Archive for: 8月 2025

河合塾グループの東南アジア地域における教育プロジェクトが令和7年度文部科学省「日本型教育の海外展開(EDU-Port ニッポン)」応援プロジェクトに採択

 河合塾グループのグループ本社機能を担う株式会社KJホールディングス(東京・新宿区、河合 英樹 代表取締役社長)は、「東南アジア地域における幼稚園~高校等の学校、学習塾の経営、模擬試験事業を含む教育関連事業の展開」に関するプロジェクトが、文部科学省による「令和7年度『日本型教育の海外展開(EDU-Port ニッポン)』応援プロジェクト」に採択されましたことを発表した。

 EDU-Portニッポンは、官民協働のオールジャパンで取り組む、日本型教育の海外展開を推進する事業。文部科学省、経済産業省、外務省、国際協力機構(JICA)、日本貿易振興機構(JETRO)をはじめ、地方公共団体、教育機関、民間企業、NPOなどが会するプラットフォームをつくりだし、日本の魅力ある教育を海外展開していく機運を醸成する。
●「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)Webサイト
 https://www.eduport.mext.go.jp/
●令和7年応援プロジェクト審査結果(pdf)
 https://www.eduport.mext.go.jp/epsite/wp-content/uploads/2025/07/R7_Supported-Projects.pdf


 東南アジア圏、とりわけベトナムでは、経済成長や中間層の拡大により、質の高い教育サービスへの需要が急速に高まっている。近年は、日本型の幼児教育への関心が高まるとともに、大学入試における個別入試方式の拡大に伴った、信頼性の高い模擬試験や進路情報へのニーズも増加している。また、非認知能力の評価・育成に対する関心も広がっており、河合塾グループが長年培ってきた教育ノウハウを活用して貢献できる機会が拡大している。
 このプロジェクトは、これらの教育ニーズに応え、教育品質の向上と一人ひとりの自己実現を支援することをめざし開始する。


■活動概要
 河合塾グループが国内で展開する学習塾事業をはじめ、模擬試験や非認知能力を評価・育成するアセスメント事業、幼稚園から中学校・高校に至る学校経営、企業や学校を対象としたBtoBの教育・人材育成事業などの教育関連事業の展開を図るべく、現地企業・団体との協業・提携を推進することを想定している。初期はベトナムを対象にしつつ、将来的には東南アジア全域に対象を広げ、現地ニーズに即した教育サービスの展開を行うべく活動を進める。

東京通信大学、2026年春に新設の「グローバルITリーダーコース」にて、AI英会話スピークバディを教材として全面導入

 株式会社スピークバディ(東京・中央区、立石 剛史 代表取締役CEO)は、東京通信大学(東京・新宿区、村岡 洋一 学長)にて、2026年4月に新設される「グローバルITリーダーコース」の全学生を対象とした教材として、スピークバディが提供する「AI英会話スピークバディ」が全面的に導入されたことを発表した。通信制大学における導入は初の事例となる。

 東京通信大学は、モード学園・HAL・首都医校などを展開する日本教育財団が2018年に開学したオンライン完結型の通信制大学。時間・場所・年齢を問わず学べる環境を提供しており、その利便性の高さやリスキリング需要から、18歳〜社会人まで幅広い世代が在籍している。
 同学が新設する情報マネジメント学部「グローバルITリーダーコース」は、「デジタル変革時代の社会課題をグローバルな視点で解決に導く力を修得」をコンセプトに掲げ、「グローバル社会で活躍する人材育成」を重視したカリキュラム設計をしている。なかでも重要な役割を担う英語教育の分野では、英語の4技能(聞く・読む・書く・話す)全方位の強化に向け、講義科目に加えてスピーキングに特化した教材ツールが求められており、「AI英会話スピークバディ」の導入に至った。

「AI英会話スピークバディ」は、2016年9月にリリースした日本発のAI英会話アプリ。従来の「人との対話」ではなく、感情豊かなキャラクター(AIバディ)との対話を通じて、キーフレーズや発音、語彙、イディオムなどを総合的に学べる。第二言語習得理論と最新のAI技術(音声認識や生成AI・自然言語処理など)を融合させることにより、楽しく没入感のあるストーリー仕立てのレッスンなど画期的な学習体験を提供し、講師予約や教室への移動を伴うことなく効率的に英会話力を習得することが可能。
 現在までに累積450万ダウンロードを突破した同サービスは、150以上の法人・教育機関でも導入されており、教育現場においてはAIを活用したスピーキング力の習得支援として高い評価を得ている。

文部科学省・JICAとの官民協働でフィリピンでの音楽教育普及を推進

 ヤマハ株式会社が支援する、フィリピン共和国での初等音楽教育支援事業が、文部科学省による「令和7年度『日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)』応援プロジェクト」に選ばれた。また、フィリピンにおける初等教育の質の向上を目指し、2025年7月25日に、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)と連携覚書を締結した。

 ヤマハは、「世界中の子どもたちが音楽を通じてこころ豊かな人生を送れる平和な社会の実現」を目指し、2015年より新興国を中心に「スクールプロジェクト」を展開している。この事業は、各国の政府教育機関と連携し、カリキュラムの構築支援や指導者の育成、教材や楽器の販売・提供を通じて、公教育における音楽・器楽教育の普及を推進。これまでにマレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、ブラジル、アラブ首長国連邦、エジプト、コロンビア、フィリピン、メキシコの10か国で累計425万人(2025年6月末時点)の子どもたちに音楽や楽器演奏を楽しむ機会を提供してきた。

 フィリピンでは、浜松市とダバオ市の都市間連携協力の一環として、2024年12月からダバオ市内の公立初等学校3校の児童約720名を対象に、リコーダーを用いた音楽教育を試験導入している。同年から新国定教育カリキュラムが段階的に導入されているが、カリキュラム改訂に際し、理科・社会・算数分野の学力向上が優先され、音楽教科は小学校第1~3学年で他教科と統合・縮小となった。その影響として、同カリキュラムの本来の狙いである変化の激しい現代を生きるための21世紀型の総合的な人間力に繋がる学びが不足することが懸念される。そこで、本事業では楽器の活用を含めた日本型音楽教育の導入を通じ、「21世紀型スキル」の習得に寄与することを目指している。

令和7年度「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」応援プロジェクトについて

 フィリピンにおける「スクールプロジェクト」の取り組みが採択された「EDU-Portニッポン」は、関係府省、JICA、日本貿易振興機構(JETRO)、地方公共団体、教育機関、民間企業、NPOなどが協力し、世界から高い関心を集める日本の教育を官民協働のオールジャパンで海外展開を推進していく事業。本公募事業への採択は、ベトナム(2016年度・2018年度)、エジプト(2020年度・2022年度)、ブラジル(2022年度)、インド(2022年度・2024年度)、コロンビア(2023年度)、ケニア(2024年度)に続き7か国目となる。今後、成果や課題について文部科学省とも検証・共有しながら初等教育の音楽教育支援を進めていく。

JICAとの連携覚書について

 この連携では、ヤマハとJICAが双方の知見を活用し、協働による共創を推進することで、フィリピンの初等教育における楽器を活用した音楽教育の普及を通じて「非認知能力」を育み、教育の質の向上を図る。

締結日:2025年7月25日

想定される主な活動:

  1. フィリピン教育省などによる日本及びASEAN各国の音楽教育に関わる視察
  2. フィリピン教育省によるダバオ市における「スクールプロジェクト」の視察
  3. フィリピンでの楽器を活用した音楽教育の効果測定

 これまでJICAとは、タンザニア「FSC 認証森林からの持続可能な木材調達事業準備調査(BOP ビジネス連携促進)」(2016年12月~2019年12月)、エジプト「初等教育への日本型器楽教育導入案件化調査」(2021年6月~2022年12月)、ヤマハ社員のJICA海外協力隊員(2012年度1次隊)への現職参加などを通じて、開発途上国の課題解決にともに取り組んできた実績がある。本覚書の締結により、これからも協働して共創を通じたさまざまな社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現を目指す。

駿台予備学校、2026年度入試より大学合格者数の掲載を終了へ 教育環境の変化に対応し、「学びの本質」重視の方針へ転換

 駿台予備学校を運営する学校法人駿河台学園(東京・千代田区)は、2026年度以降の大学入試において、各大学・学部ごとの合格者数公表を取りやめる方針を明らかにした。従来、予備校の実績や信頼性を示す象徴的な指標とされてきた合格者数だが、「本来の意味を持ちづらくなっている」との判断によるもの。
 近年、受験生の学習スタイルは多様化が進み、複数の学習サービスの併用やオンライン教材の活用が一般化。単一機関の「合格実績」が持つ意味が相対的に希薄化している。事実、2025年度入試における東京大学一般選抜(前期)の合格者は2,997名であったが、主要予備校の公表合格者数を合算すると、実数を大きく超過しており、合格実績の指標としての信頼性には限界が生じている。さらに、進路選択の基準そのものも変容している。海外大学や特定の研究領域を志望する層の増加、大学選びにおいて「誰に・何を学ぶか」が重視される傾向など、進学ニーズは一層の個別化と多様化を見せている。こうした状況を受け、駿台では「DIVERSITY of STUDY」をスローガンに掲げ、個々の生徒に応じた最適な学びの提供を強化。難関大学対策の専門性を維持しつつ、すべての生徒が「自分らしい目標」を追求できる教育体制の構築に注力する。
 同校は、「第一志望合格」や「納得のいく進路決定」といった本質的な成果を重視し、合格者数といった形式的指標に代わり、「学ぶ喜び」「成果の実感」こそが教育の価値であるとの姿勢を鮮明にしている。今後は、全国の学校・自治体との連携強化を通じて、離島を含む全国の生徒に対しても駿台の教育リソースを展開していく方針だ。
 合格実績競争からの脱却と、教育の本質的価値の再定義。駿台の今回の方針転換は、受験指導の在り方に一石を投じる動きとして、業界内外から注目を集めそうだ。