宮崎日大、生徒寮の通信環境を刷新 ICT教育の「自宅生格差」解消へ

 学校法人宮崎日本大学学園は、運営する生徒寮「桜俊館」において、学習用の無線LAN(Wi-Fi)環境の本格的な運用を開始した。同校の中学校および高校では、1人1台のタブレット端末を活用した教育を推進しているが、寮生活を送る生徒と自宅から通学する生徒との間に生じていた通信環境の格差を是正することが今回の整備の主な目的だ。
 宮崎市外などから入学した約250人の生徒が共同生活を送る同寮では、これまで学習用のネットワーク設備が十分に整っていなかった。近年、授業で配布されるデジタル教材には動画などの大容量データを含むものが多く、寮生は宿題や自習の際に個人のスマートフォンによるテザリングなどに頼らざるを得ない状況が続いていた。このため、自宅に通信環境がある生徒に比べて学習の利便性に差が出る課題があり、保護者からも改善を求める要望が寄せられていた。
 今回の整備では、男子棟、女子棟、および2棟の運動部棟を合わせた計4棟に、最新の通信規格である「Wi-Fi 6E」に対応した法人向けアクセスポイントなどが導入された。夕食後の自由時間などに多くの生徒が同時に接続しても安定した通信速度を維持できるよう、学校の教室と同等の多台数接続に適した高性能な機器が選定されている。
 一方で、生徒の規則正しい生活習慣を守るための運用上の工夫も施された。通信可能な範囲を学習室や食堂といった共用スペースに限定し、個人の居室にはあえて電波が届かないよう設計されている。また、利用時間についても放課後から午後23時までと制限を設けることで、深夜までの過度な利用による睡眠不足や生活リズムの乱れを未然に防ぐ仕組みだ。
 環境整備の結果、生徒たちは通信データ量を気にすることなく、ICT教材を最大限に活用して学習に励むことが可能となった。学習室に生徒が集まって自習に取り組む姿が見られるようになるなど、学習意欲の向上という好影響も現れている。また、外国人留学生が母国の家族とビデオ通話を行うなど、生活面での利便性も向上した。学校側は、経済的な負担軽減や学習環境の均質化により、入寮を検討する志願者やその保護者への安心感向上にもつながると期待を寄せている。

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