Category: バックナンバー

月刊私塾界2023年12月号(通巻512号)

巻頭言

 インドと中国が新たな人材供給源になっている。両国の人口の多さが一因だが、更に重要な要因がある。「インドと中国の学生がなにを学んでいるかという点だ。欧米の学生が学ぶジャンルが人文系の学問や芸術なども含めてきわめて多岐にわたるのに対し、(中略)中国やインドの学生は理工系の学問を勉強するケースが非常に多い。二〇〇八年、インドと中国はそれぞれ、エンジニアリングとコンピュータ科学の分野で大学院修了レベルの学生をアメリカの二倍生み出した。同じ年、アメリカでエンジニアリング分野の修士号を取得した学生の四〇%、博士号を取得した学生の六〇%が外国人で、そのほとんどがインド人と中国人だった。」(リンダ・グラットン著「ワーク・シフト」)
 韓国でIT関連産業が発展したのは、大学等で理系分野を学ぶ学生に対し、懲役義務を大幅に緩和したためだと云われている。
 国家の方針として、何等かのインセンティヴを設けている。
 我が国はどうだろうか。先ごろ文部科学省が大学設置認可後の「設置計画履行状況調査」を実施し、惨状を報告した。曰く、半数の大学で教員数が設置基準に満たない、英語の授業でbe動詞の基本的英文法を教えていた等々。
 彼我の差があまりにも大きい。
 お上に任せておいて良いのだろうか。個々の学習塾が、または業界全体として、大きな志を抱き、未来の絵を描き、それを担う人材を輩出することに努めなければならないのではないか。幕末の「時」のように。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社グランス+株式会社英俊社 全国の高校入試に対応、東日本大震災をきっかけに生まれた 自立学習システム「Twenty Miles」とは
  • 8 CatchUp2 津田塾 夢や志を育むことで今なすべきことが明らかに
  • 10 CatchUp3 株式会社アイキューブ 教室内だけでなく、塾経営も拡がる「学習塾専用管理システム「ICC systems」
  • 16 Special Report 第11回 全国模擬授業大会 in Nagoya チョーク1本で教育改革を
  • 20 HOT TOPICS 今、灘中合格日本一の塾が「非認知能力」に注目する理由
  • 24 挑む私学 洛星中学校 高等学校
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 58 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 59 【特集】① 株式公開企業塾 2024年2・3月期第2四半期(2Q)決算を読む
  • 59 【特集】② 塾のスポーツ事業
  • 88 企業研究(130) BCホールディングス株式会社
  • 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(358)
  • 92 疾風の如く(172) スタディデザイン(宮城県) 代表 押切 友秀 さん
  • 94 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(127)
  • 96 白書界隈徘徊話(104)
  • 100 PAPER Review(3)
  • 102 自ら動き出すチームにする方法(111) 中谷彰宏
  • 104 シン・ジュクジン(25)
  • 105 芸術見聞録(125)
  • 106 わが子、就学中(33)
  • 107 塾長の机
  • 108 為田裕行の「教育ICT行」(105)
  • 109 10¹⁵ PETA(33)
  • 110 現代学習塾経営概論(9)
  • 112 林明夫の「歩きながら考える」(220)
  • 114 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(52)
  • 116 私塾界インサイト(69)
  • 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(25)
  • 122 咲かせよ桜(106) 小林哲夫
  • 126 論点2023(12) ジェネリックスキル
  • 130 編集後記
  • 132 Book Review
  • 134 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年11月号(通巻511号)

巻頭言

 皆さんは親友を持っているだろうか。

 日本の高齢男性は孤独だ。内閣府が2020〜21年に60歳以上の高齢者を対象に実施したアンケートによると、親しい友人が「いない」と回答した日本人男性の割合は、40・4%にも上った。同時に調査したスウェーデンの9・8%、ドイツの14・3%、米国の18・8%を大きく上回る割合となっている(「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」から)。

 日本人男性が、職場以外で人間関係を積極的に構築してこなかったことが、「親友ゼロ」の背景にありそうだ。そのような「仕事人間」が60代を迎えて定年退職すると、家庭以外に居場所のない、孤独な引退生活を送ることになる。

 しかも余生は長い。今年7月、厚生労働省は日本人男性の平均寿命が81・05歳となったと発表した。60歳で定年退職した場合、20年以上も社会性に乏しい生活を送ることになりかねない。充実した余生を送るためには、趣味を見つけたり、ボランティア活動にいそしんだりするなど、積極的に活動領域を広げていく必要がある(日経ビジネスオンライン9月15日号参照)。

 読者諸氏はサラリーマンではないので定年はない。かなり高齢になるまで仕事を継続することができる。しかし、いつかは事業承継し、第一線から退くことになる。果たしてその後の準備はできているだろうか。 親友も趣味も一朝一夕には獲得できない。何事も準備万端怠ること勿れ。

(如己 一)

目次

6 CatchUp1 株式会社俊英館+株式会社メイツ 認知度0の地で「aim@」が起爆剤に

8 CatchUp2 株式会社京進 京進が進める日本語教育事業の現在地

10 CatchUp3 株式会社湘南ゼミナール+株式会社FLENS 塾を知っているFLENSだから あらゆる面で効率化を達成

12 CatchUp4 株式会社KEC Miriz プログラミングを通じ塾の本分を全うしたい

14 CatchUp5 琉大セミナー 地元で絶大な信頼を集める老舗塾 県未来政策課の依頼により無料塾も運営

20 Special Report 全国学習塾協会 設立35周年「塾の日シンポジウム2023東京大会」

26 HOT TOPICS① 第30回記念 興学社大学「君よ、創立50周年への輝ける旗手たれ!」

28 HOT TOPICS② 【特別連載】少子化による生徒数減少の危機を乗り切る「縦型マーケティング」とは?〈後編〉

32 挑む私学 高輪中学高等学校

35 目次・巻頭言

36 NEWS ARCHIVES

68 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~

69 【特集】 私塾界リーダーズフォーラム2023A/W CHANGER

84 TOP LEADER Interview 創業者の理念である「勢い」をキーワードに、 すべての夢の実現に挑み続ける。株式会社WITS

96 企業研究(129) 株式会社顧問名鑑

99 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(357)

100 疾風の如く(171) 中学受験PREX(神奈川県) 塾長 渋田 隆之 さん

102 For Whom the 塾 Tolls(28)

104 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(126)

106 白書界隈徘徊話(103)

108 PAPER Review(77)

110 自ら動き出すチームにする方法(110) 中谷彰宏

112 シン・ジュクジン(24)

113 芸術見聞録(124)

114 わが子、就学中(32)

115 塾長の机

116 為田裕行の「教育ICT行」(104)

117 10¹⁵ PETA(32)

118 現代学習塾経営概論(8)

119 Opinion from School(53)

120 林明夫の「歩きながら考える」(219)

122 新・授業改革を目指して(135) 石川幸夫

124 私塾界インサイト(68)

128 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(24)

130 咲かせよ桜(105) 小林哲夫

134 論点2023(11) オルタナティブ教育

138 編集後記

140 Book Review

142 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年10月号(通巻510号)

巻頭言

ヤマト運輸と地方路線バス会社間の業務提携が拡がりをみせる。

 最初は2015年、岩手県北バスと「客貨混載」事業を開始した。路線は、北上~盛岡~宮古~重茂半島と150キロ以上に及ぶ。この区間を、北上~盛岡~宮古間の「ヒトものバス」と、宮古~重茂半島間の「客貨混載」の二つに区分する。前者はバス後部を改造し、荷物をフォークリフトでパレットごと積み降ろしできるようにした。後者は、乗降口付近の座席を改造し、荷物を積めるようにした。前者におけるヤマト運輸のメリットは、トラック便を減らせることだ。朝晩は輸送する荷物は多いが、日中帯は二ケタ少ない個数となる。これに対し後者は、重茂半島担当セールス・ドライバー(SD)が、日中宮古営業所に戻る必要がなくなる。それにより、SDの重茂半島滞在時間が伸び、サービス向上へと繋がる。例えば、お年寄りがスーパーに頼んだ買い物を、SDが届けるついでに安否確認もする「まごころ宅急便」サービスに、より多くの時間を割けるようになる。その結果、扱う荷物の量が1・5倍に増えた。

 バス会社は収入が増え、特に廃止が進む過疎地のバス路線を存続できる。Win―Winの取り組みだ。

 国土交通省は過疎地の物流対策として、同じような事柄を掲げる。「貨客混載」だ。ヤマト運輸が提唱する「客貨混載」と順番が逆だ。ヤマトのヤマトたる所以である。

 是非、読者諸氏も知恵を絞り、八方良しの業務提携や商品開発に取り組んでいただきたい。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 東進ゼミナール 小学生の集客に成功 「プロクラ」の導入がきっかけに
  • 8 CatchUp2 株式会社キャニオンマインド オンライン授業を格段にアップデートさせる「MAXHUB」
  • 10 CatchUp3 株式会社学習塾あすなろ会 釧路に根ざす老舗塾の新たな挑戦
  • 12 CatchUp4 向学塾 教育格差の是正を目指して 英語の講師不足の解消に「ELST 」が貢献
  • 18 HOT TOPICS① 現代を生きる上で、アンガーマネジメントの重要性
  • 20 HOT TOPICS②【特別連載】少子化による生徒数減少の危機を乗り切る 「縦型マーケティング」とは?〈前編〉
  • 24 挑む私学 関西大学北陽中学校・高等学校
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 56 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 57 【特集】 塾長の決断2023
  • 72 TOP LEADER Interview 教育をアップデートし、子供たちに最適な教育を。 株式会社メイツ
  • 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(356)
  • 84 疾風の如く(170) 学習塾ボランタリーチェーン 塾エイド(千葉県) 代表 鴨志田 順 さん
  • 86 For Whom the 塾 Tolls(27)
  • 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(125)
  • 90 白書界隈徘徊話(102)
  • 92 PAPER Review(76)
  • 94 自ら動き出すチームにする方法(109) 中谷彰宏
  • 96 シン・ジュクジン(23)
  • 97 芸術見聞録(123)
  • 98 わが子、就学中(31)
  • 99 塾長の机
  • 100 為田裕行の「教育ICT行」(103)
  • 101 10¹⁵ PETA(31)
  • 102 現代学習塾経営概論(7)
  • 103 Opinion from School(52)
  • 104 林明夫の「歩きながら考える」(218)
  • 106 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(51)
  • 108 私塾界インサイト(67)
  • 112 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(23)
  • 114 咲かせよ桜(104) 小林哲夫
  • 118 論点2023(10) AI導入の諸注意
  • 122 編集後記
  • 124 Book Review
  • 126 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年9月号(通巻509号)

巻頭言

 日本は「低学歴国」になりつつある。

 日本の博士号取得者の数は他の先進国を大きく下回り、しかも10年前よりも減少している。

 文部科学省「科学技術指標2021」で人口100万人当たりの博士号取得者数を見ると、日本は米英独韓4カ国を大きく下回っている。日本の博士号取得者は2018年度に120人だが米国は281人。ドイツは336人、英国は375人、韓国は284人だ。

 しかも、10年前の08年より減少しているのは、日本だけだ。

 背景には修了後の不安定な雇用状況があるとみられている。同省によると、18年度の博士課程修了者のうち20年時点で29%が非正規雇用だった。ポスドク(任期付研究員)や契約社員が多かった。

 次に、日本の研究力を見てみよう。注目度の高い科学論文数の国際順位は1990年代前半まで世界3位だったのが18年は10位まで落ちた。同じ平成の30年間に産業競争力も低落。鉄鋼・造船のような重厚長大型産業だけでなく、家電製品やパソコン、半導体のようなハイテク分野でも国際市場シェアの低下が進んだ。

 科学技術だけではない。経営者の学歴差も鮮明だ。経済産業省作成の資料によると、日米の時価総額上位100社の経営者のうち、日本では84%が学部卒で大学院修了は15%。米国は67%が院卒で、博士課程修了者も1割いる。
 学習塾は大学進学を念頭に運営されている。今後は大学院進学まで視野に入れる必要がありそうだ。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 成基コミュニティグループ 新たな風を呼び込む新代表が語る これからの成基コミュニティグループの展望
  • 8 CatchUp2 株式会社サテライトネット 英会話力も英作文力も鍛えられる「WiLLies ENGLISH」
  • 10 CatchUp3 株式会社明日葉 学童でプログラミング教育を推進 決め手はマイクラッチ。
  • 12 CatchUp4 トップ・エデュケーション株式会社 都会に負けない先取り学習で国公立大学を目指す
  • 14 CatchUp5 明星中学校・高等学校 「目に見えない学力」の養成で、大学進学実績が大幅に向上
  • 20 HOT TOPICS【米国最新レポート】グレートリセットはすでに始まっている。 生成AIが世界の教育現場にもたらすかつてない変化とは?
  • 24 挑む私学 実践学園中学・高等学校
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 56 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 57 【特集①】 株式公開企業塾 2024年2・3月期 第1四半期(1Q)決算を読む
  • 66 【特集②】 生徒募集2023
  • 78 TOP LEADER Interview 高品質・低価格の教育で、教育格差の是正を。 新教育総合研究会株式会社
  • 88 企業研究(128) 株式会社カンリー
  • 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(355)
  • 92 疾風の如く(169) 三井塾(東京都) 塾長 三井 慎太郎 さん
  • 94 For Whom the 塾 Tolls(27)
  • 96 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(124)
  • 98 白書界隈徘徊話(101)
  • 100 塾の家計簿(75)
  • 102 自ら動き出すチームにする方法(108) 中谷彰宏
  • 104 シン・ジュクジン(22)
  • 105 芸術見聞録(122)
  • 106 わが子、就学中(30)
  • 107 塾長の机
  • 108 為田裕行の「教育ICT行」(102)
  • 109 10¹⁵ PETA(30)
  • 110 現代学習塾経営概論(6)
  • 111 Opinion from School(51)
  • 112 林明夫の「歩きながら考える」(217)
  • 114 新・授業改革を目指して(134) 石川幸夫
  • 116 私塾界インサイト(66)
  • 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(22)
  • 122 咲かせよ桜(103) 小林哲夫
  • 126 論点2023(9) DAOとは
  • 130 編集後記
  • 132 Book Review
  • 134 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年8月号(通巻508号)

巻頭言

 ダイバーシティーという単語を耳にするようになって久しい。

 しかし、その捉え方、適用は時代とともに変化する。当初は、人種、民族、哲学、宗教、思想などの多様性を認める、という意味で捉えられていた。企業などでは、人種、国籍、性、年齢を問わずに人材を活用することにより、ビジネス環境の変化に柔軟、迅速に対応できると考えられた。グローバリゼーションの中、企業がどのように成長していくか、活路を見出すかに焦点が当てられていた。

 それが現在では、個々人の価値観の多様性を受け入れることにまで拡がる。

 読者諸氏の学習塾では、このダイバーシティーの課題をどう克服しているであろうか。自塾は海外展開の予定がないから、関係ないとお考えだろうか。

 否。英語教育が小学校でも義務化されるほど盛んになっている。ネイティヴ・スピーカーの雇用を考えなければならないのではないだろうか。その時、日本人講師だけの雇用しか念頭にない、規則・規程では対応できない。

 更に近年では、LGBT(レズビアン、Lesbian、ゲイ、Gay、バイセクシュアル、Bisexual、トランスジェンダー、Transgender)問題が加わる。LGBTは究極のダイバーシティーと云われる。東京都渋谷区などは、同性カップルを結婚に相当する関係として認める「同性パートナーシップ証明書」の発行をしている。そういう時代になったのだ。 LGBTの人は、13人に一人。貴塾の対応や如何に。

(如己 一)

目次

  • 14 CatchUp セナミ学院 地元に根ざす塾として保護者や学校との関係を深める
  • 20 HOT TOPICS【特別連載】教育業界の2025年問題を考える〈後編〉
  • 24 挑む私学 大阪青凌中学校・高等学校
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 56 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 59 【特集】英語・幼児教育考2023
  • 68 Special Report 公益社団法人 全国学習塾協会が見据える学習塾のこれから 全国各地で特別シンポジウムを開催
  • 80 TOP LEADER Interview 独立自尊の社会・世界に 貢献する人財を育成する 株式会社 ナガセ
  • 95 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(354)
  • 96 疾風の如く(168) 桜灯塾(大阪府) 塾長 内田 憲一 さん
  • 98 For Whom the 塾 Tolls(26)
  • 100 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(123)
  • 102 白書界隈徘徊話(101)
  • 104 Special Collumn
  • 106 自ら動き出すチームにする方法(107) 中谷彰宏
  • 108 シン・ジュクジン(21)
  • 109 芸術見聞録(121)
  • 110 わが子、就学中(29)
  • 111 塾長の机
  • 112 為田裕行の「教育ICT行」(101)
  • 113 10¹⁵ PETA(29)
  • 114 現代学習塾経営概論(5)
  • 115 Opinion from School(50)
  • 116 林明夫の「歩きながら考える」(215)
  • 118 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(50)
  • 120 私塾界インサイト(65)
  • 124 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(21)
  • 126 咲かせよ桜(102) 小林哲夫
  • 130 論点2023(8) リスキリングについて
  • 134 編集後記
  • 136 Book Review
  • 138 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年7月号(通巻507号)

巻頭言

 初夏の安曇野に「研成義塾」を訪ねた。この私塾は、明治3(1870)年旧東穂高村に生まれた井口喜源治が設立した。彼は穂高小学校で教師をしていたが、同28(1895)年に不当な排斥運動により公職を追われ、同31(1898)年、「研成義塾」を設立した。

 設立趣意書には「吾塾は感化を永遠に期す」とある。教師は井口一人。小学校を出たばかりの生徒たちに、中学校レベルの英語、数学、漢文、キリスト教聖書を教えた。昭和7(1932)年に脳溢血で倒れるまで、34年間、800余人の教え子を世に送り出した。塾生には彫刻家 荻原守衛(碌山)や外交評論家 清沢きよしがいる。

 清沢洌は、太平洋戦争下に書き、戦後公刊された「暗黒日記」で知られる。また、彼は独学の士としても有名だ。研成義塾で学んだ後、明治40(1907)年、17歳の時、研学移民となり渡米した。病院の清掃夫、デパートの雑役などを務めながらタコマ・ハイスクール、ワシントン大学などで学んだ。

 教育未来創造会議で4月第二次提言が取りまとめられた。今後おそらく中央教育審議会など幾つかの会議体から、色々な提言が出されるものと思われる。

教育は国家百年の大計であり、21世紀の日本の礎だ。 しかし、教育は工業製品とは異なる。この教科書を用いて、あのカリキュラムを使用して教えれば、このような人間が出来上がるというものではない。自ら学ぶ態度を身に着けることが重要だ。「独学の精神」の涵養である。

(如己一)

目次

  • 6 CatchUp1 エデュケーショナル・デザイン株式会社「デジタネ」で、すべての子どもたちにプログラミング教育を!
  • 15 Special Report ① ショウインが掲げる自立学習と歴史保存の活動とその想い
  • 18 HOT TOPICS ① サインウェーブがESATーJ対策セミナーを開催。 その実態に迫る
  • 20 HOT TOPICS ②【特別連載】教育業界の2025年問題を考える〈中編〉
  • 24 挑む私学 神田女学園中学校高等学校
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 56 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 57 【特集】【緊急対談】
  • 〝こどもまんなか社会〟実現への道筋 教育と福祉が交わる新たな取り組みに迫る
  •   内閣府特命担当大臣 小倉 將信 氏 × 公益社団法人 全国学習塾協会 会長 安藤 大作 氏
  • 68 Special Report ② 私塾界リーダーズフォーラム 2023S/S
  • 80 Special Report ③ 第16回 全国模擬授業大会 チョーク一本で教育改革を!
  • 86 TOP LEADER Interview ゲーミフィケーションの視点から、 会社経営や教育にイノベーションを。 KECグループ
  • 99 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(353)
  • 100 疾風の如く(168) 学習塾SMILE─S(愛知県) 塾長 原 大輔 さん
  • 102 For Whom the 塾 Tolls(25)
  • 104 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(122)
  • 106 白書界隈徘徊話(100)
  • 108 自ら動き出すチームにする方法(106) 中谷彰宏
  • 110 塾の家計簿(74)
  • 112 シン・ジュクジン(20)
  • 113 芸術見聞録(120)
  • 114 わが子、就学中(28)
  • 115 塾長の机
  • 116 為田裕行の「教育ICT行」(100)
  • 117 10¹⁵ PETA(26)
  • 118 現代学習塾経営概論(4)
  • 119 Opinion from School(49)
  • 120 林明夫の「歩きながら考える」(215)
  • 122 新・授業改革を目指して(133) 石川幸夫
  • 124 私塾界インサイト(64)
  • 128 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(20)
  • 130 咲かせよ桜(101) 小林哲夫
  • 134 論点2023(7) ファイナンス教育とは
  • 138 編集後記
  • 140 Book Review
  • 142 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年6月号(通巻506号)

巻頭言

 茨城県つくば市にある産業技術総合研究所において、非常に正確な時計が開発されている。イッテルビウム光格子時計だ。現在主に使用しているセシウム原子時計の1000倍の精度が出せる。

 1秒の定義は、長い間地球の自転を基にしてきた。ところが地球の自転は徐々に遅くなっていること、季節により速度が異なることなどから、1956年から地球の公転が基準となった。

 それがセシウム原子時計の開発により、67年から変更された。1億年に1秒の誤差しかないからだ。この正確さをもって地球の自転速度を計測し、72年から25回閏秒を用い、時刻を調整してきた。1000億年に1秒の誤差しかないイッテルビウム光格子時計。何に役立つのだろうか。

 貢献が期待されていることの一つに、長さを正確に測定できるようになることがある。例えば位置測定だ。GPS人工衛星には原子時計が搭載され、時刻を示す電波を発信している。これを地上の受信機で受け、その時刻の差から位置を測定する。現在の測定誤差は数センチから数十センチ(日常使用されている車載GPSは誤差数メートル。衛星の原子時計がポータブルタイプなため)。それが、数マイクロメートル(千分の一ミリ)になる。そうなると微細な地殻変動も宇宙から計測でき、火山噴火などを予測できる。地震の予知に発展する可能性もある。 教育における最先端とは何であろうか。その先に何を見詰めながら進んでいるのであろうか。

(如己 一)

月刊私塾界2023年5月号(通巻505号)

巻頭言

 4月出雲を旅した折、三保神社を訪れた。全国各地にあるえびす神社の総本社だ。その近くにある大正レトロ感漂う「青石畳通り」を散策しているときだった。古い民家の軒先に燕の巣を発見した。巣の中で囀る雛たちを仰ぎ見ながら、長い間燕の巣を見なかったなーと感傷に浸っていた。ふと気付くと、沢山の燕が、長い歴史を持つ港町を、勢いよく飛び回っていた。巣もあちらこちらにあった。何か豊かなものを感じた。

 近年、燕は減少している。水田の減少により、餌となる昆虫が減ってしまったり、巣材となる良質の泥が減少したことが要因だ。また、住宅が高層化し、建材が変化し、土壁やモルタル壁が減り、泥が付きにくいタイルなどに替わった。また、家の軒先が狭くなったことも影響している。

 自然や環境の変化以外に、悲しくなるような要因もある。人が巣を壊してしまうのだ。巣の周りに落ちる糞、その臭いと雛たちの鳴き声を嫌い、人間が除去してしまうのだ。天敵であるカラスの増加の次に来る原因である。

 古来より、燕は農作物を食べる害虫を餌とすることから、益鳥とされてきた。また、春を告げる渡り鳥として、「巣を作ると商売が繁盛する」など、身近な鳥として親しまれてきたのに、である。多くの人々が燕を害鳥として見るようになってしまった。

 これが減少の大きな要因とは、寂しい限り。段ボールで糞よけを設置したり、蒲鉾の板などで巣台を作ったり、共存の知恵を絞りたいものである。 

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社エデュケーショナルネットワーク 二つのオンラインコンテンツで生徒と塾を後押し
  • 8 CatchUp2 株式会社ウイングネット 完全個別最適化に向けウイングネットが進化中
  • 10 CatchUp3 株式会社スタディラボ 約1年の実証販売を終えたスタディワンが本格始動
  • 12 CatchUp4 ワークスモバイルジャパン株式会社 集客と生徒・保護者対応の悩みはLINE WORKSで解決!?
  • 14 CatchUp5 リード進学塾 スピーディーかつきめ細やかな対応がうれしいFLENSの「School Manager」
  • 16 CatchUp6 株式会社ジーニアス 開校初年度から東北大に3名が合格! 高校部門の悩みを解決した東進衛星予備校
  • 18 CatchUp7 株式会社SmartWorx 幾多の塾を再生し続ける SmartWorXの学習塾向け営業管理システム「塾アゲ!」
  • 26 HOT TOPICS【特別取材】受験生の合否を分かつ「究極の面接」の実態に迫る!
  • 30 挑む私学 星の杜中学校・高等学校
  • 35 目次・巻頭言
  • 36 NEWS ARCHIVES
  • 64 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 65 【特集】教育ICT考2023 S/S〈前編〉
  • 92 TOP LEADER Interview 成すべきことは、多くの民間教育機関が 子供たちの未来のためにスクラムを組むこと。 株式会社 創造学園
  • 104 企業研究(125) 株式会社F学
  • 107 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(351)
  • 108 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(120)
  • 110 白書界隈徘徊話(98)
  • 112 自ら動き出すチームにする方法(104) 中谷彰宏
  • 114 塾の家計簿(72)
  • 116 シン・ジュクジン(18)
  • 117 芸術見聞録(118)
  • 118 わが子、就学中(26)
  • 119 塾長の机
  • 120 為田裕行の「教育ICT行」(98)
  • 121 10¹⁵ PETA(24)
  • 122 現代学習塾経営概論(2)
  • 123 Opinion from School(47)
  • 124 林明夫の「歩きながら考える」(213)
  • 126 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(49)
  • 128 私塾界インサイト(62)
  • 132 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(18)
  • 134 咲かせよ桜(99) 小林哲夫
  • 138 論点2023(6) Web3.0
  • 142 編集後記
  • 144 Book Review
  • 146 塾長のためのガジェット講座

 

月刊私塾界2023年4月号(通巻504号)

巻頭言

 人生は常に岐路に立っている。「やる/やらない」の。
「やる」に進めば、失敗のリスクがついてくる。「やらない」に進めば、成功を収めることはできない。
 進む道は勿論「やる」方向だ。たとえ失敗しても、次の「やる」に進む。再び失敗しても、「やる」に進む。そのように次から次へと「やる」道へ進む。「やらない」道へは決して進まない。
「やらない」方向に成功はない。「やる」方向には失敗もあるが、成功の可能性は常にある。成功確率がゼロか数パーセントかだ。答えは明白。確率が少しでもある方へ進む。
 しかし、人間は往々にして「やらない」方を選ぶ。失敗を恐れて。格好悪い姿を晒したくない。言い訳はさまざまだ。そして無限にある。だが、それでは成功を掴むことはできない。
 どんなに苦境に立たされても、「失敗しない道」ではなく、「リスクはあっても成功する確率がある道」を選んで、頑張り続けることが大切だ。
 このことはご自身の仕事、生徒たちの勉強にも言えることではないだろうか。
 この春、桜が咲いた生徒たちは怠け心や失敗の恐怖に果敢に立ち向かい、成功を収めたのではないだろうか。
 読者諸氏も間近に見た生徒たちから学び、常に「やる」を選択し、厳しい学習塾業界を突き進んでいただきたい。
 そのような読者を本誌は全力で応援していく所存だ。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社花形 続々と総合型選抜対策サービスを拡充「総合型選抜専門塾AOI」の展望を聞く
  • 8 CatchUp2 ネスグローバル株式会社 合格率100%を保証するネス英検塾
  • 10 CatchUp3 株式会社白沢プランニング 独自の取り組みを交え岡山・山陰に東進の存在価値を高める
  • 16 HOT TOPICS【特別掲載】大学入試問題は、なぜ、時代を映す鏡なのか?
  • 24 挑む私学 香川誠陵中学校・高等学校
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 58 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 60 【特集】オンライン座談会 私塾界Outsight
  • 72 Special Report SRJがオンラインセミナーを開催 付加価値をもたらす最強のツールを提供
  • 78 TOP LEADER Interview 「中学受験の先も伸びる地頭がいい子」を育てる。それが日能研の永遠のテーマ。 株式会社 日能研関東
  • 88 企業研究(124) 一般社団法人スポーツひのまるキッズ協会
  • 90 現代学習塾経営概論(新連載)
  • 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(350)
  • 92 疾風の如く(166) 学習塾WeeD(京都府) 代表 野田 宣之 さん
  • 94 For Whom the 塾 Tolls(23)
  • 96 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(119)
  • 98 白書界隈徘徊話(97)
  • 100 自ら動き出すチームにする方法(103) 中谷彰宏
  • 102 塾の家計簿(71)
  • 104 シン・ジュクジン(17)
  • 105 芸術見聞録(117)
  • 106 わが子、就学中(25)
  • 107 塾長の机
  • 108 為田裕行の「教育ICT行」(97)
  • 109 10¹⁵ PETA(24)
  • 110 1981(48)
  • 111 Opinion from School(46)
  • 112 林明夫の「歩きながら考える」(212)
  • 114 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(48)
  • 116 私塾界インサイト(61)
  • 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(17)
  • 122 咲かせよ桜(98) 小林哲夫
  • 126 論点2023(5) 活用進むチャットボット
  • 130 編集後記
  • 132 Book Review
  • 134 塾長のためのガジェット講座

月刊私塾界2023年3月号(通巻503号)

巻頭言

「合格おめでとう」の声に沸き立っていることと思う。
 新年度生募集も順調と推察する。
 最近ふと50年余り前のことを思い出し、少し調べた。それは、当時の世界的シンクタンク「ローマ・クラブ」から出された、或る報告書である。題して「成長の限界」(1972)。人類の未来に関して、次のように書かれている。「人類が、このまま成長を続けていけば、人口爆発、食糧危機、資源枯渇、エネルギー不足、環境破壊などの『地球規模の諸問題』によって、100年以内に、経済の成長は限界に達し、突然の制御不能な人口減少が生じるだろう」と。
 それから幾星霜。これら人類が抱えた課題は、解決の方向に向かっているだろうか。否、それどころか悪化の一途を辿っているようにさえ見える。
 では、人類は何もせず、手を拱いていたのだろうか。これも、否である。様々な改善策を採ってきた。多大な努力も払ってきた。しかし、どれ一つとして、解消する方向に進んでいる、とは言い難い。
 何故か。田坂広志多摩大学名誉教授は、「知の変革」が進まなかったからだ、と述べる。知のパラダイムシフトができなかったのである。
 学習塾の世界ではどうだろか。生徒の学力を、必ず上げることができるようになっただろうか。生徒募集は、常に上手くいくようになっただろうか。これら学習塾の根本的な課題は、何一つ解決する方向にないようにみえる。
 ここにも「知の変革」が必要である。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 明修塾+KEC Miriz 明修塾が小学生を集客できた理由「プロクラ」でプログラミングコースを提供  入試対策の可能性
  • 8 CatchUp2 郡山俊英スクール+スタディサプリ 高校生部門をスタディサプリで指導する郡山俊英スクール そのユニークな取り組みとは
  • 10 CatchUp3 株式会社木谷心館 新体制になったことで生徒の演習量も増え 社員同士のつながりも強化
  • 12 CatchUp4 株式会社ナガセ 東進が推進する情報教育
  • 14 CatchUp5 一般社団法人教育アライアンスネットワーク(NEA) 今年のNEAの展望 一塾ではできないことを共創する
  • 16 CathcUp6 株式会社明光ネットワークジャパン+株式会社サインウェーブ 英語の成績が悪くてもスピーキング力を高められるELST®
  • 22 挑む大学 北海道大学 北海道が抱える課題に挑み 大学としての経営力を高める
  • 28 HOT TOPICS ①【特別連載】これからの教育業界では学力の定義が大きく変わる(後編)
  • 32 挑む私学 京華中学・高等学校 好きなことに熱中できるのが男子校の醍醐味
  • 35 目次・巻頭言
  • 36 NEWS ARCHIVES
  • 64 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 65 【特集】株式公開企業塾2023年2・3月期 第3四半期決算を読む
  • 80 HOT TOPICS ② 注目の幼児教育「ハイスコープ・カリキュラム」に迫る
  • 86 TOP LEADER Interview 学習塾の存在価値を高めるために 公益社団法人 全国学習塾協会
  • 96 企業研究(123) 株式会社エジソンクラブ
  • 99 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(349)
  • 100 疾風の如く(164) スタディクラブ study-clubworks(埼玉県)代表 岡元 真人 さん
  • 102 For Whom the 塾 Tolls(22)
  • 104 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(118)
  • 106 白書界隈徘徊話(96)
  • 108 自ら動き出すチームにする方法(102) 中谷彰宏
  • 110 塾の家計簿(70)
  • 112 シン・ジュクジン(16)
  • 113 芸術見聞録(116)
  • 114 わが子、就学中(24)
  • 115 塾長の机
  • 116 為田裕行の「教育ICT行」(96)
  • 117 10¹⁵ PETA(23)
  • 118 1981(47)
  • 119 Opinion from School(45)
  • 120 林明夫の「歩きながら考える」(211)
  • 122 新・授業改革を目指して(131) 石川幸夫
  • 124 私塾界インサイト(60)
  • 128 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(16)
  • 130 咲かせよ桜(97) 小林哲夫
  • 134 論点2023(4) 大切なリードナーチャリング
  • 138 編集後記
  • 140 Book Review
  • 142 塾長のためのガジェット講座