第13回フロンティアサロン永瀬賞授賞式を開催

 株式会社ナガセ(東京・武蔵野市、永瀬 昭幸 代表取締役 社長)が支援を行う一般財団法人フロンティアサロン財団が、「第 13 回 フロンティアサロン永瀬賞」 の受賞者を選出し、9 月 22 日(金)に東京・帝国ホテルにおいて授賞式を開催したことを発表した。最優秀賞は、東京大学 医科学研究所 教授の佐藤佳先生、特別賞は京都大学 理学部数学教室 准教授の山下真由子先生に贈られた。受賞した研究者による高校生のための特別講義「サイエンスセミナー」も同時開催され、約 1,000 名の高校生が参加した。10 月 5 日(木)より日本全国の東進生に映像配信されている。
 永瀬賞の選出は、25 名のフロンティアサロン財団委員により行われている。東京農工大学名誉教授で代表理事の宮田清藏先生や、ノーベル賞級の研究に贈られる「クラリベイト引用栄誉賞」を 2023 年に受賞した 片岡一則先生など、科学技術分野で実績を持つ研究者などを中心に構成されている。

「第 13 回 フロンティアサロン 永瀬賞」受賞者

1.フロンティアサロン永瀬賞 最優秀賞 佐藤 佳 先生 (東京大学 医科学研究所 教授)

講演:新型コロナウイルス学者がうまれるまで

 1982 年生まれ。京都大学大学院医学研究科修了(短期)、医学 博士。京都大学ウイルス研究所助教などを経て、2018 年に東京 大学医科学研究所准教授、2022 年に同教授。専門は、HIV(ヒト 免疫不全ウイルス)の研究。新型コロナウイルスの感染拡大後、 大学の垣根を越えた複数の研究者からなる研究コンソーシアム 「G2P-Japan」を立ち上げ、変異株の特性に関する論文を次々と発表、世界からも注目を集める。

2.フロンティアサロン永瀬賞 特別賞 山下 真由子 先生 (京都大学 理学部数学教室 准教授)

講演:トポロジーと物理学の出会い

 1995 年生まれ。東京大学大学院数理科学研究科博士課程を 2019 年に中途退学し、京都大学数理解析研究所に採用、現職。 2022 年論文博士制度を用いて、東京大学より博士(数理科学) の学位を取得。非可換幾何学を専門とし、数学と物理学との境 界における場の理論の研究をしている。2022 年、学術的プレゼンスが圧倒的に秀でていると評価され、羽ばたく女性研究者賞 (マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)第 1 回最優秀賞を受賞。

 フロンティアサロン財団は 2010 年に日本の未来を拓く若手研究者を支援するため設立され、2013 年に一 般財団法人として認定された。財団では定期的に若手研究者による講演を開催し、毎年、その講演者の中から永瀬賞受賞者を選出している。

 永瀬賞は、「将来のノーベル賞候補」を発掘することを目指し、社会に対して大きく貢献する科学技術の領域において、新しい発想で新分野を開拓する若手研究者に贈る賞。「将来にわたって未知の領域を切り拓き、その成果が多くの人々に恩恵をもたらす」と期待される方に贈呈することを目的としている。最優秀賞には 3,000 万円[前回より 1,000 万円増額]、特別賞には 1,500 万円[前回より 500 万円増額]が副賞として受賞者個人に授与される、科学界における大きな賞の一つ。

 授賞式は毎年 9 月に行われ、永瀬賞受賞者が高校生に対して特別講義を行う「サイエンスセミナー」を同時開催している。2020 年以降、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からオンラインで開催していたが、本年は 4 年ぶりに帝国ホテル[東京都千代田区]にてセミナー形式で開催した。授賞式当日は、委員の先生方の見守るなか、永瀬賞が授与された。

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