Category: 塾ニュース|政治

学テの結果データ提供、有識者が審査 文科省案

文部科学省の専門家会議は8月31日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果データの外部提供について、有識者による審査を経て提供の可否を判断する案を公表した。案では、データの提供を受けられるのは、利用目的が「児童生徒の学力、学習状況または生活習慣などの把握・改善」「教育施策の改善・充実につながること」のいずれかに限定。大学の研究者らが研究などに使用したい場合、申請書に目的やデータの種類などを記載して同省に提出し、統計や教育分野の専門家が妥当性を審査する。

新奨学金、所得の9%返還 文科相会議が制度案了承

文部科学省の有識者会議は8月30日、「所得連動返還型奨学金」について、3月の1次まとめ通り、所得の9%を返還額とする制度案を了承し、審議を終えた。2017年度に新規で無利子奨学金を借りる学生から適用する。マイナンバーを利用して貸与者の年収を把握。最低返還月額は2千円で、年収ゼロでも返還可能だが、年収300万円以下の場合は、最長10年の返還猶予が申請できる。連動型は返還が長期になる可能性があるため、連帯保証人ではなく、日本学生支援機構の関連機関に奨学金の一部を保証料という形で、返還を担保する。

ビッグデータ分析の人材 国立大に育成拠点

文部科学省は8月27日、数学理論や膨大な情報「ビッグデータ」などの分析を駆使して、現代社会の課題を解決する人材の育成を目指す教育拠点「数理・データサイエンス教育研究センター(仮称)」を国立大に設ける方針を固めた。2017年度予算の概算要求に、必要経費約12億円を盛り込む。数学理論やデータ分析を用いた課題解決としては、車間距離や車の速度などから交通渋滞のメカニズムを解明し、解消につなげるといった事例が考えられるとしている。

2次補正予算案、一般会計4.1兆円を閣議決定 国債2.7兆円発行

政府は8月24日、インフラ整備や一億総活躍社会の実現などに向けた2016年度第2次補正予算案を臨時閣議で決定した。一般会計の歳出規模は4兆1143億円とした。秋の臨時国会に提出する。財源には建設国債を2兆7500億円追加で発行するほか、日銀のマイナス金利政策の影響による国債利払い費の減少などを活用する。国による追加の財政支出は東日本大震災の復興関係費などをあわせて4兆5221億円となる。内訳では東日本大震災や熊本地震からの復興及び防災対策などに1兆9688億円を充てる。

ポスドク「使える」人材に 第4次産業革命で研修支援制度創設へ

人工知能(AI)やビッグデータなどを駆使する第4次産業革命に不可欠な専門家を企業が雇用しやすくするため、政府は博士課程学生やポスドク(非常勤研究員)向けの研修支援制度を創設する方向で検討を始めた。統計学や情報分析の専門知識を身に付けた若手に、ビジネスで求められる技術を習得させる。文部科学省が平成29年度予算の概算要求に盛り込む予定だ。

 研修支援制度では、国が独立行政法人を通じて研修を実施することを想定。学術的な問題に目を向けがちな博士課程学生やポスドクに対し、ビジネス感覚を磨く訓練や現場で使えるプログラミングのトレーニングなどを行う。

 とくにポスドクに対する企業の「使いづらい」イメージを払拭することで、専門知識を実社会で生かしやすくなり、企業も即戦力を確保できる利点がある。大学の研究ポストを見つけられないポスドクの就職難解消につながる期待もある。

企業内保育所に税優遇 2017年度税制改正要望に

厚生労働省と内閣府、文部科学省は地方税の優遇で保育施設の新設増を狙う。企業が新設する企業内保育所のうち、保育士の配置数など一定の条件を満たした場合、固定資産税や都市計画税を減免する。国税の相続税と贈与税でも保育所の新設のために土地を貸す人の負担を軽くする方針で、待機児童の解消を急ぐ。いずれも2017年度税制改正要望に盛り込む。

私立小中学校の授業料、最大14万円補助 文科省が検討

文部科学省は、私立小中学校に通う子どもがいる年収590万円未満の世帯に対し、授業料の一部を補助する制度の整備に乗り出した。補助額は、世帯年収250万円未満なら年14万円、250万円以上350万円未満なら12万円、350万円以上590万円未満なら10万円を想定し、対象世帯からの申請を受けて支給する。同省は来年度の小1と中1から順次導入したい考えで、予算編成に向け財務省と協議する。、来年度予算の概算要求に約13億円を盛り込む方針。

英語 小5から正式教科に 指導要領案

小中高校の教育内容を定めた学習指導要領の改訂案が8月1日、固まった。小学校5~6年生で外国語(英語)を正式教科にするほか、歌やゲームなどで英語に親しむ「外国語活動」の開始を3年生に早める。高校の地理歴史科を再編し、小中高の全教科にアクティブ・ラーニング(能動的学習)を導入するなど、時代の変化に応じた新しい学びの姿を打ち出した。中央教育審議会の特別部会が同日、改訂に関する審議のまとめ案を大筋了承した。新指導要領は小学校は2020年度、中学校は21年度、高校は22年度の新入生から。

「ウィッツ」問題で伊賀市に措置要求 文科相

馳浩文部科学相は8月2日、国から教育特区の認定を受けた三重県伊賀市が設置を認可した「ウィッツ青山学園高」の広域通信制について構造改革特区法に基づき、伊賀市の岡本栄市長に、9月30日までに不適切な教育活動の改善を促す措置要求の文書を手渡した。特区制度で措置要求が出るのは初めて。文書は1日付で安倍晋三首相との連名。(1)面接指導は特区内で行う(2)教員の数を、教育上支障のない程度とする(3)法令や学習指導要領に基づく教育をする――などの確実な履行を求めた。

不登校児の情報「シートで共有」 文科省会議が提言

文部科学省の有識者会議は7月29日、不登校の児童生徒への支援のあり方に関する報告書をまとめた。学校にそれぞれの欠席状況や不登校になったきっかけ、支援方針などを記載した「児童生徒理解・教育支援シート」を作成するよう求めた。シート作成の対象は、欠席が年間30日以上に達した児童生徒。これをもとに学校や保護者、教育委員会などが情報を共有し、効果的な支援につなげる。文科省は各教育委員会などに通知し、内容の徹底を求める。