Category: 塾ニュース|サイエンス

脳内のアルツハイマー病変を早期検出する血液バイオマーカーの産生機構を解明 東京大学、岡山大学、科学技術振興機構

 東京大学大学院薬学系研究科の富田泰輔教授、横山雅シャラ大学院生、松崎将也大学院生(研究当時)、島津製作所の金子直樹係長、田中耕一エグゼクティブリサーチフェロー、岡山大学学術研究院保健学域の廣畑聡教授が、アルツハイマー病の血液診断法に用いられるバイオマーカー分子(※1)APP669-711の産生に関わるプロテアーゼ(※2)としてADAMTS4を同定した。
 現在、アルツハイマー病の予防や治療にあたっては早期から介入することが必要であると理解され、脳内の病変を簡便かつ正確に診断する技術の開発が求められている。APP669-711は血液バイオマーカー分子として2014年に同定された新しいペプチドですが、どのように産生されるのかについては一切不明だった。
 研究グループは培養細胞や動物モデルを用いてADAMTS4と呼ばれるメタロプロテアーゼがAPP669-711の産生に関わっていることや、APP669-711もまた脳内に蓄積していることを明らかにした。これらの発見は血液中のAPP669-711を利用した脳内病変診断技術が更に正確になることや、ADAMTS4を標的とした新しいアルツハイマー病診断・治療法の開発に繋がる可能性がある。
 この研究成果は、日本時間2月1日午前10時(英国標準時間2月1日午前1時)に米国科学誌「Molecular Psychiatry」のオンライン版に掲載されている。

(※ 1)バイオマーカー分子
 疾患の有無や、進行状態を示す目安となる生理学的指標の分子のこと。治療効果や診断、疾患予防効果の指標として用いる。

(※ 2)プロテアーゼ
 タンパク質を構成するアミノ酸をつないでいるペプチド結合において加水分解を起こし、切断する酵素。活性中心の種類によって更に分類される。特に切断活性に金属イオンを必要とするものをメタロプロテアーゼと呼ぶ。

◆発表者
 富田 泰輔(東京大学大学院薬学系研究科 薬学専攻 教授)
 横山 雅シャラ(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 博士課程)
 松崎 将也(東京大学大学院薬学系研究科 薬学専攻 博士課程(研究当時))
 金子 直樹(島津製作所田中耕一記念質量分析研究所 係長)
 田中 耕一(島津製作所田中耕一記念質量分析研究所 所長/エグゼクティブリサーチフェロー)
 廣畑 聡(岡山大学 学術研究院 保健学域 教授)

<発表のポイント>

・血液による脳内アルツハイマー病変の診断技術に用いられているバイオマーカー分子APP669-711の産生機構については一切不明だった。
・ADAMTS4と呼ばれるプロテアーゼがAPP669-711の産生に関わっていることを世界で初めて明らかにした。
・脳内の病変がどのように血液中のAPP669-711およびアミロイドβ関連ペプチドの存在量に影響を与えるかが解明され、更に正確にアルツハイマー病を診断、予測できる技術開発に貢献すると考えられる。

サンスター財団、ハーバード大などへの海外留学生募集糖尿病や歯科疾患と全身疾患に関する研究を支援

 一般財団法人サンスター財団(大阪・高槻市、西川 伸一 会長、牧山 義仁 理事長)は、糖尿病やその合併症、および、歯周病と糖尿病などの全身疾患との関わり等に対する、予防・運動・食事を含む基礎研究ならびに臨床応用研究を支援する目的で海外留学生を募集する。
 対象は、日本の歯科・医科・栄養・生化学等の分野の若手研究者とし、世界有数の糖尿病研究・教育・診療機関である米国ハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センター、または、応募者が希望する他の医科系・歯科系研究機関の研究室に2年間留学する滞在費、渡航費(総額 米ドル11万ドル+100万円)を支給する。
 募集期間は2023年4月1日~同年6月15日で、国内の大学、研究機関、医療機関の糖尿病、歯周病の専門家で構成される選考委員による独立性・公平性を重視した書類審査、面接選考を経て海外留学助成金受給者を決定、2024年4月から2年間の留学を支援する。
【サンスター財団 留学助成制度について】
 2008年7月、軽井沢において日米の専門家パネルのメンバーが集い、口腔の健康と全身の健康の関連性についての科学的知見を再評価し、より深く考察する国際会議「軽井沢2008会議」が開催された。この会議で策定された「軽井沢合意書」は、現在もサンスターの口腔保健と全身の健康への思いを研究の成果と合わせて具現化していく指針となっている。行動計画には、若手研究者の育成が掲げられ、会議の翌2009年には「金田博夫研究助成基金」を創設、サンスター財団による海外留学助成がスタートした。

 この海外留学助成では、これまで国内の大学の医科・歯科の若手研究者17名が留学している。海外留学支援を通し、将来、若手研究者たちが各々の専門分野でのリーダーとなり研究レベルが向上するだけでなく、歯科に精通した医科およびあらゆる関連分野での専門家が育成され、専門分野同士の理解、協力関係が進み、世界の人々の健康の増進と生活文化の向上に繋がることを願っている。

【募集要項概要】
応募資格 : 歯科、医科、栄養、生化学等の分野の博士の学位を取得後5年以内の研究者
(ただし、2023年度については、募集要項改定に伴う移行期間として、昨年度までと同様に、満39歳以下の者であれば学位取得5年以上であっても応募を受け付けます。)
対象研究領域: 糖尿病、糖尿病合併症や糖尿病との関連が疑われる疾患、および、歯科疾患と糖尿病などの全身疾患との関わりに関する、予防、運動、食事を含む歯科分野、医科分野の基礎研究ならびに臨床への応用研究
募集人数 : 2名 (原則、医科系1名、歯科系1名)
募集期間 : 2023年4月1日~2023年6月15日
留学先 : 米国ハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センター(所在地:マサチューセッツ州ボストン市
所長:Dr. Roberta Herman)または、希望する他の医科系・歯科系研究機関の研究室
助成内容 : 留学期間を最長2年間とし、渡航費及び滞在費を支給
助成金額 : 渡航費 100万円 帰国費 10,000ドル 滞在費として100,000ドル

●「2023年度 金田博夫研究助成基金」募集要項詳細
https://www.sunstar-foundation.org/aid/project/
●過去の金田博夫研究助成基金 受給者名・研究報告書PDF(以下URLよりダウンロード可能)
https://www.sunstar-foundation.org/aid/historical/
●「軽井沢合意書」についてPDF(以下URLよりダウンロード可能)
https://www.sunstar-foundation.org/wp-content/uploads/2022/02/agreement.pdf

国立科学博物館 皇居と赤坂御用地でオオタカとフクロウが同時期に繁殖したことを確認

 独立行政法人国立科学博物館(篠田謙一 館長)が実施している皇居の生物相調査(第Ⅲ期)において、鳥類調査班(班長:西海功研究主幹、動物研究部)は、今春皇居と赤坂御用地で大型猛禽類であるオオタカとフクロウ両種が同時期に繁殖したことを初めて確認した。これは都心部の緑地における数十年におよぶ鳥類多様化の流れの一環と考えられ、都心部に生息するハシブトガラスの個体数減少が大きく関わっていると思われる。

【研究のポイント】
都心緑地では繁殖する陸鳥の種が数十年の間で徐々に増加してきた。
近年は大型猛禽類であるオオタカとフクロウの繁殖が見られる年が増えていた。
今春は皇居と赤坂御用地でオオタカとフクロウが同時期に繁殖したことが確認された。
都心部におけるハシブトガラスの個体数減少が関わっていると思われる。

研究の背景
 国立科学博物館では、1996年(平成8年)から皇居における動物相および植物相に関する総合調査を開始し、第Ⅰ期調査結果を2000年(平成12年)に、第Ⅱ期調査結果を2014年(平成26年)に取りまとめ、昨年度からは総合研究「過去150年の都市環境における生物相変遷に関する研究 -皇居を中心とした都心での収集標本の解析」【2021年度(令和3年度)~2025年度(令和7年度)】の一環として第Ⅲ期調査を実施している。

 皇居の鳥類調査は、国立科学博物館による調査以外にも山階鳥類研究所により1965年以降、ほぼ継続的に行われてきた。皇居と並んで都心に位置する大規模緑地である赤坂御用地でも皇居同様に長年の鳥類調査が行われてきた。その結果、皇居や赤坂では繁殖する陸鳥の種が次第に増加してきたことが分かっている。1970年代にはヤマガラとヒヨドリが繁殖するようになり、80年代にコゲラとメジロが、1990年代にカワセミが、2000年代にオオタカが、2010年代にエナガとウグイスがそれぞれ繁殖するようになった。

 皇居でオオタカの繁殖(営巣)が確認されたのは2001年、2013年、2015~17年、2019年、2021年で、フクロウの巣立ち雛(またはその声)が確認されたのは2016年と2019年だった。赤坂御用地ではオオタカの繁殖は2013年、2015~18年、2020年に確認され、フクロウの繁殖はこれまで確認されていなかった。また、オオタカの繁殖行動は国立科学博物館附属自然教育園(港区白金台)でも2017年以降継続して確認され、明治神宮でも2007年以降度々確認されるなど、都心部の緑地での大型猛禽類の繁殖が増えてきている。

研究の内容
 第Ⅲ期調査の鳥類調査班は特に繁殖鳥について詳しく調査するため、夜間も含めた調査を行った。5月から6月に行った日中の調査で、皇居と赤坂御用地でオオタカの巣と雛を確認し、両所で2羽ずつ巣内雛の成長を確認した。その後、巣立ち雛の声から4羽すべてが巣立ったと推定された。また6月から7月に行った21時までの夜間を含む調査で、フクロウの巣立ち雛の声や姿が両所で確認された。観察の結果、それぞれ巣立った雛は1羽のみと推定された。

【鳥類調査班】
西海功(班長)、樋口亜紀(以上、国立科学博物館)、黒田清子、小林さやか、齋藤武馬(以上、山階鳥類研究所)、協力:安藤達彦、安西幸栄

TIME誌の「2022年最高の発明品」に選ばれた極小の顕微鏡レンズに新製品登場

 ミクロハンターレンズが米国大手ニュース誌が監修する2022年の「最高の発明品」の一つとして選出された。スマホに取り付ける顕微鏡レンズ「microHunter X30(国内製品名)」が、TIMEの”Best Inventions of 2022 (2022年最高の発明)”の一つとして家電部門で選出された。

 TIMEは毎年、このリストの中で「世界をより良く、よりスマートに、少しでも楽しくする発明品」を厳選し、製品を紹介している。ミクロハンターレンズは、【A Smartphone Microscope】という名前で紹介されている。
https://time.com/collection/best-inventions-2022/6228808/

 このミクロハンターレンズに最近新製品が加わり、現在3種類の顕微鏡レンズがある。ミクロハンターキットLiteとミクロハンターキットPLの2種類のキットが一般販売予定。なお、先行割引販売はmachi-yaにて開始した(締切:2023年1月31日)。販売ページ:http://bit.ly/3GZLTGZ

 ミクロハンターは上海を活動拠点としているリー・キュイ氏の発明であり、リー氏は2012年に最初の特許を登録して以来、顕微鏡専門家や顕微鏡愛好家たちと協力しながらスマホ用顕微鏡ツール開発に情熱を注いで取り組んできた。指先サイズであるにもかかわらず、光学性能には一切の妥協を許さず卓上顕微鏡にも匹敵。その光学性能や手軽さに魅了され、世界中にミクロハンターのファンがおり、全シリーズ累計約3万個を売り上げている。

【microHunter X30】
スマホ機能と合わせて30~200倍で顕微鏡観察ができる指先サイズのレンズです。ピントの合う範囲が広いため、凹凸のある立体物の観察も比較的容易です。

【microHunter X100】
100~800倍という高倍率で顕微鏡観察ができます。レンズは透明なボディをしているため、落射光でも観察でき、不透明な物体も明るく撮影できます。

【microHunter X100P】
今回ラインナップに新たに加わった製品。偏光顕微鏡撮影という、特殊な顕微鏡観察が可能。倍率もX100と同様、100~800倍。結晶や岩石薄片、薄切標本、プラスチックなど透明・半透明な物体の結晶構造やひずみなど、通常目には見えないものを可視化する事ができる。

◆先行割引販売(machi-ya):
http://bit.ly/3GZLTGZ
(締切:2023年1月31日)

◆ミクロハンター公式サイト:
http://bit.ly/3OPgh8W

第8回「古代歴史文化賞」が決定

 島根県と奈良県・三重県・和歌山県・宮崎県が連携して、古代歴史文化に関する優れた書籍を表彰する「第8回古代歴史文化賞」の大賞、優秀作品賞及び特別賞が決定した。
1.古代歴史文化賞
<大賞>
「顔の考古学 異形の精神史」/吉川弘文館
 著者:設楽博己(したら・ひろみ)1956年群馬県生まれ

<優秀作品賞>
「気候適応の日本史 人新世をのりこえる視点」/吉川弘文館
 著者:中塚 武 (なかつか・たけし)1963年奈良県生まれ

「戸籍が語る古代の家族」/吉川弘文館
 著者:今津勝紀(いまづ・かつのり)1963年東京都生まれ

「人事の古代史―律令官人制からみた古代日本」/筑摩書房
 著者:十川陽一(そがわ・よういち)1980年千葉県生まれ

「万葉集に出会う」/岩波書店
 著者:大谷雅夫(おおたに・まさお)1951年大阪府生まれ

<特別賞>
 早川和子(はやかわ・かずこ)考古イラストレーター
 1953年宮崎県生まれ

 第8回「古代歴史文化賞」に合わせ、記念イベントを開催する。

(1)「古代歴史文化賞」 記念シンポジウム(奈良県会場) 開催概要
  日 時  令和5年1月21日(土)午後開演
  会 場  奈良県文化会館(奈良県奈良市登大路町)
  内 容  受賞作品著者の基調講演、パネルディスカッションなど(予定)

(2)「古代歴史文化賞」 記念イベント(島根県会場) 開催概要
  日 時  令和5年1月29日(日)午後開演
  会 場  島根県民会館中ホール(島根県松江市殿町)
内 容  受賞作品著者の記念講演、特別賞受賞記念対談など(予定)

国際銅協会・日本銅センター、群馬県で銅の「超抗菌性能」学ぶ実験教室を初開催

 国際銅協会(米国ワシントンD.C.、Stephen Higgins 会長)と一般社団法人日本銅センター(東京・台東区、納武士 会長)は10月10日(月・祝)、群馬県で実験教室「身近な『銅』の意外なチカラ!超抗菌性能を体験しよう!!」を開催した。新型コロナウイルス感染症対策として銅を活用する藤岡市立東中学校科学部員と理科好きの1~3年生の生徒33人は、実験教室を通じて、銅の新たな可能性を探った。同実験教室の開催は今回が2回目で、プログラムの運営は株式会社リバネス(東京・新宿区)が行った。

 群馬県藤岡市は2020年6月、超抗菌・抗ウイルス効果を持つ銅繊維シートを市内の小中学校や福祉施設のドアノブなどに設置した。藤岡市立東中学校にも、不特定多数の人が触れるドアノブを中心に設置されている。

 実験教室では、普段から校内で銅の「超抗菌・抗ウイルス性能」に触れている生徒に、より学びを深めてもらうために、まず銅の基本的な性質である「導電性(電気の伝わりやすさ)」と「熱伝導性(熱の伝わりやすさ)」を体験する実験が行われた。参加者は、銅、木、プラスチック、アルミニウム、真鍮(黄銅)などの材料を比較し、銅は電気・熱ともに最も通しやすいことを学んだ。

 次に、銅の「超抗菌性能」に関する講義と実験が行われた。銅・銅合金には、細菌などの増殖を抑える「超抗菌性能」やウイルスを不活化させる(感染性を失わせる)「抗ウイルス性能」がある。新型コロナウイルスを10分で不活化させる効果があることも、奈良県立医科大学で実施した試験(2021年)で分かっている。

 実験教室では銅の「超抗菌性能」を体験するため、参加者の口腔細菌を使った「微生物培養実験」を行った。8~9人から成る1班当たり8枚のシャーレが配布され、参加者は採取した自身の唾液の上に、銅の含有量の異なる4種類の硬貨をのせた。2~3日放置すると、銅を含有する硬貨を入れたシャーレでは、硬貨周辺の菌の繁殖が抑えられる一方、銅の含有率が0%の1円玉硬貨を入れたシャーレでは、硬貨の周りにも菌が繁殖することが確認できた。

 その後、銅と環境課題の関係性の講義を経て、グループごとに銅の新しい活用方法を考えて発表する「ワークショップ」が行われた。参加者からは「粉末状にして、抗菌スプレーにする」「乾いた衣類を干すハンガーを銅製にすれば、いやな臭いを抑えられる」など、新たなアイデアが生まれた。

 プログラムの最後には、銅繊維シートの開発に携わった群馬大学大学院理工学府の板橋英之教授が、銅に関する特別講演「渡良瀬川の銅の研究からコロナウイルス不活化シート?」を行い、銅の「超抗菌・抗ウイルス性能」を活用した商品開発や研究について紹介した。

【開催概要】
日時:2022年10月10日(月・祝)13時00分~15時30分
場所:群馬県藤岡市立東中学校(群馬県藤岡市本郷786)
対象:藤岡市立東中学校科学部員と理科好きの1~3年生の生徒33人
共催:国際銅協会、一般社団法人日本銅センター
協力:藤岡市教育委員会
運営:株式会社リバネス

【団体・会社概要】
国際銅協会
国際銅協会(International Copper Association, Ltd. 略称ICA)は、世界の銅産業のために銅市場を発展させ、国連が提唱する持続可能な開発計画(SDGs)への貢献を目指す非営利団体。世界各国の銅鉱山、製錬会社など計 30 社が会員となっており、世界の電気銅生産量の6割を網羅している。 日本では、JX金属株式会社、三菱マテリアル株式会社、住友金属鉱山株式会社が会員となっている。
※公式ウェブサイト:https://copperalliance.org
※Antimicrobial Copper:https://www.antimicrobialcopper.com/ja/

一般社団法人日本銅センター
一般社団法人日本銅センターは、銅および銅合金の新規用途・技術開発を効率的に行い、銅のすぐれた特性や機能を多くの人に周知することを目的に設立された機関。日本鉱業協会、一般社団法人日本伸銅協会、一般社団法人日本電線工業会、国際銅協会の4団体を正会員に、多くの賛助会員の協力のもと、銅の需要開発・促進に向けてさまざまな調査・研究を行なっている。
※公式ウェブサイト:http://www.jcda.or.jp/

偉大なファラオ”ラムセス2世”に使えた高官の石棺が公開

 エジプトのサッカラ遺跡で9月19日、3200年以上前に古代エジプト文明の最全盛期を主導したファラオ”ラムセス2世”王家に仕えた高官の石棺が公開された。石棺は、ラムセス2世が統治していたエジプト新王国第19王朝時代に王家に使えた「高官」の「プタヘムヤ」のもの。昨年、カイロ大学のエジプト人考古学チームが発見した。

宇宙飛行士の血液が突然変異 心臓病やがんの発症リスクが上昇

 生物科学関連のジャーナル「Nature Communications Biology」に8月31日、宇宙飛行を行ったNASAの宇宙飛行士の血液を調べたところ、DNAに突然変異が起きており、心臓病やがんの発症のリスクを上昇させるという研究結果が掲載された。宇宙線などの宇宙環境が関係すると考えられる。
 すぐに病気になるような深刻なものではないと考えられているが、引退後も含め、宇宙飛行士のキャリアを通じた健康診断の重要性を浮き彫りにしている。
 そして、複数の民間宇宙旅行会社が参入し活発になっている、宇宙への旅をビジネスにしようとする動きに疑問を投げかける結果となった。

4年ぶりの開催 数学の祭典「MATH POWER 2022」9/24~25の2日間に渡り開催

 株式会社ドワンゴ(東京・中央区、夏野 剛 代表取締役社長)は、9月24日(土)から9月25日(日)の2日間にわたり、同社が運営する出版ブランド「アスキードワンゴ」と、株式会社すうがくぶんか(東京・新宿区、瀬下 大輔 代表取締役)和から株式会社(東京・渋谷区、堀口 智之 代表取締役)の3社で共催する「数学と社会の関わり」をテーマにしたイベント「MATH POWER 2022」の企画詳細を発表した。

「MATH POWER」は、「“数学の楽しみ”や“数学と社会の関わり”とは何かを一緒に考えよう」というコンセプトで2016年よりスタートしたイベントで、このたび2018年以来4年ぶりの開催となる。今回、数理脳科学者の甘利俊一による情報幾何学40年の講演をはじめ、教育系YouTuberヨビノリたくみ氏やクイズプレイヤー鶴崎修功氏らが参加する「ガチ数学クイズ!」、映画『シン・ウルトラマン』に登場した現代物理学の解説、初開催となる数学オンラインコンテスト「MathPower杯2022」、数学を題材としたVRワールドの訪問企画など、数学の魅力を詰め込んだ企画の数々を約34時間ノンストップで提供する。
 このイベントは、新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催となり、ニコニコ生放送にて提供する。

【MATH POWER 2022 開催概要】
●主 催 :アスキードワンゴ・株式会社すうがくぶんか・和から株式会社
●日 程 :9月24 日(土)10:30 ~ 9月25 日(日)21:30
●出 演 :アイシア=ソリッド/鯵坂もっちょ/甘利俊一/小倉悠司/加藤文元/小林晋平/西郷甲矢人/
     作道直幸/釈徹宗/鈴木貫太郎/関真一朗/高木智也/タカタ先生/竹内英人/千葉雅也/辻順平/
     鶴崎修功 /布川路/橋本幸士/東田京介/平山楓馬/phi16/松坂俊輝/松中宏樹/ヨビノリたくみ/
     龍孫江 ほか(五十音順 敬称略)
●視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv338206772
●特設サイト:http://sugakubunka.com/mathpower/

古代オリエント博物館 秋の特別展「ヒンドゥーの神々の物語」開催

 サンシャインシティ(東京・池袋)にある古代オリエント博物館(月本 昭男 館長)は、2022年秋の特別展「ヒンドゥーの神々の物語」を9月23日(金・祝)~11月27日(日)の期間、開催する。

 この展示は、長年にわたりインド大衆宗教図像を収集してきた黒田豊コレクションを核に、福岡アジア美術館、平山郁夫シルクロード美術館、古代オリエント博物館および個人の所蔵するコレクションを加え、ヒンドゥーの神々のイメージの変遷を古代から現代までたどるものとなってる。古くは先史インダス文明期の土器にはじまり、17世紀以降の優美なインド更紗(さらさ・木綿布)やガラス絵、大衆文化を彩った民俗画、ヴァルマー・プリント(画家のラージャー・ラヴィ・ヴァルマーが発祥)と呼ばれる印刷物、現代イラストレーションなど約500点を展示。立体・絵画・布製品・印刷物・写真など、時代とともに表現される素材・技法・メディアも異なる。さまざまな媒体に表わされたヒンドゥーの神々とその豊穣なる世界観を紹介する。展示以外にもインド古典舞踊のモヒニアッタム鑑賞や各種ワークショップ、地域との連携展開なども予定している。

開催概要
・展覧会名​:ヒンドゥーの神々の物語
・会期:9月23日(金・祝)~11月27日(日)
・開館時間:10:00~16:30(最終入館16:00)※変更の可能性あり
・入館料:一般1,000円 大・高生800円 中・小生400円
  ※平日限定で約2割引きとなるペア券や親子券も販売します。
 ペア券:一般2名2,000円→1,600円、大・高生2名1,600円→1,200円、中・小生2名800円→600円
 親子券:一般1名+大・高生1名1,800円→1,400円、一般1名+中・小生1名1,400円→1,100円
(20名以上の団体割引・障がい者割引あり。)
・展示内容:長年にわたりインド大衆宗教図像を収集してきた黒田豊コレションを核に、福岡アジア美術館、平山郁夫シルクロード美術館、古代オリエント博物館および個人コレクションを加え、ヒンドゥーの神々のイメージの変遷を古代から現代までたどることができる土器、ガラス絵、民俗画、現代イラストレーションなど約500点を展示。
・特設サイト:https://aom-tokyo.com/exhibition/220923_hindu.html
・主催:公益財団法人 古代オリエント博物館
・後援:豊島区、豊島区教育委員会
・特別協力:サンシャインシティ
・協力:第一合成株式会社

■展示音声ガイド「ヒンドゥーの神々の物語」 【ナビゲーター:声優 関 智一】

販売価格:アプリ販売価格610円
     博物館受付販売価格500円(ノベルティ付き)
※事前購入もできますが、博物館受付で購入いただくとお得です。
※音声ガイドはご自身のスマートフォンにアプリをダウンロードすることとなります。ご自宅に帰ってからでも、特別展期間中は何度でもお聞きになれます(2022年11月27日(日)24時配信終了)。