内田洋行は6月4日、インテル日本法人と協業し学校教員向け研修サービスを7月から始めると発表した。ICT(情報通信技術)を活用し、ディベート型の授業の効果を高めることができる。小学校から高校までを対象としており、今後売り込みを進める。
論理的に考える力を育む学習塾ロジム(東京・江東区、苅野進塾長)は、小学生向けの英語教室「AIC Kids」を、代々木に開校することを明らかにした。ロジムは、小学生向けにロジカルシンキングを活用した学習塾を2004年から運営している。今回は、鷗州コーポレーション(広島市中区、宇津田敬二代表)が展開するAIC Kidsと提携し、首都圏で初めてとなる同スクールを開校させる。
開校にあたって、ロジムの野村竜一事務局長は「受験に受かるための英語ではなく、英語で学び、考える英語授業を実施することで、将来海外留学・進学を果たし、世界で活躍できる人材を育成していきたい」といい、「歌や踊りで楽しく英語に慣れるだけの英語教室ではなく、近い将来の留学、海外進学、海外生活に対応する小学生向けの英語カリキュラムを探していたところAIC Kidsと出逢った」と今回の提携に至った経緯を語る。
問答や討論中心のロジムの国語や社会の授業を英語でおこないたい、という思いが以前からあり、「英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ習慣を身につけることで実用的な英語の力を身につける」というAIC Kidsとコンセプトが一致したことが決め手となった。今回開校するAIC Kidsロジム代々木校では、7月初旬から無料体験レッスンをはじめ、7月後半から通常授業を開始する。
5月17日、クイーンズスクエア横浜にて、おもしろ文字コンテスト2015(もじコンフェスティバル)(以下、もじコン)が開催された。幼児・小学生を対象とした学習教室を展開する株式会社ガウディアが主催するこのもじコンは、小学生以下を対象とした「オリジナル文字のコンテスト」である。
「他者に考えやキモチを伝えないと生きていくことはできません。この『もじコン』という場をとおして、子どもたちに自分のキモチを自由に表現してもらい、楽しみながらその力を身に付けてもらえればと思い、企画しました」と、株式会社ガウディア経営企画部副部長の小澤将司氏は開催した意義について語った。
もじコンはまだ開催されて2回目。しかし今回は、なんと6000通を超える応募作品が寄せられた。この試みに多くの関心が寄せられていることがうかがえる。そして、「塾や学校の授業にも使ってもらいたい。さらには、ひとつの文化になってくれればいいですね」と小澤氏は続けた。
見事に最優秀賞に輝いたのは、小原圭翔さんの「盲導犬を表現した」文字。受賞した小原さんは、「横断歩道に目の見えない人がいて、そのそばにいた盲導犬が印象的で、文字にしようと思った」と、制作した経緯を檀上で語ってくれた。
審査委員のひとりであるNHKEテレ「いないいないばあっ!」の4代目おねえさん、「ことちゃん」こと空閑琴美さんは、「この『もうどうけん』という文字が本当にあったらいいなと素直に思いました」と受賞理由を語った。来場者にも最優秀賞にふさわしい文字を投票で募集していたが、こちらも見事に小原さんの作品が最多票を獲得した。
子どもたちは自由な発想を持っている。その発想を文字として表現することによって、しいては生きる力を身に付けることになるではないだろうか。ガウディアの試みは、子どもたちの発想と同様に、ひろい視野を持った試みである。会場には最優秀候補作だけではなく、応募作品の一部も紹介されており、たくさんの来場者たちが、足を止めて子どもたちの作品をじっくりと見ている姿が印象的だった。
会場に入った瞬間からその熱気に圧倒された。5月15日に行われた湘南ゼミナールQ1グランプリは、神奈川を中心に関東圏で進学塾、予備校を展開する湘南ゼミナールの模擬授業大会である。地域の予選を勝ち上がり、決勝に残った9名の講師たちがチャンピオンになるべく競った。今回で第3回を数える。会場内は、熱気に包まれ、みな決勝に残った講師たちの授業に注目していた。
ルールは、12分間の持ち時間の中で、講師各々が考案したオリジナルの授業を生徒役の同じ教科の講師に向けて行う。それを審査員たちに判定してもらい、投票によりチャンピオンが決定する。講師たちは黒、赤、青のペンを片手に持ち、テンポのよい授業が展開された。どの講師たちも生徒を飽きさせない工夫が随所にみられ、だれがチャンピオンになってもおかしくない授業が行われていた。
その中でチャンピオンに輝いたのは、2位とは1票差という僅差を制した西船橋教室の鈴木徹先生。鈴木先生は第2回チャンピオンでもあり、史上初の連覇となった。トロフィーを授与された鈴木先生は、「もっとQEを鍛えていきたいと思います」と抱負を語った。
QEとは、湘南ゼミナールのオリジナル指導法であり、「クイックエクササイズ」の略である。QE授業はテキストを使わず、先生が発問するところから始まる。そのため、生徒は思考プロセスと答えをノートに記すことになり、先生は生徒の挙手などで理解度を見極め、次の問題を考え出す。生徒の理解度が高ければ、ワンランク上のレベルの問題を発問、理解定着が不十分ならば、同レベルの問題をもう一度行う。常に生徒たちの理解度に合わせ、先生と生徒で言葉のキャッチボールをすることで、ともに空間全体をつくりながら授業を進めていくのが特徴的である。
鈴木先生は、国語を担当しており、今回の授業では、指示語についての講義が行われた。指示語は、普段使われている言葉だが、この「既知の表現」を深める授業が行われた。その授業は、担当する科目だけではなく、国語の本質を学ぶことができる思考力を鍛える授業であった。
このグランプリは、授業力を試す場であるだけでなく、決勝に残った授業を見ることによって、ほかの講師たちにとっても大きな勉強の機会といえる。湘南ゼミナールのこの取り組みは、講師が自ら授業力を高めていく文化をつくる場になっているだろう。ぜひ、今後も続けていってもらいたい。