英検協会、AI英会話「LANGX」を採用 ビジネス英語教育のAI連携を拡大

 日本英語検定協会は、AI企業のエキュメノポリスとの連携を拡大し、ビジネス英語テスト「GCAS」および「CEST Business」と連動する公式AIトレーニングアプリに、マルチモーダルAI英会話サービス「LANGX」を追加採用すると発表した。2026年4月から第1弾の提供を開始する予定。

 今回の連携は、英検協会が提供するビジネス英語評価サービスとAI学習を組み合わせ、「鍛える→試す→証明する」という学習・評価サイクルを企業向けに提供するもの。GCASやCEST Businessは、国内外の企業を中心に累計900社以上が導入している。

 新たに導入されるLANGXは、音声だけでなく表情や対話文脈なども解析するマルチモーダルAIを活用した英会話トレーニングサービス。AIが面接官役となり、交渉やプレゼンテーション、ディスカッションなどビジネス場面を想定した対話演習を行うことができる。従来のテキスト・音声中心のAI英会話に比べ、非言語要素を含む実践的なコミュニケーション訓練が可能になるとしている。

 プログラムではまず、公式AIトレーニングアプリで4技能の基礎トレーニングを行う。その後、LANGXによる対話型トレーニングで実践演習を行い、最終的にGCASやCEST Businessのスコアで能力を評価する仕組みとなる。企業担当者は管理ダッシュボードを通じて受講者の学習進捗やCEFRレベルの推移を把握でき、研修効果の検証にも活用できる。

 GCASはネイティブ面接官との1対1の面接形式で行うビジネス英語スピーキングテストで、英語運用力とビジネスパフォーマンス能力を測定する。英検協会は今回の取り組みにより、AIを活用した企業向け英語研修と評価の一体化を進め、実務で使える英語力の育成を強化していく方針だ。

クラーク記念国際高等学校、川崎フロンターレと教育連携協定 サッカー専攻を新設へ

 通信制高校のクラーク記念国際高等学校(学校法人創志学園)は、サッカークラブの川崎フロンターレと教育連携協定を締結した。2026年2月18日、川崎市のスポーツ施設「フロンタウン生田」で調印式を実施した。

 協定では、2027年4月に開設予定の「クラーク川崎キャンパス(設置認可申請中)」において、「スポーツコース 男子サッカー専攻」を新設。競技力の向上に加え、人間性や社会性を備えたアスリートの育成を目指す。また、地域へのスポーツ普及や地域社会への貢献も目的としている。

 同コースでは、午前中にフロンターレの育成メソッドを取り入れたサッカー指導を行い、午後はキャンパスで学習に取り組む教育モデルを採用する。通信制高校の柔軟なカリキュラムを生かし、基礎学力の定着から大学進学まで対応する個別最適な学習環境を整える。

 指導には、フロンターレのスクール・普及部の長沼洋明監督が関わる予定。競技指導のほか、育成方針の共有や進路・キャリア支援などの面でも段階的に連携を深めていく。

 今回の協定は、地域に根ざした教育を掲げるクラーク記念国際高等学校の理念と、「スポーツの力で、人を、この街を、もっと笑顔に」を掲げる川崎フロンターレのミッションが共鳴したことが背景にある。両者はスポーツと教育を融合させた新たな学びのモデルを川崎から発信していく考えだ。

サクシード、湘南白百合学園の部活動運営を受託 教員負担軽減と活動充実を両立へ

 教育・福祉分野の人材支援事業などを手がける株式会社サクシード(東証グロース:9256)は、湘南白百合学園中学・高等学校(神奈川県藤沢市)から部活動運営業務を受託した。教員の長時間労働の軽減と、生徒の部活動満足度向上の両立を目的とした取り組み。

 サクシードは外部指導員の選定、活動スケジュール管理、学校との調整など部活動運営を包括的に支援する。これにより、教員の負担を減らしながら活動の効率化と質の向上を図る。

 日本の学校現場では教員の長時間労働が課題となっており、とりわけ放課後や休日に及ぶ部活動指導の負担が大きいと指摘されている。サクシードは外部専門人材の活用による運営体制の構築を進めることで、教員が授業や生徒指導など本来業務に集中できる環境づくりを目指す。

 同社はこれまで全国の学校で同様の支援を展開しており、学校ごとの教育方針や文化に配慮した運営体制を強みにしている。外部指導員との連携を最適化することで、持続可能な部活動の仕組みづくりを進める。

 今後は中学校・高校を中心に導入拡大を図るほか、自治体や地域教育機関との連携も視野に入れ、学校の働き方改革と教育の質向上の両面から支援を広げていくとしている。

(教育ICT)AI教材「キュビナ」、仙台市の全市立小中学校で採用 約7万4600人が利用へ

 AI型教材「キュビナ」を提供する株式会社COMPASSは、同教材が仙台市教育委員会に正式採用され、2026年4月から仙台市の全市立小中学校183校で利用されると発表した。対象は小学1年生から中学3年生までの約7万4600人の児童生徒。

 導入されるのは、学習eポータルとAI型教材を組み合わせた「キュビナ」。AIが児童生徒一人ひとりの理解度やつまずきの原因を分析し、最適な問題を出題するアダプティブラーニング教材で、個別最適な学習を支援する。

 仙台市は「仙台市学校教育情報化推進計画(2023~2027年度)」に基づき、ICTを活用した学習環境整備を進めている。今回の導入はその中核施策である「個別最適な学びの推進」の一環として実施される。

 同市教育委員会によると、キュビナの特徴であるAIによる習熟度分析に加え、学習履歴(スタディ・ログ)の蓄積と活用にも期待を寄せている。教員は客観的データをもとにした個別指導や授業改善が可能となり、児童生徒自身も学習履歴を振り返ることで主体的な学習調整力の育成につながるという。

 キュビナは小中学校5教科の教科書準拠問題を中心に10万問以上を収録。見取り支援や演習問題配信機能などにより、学習支援と教員の業務効率化の両面を支える設計となっている。現在、全国170以上の自治体、約2300校で100万人以上が利用している。

 COMPASSは2016年にキュビナをリリースし、AI教材の先駆的サービスとして普及を進めてきた。今後も公教育におけるICT活用と教育データの利活用を通じ、個別最適な学びの実現を支援していくとしている。

生成AI利用、高校生は7割超 学研白書で子どもの学習実態を調査

 学研ホールディングスの研究機関である学研教育総合研究所は、幼児から高校生までの学習や学校生活に関する調査結果をまとめた「幼児・小学生・中学生・高校生白書2025」第三弾を公表した。調査では、好きな教科や生成AIの利用状況など、子どもたちの学習意識の変化が明らかになった。

 好きな教科では、小学生は「体育」が22.9%で1位となり、「算数」「図画工作」が続いた。一方、中学生と高校生では「数学」がそれぞれ20.2%、14.2%で1位となった。ただし嫌いな教科でも「数学」が中高生で1位となり、得意・不得意の差が大きい教科である傾向が浮き彫りとなった。小学生では嫌いな教科の1位は「算数」(25.1%)だった。

 生成AIの利用状況では、対話型生成AIを「利用している」と答えた割合が小学生36.6%、中学生43.2%、高校生73.7%と、学年が上がるにつれて高まる傾向がみられた。利用目的は校種を問わず「情報収集のサポート」と「宿題・勉強の手助け」が上位を占め、高校生では「悩み相談・カウンセリング」も上位に入った。

 また「自分の行動で周囲の人を助けたり幸せにしたりできると思う」と回答した割合は、小学生83.3%、中学生84.8%、高校生70.0%だった。自己肯定感については「自分のことが好き」と回答した割合が小学生66%、中学生63%に対し、高校生では33%にとどまり、成長段階による意識の変化も示された。

 習い事では、幼児と小学生ともに「水泳」が1位となり、「英語塾・英会話教室」など語学系の習い事も上位に入った。幼児で「習い事をしていない」と答えた割合は、2017年の調査から29ポイント減少しており、早期教育の広がりもうかがえる。

 調査は2025年11~12月にインターネットで実施。幼児と小学生は各1200人、中学生と高校生は各600人の回答を集計した。同研究所は「学びの環境が変化するなかで、生成AIの利用など新しい学習行動も広がっている。子どもたちの意識の変化を継続的に捉えていきたい」としている。

北杜市の小学生と「食育おにぎり」開発 行政・企業・コンビニが連携

 山梨県北杜市は、食品メーカーのはくばく、コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンと連携し、市内小学生のアイデアを生かした「食育おにぎり」を開発するプロジェクトを始めた。食育授業と商品開発を結びつけ、健康的な食生活を地域で実践する取り組みで、山梨・長野県内の店舗で2026年度内の発売を目指す。

 同プロジェクトは、北杜市とはくばくが進めてきた「おこめプラス・健康プロジェクト」の一環。ここに流通の実行力を持つセブン-イレブン・ジャパンが加わり、行政・企業・小売の3者協働で食育を社会に広げる取り組みとして発展させる。

 北杜市では2009年に「おはよう朝ごはん宣言」を掲げ、朝食摂取の啓発を進めてきた。共働き世帯の増加やタイムパフォーマンス重視の生活様式が広がる中、単に朝食を食べる「量」の確保だけでなく、栄養バランスなど「質」を高める食習慣づくりが課題となっていた。

 プロジェクトでは、市内小学校で食育授業を実施し、子どもたちが朝食の重要性や大麦(もち麦)の栄養について学ぶ。その学習をもとに児童がアイデアを出し合い、商品コンセプトを選定。最終的な商品はセブン-イレブン・ジャパンが開発し、山梨・長野県内の計662店舗で販売する予定だ。

 商品には食物繊維が豊富な大麦を使用する。大麦は白米に比べて食物繊維が多く、朝食で摂取すると昼食後の血糖値上昇を抑える「セカンドミール効果」が期待される。手軽なおにぎりという形で栄養価の高い主食を提供することで、忙しい家庭でも健康的な朝食を取り入れやすくする狙いがある。

 北杜市の大柴邦彦市長は「子どもたちが考えた商品をきっかけに、家族全体の食生活が自然と整う行動変容を生み出したい」と述べ、国が進める食育政策の先行モデルとして「健康都市モデル」の構築を目指す考えを示した。

 政府は2026年度から第5次食育推進基本計画を開始する予定で、若い世代への食育の強化や持続可能な食環境づくりが柱となる。今回の取り組みは、こうした国の方針を先取りした地域モデルとして位置付けられている。

パンチ工業、月面探査車「YAOKI」開発でダイモンと提携更新

 パンチ工業は、宇宙技術ベンチャーのダイモンと技術パートナー契約を更新した。月面探査プロジェクト「Project YAOKI」への参画を継続し、2027年度後半に予定される次期ミッションに向けて協力体制を強化する。

 両社は2023年に初めて技術パートナー契約を締結し、2025年に実施された「Project YAOKI 1(PY-1)」に参画。パンチ工業は3D計測技術を用いて、月面探査車「YAOKI」と輸送ケース(デプロイヤー)との隙間や弾性材の厚さを測定し、輸送時の振動による故障防止と着陸後の放出機構の最適化に貢献した。

 PY-1では米宇宙企業の着陸船の姿勢異常により、YAOKIはケースから放出されなかったものの、デプロイヤー内部から月面撮影を行いデータ送信に成功するなど、予定されていた機能の遠隔操作に成功した。

 2026年5月からの新契約では、従来の3D計測データの提供に加え、YAOKI本体に装着する金属部品や熱可塑性樹脂部品の開発・加工にもパンチ工業が参画する。さらに、月面環境を模した極高真空やレゴリス(微粒砂)条件下での走行実験も共同で実施し、技術協力の範囲を拡大する。

 次期ミッション「Project YAOKI 2(PY-2)」では、改良型YAOKIを2機月面へ輸送し、月面走行や接写画像の取得を通じて資源探査などを目指す計画だ。YAOKIは重量約500グラムの超軽量ロボットで、月面輸送コストが1キログラムあたり約1億円とされる宇宙開発において、軽量化技術の重要性が高まっている。

 パンチ工業は精密金属加工技術を強みに、2016年から航空宇宙分野への参入を重点課題として掲げてきた。今回の連携を通じ、宇宙産業で培った技術を既存事業や新規事業にも活用していく方針としている。

トランスコスモスと東京薬科大、2040年問題に向け薬剤師業務の変革で連携

 トランスコスモスは、東京薬科大学(東京都八王子市)と、2040年問題への対応を見据えた薬剤師業務の変革推進に関する連携協定を締結した。薬剤師不足や医療需要の増大が懸念される中、DX(デジタルトランスフォーメーション)やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の知見を活用し、薬剤師業務の効率化や次世代人材の育成を進める。

 日本では団塊ジュニア世代が高齢期を迎える2040年に向け、医療需要の拡大と医療従事者不足が同時に進む「2040年問題」が課題となっている。特に地方では薬剤師不足が深刻化する可能性があり、限られた人的資源の中で医療の質を維持するための業務改革が求められている。

 協定では、両者がそれぞれの知見を生かし、薬剤師業務の効率化を支援する新たなサービスの研究に取り組む。具体的には、薬剤師不足地域における業務改善策の検討や、DXやBPOの手法を取り入れた薬学教育プログラムの開発などを進める予定だ。

 また、薬学の専門知識とデジタル技術を組み合わせた教育・研究を通じて、変化する医療環境に対応できる次世代人材の育成にも力を入れる。地域包括ケアシステムの構築が進む中、薬剤師には地域医療への参画や多職種連携など、従来以上に幅広い役割が期待されている。

 東京薬科大学の三巻祥浩学長は「トランスコスモスのDX・BPOの知見を教育や研究に生かせる場ができた。薬学の専門性とデジタル技術を融合した教育を推進し、地域医療の課題解決に貢献したい」とコメントした。

 トランスコスモスの高山智司上席常務執行役員は「長年培ってきたDX・BPOの知見を薬剤師業務の効率化という新たな分野で活用し、地域医療課題の解決に貢献していく」と述べた。

 両者は今後、定期的な協議を通じて取り組みを進め、2040年を見据えた持続可能な地域医療体制の構築を目指すとしている。

スポーツ現場でいじめ予防 品川で体験型ワークショップ

 公益社団法人子どもの発達科学研究所は、SRU品川区ラグビーフットボール協会と共催し、体験型イベント「チームの絆を強くする!前向き行動カードゲーム『ゲミワ』であそぼ」を東京都品川区の小山台会館で開催した。スポーツ現場におけるいじめ予防とチームワークの向上をテーマに、子どもや保護者、指導者らが参加した。

 イベントには同協会が運営するラグビークラブに所属する5歳から10歳までの子ども10人と、指導者や保護者など大人6人が参加。カードゲームを使ったいじめ予防ワークショップ「ゲミワ」を体験し、仲間への前向きな声かけや協力行動について学んだ。

 体験ワークの後には、保護者と指導者を対象にしたミニ講義も実施。研究所の研究員である青山智士氏が講師を務め、脳科学の視点からスポーツチームにおけるいじめ予防や心理的安全性の重要性について解説した。

 参加した子どもからは「友達に流されないようにしたい」「次の試合で『リーダーゴリラ』や『おたすけヒツジ』を増やしたい」といった感想が寄せられ、チーム内で望ましい行動を意識するきっかけとなった。

 共催した成見宏樹氏は、スポーツ現場では忍耐力やタフさが過度に重視される風土があり、いじめにつながる条件が生まれやすい場合があると指摘。「『いじめ防止』という言葉には当初実感がなかったが、チームづくりの視点として重要だと感じた」と述べた。

 「ゲミワ」は、子どもの発達科学研究所が開発したいじめ予防プログラムで、ゲームを通じて自然に学びを深める体験型の学習手法が特徴だ。学校の道徳や特別活動などで活用されてきたが、今回の取り組みを通じてスポーツクラブのチームビルディングにも応用できる可能性が示された。

 同研究所は、部活動や地域スポーツクラブなどスポーツ現場におけるいじめ予防やチームづくりの研究と実践を進めており、今後も教育機関やスポーツ団体と連携しながら子どもが安心して活動できる環境づくりを目指すとしている。

東大・イオン・ウエルシア、フレイル予防で共同研究 薬局を拠点に実証開始

 東京大学とイオン株式会社、ウエルシア薬局株式会社は3月9日、フレイルおよびオーラルフレイルの予防・対策に関する共同研究契約を締結した。地域住民の健康寿命延伸を目的に、薬局を拠点とした高齢者支援モデルの実証を4月から開始する。

 実証は千葉県内のウエルシア薬局約20店舗で行い、来局する高齢者を対象にフレイルやオーラルフレイルのチェック、簡易測定を実施する。測定結果をもとに薬剤師が日常業務の中で介入し、生活習慣改善や医療機関への連携などを行うモデルの有効性を検証する。研究には、東京大学高齢社会総合研究機構の機構長で、フレイル研究の第一人者として知られる飯島勝矢教授の知見を活用する。

 フレイルは加齢に伴い心身の機能が低下し、健康と要介護の中間に位置する状態を指す。特に口の機能低下を示すオーラルフレイルは、全身のフレイルや要介護状態につながるリスクがあるものの、一般的な認知はまだ十分に広がっていないとされる。

 従来、自治体が実施するフレイル測定会は参加意欲の高い人に偏りやすく、支援が必要な層に届きにくい課題があった。今回の取り組みでは、日常的に利用される薬局を「測定・相談拠点」として活用することで、より広い層へのアプローチを目指す。

 また4月から約6カ月間で、全国約750店舗の薬剤師を対象にフレイル予防・対策に関する教育も実施する予定。フレイル、オーラルフレイル、多剤服用(ポリファーマシー)対策を一体的に扱う「次世代型かかりつけ薬局モデル」として、地域医療や介護分野との連携強化を図る。

 イオンは今後、食・生活・医療・介護を横断したサービスを通じて、地域住民の健康づくりを支援していくとしている。