Category: 塾ニュース|政治

政府税調の議論始まる 配偶者控除・税逃れ対策主題に

政府税制調査会(首相の諮問機関)は9月9日、首相官邸で会合を開き、2017年度税制改正に向けた議論を始めた。「働き方改革」につながる配偶者控除の見直しなどの所得税改革と、「パナマ文書」問題を受けた課税逃れ防止策を主なテーマとなる。会合では会長に中里実東大教授を再任した。政府税調と連動し、自民、公明両党の税調も今秋以降、協議を始める。

都、待機児童対策に126億円

東京都の小池百合子知事は9月9日、待機児童解消に向けた緊急対策を発表した。23区は都と連携し、既存施設の活用や待遇改善といった工夫をこらす。新宿区は10月、既存の保育所の空き部屋を利用して、主にパートタイムで働く保護者の子どもを預かる定期利用保育を始める。目黒区は、区総合庁舎の駐車場に定員約60人の認可保育所を建設する。世田谷区は区内の民間保育所に勤務する保育士や看護師を対象に、月額1万円の給付を10月から始める。16年度の区の補正予算案で、約1億4000万円の経費を計上する。

未来投資会議が初会合 政府

政府は9月12日、成長戦略の新たな司令塔となる「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)の初会合を開いた。未来投資会議は人工知能(AI)の開発加速を柱とする第4次産業革命の推進などに取り組む。2017年1月をメドに構造改革の総点検や技術革新に向けた課題を整理。17年年央に成長戦略をまとめる。今回のテーマは建設現場での生産性革命。国が主導して公共工事の3Dデータを一元的に収集し、3年以内に民間も活用できるデータの公開を目指す。技術革新を広い分野で推進するため、今後も業界、分野ごとに具体的な議論を進める。

養育費や賠償金不払い防止 債務者口座、裁判所が特定

法務省は9月12日、民事裁判の支払い義務を果たさない債務者の預金口座情報を、裁判所が銀行などに照会できる制度の検討を始めた。金田勝年法相が民事執行法の見直しを法制審議会(法相の諮問機関)に諮問した。2018年度以降の法改正を目指す。離婚時に取り決めた養育費や判決が命じた賠償金が支払われない場合、銀行口座を差し押さえる「強制執行」により回収しやすくする。

教科書謝礼、提供社には検定申請認めず 文科省が方針

教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せ、意見を聞いたことへの「謝礼」などを渡していた問題で、文部科学省は金品や酒食などを提供した会社に対し、教科書検定の申請を認めない新制度を設ける方針を決めた。申請が不可能になれば、会社は教科書を発行できなくなる。文科省は8日に開かれる「教科用図書検定調査審議会」に具体的な制度設計を要請する。2017年夏に省令を改正し、18年度の検定(20年度の使用分)からの導入を目指す。

自民幹事長、配偶者控除の見直し支持

自民党の二階俊博幹事長は8月30日午前の記者会見で、専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除の見直しについて「共働き世帯が増えている。時代の変化を考え税制面で支援をしていく。党として支持していきたい」と語った。一方で「見直しによって専業主婦に大きな負担にならないように考慮されるべきだろう」とも指摘した。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は2017年度税制改正で、配偶者控除見直しを検討する考えを表明している。

公立校教員10年で3万人増 文科省計画

文部科学省は8月25日、2017年度からの10年間で公立小中学校の教職員定数を約3万人増やすとする中期計画をまとめた。障害のある子供や外国人らが増える現場の課題に対応し、安定的に指導できる体制を目指す。公立小中学校の教職員定数は子供の数に応じて決まる「基礎定数」と、課題に対応するために配分する「加配定数」で決まる。文科省は現在加配定数になっている通級指導の教員と、外国人を指導する教員について基礎定数に組み替える方針。来年度予算の概算要求ではそれぞれ890人、190人の増員を求める。

概算要求101兆円台に 17年度予算

国の2017年度予算(一般会計)で、各省庁の概算要求の総額が101兆円台になる見通しとなった。金利低下で借金の利払い負担が軽くなるのをのぞくと、過去最大だった16年度の要求総額(102兆4099億円)に匹敵する。国土交通省が要求する公共事業費は、3年連続で6兆円を超える。要求総額が前年を下回るのは、国債の償還や利払いにかかる費用が24兆6千億円と、前年より1兆5千億円ほど負担が軽くなるとみているためだ。前年は要求段階で金利を年2.0%として計算したが、今年は要求段階で1.6%に引き下げたことなどが影響する。

留学先の橋梁建設プロジェクトで契約社員になった学生も 「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」報告会で留学した学生らが現地での取り組みを発表

官民協働海外留学支援制度の「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」(以下「トビタテ!」)は9月3日、第2回 留学成果報告会を東洋大学白山キャンパスにて開催した。

代表派遣留学生プレゼンテーションをした学生たちと審査員。

代表派遣留学生プレゼンテーションをした学生たちと審査員。

この報告会には「トビタテ!」に参加した大学生136名、高校生10名の合計146名が出席。午前中は同制度で留学した学生全員によるプレゼンテーションがあり、それぞれ留学経験や現地での取り組みを発表した。午後には、その学生たちと来場者が直接意見交換できるポスターセッションの場が設けられ、プレゼンデーションでは話しきれなかったウラ話や、留学を経験して見えてきたことについて同制度の支援企業や関係者らと活発に議論をしていた。
ポスターセッションが終わると、会場を井上円了ホールに移し、午前中のプレゼンテーションを受けて審査員から選ばれた9人の学生が「代表派遣留学生プレゼンテーション」をした。9人の発表は「留学を通じた成長」「今後の期待」「伝え方」などから総合的に評価され、最優秀賞、優秀賞、優良賞が選出された。

そして見事、最優秀賞に輝いたのは「理系、複合・融合系人材コース」に参加した大阪市立大学大学院工学研究科修士2年の儀賀大己(ぎがだいき)さん。儀賀さんはトルコのイズミット湾横断橋建設プロジェクトにインターン生として参加。はじめは、現地の人たちとの文化の違いや信頼を得られないことに悩んだが、積極的に仕事に取り組んだことで徐々に信頼関係が生まれ、最終的にはインターン生から契約社員に昇格。ゆくゆくはこの経験を活かし、途上国にノウハウを伝授していきたいという。表彰を受けた儀賀さんは、「光栄な賞をもらえて嬉しい。留学中は大変だったが頑張ってよかった」と受賞の喜びを語った。

受賞した2人と笑顔で記念撮影する文部科学大臣政務官の樋口尚也氏。

受賞した2人と笑顔で記念撮影する文部科学大臣政務官の樋口尚也氏。

優秀賞を受賞したのは「新興国コース」に参加した、広島大学大学院教育学研究科修士課程2年の伊達文香(だてふみか)さん。伊達さんは自分の好きな洋服で途上国の女性の自立をサポートしたいとインドへ留学。ファッションショーを開催し、参加者200人を集めるなど大成功を収めた。今後はオリジナルの洋服をインドで制作・販売するビジネスを立ち上げたいとのこと。「これからがスタート。この賞を励みに明日から頑張っていきたい」と今後の抱負を語った。

審査員の一人、ソフトバンクグループの青野史寛執行役員は「146名それぞれにストーリーがあった。審査は難航したが儀賀さんは留学先で信頼を勝ち取ったこと、伊達さんは留学経験を次につなげようとしていることが素晴らしかった。今後はトビタテ!の仕組みが日本を変える仕組みになるのではないかと思う」と講評した。学生たちの一体感が印象的だった報告会は、大盛況のうちに幕を閉じた。

国の来年度予算、概算要求は101兆円台の見通し

国の2017年度予算編成に向けた各省庁の概算要求が8月31日、出そろった。総額は3年連続で100兆円を突破し、101兆円台にのぼる見通しだ。計4兆円の「特別枠」では、成長戦略にかかわる事業での増額要求が目立つ。高齢化が進み、医療や介護など社会保障費の概算要求は、過去最大の31兆円超にふくらんだ。今年度当初予算より6400億円増えているが、財務省は制度改革などで、増加分を5千億円程度に抑える方針だ。