Archive for: 5月 2016

衆院定数10減、改正法成立 アダムズ方式22年以降

衆院選挙制度改革を巡り、「1票の格差」是正と定数を10減して465議席とする改正公選法などが5月20日の参院本会議で自民、公明、おおさか維新の会などの賛成多数により可決、成立した。小選挙区で「0増6減」、比例代表で「0増4減」する。新定数の465は戦後最少。早ければ来夏以降に適用される。都道府県の人口比を反映しやすい議席配分方法「アダムズ方式」は2020年国勢調査を基準に導入する。

岡山大・農研機構、オオムギ発芽時期の仕組み解明

岡山大学と農業・食品産業技術総合研究機構は、オオムギが発芽するタイミングに関わる仕組みを解明した。特定の遺伝子が種子の休眠期間の長さを決めていた。麦芽はビール醸造に不可欠で、この遺伝子の働きを調節できればビール醸造を効率化できるという。今後、品種改良などに役立てる考えだ。

実質賃金、5年連続マイナス 15年度は0.1%減

厚生労働省が20日発表した3月の毎月勤労統計(確報、従業員5人以上)によると、現金給与総額から物価変動の影響を除いた実質賃金指数は前年同月比1.6%増だった。速報の1.4%増から上方修正した。2010年9月(1.9%増)以来、5年6カ月ぶりの高い伸び率となった。従業員一人あたりの平均の現金給与総額(名目賃金)は、1.5%増の27万8704円だった。基本給など所定内給与は0.6%増の24万1036円、残業代など所定外給与も1.3%増の2万28円とそれぞれ速報段階から上方修正された。特別給与は15.4%増の1万7640円だった。

アルプス電気、ドローン飛行安定センサー

アルプス電気は小型無人機「ドローン」向けに振動の影響を受けにくい傾きセンサーを開発した。飛行による振動や衝撃が加わってもドローンの体勢を正確に測定でき、安定した飛行につながるという。手動での操縦が容易になるとともに、自動飛行時の経路の正確性が高まる。ロボットや農機、建機などの需要も見込む。2016年中に量産を始める。

教員「尊敬される仕事」3割 

「学校の先生」の仕事について、「尊敬される」「やりたいことができる」と思っている教員は、3割程度にとどまることが愛知教育大などの調査で分かった。皆から尊敬される仕事」と考える教員は全体の32.9%で「やりたいことが自由にできる」は33.6%。「責任が重い」は98.5%、「子供のためになる」は96.4%だった。55.8%が「目指したい教員がいる」と回答。ある教員は目標とする教師像について「どんな生徒とも関係を作れる人」を挙げた。 昨年8、9月、全国の小中高校の教員計5373人が答えた。

前橋活性化へ「萩原朔太郎」 文学館刷新

前橋生まれの詩人、萩原朔太郎(1886~1942)の関連資料などを収蔵する前橋文学館の館長に朔太郎の孫に当たる映像作家の萩原朔美氏が就任した。「文学館の壁やガラスに朔太郎のさまざまな詩を掲示して、館内の至る所で言葉に出会えるようにする」。朔美氏は現在、多摩美大教授も務めており、文学館には当面週1、2回程度の出勤になりそうだが、早くも新機軸を打ち出している。演劇や雑誌発行などサブカルチャーの分野で実績のある人物の登場で、街の活性化にもつながるのではと期待が高まる。

電王戦 プロ棋士連敗 第2局、山崎八段「完敗」

コンピューター将棋ソフトとプロ棋士が戦う第1期電王戦二番勝負の第2局が5月21、22日の両日、大津市の比叡山延暦寺で指され、後手の将棋ソフト「PONANZA(ポナンザ)」が118手で山崎隆之八段(35)を破った。プロ公式戦「叡王戦」優勝者である山崎八段の2連敗に終わった。過去3回の電王戦は5対5の団体戦で昨年、初めてプロ棋士側が勝ち越した。今年から叡王戦優勝者とコンピューター将棋ソフト大会の優勝ソフトとの一騎打ちに変更された。

杉原千畝の資料・上野三碑 世界記憶遺産へ申請書

来年の世界記憶遺産登録を目指す、外交官・故杉原千畝氏の資料(杉原リスト、岐阜県)と「上野三碑(こうずけさんぴ)」(群馬県)の地元自治体関係者は5月19日、文部科学省にある国連教育科学文化機関(ユネスコ)国内委員会を訪れ、それぞれ申請書を提出した。国内委が月内にユネスコ本部に届ける。登録の可否は来年夏ごろに審査される見込みだ。

長時間労働の社名公表 厚労省、行政指導段階で初

厚生労働省千葉労働局は5月19日、最長で月約197時間の違法な時間外労働をさせていたとして、千葉市の棚卸し業務代行会社「エイジス」(売上高は2016年3月期で179億円、従業員は3月末時点で252人)を是正指導したと発表した。同省は昨年5月、複数の事業所で違法な長時間労働をさせる企業について、是正指導をした上で社名を公表する方針を決定。今回が初のケースとなる。同社は昨年5月以降、営業拠点4カ所で働く従業員63人に、労使協定で定めた上限時間を上回る時間外労働や休日労働をさせていた。

風力発電 20年代初め、能力3倍に

欧米や中国に比べ導入が遅れてきた日本の風力発電が、今後数年で急増する。大規模風力発電所に義務付けられた環境影響評価(アセスメント)を終えた案件が次々着工する見通しだからだ。日本風力発電協会(東京・港)によると、2015年末で303万8千キロワットの発電能力は20年代初めにも1000万キロワットと約3倍になる。原子力発電所10基分に相当する。