大阪府立淀商業高等学校(大阪市)で1月19日、民間企業の社員が講師を務める出張授業が実施された。この授業は、教育コンサルティングを展開する株式会社NEXCENT(兵庫県神戸市)が提供する、企業研修と学校教育を融合させたプログラム「NEXT SENSEI」の一環として行われた。当日はRP東プラ株式会社(大阪府)の社員7名が教壇に立ち、同校の3年生約30名に対して、自身のキャリアや人生の転機について語った。
「NEXT SENSEI」は、企業の人材育成と社会貢献を同時に実現する新しい形の研修モデル。参加する企業社員は、まず事前研修で自らの職歴や人生経験を棚卸しし、それを中高生に伝えるための言語化作業を行う。その後、実際に学校現場で「先生」として授業を行い、生徒や教員からのフィードバックを得るというプロセスをたどる。
今回の取り組みの背景には、商業高校と地域企業が抱える双方の課題がある。近年の少子化に伴い、商業高校では学びの内容や卒業後の進路が中学生に伝わりにくいことによる選択率の低下が深刻化している。一方で、大阪・関西エリアの地域産業を支える中小企業にとっては、次世代を担う若手人材の採用と育成が喫緊の経営課題となっている。
こうした状況に対し、同プログラムは「社会人の学び」を教育現場に直接投入することで、商業教育をより実践的なものへと進化させる狙いがある。大企業だけでなく中小企業も教育に参画できる実証事例として、地域の人材ニーズを教育現場につなぐ新たなモデルケースを提示した。
実際の授業では、社員が自身の挫折経験や、弱点をどのように強みに変えてきたかといった「等身大の姿」を披露した。これに接した生徒からは、自らの弱点と向き合う姿勢や、新しいことに挑戦する意欲が高まったとする声が聞かれた。また、自身の悩みを重ね合わせ、将来の生き方の一つの指標として受け止める生徒の姿も見られた。
講師を務めた社員にとっても、相手に伝えるための表現力や論理的構成力の不足を実感する一方で、自身の仕事に対する価値観を再発見する自己理解の機会となった。NEXCENTは、この学校教育と企業研修が互いに学び合う関係性を重視しており、今後も業種や規模を問わず多様な企業と連携し、この取り組みを全国の学校現場へ広げていく考えだ。
■実施概要
日時:2026年1月19日(月)
場所:大阪府立淀商業高等学校
対象:3年生 約30名
登壇者:RP東プラ株式会社(各社員7名)
主催:株式会社NEXCENT
■株式会社NEXCENTについて
「全ての人を主人公にする」をビジョンに、2022年4月に設立した教育コンサルティング企業。
企業、自治体、教育現場での「意識改革」をベースにしたキャリア開発支援を行い、研修・セミナーを提供。教育現場でのAI活用サービス『SmartTeach』で学校現場でのAI活用研修や、社会課題解決型の研修プログラム『NEXT SENSEI』を提供している。




