法人沖縄美ら島財団が担い、海洋生物の繁殖研究を通じて持続可能な海洋利用と地域振興を目指している。

 同館では「美しい海を未来へつなぐ」ことを理念に、希少生物の保全・研究を推進しており、今回の成果もその一環として位置づけられている。


展示情報

  • 展示生物:クロコショウダイ稚魚(3個体、全長約4cm)
  • 展示場所:「サンゴ礁への旅」個水槽
  • 備考:生物の状況により展示を終了する場合あり

施設概要
沖縄美ら海水族館(国営沖縄記念公園〈海洋博公園〉内)
運営:一般財団法人 沖縄美ら島財団
所在地:沖縄県国頭郡本部町字石川424
公式サイト:https://churashima.okinawa/

栄光ゼミナール、年長~小学3年生対象の理科実験教室「結晶ツリーをつくろう」を開催

 株式会社増進会ホールディングス(Z会グループ)のグループ会社、株式会社栄光は10月23日、運営する進学塾・栄光ゼミナールで、年長児から小学3年生と保護者を対象とした理科実験教室「結晶ツリーをつくろう~学ぶ楽しさを知る第一歩~」を、11月22日、23日、24日、29日、30日に無料で開催すると発表した。申し込みは11月27日10時まで受け付けている。
 実験教室では、尿素水を使った再結晶の実験を通じて結晶の成り立ちを学び、作成した「結晶ツリー」を持ち帰ることができる。結晶の形は一人ひとり異なり、オリジナルの作品が完成する。また、保護者は実験の様子を見学可能で、地域の受験情報や栄光ゼミナールの教育理念、指導方針についてのセミナーも同時開催する。
 さらに、参加児童には「学力到達度チェック」を実施。算数と国語の2教科で、現時点の学習定着度や今後の学習課題を把握できる内容となっており、年長児には思考力パズルを用いたテストを実施する。テスト結果は個別面談で返却され、得意・苦手単元や今後の学習方針について詳細にアドバイスが行われる。
 栄光ゼミナールは、「理科実験を通して学ぶ楽しさを体験することが、将来の学習意欲や思考力の基盤になる」と説明しており、26年目を迎える同教室では、科学への興味を育みつつ、子どもたちが自発的に学ぶ力を養うことを目的としている。
 イベントの詳細や申し込みは、栄光ゼミナールの公式サイトで確認できる。
■栄光ゼミナール 理科実験教室「結晶ツリーをつくろう」
https://www.eikoh.co.jp/chugakujuken/event/p166462/

『学研の科学』第8弾「恐竜化石発掘キット」が新発売

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)のグループ会社、株式会社 Gakken(東京・品川、南條 達也 代表取締役社長)は、『学研の科学』第8弾「恐竜化石発掘キット」を2025年10月23日(木)に発売した。

●『学研の科学』第8弾! -世界とつながるほんもの体験キット-
 『学研の科学』は、体験キットの「恐竜化石発掘キット」、恐竜や化石などについての記事が満載の本誌、別冊の学研まんが「ひみつシリーズ」、実験の投稿やオンラインワークショップに参加できるオンラインコミュニティ「あそぶんだ研究所」がセットになって、ほんものの科学体験を提供する。

【キット内容】
・レイモンドの化石模型入りの石こうブロック
・発掘3点セット(ハンマー、たがね、ブラシ)
・アンモナイトの本物化石
※アンモナイトの化石の大きさや形は、ひとつひとつ異なります。

●国立科学博物館に展示している実物化石「レイモンド」を再現!
 白亜紀の代表的な恐竜トリケラトプスの化石が、1994年にアメリカのノースダコタ州で完全な一個体として発見された。化石がバラバラにならず、頭骨と胴体がつながった状態で発掘されたキセキの化石。それは「レイモンド」と名付けられ、上野の国立科学博物館に展示されている。左半身が風化し、右半身だけの姿は、保存性が高く、右前あしの状態から、トリケラトプスの姿勢の復元に役立った。その貴重な化石「レイモンド」が、真鍋 真博士(国立科学博物館 名誉研究員)監修で再現され、発掘体験キットとして登場した。

●恐竜学者になりきって、キットで発掘体験ができる!
 キットには、発掘する道具として、ハンマー、たがね、ブラシがついている。ハンマーでたがねをたたいて石こうブロックを掘ったり、たがねで削ったり、ブラシでクリーニングしたりして、レイモンドを掘り出しましょう。恐竜学者と同じように、ワクワクドキドキしながら発掘体験ができる。

JAXA、金星探査機「あかつき」の運用を終了

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2025年9月18日午前9時、金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の停波作業を実施し、運用を正式に終了した。
「あかつき」は2010年5月21日に種子島宇宙センターからH-ⅡAロケット17号機で打ち上げられ、2015年12月に金星周回軌道への投入に成功した。日本初の地球以外の惑星周回機として、8年以上にわたり金星大気の観測を継続。太陽系最大の山岳波の発見や、金星大気の高速回転(スーパーローテーション)の維持メカニズム解明、地球の気象学研究に用いられるデータ同化手法の導入など、惑星気象学に関わる数多くの科学成果を創出した。

国内の動物園・水族館対象の「MUFG生物多様性保全研究助成基金」を創設

 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)は、サステナビリティ経営において、持続可能な環境・社会の実現に向け、優先的に取り組む課題(優先課題)を設定している。優先課題の一つである「持続可能な社会」のうち、「自然資本・生物多様性」に関する取り組みとして、今回、公益社団法人日本動物園水族館協会(以下JAZA)への寄付を通じて、「MUFG生物多様性保全研究助成基金」を創設した。

 欧米の動物園や水族館は、種の保全、調査研究や環境教育など、希少種の飼育下繁殖や地球環境保全において不可欠な役割を担っている。また、生物多様性保全の大切さを楽しく学べるように情報発信にも力を入れている。一方、日本の動物園や水族館は、調査研究にかかる資金が不足しているために、欧米の先進的動物園水族館と比較すると極めて苦しい財政状況となっている。この課題を解決すべく、今回、「MUFG生物多様性保全研究助成基金」を創設し、国内外の希少種や生物多様性の保全に貢献する研究分野や、社会教育に寄与する活動などを支援する。
 今回、JAZAに加盟している動物園・水族館が主導する生物多様性や地球環境の保全に関連する研究事業を対象に、本基金からの支援を希望する団体を募集した。研究者や、環境省などの外部有識者を含む選考委員会にて審査を行った結果、以下の表に示した6つの研究に対する支援が決定した。

油井亀美也宇宙飛行士搭乗の米国クルードラゴン宇宙船運用11号機の打上げ成功、2回目のISS長期滞在がスタート

 油井亀美也宇宙飛行士の搭乗する米国クルードラゴン宇宙船運用11号機が、日本時間の8月2日0時43分、米国ケネディ宇宙センターから打ち上げられ、同日15時27分頃に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングし、油井宇宙飛行士を含む搭乗員全員がISSに無事入室した。

 油井宇宙飛行士は、2回目のISS長期滞在で、およそ半年間にわたり、ISSに滞在する予定だ。滞在中には、将来有人宇宙探査に向けた二酸化炭素除去の軌道上技術実証や青少年向け教育プログラムとして第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会やアジアントライゼロG 2025など様々なミッションが行われる予定。

 あべ文科大臣は打上げ成功にあたっての談話で、油井宇宙飛行士には、着実な任務の遂行を通じて、ISS及び「きぼう」日本実験棟での成果を最大化していただくとともに、その活動が将来の地球低軌道活動やアルテミス計画へと継承されていくことを期待すると述べた。

株式会社九電工 2025年度「学術研究者支援」贈呈式を実施

 株式会社九電工は、福岡市天神のワンフクオカビルディングの本社にて2025年7月25日に「学術研究者支援」贈呈式を行った。
 この取り組みは、九電工の社会貢献活動の一環として事業発展や事業推進において有能な人財確保および有益な技術研究への支援を目的に学術研究者へ支援活動を行うもので、2000年度より、本年で累計57名の研究者を支援している。
 本年は代表取締役社長執行役員石橋和幸より、住吉大輔教授(九州大学)、佐藤大輔准教授(宮崎大学)の2名へ助成金100万円の目録を手渡した。
 住吉教授は「生成 AI 時代のデータセンターにおけるエネルギー効率向上のための建築・設備設計戦略」、佐藤准教授は「太陽光発電プラントの長期出力維持に資する保守整備マネジメント技術の開発」の研究に取り組まれており、九電工の事業との親和性も期待できるという。

TOPPANホールディングスとMDアンダーソンがんセンター、がん治療評価のための3D細胞培養技術を共同開発する戦略的提携を締結

 TOPPANホールディングス株式会社(東京・文京区、麿 秀晴 代表取締役社長CEO)と、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(米国テキサス州ヒューストン、President:Peter WT Pisters, M.D.、以下 MDアンダーソン)は、2025年7月1日、がん個別化医療の進歩に向けた戦略的提携を締結した。
 提携では、両者の研究者が協力し、患者由来のサンプルからがん治療の有効性を評価するオルガノイドベースの評価手法の臨床応用に焦点を当て、米国病理医協会(CAP)および臨床検査室改善修正法(CLIA)の認証取得を目指す。さらに、複数のがん種においての有用性を評価するための臨床検証研究も共同で実施する。

 TOPPANホールディングスが独自に開発した3D細胞培養技術「invivoid®」は、患者の生検(検査のため採取した微量の組織)やその他組織から、迅速にオルガノイドモデルを確立することを可能にする。提携による共同研究での技術が臨床的に検証されれば、研究者は様々な治療法を研究室で事前にテストし、個々の患者にとって最適な治療法を特定できるようになる可能性がある。治療効果の向上だけでなく、効果が期待できない不必要な治療を避けることにもつながる。


 今回の戦略的提携による共同研究は、TOPPANホールディングスとMDアンダーソンの研究者が2023年7月より個別の共同研究契約のもとで実施してきた臨床検体を用いた基礎研究の成果に基づいている。今後は、オルガノイドを用いたがん治療の有効性を評価する手法のCAP/CLIA認証取得を目指し、その後、本手法による評価結果が実際の臨床結果とどの様に一致するかを評価するための観察臨床研究を計画している。これらの初期段階での検証が成功した場合、TOPPANホールディングスとMDアンダーソンの研究チームは、本評価手法を治療方針決定の指針として活用する前向き臨床研究へと進展させる可能性も模索している。
 TOPPANホールディングスは今回、本戦略的アライアンスを推進し、CAP/CLIA認証取得に向けた取り組みを支援するための資金を5年間で約1,000万US$提供する。

都市部ドローン物流に一手 中野区・神田川で実証実験

 都市部の新たな物流手段として、川の上を活用するドローン飛行の実証実験が7月7日、東京都中野区の神田川上空で行われた。中央大学の研究室と民間企業が協力し、住宅密集地でも安全に物資を届ける仕組みの実現性を検証した。

 実験では、ビールを注いだジョッキ4杯分が入った箱をドローンに搭載。機体は川沿いから一気に約20メートル上昇し、周囲の人や鳥など障害物を確認しながら、建物間を縫うように飛行。最終的に高さ約30メートルのマンション屋上まで荷物を無事届けた。
 都市部では、人や建物が密集することからドローン物流の実用化に課題が多い。今回のように川の上を「空の道」として利用することで、事故のリスクを低減させ、安全かつ効率的な運搬が可能になると期待されている。
 今後、実験を行った研究室は、飛行音に関する住民の感じ方や受容度の調査を実施する予定。事業化に向けて、利用ニーズの把握や社会的な受け入れ態勢の整備も進めるという。
 中央大学理工学部の手計太一教授は「都市部に多い建物の中でも安定した飛行が確認できた。今後は川の上を活用した物流ルートの確立を目指す」と話した。