中央教育審議会(中教審)は12月22日、義務教育の9年間を一体として行う「小中一貫教育」を制度化するよう下村博文文部科学相に答申した。文科省は来年の通常国会で法改正し、新たな学校形式として認める。2016年度から各市町村の判断で導入できるようになる見通し。答申は小中一貫教育の効果として、中学校進学時に周囲の環境になじめず不登校やいじめが増える「中1ギャップ」が緩和することや、9年間を通じたカリキュラムを策定することにより教育の質の向上が図られることを指摘した。
下村博文文部科学相は11月6日、静岡県の川勝平太知事が2014年度の全国学力テストの結果を実施要領に違反して公表したことを巡り今後、こうした違反行為を防ぐために検討していた罰則について、創設を見送る考えを示した。同日に東京都内で開かれた川勝知事らとの意見交換会では川勝知事を含め計5人の知事が参加し、教育制度のあり方などについて議論した。川勝知事は学力テストに関して「実施要領の規定が分かりにくい」と指摘した。これに対し、下村文科相は「分かりにくのは確かだが、そもそも知事に公表する権限はない」と強調。文科省は実施要領に違反した自治体に対し、翌年度のテスト結果を提供しないなどの罰則を講じることを検討していたが、下村文科相は「その必要はない」とした。