Archive for: 5月 2023

一般社団法人民間学童保育協会が設立記念シンポジウムを開催 民間学童保育の推進に期待

民間学童保育のための業界団体 「一般社団法人民間学童保育協会」が今年3月20日に設立された。子供の「安全・安心な放課後の居場所」と「放課後の多様な学び」を提供し、保護者の「多様な働き方」を支援する。そして、同協会は4月20日に設立記念シンポジウムを開催。ここでは、代表理事の遠藤奈央子氏(株式会社ビジョンゲート代表取締役)と、高久玲音氏(一橋大学准教授)の「共同調査·学童保育の質的評価発表『小1の壁 2023年問題』」の講演を中心に紹介する。

民間学童保育協会が設立された意義

 民間学童はニーズが高く、急速に広がりを見せている。学童全体の利用者に占める民間学童利用者の割合は12.76%という数字が出ており、首都圏でも民間学童利用者は全学童の約3割にのぼると言われている。しかし、学童保育の急速な広がりに伴い、いくつかの問題が浮上している。

 例えば、公設学童において、施設に入ることができない子供たちが、廊下に座って待っていること。民間学童利用者の送迎についても、学校の敷地内に民間学童の車を停めることができないため、近隣住民からクレームが寄せられることがある。この問題の場合は、本来なら大人たちがコミュニケーションを取り合うことによって解決可能である。しかし、学校運営には市や区などからの指示があり、職員の方々は県からの指示に従う必要があるため、問題解決には時間がかかる場合が多い。

「自治体や教育委員会などが、学童の運営環境を整備し、子供たちが安心して過ごせるように取り組むことが必要です」と、一般社団法人民間学童保育協会代表理事の遠藤奈央子氏は言う。

民間学童保育協会の遠藤奈央子代表理事

 現在、日本では少子化が進み、希望出産出生率も低下している。このような状況の中で、子供たちが豊かに育ち、日本の未来を明るくするためにも、民間学童保育に投資することが必要だ。こういった投資が、将来的に子供たちの成長にどう影響するか、エビデンスとして示すことも大切である。

 これらを背景に、民間学童保育協会が立ち上げられた。協会には様々な人が参加し、保育園や幼稚園を利用できない親や、子供たちにとって民間学童保育が必要な人々に対して、支援を行っていく。

小1に進級時に、母親の就労率が低下

『共同調査・学童保育の質的評価発表「小1の壁 2023年問題」』と題した講演を行なった一橋大学准教授の高久玲音氏は、「日本の保育政策においては、待機児童問題に注目が集まっていますが、実際には0歳から2歳の保育の方が高コストであり、学童になると相対的に費用対効果がよいことが分かっています。しかし、小学校1年生に進級するときには、母親の就労率が低下することが明らかになっています。この問題がどれほどの規模であるかを数字として確認することが、この問題の重要性を世の中に伝えるためには必要です」と語る。

一橋大学の高久玲音准教授

 母親の就労率が小学校入学時に急激に低下する現象については、1993年から20年以上にわたって追跡調査が行われた消費生活に関するパネル調査のデータを元に解析した結果、就労率は就学前に徐々に上昇していき、小学校入学前には8割の保育園利用者の母親が働いている。しかし、小学校に入学すると、母親の就労率は急激に低下し、約10.5ポイントも減少すると、高久氏は説明する。非正規社員の場合、この低下はより顕著に現れている。

 つまり、学童保育に関しては、質的にも量的にも拡充が追いついていないのだ。実際、保育園児が5歳で51万人いる一方、学童保育を利用できた1年生は44万人に過ぎず、その他の25%の人はどうしているのかはわからない。また、公設学童を特に中心として、質が極めて低いという指摘がある。そのため、学童を利用しない家庭も相当数いるとされている。

民間学童保育の優位性

 一方で、民間学童と公設学童を比較したところ、民間学童の方が質が高いことが示唆された。高久氏によるアンケート調査の結果からは、民間学童の営業時間が公設学童よりも長く、食事やおやつの提供率が高く、建物や面積の面でも恵まれていることも明らかになった。

シンポジウムでは、ほかにも明石要一氏(千葉大学名誉教授·千葉敬愛短期大学学長)がモデレーターを務めた。

 あるいは、民間学童は、アンケートに答えた23の事業所の全てが19時まで営業していた。一方、公設学童の場合、19時以降の営業は7.7%となっており、多くの事業所は19時までには完全に閉まっており、フルタイムで働いている場合、公設学童に預けながら働くことはかなり難しい。

 また、民間学童では食事を提供する事業所が7割程度あり、おやつの提供率も高い。公設学童では10%がおやつなしだと回答しており、差がある。民間の学童保育は、公設学童と比較しても、職員1人当たりの児童数も少ない。高久氏は、「非常に効率的に運営がされている可能性があると考えられます」と続け、「調査結果によると民間学童でやはり公設にはない取り組みが様々に行われていて、質が高いという側面も多々あるということです。今後の大規模な調査で確かめなくてはいけないポイントだと思います」と語った。

 少子化が進む中、子育ての環境整備が重要視されている。その中で、民間学童が担う役割は大きく、同協会が発足したことは意義深い。今後の活動に期待したい。

〝小1のママ〟を交えたパネルディスカッション 「小1の壁間題と民間学童に期待すること」なども開催。学童保育の充実、重要性が語られた。

FLENS School Managerが、新機能「申込/回答」をリリース。

アプリから、各種申込や、アンケート・定期テスト結果・学校成績等の回収が可能に。

 FLENS(フレンズ)株式会社(東京・港区、大生 隆洋 代表取締役)は、同社が提供する塾生保護者のファン化が狙えるコミュニケーションアプリ「FLENS School Manager(以下、FSM)」に、アプリから季節講習・各種試験等の申込、アンケート、定期テスト結果・内申点・通知表等のデータの回収など、学習塾の業務効率をさらに高める機能「申込/回答」をリリースしたことを発表した。

■FSMの新機能「申込/回答」の特長

  1. 質問項目や回答形式を自由に設定:講座やテストの申込やアンケートなど、用途に応じて自由に質問を設定ができる。アプリからの回答方法は「選択式(単一・複数)」「記述式」から質問ごとに設定できる。
  2. 公開先を自由に設定:生徒ごと・学年ごと・クラスごと等に公開先を設定して、アンケートが公開できる。
  3. 成績数値や画像データの回収:アプリから、定期テスト結果や内申点・通知表などのデータを回収することができる。また、スマートフォンで撮影された画像データを回収することもできる。
  4. データ活用:管理画面で一覧表示されるほか、CSVでダウンロードが可能になった。

FLENS School Manager

「FLENS School Manager(FSM)」は、2020年からFLENSがサービスを開始した、学習塾向けコミュニケーションアプリ。お知らせ、入退室、ポイント付与、ライブラリ、請求額通知、相互メッセージ、デジタル帳票、予約、申込/回答、映像配信など、学習塾業務に必要な機能を揃えている。複数利用中のツールやサービスをFSMに一本化することで、業務効率化とコスト削減が期待できる。また、業務効率化・コスト削減とあわせて、FSM専用アプリに「内部広報」も一本化することで『塾生保護者のファン化』が促進できる。さらにFSMには「社員のタスク管理機能」も備わっており、本部から社内全体の業務管理も一本化できるコミュニケーションプラットフォームとなっている。

URL :https://flens.jp/

新潟県・佐渡「あげしま海のでじたる館」リニューアルでデジタル水族館に

 新潟県佐渡市の「尖閣湾揚島遊園」にある「あげしま水族資料館」が、「あげしま海のでじたる館」として、3千万円のリニューアル工事を経て、デジタルな展示方法に生まれ変わった。
 今回のリニューアルでは、従来の生きた魚を水槽に展示する方法とは異なり、イラストを基にした3Dモデルを用いて、魚たちを再現する手法が採用された。水回りの老朽化や維持費を考慮し、生きた本物の魚の展示ではなく、映像中心の展示へと大幅転換された。海の深さによって生息する魚の種類や特徴を再現したモニターなどが設置され、足を踏み入れると波紋が発生する仕掛けも施された。
 
「あげしま海のでじたる館」は、2023年4月29日にオープン予定。でじたる館を含めた同園の入場料は中学生以上500円、小学生300円。乗船料を含めた入場料は中学生以上1400円、小学生800円。問い合わせは尖閣湾揚島観光、0259(75)2311。

熊本大の新学部、推薦入試に「女子枠」 TSMC工場建設で人材需要が高まる

 熊本大学は、半導体やデータサイエンスに携わる人材育成のため2024年度に新たに設置する学部「情報融合学環」の推薦入試で、女子受験生に限定した「女子枠」を設けることを発表した。この女子枠は、理工系で低い女子学生の比率を高め、多様性を向上させるために設けられる。
 新学部の定員60人のうち、15人を募集する「学校推薦型選抜Ⅱ」に8人の女子枠を設け、学校長が推薦や、イノベーション創出や社会貢献に意欲を持つことが要件だ。24年1~2月、大学入学共通テストと面接で1期生を選抜する。
 熊本大学によると、22年度の入学者に占める女子学生の割合は全7学部で42・0%。ただ、は28・7%、工学部では19・4%と女子学生の比率が低いため、この女子枠を設けることで女子学生の割合を高め、半導体を含む製造業の女性比率の引き上げにも貢献したい考えだ。
 県内では台湾積体電路製造(TSMC)の進出で半導体関連産業の人材需要が急速に高まっており、熊本大学は5年後に100人以上の輩出を目標に掲げている。

TOHOシネマズ 6月から一般鑑賞料金2,000円に 学生料金は据え置き

 TOHOシネマズ株式会社は、6月1日から映画鑑賞料金の改定を発表した。エネルギー価格の高騰や円安による仕入れコストの上昇、アルバイト人件費や各種設備投資における負担増等によって、企業努力だけではこれらの吸収は困難だと判断し、料金改定に至ったという。
 TOHOシネマズ全国71拠点が対象となり、一般鑑賞料金は1,900円から2,000円に値上げされる。シニア、レイトショー、ファーストデイ、シネマイレージデイ、TOHOウェンズデイの鑑賞料金も、それぞれ100円から200円値上げされる。ただし、大学生、高校生、中学生、小学生、幼児の鑑賞料金は変更されず、障がい者割引も現行の1,000円から変更はない。
 TOHOシネマズは、今後もより良いサービスの向上に努め、お客様にご満足いただけるよう取り組んでいくとコメントしている。

■変更概要
対象:TOHOシネマズ全国71拠点
改定価格開始日:6月1日(木)上映分から
改定価格:
一般 1,900円→2,000円
シニア 1,200円→1,300円
レイトショー 1,400円→1,500円
ファーストデイ 1,200円→1,300円
シネマイレージデイ 1,200円→1,300円
TOHOウェンズデイ 1,200円→1,300円

堺市教委 内申書記載ミス再発に懸念 原因解明と対策検討を進める

 大阪府・堺市教育委員会は4月27日、3月に行われた大阪府の公立高校入試に関して、市立中学校の生徒男女6人の調査書(内申書)について誤記載があったと発表した。誤りは、志望校の「課程」を記す欄にあり、「定時制」とすべきところを、誤って「全日制」と記載し、提出した。高校側からの指摘で中学校側が訂正した。6人全員が志望した府立の定時制高校に合格し、ミスの影響はなかったという。堺市では、昨年まで7年連続で内申書の記載ミスがあり、昨年は、内申書の評定に誤りがあり、生徒2人が不合格になった。

世界経済フォーラム、今後5年で1,400万人分の雇用消滅を予想

 4月30日、ロンドン世界経済フォーラム(WEF)が発表した報告書によると、今後5年のうちに世界で1400万人分の雇用が消滅すると予想されている。景気後退や人工知能(AI)の普及による影響が考えられている。WEFは800社以上を対象にした調査を行い、2027年までに新規雇用が6900万人創出される一方で、8300万人分の雇用が失われると予測した。具体的には、現在の雇用の2%に当たる1400万人分が失われるとのことになる。
 報告書では、再生可能エネルギーへの切り替えが雇用創出の原動力となるなか、経済成長の減速やインフレが雇用喪失を引き起こす可能性があると指摘された。また、AIの急速な普及はデータアナリスト、データサイエンティスト、機械学習やサイバーセキュリティ専門家の雇用を増やす一方で、記録管理職や事務職などの職種はAIによって置き換えられる可能性があるという。なかでも、役員秘書やデータ入力担当者の雇用が最も大きく減少すると予想している。
 ただし、自動化はそれほど急速に普及していないとの報告もある。WEFが調査した組織のビジネス関連業務のうち、現在マシンが担っているのは34%にすぎず、20年からの伸びもごくわずかであった。また、自動化見込みも下方修正され、業務の42%が27年までに自動化されると見込まれている。

神奈川県 公立高入試の日程発表 学力検査2月14日

 神奈川県教育委員会は2023年4月27日、2024年度(令和6年度)神奈川県公立高校入試の日程等、選抜要綱を発表した。共通選抜の学力検査は2024年2月14日、面接および特色検査は2月14日、15日、16日、合格発表は2月28日に行われる。

 今回発表された2024年度の神奈川県公立高校入試の共通選抜(全日制・定時制・通信制の課程)、連携型中高一貫教育校連携募集、海外帰国生徒特別募集、在県外国人等特別募集、インクルーシブ教育実践推進校特別募集および中途退学者募集の日程について、募集期間は2024年1月24日から1月31日まで、志願変更期間は2月5日から7日まで。

 学力検査等を2月14日、面接および特色検査を2月14日、15日、16日、合格発表を2月28日に実施。感染症罹患等、やむを得ない事情により検査を受検できなかった者については、追検査を2月20日に行う。ただし、連携型中高一貫教育校連携募集については志願変更期間を設けず、特色検査および面接は2月15日のみ。インクルーシブ教育実践推進校特別募集の特色検査および面接は、2月15日および16日のうち当該高等学校長の定めた期日。

 定通分割試験(定時制・夜間、通信制の課程)の日程について、募集期間は2024年3月5日、6日で、志願変更期間は3月7日、学力検査等は3月14日、特色検査は3月14日および15日、合格発表は3月21日。

 一般募集(共通選抜・定通分割選抜)の選抜として、原則として全日制は国語、社会、数学、理科、外国語(英語)の5教科、定時制は国語、数学、外国語(英語)の3教科を実施する。なお、各高等学校の必要に応じて、特色検査(実技検査、自己表現検査、面接またはそのいずれか)を実施する場合がある。

 神奈川県立海洋科学高等学校専攻科や神奈川県立中等教育学校の2024年度入学者募集についても、日程や要綱等を発表。公立高等学校の入学者の募集および選抜要綱もあわせて神奈川県のWebサイトで確認できる。

高知工科大学 新学群を来年4月に開設

 高知工科大学は4月27日、文部科学省に新しい学群の設置資料を提出した。新しい学群は「学群データ&イノベーション学群」で、来年4月に開設することが正式に決定した。
 この学群は、デジタル化社会において必要な人材を育成することを目的とし、定員は60人。
 入試には一般選抜、総合型選抜、学校推薦がある。一般選抜は前期後期合わせて35人、総合型選抜は県内枠15人を含む25人、学校推薦は若干名。学校推薦の一般区分は女子のみ募集。入試の詳細は大学のホームページに掲載されている。高知工科大学入試課は、「文系、理系を問わず挑戦できる入試となっています。次世代の社会に対応できる意欲ある人に志願してほしい」とコメントしている。

ヨドバシ、旅行業に参入 アウトドア需要取り込みへ新会社設立
登山学校やスキーアカデミーやレジャー・イベントも実施

 ヨドバシホールディングス(HD)は、旅行業を手がける新会社の設立を発表し、5月1日から営業を開始したことを明らかにした。新設された「石井スポーツアドベンチャーズ」は、グループ会社の石井スポーツが運営する。同社にとって、旅行業は初めての試みであり、アウトドア需要の増加に対応するための一手となる。
 新会社の社長には、ヨドバシカメラ社長の藤沢和則氏が兼務する。現時点では、同社には3人の従業員が所属しており、石井スポーツのネットワークを活用してインストラクターなどを集め、ツアーを企画する予定である。
 同社は、登山学校やスキーアカデミーなどのスキルアップ講習会やランニングやヨガなどのレジャーイベントも実施する予定。また、石井スポーツの店舗を活用して、ツアーやイベントの告知を行い、店頭と連携して展開することも検討している。