学研、エニバを完全子会社化 高専教育で事業拡大へ

 学研ホールディングス傘下の学研教育ホールディングスは、エニバの発行済み株式を100%取得し、3月17日付でグループ化した。高専向け教育事業を軸に、理系人材育成ビジネスの強化を図る。

 エニバは高専受験に特化した教育サービスを展開し、オンライン個別指導やSNSを活用した集客モデルに強みを持つ。合格率は97.8%と高水準で、全国の高専すべてに合格実績を有する。

 今回の買収により、学研は高専市場へ即時参入する。エニバのブランドや顧客基盤を活用し、高付加価値のオンライン教育や継続指導を拡充。収益源の多様化と顧客層の拡大を狙う。

 また、エニバが展開する教育コンテンツとSNS運用を取り込み、「教育×メディア」の一体型モデルを構築。グループ塾のマーケティングやブランド力向上への波及効果も見込む。

 さらに、学研の教材や通信教育、進路支援ノウハウと融合し、受験からキャリアまでを一貫して支援する「理系人材育成エコシステム」の確立を目指す。

ECCベストワン、駿台の映像講座「駿台Diverse」導入 全国200校で高校生向け学習支援を強化

 ECCが運営する個別指導塾「ECCベストワン」は、高校生の成績向上と志望校合格を目的に、駿台予備学校が開発した映像講座「駿台Diverse」を2026年4月から導入する。対象は全国約200校の教室で、個別指導と映像授業を組み合わせた学習体制の強化を図る。

 「駿台Diverse」は、駿台グループのDiversity Studyが提供する高校生向け大学進学指導サービスで、短時間の映像授業とアウトプットを組み合わせた学習サイクルが特徴。15分の映像授業で要点を学び、その後に要点書き出しや確認テストを行うことで記憶定着を図る「リトリーバル・プラクティス(想起練習)」を採用している。1回の授業ではこのサイクルを2~3回繰り返し、効率的に基礎力を身につける仕組みだ。

 ECCベストワンでは、この映像授業に加えて、各教室の学校長などが担うコーチによる面談を定期的に実施。学習進捗の確認や課題の解決を支援するほか、成績データの分析による学習コーチングや出願校決定のサポートも行う。オンラインでの質問対応なども用意し、映像学習の弱点を補完する。

 同塾は「自分で学ぶための個別指導塾」をコンセプトに、小学生から高校生までを対象とした完全担任制の個別指導を展開。全国204校(2026年3月時点)で5教科に対応し、生徒の状況や性格に応じた学習プランを個別に設計する指導を特徴としている。今回の導入により、映像による効率的なインプットと個別指導による理解深化を組み合わせ、学力向上と顧客満足度の向上を目指す。

養老孟司氏と「AI養老先生」が客員教授に 東京工科大、AIアバター活用の教育研究へ

 東京工科大学は3月1日、解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司氏と、同氏の知識や思想をもとに開発されたAIデジタルヒューマン「AI養老先生」を客員教授に任命した。人間の研究者とAIアバターが同時に大学教員に就任する取り組みとなる。

 養老氏は1937年生まれの解剖学者で、東京大学医学部教授などを歴任。人体の構造や脳と身体の関係をテーマとした研究のほか、社会や自然観を論じる著作でも知られ、2003年に刊行した著書『バカの壁』はベストセラーとなった。

 一方、「AI養老先生」は養老氏の著書や発言などをもとにパーソナリティを学習したAIデジタルヒューマン。言語だけでなく、話し方や身振りなどの身体的特徴も再現した疑似人格として設計されている。開発は、養老氏が代表を務めるメタバース推進協議会、東京大学、NTTデータによる共同プロジェクトで進められた。

 同AIは2025年に開催された大阪・関西万博で初めて一般公開されている。

 AI教育の強化を掲げる東京工科大学では、AIアバターを教員として活用することで、AIの技術研究だけでなく、AI教員の役割や教育現場での活用可能性といった新たな課題の検証にもつなげる考え。具体的な教育・研究での活用方法については今後検討を進めるとしている。

大学の防災教育を議論 大学生協連が研究会、東日本大震災15年を機に

 全国大学生活協同組合連合会は3月2日、「学生の意識と行動に関する研究会」の第50回会合を東京都内の大学生協会館で開催した。テーマは「東日本大震災から15周年に改めて考える、大学による防災・減災・被災地支援の継続的取り組み」。会場とオンラインを併用するハイブリッド形式で実施され、大学関係者やメディア関係者など38人が参加した。

 研究会では、工学院大学建築学部まちづくり学科教授で防災減災教育センター長の村上正浩氏が講演。「TKK3大学連携プロジェクト 防災・減災・ボランティアを中心とした社会貢献教育の展開」と題し、大学における防災教育や被災地支援の取り組みを紹介した。

 TKK3大学連携プロジェクトは、東北福祉大学、工学院大学、神戸学院大学の3大学が連携して進める教育活動。東日本大震災以前から交流を行っており、震災後は学生ボランティアや防災教育の取り組みを継続している。建築系の学生が避難所で段ボールを加工して机や仕切りを作るなど、専門分野を生かした支援活動も紹介された。

 講演後には、大学生協の学生委員長による防災・減災の取り組み報告が行われ、会場やオンライン参加者を交えた討議が行われた。

 2026年は東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目にあたる。大学生協連は今後も広報活動などを通じ、防災・減災に関する取り組みの発信を強化するとともに、学生や教職員の関心を高める活動を進めていくとしている。

FCE、AIエージェント開発基盤「ロボパット AI Agent Studio」を発表

 DX推進事業などを手がける株式会社FCEは、PKSHA Technologyとの共同開発により、新製品「ロボパット AI Agent Studio」をリリースすると発表した。同製品は、同社が展開する「ロボパット」シリーズの新たなAIエージェントプラットフォームとなる。

 AI Agent Studioは、AIエージェントの開発やタスク実行、社内データ管理、実行ログの確認などを一体化したプラットフォーム。専門的なプログラミング知識がなくてもAIエージェントを作成できる設計とし、現場部門の担当者が主体となって業務自動化を進められる点を特徴としている。

 同社によると、同プラットフォーム単体でAIエージェントの作成と実行が可能なほか、既存のRPAツール「ロボパットAI」と連携することで、AIエージェントとRPAの組み合わせによる業務自動化の範囲拡大を見込む。SaaSなど複数のソフトウェアを横断的に操作するAIエージェントとRPAを融合させることで、生産性向上を図るとしている。

 FCEの永田純一郎取締役は、生成AIの進化によってAIエージェントの活用が広がる中、「RPAにとっても大きな追い風となっている」と指摘。AI技術を強みとするPKSHA Technologyとの連携により、顧客企業の業務効率化をさらに進める考えを示した。

 一方、PKSHA Technologyの上野山勝也代表取締役は、AIエージェントとRPAの融合が企業のDXをさらに発展させるとし、「DXからAX(AI Transformation)への進化を支援していく」とコメントしている。

 FCEが提供するRPAツール「ロボパットAI」は、2026年2月時点で導入企業数が2000社を突破。企業向けIT製品レビューサイトのランキングでも高い評価を得ており、同社は新たなAIエージェント基盤によって業務自動化ソリューションの拡張を図る。

日本語ICT教材「すらら にほんご」、学習塾で導入拡大 外国ルーツの子ども支援

 AIを活用した教育ICT教材を提供するすららネットは、日本語学習教材「すらら にほんご」が学習塾や教育機関で相次いで導入されていると発表した。少子化や講師不足が進むなか、日本語教育を新たな学習サービスとして取り入れる動きが民間教育市場で広がっている。

 背景には、外国にルーツを持つ児童生徒の増加がある。文部科学省の調査によると、日本語指導が必要な児童生徒は約7万人に達しており、日常会話はできても教科書理解に必要な「学習言語」の習得に課題を抱えるケースが少なくないという。

 群馬県で地域密着型の教育を展開する心水塾は、ICT個別学習塾「るうと」4校舎で2026年3月から日本語コースを新設。「すらら にほんご」と5教科のICT教材「すらら」を組み合わせ、日本語力と基礎学力を同時に伸ばす学習モデルを導入した。日本語専門教師に依存せず運営できる点が、地方塾における持続可能な教育サービスとして注目されている。

 三重県を中心に展開する星伸スクールでも、日本語指導コースを新設。ブラジル、中国、韓国、ベトナムなど多様なルーツを持つ児童生徒を対象に、日本語の基礎である文字・語彙・会話を体系的に学びながら学校授業の理解につなげる学習環境を整えた。

 また、群馬県館林市の進学塾クエストでは、ICT教材によるレベル判定と段階的カリキュラムを活用し、日本語教育の専門講師を新たに採用することなく外国ルーツの生徒の学習支援を実施。小規模塾でも導入しやすい点が評価されている。

 さらに、中国人留学生向け教育で知られる行知学園は、小中学生向けの新組織「行知学堂」に同教材を導入。日本語習得と教科学習を同時に支援し、学校授業への適応や同級生とのコミュニケーション向上を目指す。

 「すらら にほんご」は、外国にルーツを持つ学習者が生活や学習に必要な日本語を段階的に習得できるICT教材。日本語能力試験のN5・N4レベルに対応し、英語やインドネシア語など複数言語で意味を確認しながら学習できる。今後は中国語やベトナム語など11言語への対応も予定している。

 すららネットは教材提供だけでなく、地域市場分析や講師運営設計など塾向けの事業設計支援も行い、日本語教育を新たな教育サービスとして広げていく方針だ。

英検協会と宇都宮大学、AI英語学習と4技能評価を組み合わせた教育高度化プロジェクト開始

 日本英語検定協会は、宇都宮大学と連携し、AI英語学習と4技能評価を組み合わせた大学英語教育高度化プロジェクトを2026年4月から開始すると発表した。生成AIを活用した英語学習アプリと英語4技能テスト「英検IBA」を組み合わせ、学習と評価を連動させた新たな教育モデルの構築を目指す。

 2026年度は、宇都宮大学の全学英語プログラム「EPUU(English Program of Utsunomiya University)」にAI英語学習アプリを導入。学部1、2年生約2000人を対象に授業内外で活用し、課題やeラーニングの学習履歴と合わせて学習状況を把握し、学習習慣の形成を促す。

 学習成果の測定には、CEFRレベルを表示する団体向け英語テスト「英検IBA」を活用し、Reading、Listening、Writing、Speakingの4技能の伸長度を可視化する。これにより「学習→測定→改善」のサイクルを確立し、エビデンスに基づく教育改善を進めるとしている。

 さらに両者は、学部ごとの専門分野に応じた専門英語教育(ESAP=English for Specific Academic Purposes)の体系化も検討。卒業後に必要とされる英語能力を明確化し、専門分野に特化した英語教育の設計を目指す。

 また、大学で得られた教育データや知見を地域産業にも活用する構想もある。北関東の自動車メーカーなどを対象に「モビリティAI英語教育」として展開する可能性を検討し、学生から社会人までを対象とした英語教育連携の拡大を視野に入れる。

 2026年度は学内での導入と効果検証を優先し、2027年度以降に専門英語教育の具体化や地域企業向けプログラムの展開を検討していく予定だ。

2月のアルバイト平均時給1337円 求人件数は前年比15%増

 人材サービスを展開するディップ株式会社は、アルバイト求人情報サイトバイトルに掲載された求人データを基に、2026年2月度のアルバイト平均時給調査を発表した。全国の平均時給は1337円で、前年同月比16円増、前月比6円増となった。求人件数は約40万件で、前年同月比15.2%増、前月比13.2%増だった。

 エリア別では、関東の平均時給が1394円(前年同月比9円減、前月比4円増)、東海が1313円(同62円増、同18円増)、関西が1323円(同51円増、同26円増)、九州が1248円(同73円減、同10円減)となった。東海や関西で上昇が目立つ一方、関東や九州では前年を下回る動きも見られた。

 職種別では、教育関連の平均時給が1585円(前年同月比151円減、前月比9円増)だった。専門職は1572円、製造・技能職は1550円、建設職は1507円など比較的高水準となった。一方、飲食職は1217円、販売職は1210円と、サービス業では他職種に比べて低い水準が続いた。

 同社は、アルバイト市場について求人件数の増加が続いていると分析しており、人手不足を背景に採用需要の拡大が続いているとみている。調査は、バイトルおよび採用ページ制作サービス「採用ページコボット」に掲載された時給制の求人データを基に集計した。

Duolingo、集中学習機能「トレーニングルーム」を全ユーザーに無料開放

 語学学習アプリを展開するDuolingo, Inc.は、モバイル学習アプリDuolingoにおいて、これまで有料プラン限定だった「トレーニングルーム」タブ内のスキルレッスンを、iOS版で無料ユーザーを含むすべての利用者に提供開始したと発表した。

 トレーニングルームは、特定のスキルに集中して学習できる機能で、学習者が必要なレッスンを選択して練習できる。具体的には、過去のミスを復習する「間違い直し」、語彙力を強化する「単語」、発話練習の「スピーキング」、聞き取り力を高める「リスニング」などのレッスンが用意されている。苦手分野の重点復習やスキル別の強化が可能となり、学習内容の定着を促す。

 これまで同機能は有料プラン「Duolingo Super」および「Duolingo Max」の利用者のみが使えたが、今回のアップデートにより無料ユーザーも利用可能となった。同社は、より多くの学習者が効果的な語学学習環境を利用できるようにする取り組みとしている。

 今回の施策は、2026年1月にAIによる解説機能「スマート解説」を全ユーザーに無料開放したことに続くもの。テクノロジーを活用し、誰もがアクセスできる教育環境の提供を目指す同社の方針に基づくアップデートだ。

 Duolingoは、言語のほか数学や音楽、チェスなどの学習コースも提供するモバイル学習プラットフォームを運営。英語能力試験Duolingo English Testは、世界6,000以上の教育機関で受け入れられている。

グローバルキッズCOMPANY、シンガポール教育大手Kinderlandと提携へ

 保育施設運営を手がける株式会社グローバルキッズCOMPANYは、シンガポールを中心に幼児教育事業を展開するKinderland International Educationと、業務提携に向けた協議を進める基本合意書を締結した。両者は日本と海外の教育ノウハウを融合し、次世代型の保育・教育プラットフォームの構築を目指す。

 Kinderlandは、Crestar Education Group傘下の幼児教育事業者で、1978年の設立以来、東南アジア各地で幼稚園や教育プログラムを展開している。今回の提携では、急速に変化するグローバル社会に対応し、幼少期から多様な価値観に触れる教育環境を整える必要性で両社の認識が一致した。

 主な協議内容として、子どもや保護者、職員による国際交流の機会創出のほか、多文化体験プログラムの開発、職員の専門性向上に向けた共同プロジェクト、人材育成などを検討する。また、日本とシンガポール双方の教育・保育の知見を生かした新たな保育サービスや事業モデルの共同開発も視野に入れる。

 提携に向けた取り組みの一環として、2026年1月には両社の施設をオンラインで結ぶ文化交流セッションを実施した。テーマは「お正月」で、日本の園児がけん玉やコマ回しなどの伝統的な遊びを紹介する一方、シンガポール側からは多文化国家ならではの年始の過ごし方が紹介されるなど、子ども同士の交流が行われた。第2回セッションは2026年5月頃の実施を予定している。

 今後はオンライン交流の定例化や保護者向けイベント、職員の研修プロジェクトなどを進め、アジア地域を視野に入れた保育・教育連携の強化を図る方針だ。