金沢工業大学の感動デザイン工学研究所は2007年3月に設立。同研究所は、人間の「感動」の要因を分析し、企業の商品開発に生かす。産学連携による研究が主で、心理学や情報工学、メディア情報学など様々な分野の教授や准教授、講師ら16人のスタッフを擁する。インターンシップが盛んなことも特徴の一つ。企業と学生が連携して成果を上げることが多い。水ギョーザの包装を一新するよう食品加工会社に提案したケースでは、その商品の売り上げが前年比25%伸びた。
経済産業省は最先端の人工知能(AI)やロボットの開発を進めるため、分野別に大学と共同研究する。東京大学とは匂いをかぎ分けるロボット、東京工業大学とは人工筋肉の開発、九州工業大学とはAIで連携。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じ、9月から大学の研究者を招いたり、研究を委託したりする。NEDOは大学の基礎研究で得た技術を、製品に応用する橋渡し役を担う。期間は5年間で、関連予算を2016年度の概算要求に盛り込む。
東京医科大は西新宿に新病棟を開設する。ビルは地上20階、地下2階建てで、延べ床面積は現行より3割ほど広い約9万7000平方メートル。2016年春にも着工、19年春の完成を予定する。17年に医学部創立100年を迎える慶大は、信濃町の同大キャンパス内に診療科の壁を超えた「クラスター診療」の拠点として新病棟を17年度に開設する。日本医科大は千駄木に新病棟を建設する。14年に前期工事を終え、外来を中心に新病棟の運用が始まっている。17年に後期工事が終われば、延べ床面積は従来の2倍の8万2000平方メートルへと拡大する。
日本私立学校振興・共済事業団の調査で8月6日、今春の入学者が定員割れした四年制私立大は全体の43.2%だったことが分かった。前年からは2.6ポイント減少した。定員割れが減ったのは、高校を卒業した18歳人口が前年比で約1万9千人増えたことが要因。18歳人口は2018年から再び大きく減少するため、依然として厳しい状況が続いている。回答した579校のうち、定員割れは250校(43.2%)で、前年から15校減った。
山梨県立大(清水一彦学長)は2017年度から、観光産業に携わる人材などを育成するため、国際政策学部に新たな3コース制を導入する。3コースは、国際的な視点で地域社会の問題解決ができる人材を育てる「地域創成」、観光業や地場産業などで世界市場を視野に入れた活動ができる人材を目指す「国際ビジネス観光」、国際経営や国際開発などで活躍できる人材を養成する「国際コミュニケーション」。来春の新入生が2年生になる2017年度から始め、各コース約30人を想定している。
プール学院大(堺市南区)が8月6日、短期大学部を除く4年制学部を廃止する方針であることを発表した。2学部に約550人が在籍しているが、国際文化学部は来年春に募集停止し、今年度の入学生が卒業する2019年春に廃止。教育学部は17年春に桃山学院大(大阪府和泉市)に統合する。少子化による大学の経営環境の変化が背景にある。キリスト教系の学校法人が1950年に短大を、96年に現在の大学を開学した。桃山大への統合方針についてはこれまで6回、学生や保護者への説明会を開いた。
近畿大学工学部(広島県東広島市)が今春発売した犬用ペットフード「フラボノキューブ15」、「フラボノジャーキー5」は、広島県のレモンの搾りかすを活用したユニークな産品だ。峰和(同県府中市)と3年前に商品化に乗り出した。レモンの配合比率はキューブで15%、ジャーキーは5%にした。レモン果皮はJAグループから調達し、製造は大阪の加工メーカーに依頼した。峰和のホームページと、JA芸南(東広島市)の直売所で販売する。価格はいずれも200グラム入りで864円、100グラム入りで432円。
大学が世界遺産について学ぶ学科やコースを開設する動きが広がってきた。京都橘大歴史遺産学科は今年から「遺産情報演習」を開講。筑波大大学院の世界遺産・世界文化遺産学専攻の必修科目の「世界遺産論」では保存哲学や文化的景観、建築など様々な分野の研究者11人が、遺産保護のあり方や論点などを指導する。京都府立大は、和食文化について文系・理系の垣根を越えて今年度から和食を学ぶ「和食の文化と科学プログラム」を開講。世界遺産をめぐっては近年、遺跡や景観を取り巻く文化的な取り組みも一体として評価されるようになった。
国立大学の教育学部が抜本的な改革断行中だ。東京学芸大学は4月、大学卒業に教員免許の取得を必要としない芸術スポーツ文化課程など5課程を教育支援課程に改組。そのうえで定員は335人から185人へ大幅に減らした。授業も教育現場を支援する人材育成に特化。子どもの悩みを聞くスクールカウンセラーや、補習などを受け持つ学習支援員などを養成する。今春から教員免許の取得を義務付けない環境教育課程の募集をやめた滋賀大学。環境教育課程の定員20人は教員養成課程に移し、県内教育で弱い英語や理科などの専攻を新設した。
防衛省は、国の安全保障に役立つ技術を開発するとして、大学などの研究者を対象に研究費の支給先の公募を始めた。最大で1件あたり年3千万円。軍事応用が可能な研究分野の広がりが背景にあり、軍事研究と一線を画してきた日本の学界にも課題を突きつけている。公募対象は大学、独立行政法人、大学発ベンチャーや企業。今年度の予算は3億円で、7月8日に募集を始め、8月12日に締め切って10件程度を選ぶ。成果は「将来装備に向けた研究開発」で活用するとし、実用化の場として「我が国の防衛」「災害派遣」「国際平和協力活動」を挙げた。