ホームセンターを展開するカインズは、千葉県茂原市と包括連携協定を締結した。千葉県内では同社初の包括連携協定となる。安心・安全、災害対策、地域産業振興、環境、子育て支援、高齢者・障害者支援など幅広い分野で連携し、市民サービスの向上と地域社会の発展を目指す。
カインズは「くらしDIY」をブランドコンセプトに掲げ、地域共生を志向する「くみまち構想」を進めている。店舗や従業員が地域のハブとなり、地域の困りごとやニーズに向き合いながら、行政や事業者、住民と協働する取り組みだ。
茂原市では、1996年に開店したカインズ茂原店が2026年に30周年を迎える。同店はこれまで、災害時の生活物資供給に関する協定、防災フェアの開催、地元農産物の販売、自治体情報の発信協力などを通じて、茂原市との連携を重ねてきた。
今回の協定では、7つの連携事項を掲げた。安心・安全や災害対策、茂原市のシティプロモーション、子育て支援・教育支援、高齢者・障害者支援、農業など地域産業振興、環境分野での協力を進める。
防災・減災の分野では、2012年に締結した災害時の生活物資供給協定を基盤に、災害発生時に生活必需品を供給できる体制を整える。店舗での防災フェアや自治体の防災イベントへの出展を通じ、市民の防災意識向上にも取り組む。
地域産業の活性化では、地元生産者の農産物を販売する産直売場を展開し、地産地消や地域農業の振興を後押しする。また、福祉事業所と地域のパン店が協働出店する「くみまちパンマルシェ」を定期開催し、福祉と地域産業の双方を支援している。
店舗を活用した地域コミュニティづくりにも力を入れる。自治体専用掲示板の設置や、茂原七夕祭りの歴史を紹介する展示などを通じ、日常の買い物の中で市民が行政情報や地域の魅力に触れられる機会を創出する。
茂原市は、将来都市像として「未来へつながる『交流拠点都市』もばら」を掲げている。カインズは、開店30周年を迎える茂原店を地域連携の拠点として位置付け、同市のビジョン達成と「くみまち構想」の実現に向けた取り組みを加速させる。
小売店舗は、単なる買い物の場にとどまらず、防災、福祉、子育て、地域産業、情報発信を支える生活インフラとしての役割を広げている。今回の協定は、民間企業と自治体が地域課題を共有し、店舗を拠点に共創を進める事例として注目されそうだ。



