私立大志願者数は前年比9%増の360万人 共通テスト利用やセット出願が増加の要因

 駿台予備学校は4月、2026年度の私立大学入試状況に関する分析結果を発表した。全私立大学の志願者数は、前年度と比較して約9%増の360万人前後となる見込みだ。一般選抜においては、大学独自の一般方式と共通テスト利用方式のいずれも志願者が増加しており、受験生の併願意識の高まりが鮮明となっている。

 同校が集計した私立231大学の一般選抜志願者数は、約312万人(前年度対比指数109)に達した。この増加の背景には、受験生の併願費用を抑える軽減制度の普及や、一度の出願で複数の選抜方式に登録できる「セット出願」の導入拡大といった、大学側の募集戦略が奏功していることが挙げられる。
 方式別の動向をみると、共通テスト利用方式において、成績中下位層での敬遠傾向は見られるものの、国公立大学を第一志望とする層を中心に併願校を増やす動きが目立った。さらに、新規に同方式を導入する募集単位が増えたことも、全体の志願者数を押し上げる要因となったという。大学入試のデジタル化や制度の複雑化が進む中で、志願者数の増加は私立大学間の競争がさらに激化していることを示唆している。

音楽が橋渡しする文化外交 阪大で5月19日に講演会 指揮者の大井氏が登壇

 大阪大学公認の学生団体である大阪大学国際問題研究会(SWADOM)は、2026年5月19日に、同大学豊中キャンパスで講演会を開催する。講師には国際的に活躍する指揮者でピアニストの大井駿氏を迎え、「音楽家に学ぶ文化外交・民間外交と国際情勢」をテーマに議論を深める。
 今回の企画は、国際情勢が緊迫し、政府間の外交が難航する中で、文化や芸術、民間交流を用いた「ソフトパワー外交」に着目したものだ。昨年の大阪・関西万博で見られた各国パビリオンでの文化交流などを背景に、外交の新たな選択肢を提示する。
 講師の大井氏は東京都出身で、フランス、ドイツ、オーストリア、スイスの音楽大学や大学院を卒業、修了した。2022年のひろしま国際指揮者コンクールで1位、2025年のハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門で2位を収めるなど、国際的に高い評価を得ている。国内外の主要なオーケストラと共演するほか、昨年の万博ではオーストリアパビリオンでの演奏を担当した。また、福井県の武生国際音楽祭で3年連続の指揮を務めるなど、地域に根差した民間外交の現場にも携わっている。
 講演では、音楽が歴史的に外交で果たした役割のほか、冷戦やウクライナ侵攻といった具体的な情勢と音楽の関わりについて触れる。大井氏自身の欧州などでの活動経験に基づき、音楽を通じた相互理解や民間外交の在り方について解説が行われる予定だ。
 開催時間は18時30分から20時まで。会場は大阪大学豊中キャンパスのサイエンス・コモンズだが、オンラインでの参加も可能なハイブリッド形式で実施される。定員は対面が最大80人程度、オンラインが最大300人程度となっており、いずれも先着順で事前の申し込みが必要である。同研究会の代表を務める小松悠生氏は、国際的に活躍しながら地域にも密着した活動を展開する大井氏の視点から、学生が多くの学びを得ることに期待を寄せている。

■概要
日時:2026年5月19日(火) 18:30~20:00
会場:大阪大学豊中キャンパス サイエンス・コモンズ スタジオA(全学教育推進機構実験棟1F) オンライン会場あり
実施形式:講演+質疑応答(対面とオンラインのハイブリット方式)
主催:大阪大学国際問題研究会(大阪大学公認課外活動団体)
参加者:大阪大学の学生・教職員最大80名程度(対面)
    オンライン配信最大300名程度(学外の方歓迎) 
    ※原則先着順。
申込み先
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdPYeOeI2XxuyrCvNUd5Zt7LFHjhEz-GxCFi6VetlMkuesnog/viewform

日本式算数アプリ、インドネシアの小学校で試験導入

 教育事業を展開する株式会社Mathmaji(東京都渋谷区)は、自社が開発した算数学習アプリ「Mathmaji」を、インドネシアのスラウェシ州マカッサル市にあるイスラム教系私立校「Sekolah Qur’an Savaty」に試験的に導入した。同国の初等教育施設で同アプリが利用されるのは初めてとなる。
 アプリは、日本の学習指導要領を基にした独自のカリキュラムを採用しており、算数を学びながら実用的な英語も習得できるのが特徴だ。インドネシア政府は国家戦略として科学・技術・工学・数学を重視するSTEM教育の強化と英語教育の充実を掲げている。同校は、算数を通じて生きた英語を学べる点を評価した。
 アプリの内容は、図表やアニメーションを用いた1回5分程度の短いレッスンで構成されている。質問に回答すると即座にフィードバックが返ってくる仕組みで、学習を定着させるための計算ゲームなども備える。米国では既に72000件を超えるダウンロード実績がある。
 Mathmajiはこれまで同国の高等職業教育機関などで採用されていたが、今回の小学校での試行を通じて、日々の学習への最適な組み込み方法や、生徒の意欲を高める仕組みを検証する。この成果を基に、同国での初等教育市場への本格的な展開を目指す方針だ。

全国732大学の入試結果が公開 国立大医学部や私立文系学部で高倍率が目立つ

 旺文社の入試情報サイト「大学受験パスナビ」は、全国732大学の2026年度入試結果(倍率)を公開した。同サイトでは偏差値や入試科目に加え、合格最低点などの詳細なデータを、都道府県や学部学科ごとに検索することが可能となっている。
 国立大学の動向をみると、東北大学の一般選抜では理学部が5・4倍で最も高く、次いで経済学部が4・4倍となった。東北地方の他大学では、秋田大学医学部の9・6倍、山形大学医学部の5・8倍など、依然として医学部が突出した高倍率を維持している。また、公立大学では東京都立大学の理学部が6・2倍、大阪公立大学の工学部が5・8倍を記録し、都市部の公立校への根強い人気がうかがえる。

 私立大学においては、青山学院大学の経済学部が6・7倍と高い水準を示した。関西圏では、関西大学の商学部や経済学部が5倍を超える一方で、理工系学部は3倍前後にとどまるなど、学部間での人気に開きが見られた。これらのデータは、志望校選びだけでなく、共通テストの得点率や合格最低点と照らし合わせることで、より精度の高い受験対策に活用されることが期待されている。

英名門ゴードンストウン日本校、和歌山でSDGs実践の夏季講座 2027年開校に先駆け

 英国のチャールズ3世国王の母校として知られる名門パブリックスクール「ゴードンストウン」の日本校であるゴードンストウン・ジャパン(代表・根岸正州)は、2026年8月に和歌山県内で次世代リーダー育成プログラム「インパクト・チャレンジ・サマー2026」を開催する。2027年夏の和歌山キャンパス開校に先立つ教育事業で、知識の習得にとどまらず持続可能な開発目標(SDGs)を社会に実装する力を養う。
 対象は10歳から14歳で、プログラムは2期にわたって実施される。第1期は8月2日から7日、第2期は8月15日から20日の日程となっている。主な内容は、和歌山県・友ヶ島での海洋プラスチック問題解決に向けた調査や、ヒマラヤ地域の困窮家庭を支援する社会起業モデルの構築などである。
 選抜されたチームは実際にネパールへ渡航し、自ら考案したアイデアを現地で実行する。単なる体験型の学習にとどまらず、現実の社会課題に対して具体的な価値を創出することを目的としている。
 ゴードンストウンは1934年にスコットランドで創設された。学業、野外活動、奉仕活動を柱とした人格教育で世界的に知られ、チャールズ3世国王や故フィリップ殿下も輩出している。同校が提唱する教育モデルは、世界中のインターナショナルスクールが加盟する「ラウンドスクエア」の基盤にもなっている。
 日本校の初代校長を務めるナターシャ・デンジャーフィールド氏は、生徒が将来のために準備するだけでなく、今この瞬間から社会に価値を生み出す経験を重視する方針を示している。こうした実践的な教育経験が、未来のリーダーにとって重要な財産になると考えている。

■Impact Challenge Summer 2026 プログラム実施概要
名称:インパクト・チャレンジ・サマー2026
日程:
第1期:2026年8月2日(日)〜8月7日(金)
第2期:2026年8月15日(土)〜8月20日(木)
開催地:和歌山県内
対象:10歳〜14歳

東京理科大の高校別合格者数ランキング 千葉勢が上位を席巻、キャンパス立地が影響か

 大学通信が順次公開している2026年度入試の大学合格者高校別ランキングにおいて、東京理科大学の一般選抜合格者数で千葉県立船橋高校が1位(240人)となったことが分かった。続く2位には市川高校(230人)、3位には埼玉県の栄東高校(218人)がランクインし、上位3校を千葉・埼玉の有力校が占める結果となった。

 4位以下のランキングをみても、渋谷教育学園幕張(214人)、東邦大学付属東邦(208人)、東葛飾(200人)、県立千葉(191人)と千葉県の高校が上位10校のうち6校を席巻している。この背景には、同大学の野田キャンパス(千葉県野田市)や葛飾キャンパス(東京都葛飾区)が、千葉・埼玉・茨城方面からのアクセスに極めて優れているという立地条件が、受験生の志望動向に強く影響しているものとみられる。
 4月10日に発表された確定データによると、同大学の2026年度入試は志願者6万511人に対し、合格者は1万8503人で、倍率は3・3倍であった。11位以下には東京都の日比谷や西、開成といった全国屈指の進学校も名を連ねているが、最上位層の顔ぶれからは、通学圏内の優秀な生徒層を確実に集めている実態が浮き彫りとなった。
 大学通信のWebサイトでは、全国のおもな国公私立大学の2026年度合格者高校別ランキングを載せている。

人材育成改革ビジョン公表 高校〜大学で一体改革へ

 文部科学省は4月27日、「高校から大学・大学院等を通した人材育成システム改革ビジョン」を公表した。人材への投資を起点に経済成長につなげる「好循環」の創出を掲げる。ビジョンでは、高校教育改革として普通科改革や専門高校の機能強化を進めるほか、新たな財政支援制度の創設を検討。大学・大学院では理工・デジタル分野の人材育成強化や、地域・産業界と連携した人材育成、リスキリングプログラムの拡充を打ち出した。

 加えて、研究大学群の形成や科学技術人材の確保、コンテンツ分野の人材育成など成長分野を担う人材育成を強化。AI時代に対応した学習・研究環境整備や健康インフラの構築も盛り込んだ。同日、政府の経済財政諮問会議でも報告され、AI活用に関するガイドライン改訂や教育分野での社会実装の加速が指示された。

第5回日本成長戦略会議人材育成分科会 配布資料

スプリックス、エジプト政府・広島大と連携 金融教育などでMOU

 スプリックスは4月28日、エジプト教育技術教育省および広島大学と、教育・人材育成分野での包括的連携に関する覚書(MOU)を締結した。カイロでの式典にはエジプト政府閣僚らも立ち会った。連携では、高校1年生向けの金融リテラシー教育を全国規模で導入するほか、同社の学力測定「TOFAS」を活用し、基礎学力の可視化と教育の質向上を図る。さらに教員養成プログラムの共同開発や、職業教育におけるAI・プログラミング教育の提供、中等教育向け理数教材の開発にも取り組む。職業教育分野では将来的に100万人規模の展開を想定する。同社は、エジプトを起点に中東・北アフリカ地域への展開も視野に、国際標準に基づく教育モデルの構築を目指す。

恵那南高でAI教材「すらら」導入 学び直しと教員負担軽減へ

 すららネットは4月30日、AI教材「すらら」が岐阜県立恵那南高等学校で導入されたと発表した。2026年4月から約40人の生徒が利用を開始した。同校は就職希望者が約6割を占め、基礎学力の定着に課題を抱える生徒も多い。BYOD環境の整備を背景に、個別最適な学び直しと学習習慣の形成を両立する手段として導入した。

「すらら」はAIが理解度に応じて問題を提示し、アニメーション講義と組み合わせて学習を支援する教材。課題配信や採点、進捗管理の自動化により教員の業務負担軽減にもつながる。同校では朝の時間を活用した学習や英検・SPI対策にも展開し、基礎学力の定着と進路支援の強化を図る方針だ。

市進HD、荻原俊平氏が代表取締役社長に

 市進ホールディングスは4月21日、代表取締役の異動を内定したと発表した。5月28日開催予定の株主総会と取締役会を経て正式決定する。現社長の福住一彦氏は代表取締役社長から退き、取締役副会長に就任。後任には取締役副社長の荻原俊平氏が昇格し、代表取締役社長に就く。

 荻原氏は1993年入社。グループ会社社長などを歴任し、近年は学研ホールディングスの上席執行役員や文理の代表取締役会長兼社長も務める。同社は今回の異動について、5月以降の新体制移行に伴うものとしている。