Category: 塾ニュース|サイエンス

半世紀間不明になっていた教育勅語の原本見つかる

文部科学省は4月8日、1890年に発布された教育勅語の原本とみられる文書を同省の保管庫内で発見したと発表した。原本は1962年に東京・日本橋の百貨店で展示されたのを最後に半世紀の間、行方が分からない状態だった。原本は4ページ(1ページは縦32.8センチ、横23.5センチ)。紙は赤茶色に変色している。新たに見つかった謄本とあわせて2点を国立公文書館へ移管する予定で、今後公開される見通し。

「4度上昇で不可逆な影響」 IPCC、7年ぶり報告書

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は横浜市で開いた総会で3月31日、地球温暖化の影響について7年ぶりとなる第2作業部会の報告書を承認し、公表した。農業や生態系などの面で「すべての大陸と海洋で影響が表れている」と断定。18世紀半ばと比べた世界の平均気温の上昇が今世紀末に4度を超えるなら、後戻りできない環境の激変を起こしかねないと警鐘を鳴らした。報告書は、心配される温暖化のリスクとして、食料供給システムの崩壊や生態系の損失など八つの分野を挙げた。こうした影響が暴力的な紛争に発展する可能性にも初めて言及した。

理研、次世代スパコン開発着手 

理化学研究所は3月28日、スーパーコンピューター「京」の100倍の計算能力を持つ次世代機の開発を4月1日から始めると発表した。消費電力が低い半導体や大量の情報を効率よく保存するメモリーの開発が必要になり、理研に所属する約40人の研究者が参加。総事業費は約1400億円を見込んでおり、神戸市の理研構内にある京を解体して置き換える方針。1秒間に100京(京は1兆の1万倍)回の計算ができる「エクサ級」で、2020年の完成を目指す。

STAP細胞:理研、論文撤回要請へ

「STAP細胞」作製成功を発表した英科学誌ネイチャーの論文に数多くの疑問点が指摘されている問題で、理化学研究所は13日、日米の研究チームに対し、論文の撤回を求める方針を固めた。調査委がこれらの疑問点について、データなどの改ざん・捏造・盗用といった研究不正にあたると判断するか、単純ミスとみなすかが最大の焦点。複数の関係者によると、調査委は中間報告では不正の有無について判断は示さないものの、理研側は論文の信用性に問題があるため、撤回して改めて検証することが必要と判断したとみられる。

ロボスーツ発売へ 東京理科大が開発

東京理科大の小林宏教授らが、人間が身につけると、パワーがアップするロボット「マッスルスーツ」を開発した。約30キロの荷物を簡単に持ち上げられるようになり、高齢者の介護などに活用できるという。ベンチャー企業を通じて年内にも売り出す。ロボットは、背中に装着した人工筋肉を圧縮空気で収縮させ、腰の動きを補助するしくみ。すでに介護現場などで試験的に使われており、商品化できると判断してベンチャーを設立した。介護のほか、荷役作業など向けに本格的に売り出す。想定価格は30万~80万円で、当面はリースやレンタルが中心という。

国際宇宙ステーション船長に若田光一宇宙飛行士が就任

文部科学省によると3月9日に若田光一宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション船長に就任したことがわかった。アジア人として初の船長となる。若田光一宇宙飛行士は昨年11月のISS滞在開始以降、宇宙医学、生命科学等の宇宙実験や、米国補給船のドッキングといったISS運用等に係る様々な任務を着実に遂行してきており、船長就任後は、緊急時の判断も含めた安全の確保やISSでの全ての業務の管理等、更に重要な任務も担うこととなる。

下村文部科学大臣談話では「世界で活躍する日本人の代表として、宇宙に夢を馳せる子供達、そして科学技術や国際舞台での活躍を夢見る若者達に夢を実現する姿を見せて頂きたいと期待しています。」とエールを送った。

STAP細胞、詳細な作製法公開 理研

理化学研究所は3月5日、小保方晴子研究ユニットリーダーらが開発した新型万能細胞(STAP細胞)の詳しい作製法を公開した。1月末の発表後、国内外の研究者が論文を基に作製を試みても「うまくできない」との指摘が相次いだことに対応した。成果の信ぴょう性について疑問視する声も出ており、別のグループが同じ結果を再現できるかが今後の焦点になる。科学の世界では、ある成果が出たとき、別の研究者らが同じ条件で実験し、同じ結果を再現した段階で初めて認められる。

桜の開花予想  やや遅め

日本気象協会(東京)や気象情報会社は3月5日、最新の桜の開花予想を発表した。3月に寒い日が続く影響で平年よりやや遅れる地域があるとみている。九州から関東の各地で記録的な早咲きだった昨年に比べると、かなり遅くなりそうだ。

気象協会は、満開の時期を関東甲信で平年より3~5日、東北と北海道で平年とほぼ同じか3~4日遅いと予想。九州から東海、北陸はほぼ平年並みで、東京や大阪の見ごろは4月初めごろになるとみている。

京大、再生医療で聴覚回復

京都大学の伊藤寿一教授らは、耳が突然聞こえにくくなる突発性難聴の再生医療に成功した。聴覚が回復できたのは、突発性難聴で聴力を失った患者のうち、治療薬として使われるステロイド薬が効かない場合。小人症の治療に使われる「インスリン様細胞成長因子」という市販薬を、聴覚を担う「内耳」の細胞に直接与えた。

白血球など作る遺伝子を発見 京大

京都大の長沢丘司教授らは、血液中の白血球などを作る遺伝子を発見した。マウスの実験で突き止めた。見つけたのは「Foxc1」と呼ぶ遺伝子。この遺伝子を欠いたマウスは白血球や赤血球を作りにくくなった。このことから血液系の細胞を作るのに必要だと分かった。遺伝子の働きを抑える薬を作れば、白血病を抗がん剤で効果的に治療できる。反対に活性化させれば、抗がん剤や放射線治療で白血球などが減ったがん患者の治療にも利用できる。さらにこの遺伝子の働きを利用すれば、白血球の元となる細胞を大量に作れる。