共産党の志位和夫委員長は3月17日の記者会見で、18歳選挙権をにらんだ若者向け政策を発表した。大学の学費を10年後までに今の半額にするほか、国が返済不要な給付奨学金を新設、月3万円を支給する。必要な予算は学費値下げが10年後に年1兆1000億円程度で、給付奨学金は70万人を対象に年2500億円程度。志位氏は「野党共通の方向になれば」と語った。
日本私立学校振興・共済事業団は3月10日、私立の大学や短大、高等専門学校への2015年度の経常費補助金が計約3174億2千万円になると発表した。前年度から約39億円減った。大学566校、短大308校、高専3校に交付する。学校法人の前理事長らに勤務実態の伴わない給与など約9900万円の不正支出があった嘉悦大学(東京都小平市)は50%減。学校法人の元学園長が私的流用をしていた西武文理大(埼玉県狭山市)、裏金問題が発覚した中学・高校と同じ法人が運営する大阪産業大(大阪府大東市)はそれぞれ25%減額された。
大島理森衆院議長は3月9日、議長の諮問機関の答申が示した「アダムズ方式」について、2020年の大規模国勢調査結果に基づいて導入する案を軸に、各党と調整に入る方針を固めた。自民の谷垣禎一幹事長と会談し、議長案の方向で党内の意見集約を急ぐよう求めたとみられる。大島氏は8日までに制度改革について各党から見解を聴取。定数削減に反対する共産と欠席した社民を除く野党と公明は、アダムズ方式による定数配分見直しの即時実施を求めた。
名古屋市の河村たかし市長は、新教育長に文部科学省の官僚を起用する方針を断念した。任命に議会の同意が必要だが、市長の公約をふまえ半減されていた市議報酬の増額を議会が決めて溝が深まり、特に最大会派自民の理解を得ることができなかった。こうした状況を懸念した文科省に難色を示されたこともあり、市長は起用を諦めたという。市や市教委以外から初となる教育長の外部登用を目指していたがそれもならず、市人事委員会事務局長の杉崎正美氏(58)をあてることにした。
昨年9月に安全保障関連法が成立したことを受け、教科書会社9社が中学と高校で使われる公民教科書の訂正を申請し、文部科学省に承認された。社によって内容が異なり、安保法への反対・慎重意見を併記する社もあった。今春から使われる教科書に反映される。訂正が承認されたのは9社の21冊。中学が3社の3冊、高校現代社会が7社10冊、政治・経済は6社8冊だった。
国土交通省が離島がある新潟県佐渡市と粟島浦村、滋賀県近江八幡市、広島県大崎上島町、愛媛県上島町、福岡県宗像市、長崎県新上五島町の7市町村と企業を結びつけて島の活性化を目指す「しまっちんぐ」プロジェクトを始めた。国交省は7市町村の観光や特産品など、企業との連携に役立つ情報を掲載したウェブサイトを4日に公開。協力してくれる企業を募る。12日には応募した企業の担当者などを招いて交流・商談会を開く。2016年度にかけて企業との協議を進め、連携事業の実現を目指す。
教職員のわいせつ事案が増えていることから、東京都教育委員会が懲戒処分の基準を改め、厳しくする。免職対象の行為は、児童・生徒と性行為をする▽直接陰部などに触れる▽キスをする▽のぞき・盗撮――の4項目に「乳房、でん部などを触る」を加える。「メールなどでの性的行為の誘導・誘惑」「着衣の上から体に触れる」行為は免職か停職の対象にする。相手が保護者でも免職にする可能性がある。3日の都教委定例会で承認された。4月1日から施行する。
厚生労働省は23日、自治体担当者の会議で、増加する児童虐待に対応が追いつかないため、児童福祉司を大幅に増やすと発表した。人件費に使える地方交付税を増やして自治体に増員を促す。最大で約230人増える計算だ。大学で心理学や教育学などを専修し、児童福祉に関する相談業務に1年以上携わった人らが児童福祉司に任用される。現在は人口170万人につき36人置けるよう算定基準が定められ、昨年4月時点で全国に2934人が配置された。この基準を新年度に39人に引き上げて地方交付税を増額する。
新教育長の外部登用を検討していた名古屋市の河村たかし市長は、文部科学省の課長級を充てる方針を固めた。開会中の2月定例議会で同意を求める。いじめを苦に自殺する中学生が相次いだため、文科省と連携して対策を進める。名古屋市ではこれまで教育長に市や市教委の幹部らが就いてきたが、河村市長は市で4月から新教育長制に移行するのを機に、文科省との関係を強めようと調整を続けていた。市はいじめや不登校対策で14年度からスクールカウンセラーなどの専門職のチーム「なごや子ども応援委員会」を立ち上げ、新年度は関連予算を前年度比7割増とし人員も増やす。市は新教育長人事とあわせて連携する方針だ。
厚生年金や健康保険への加入手続きを企業が怠らないように厚生労働省が抜本的な対策を始める。4月から企業版マイナンバー(法人番号)を活用し、2017年度末までに全ての未加入企業を特定する。未加入の疑いのある企業は79万社にのぼる。厚生年金や健康保険は、法人や従業員5人以上の個人事業主に加入する義務がある。保険料は労使で折半して負担している。厚労省は、保険料の負担を逃れるため、意図的に加入していない悪質な企業には、立ち入り検査を実施して強制加入させる方針だ。
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