巻頭言
「合格おめでとう」の声に沸き立っていることと思う。
新年度生募集も順調と推察する。
最近ふと50年余り前のことを思い出し、少し調べた。それは、当時の世界的シンクタンク「ローマ・クラブ」から出された、或る報告書である。題して「成長の限界」(1972)。人類の未来に関して、次のように書かれている。「人類が、このまま成長を続けていけば、人口爆発、食糧危機、資源枯渇、エネルギー不足、環境破壊などの『地球規模の諸問題』によって、100年以内に、経済の成長は限界に達し、突然の制御不能な人口減少が生じるだろう」と。
それから幾星霜。これら人類が抱えた課題は、解決の方向に向かっているだろうか。否、それどころか悪化の一途を辿っているようにさえ見える。
では、人類は何もせず、手を拱いていたのだろうか。これも、否である。様々な改善策を採ってきた。多大な努力も払ってきた。しかし、どれ一つとして、解消する方向に進んでいる、とは言い難い。
何故か。田坂広志多摩大学名誉教授は、「知の変革」が進まなかったからだ、と述べる。知のパラダイムシフトができなかったのである。
学習塾の世界ではどうだろか。生徒の学力を、必ず上げることができるようになっただろうか。生徒募集は、常に上手くいくようになっただろうか。これら学習塾の根本的な課題は、何一つ解決する方向にないようにみえる。
ここにも「知の変革」が必要である。
(如己 一)
目次
- 6 CatchUp1 明修塾+KEC Miriz 明修塾が小学生を集客できた理由「プロクラ」でプログラミングコースを提供 入試対策の可能性
- 8 CatchUp2 郡山俊英スクール+スタディサプリ 高校生部門をスタディサプリで指導する郡山俊英スクール そのユニークな取り組みとは
- 10 CatchUp3 株式会社木谷心館 新体制になったことで生徒の演習量も増え 社員同士のつながりも強化
- 12 CatchUp4 株式会社ナガセ 東進が推進する情報教育
- 14 CatchUp5 一般社団法人教育アライアンスネットワーク(NEA) 今年のNEAの展望 一塾ではできないことを共創する
- 16 CathcUp6 株式会社明光ネットワークジャパン+株式会社サインウェーブ 英語の成績が悪くてもスピーキング力を高められるELST®
- 22 挑む大学 北海道大学 北海道が抱える課題に挑み 大学としての経営力を高める
- 28 HOT TOPICS ①【特別連載】これからの教育業界では学力の定義が大きく変わる(後編)
- 32 挑む私学 京華中学・高等学校 好きなことに熱中できるのが男子校の醍醐味
- 35 目次・巻頭言
- 36 NEWS ARCHIVES
- 64 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 65 【特集】株式公開企業塾2023年2・3月期 第3四半期決算を読む
- 80 HOT TOPICS ② 注目の幼児教育「ハイスコープ・カリキュラム」に迫る
- 86 TOP LEADER Interview 学習塾の存在価値を高めるために 公益社団法人 全国学習塾協会
- 96 企業研究(123) 株式会社エジソンクラブ
- 99 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(349)
- 100 疾風の如く(164) スタディクラブ study-clubworks(埼玉県)代表 岡元 真人 さん
- 102 For Whom the 塾 Tolls(22)
- 104 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(118)
- 106 白書界隈徘徊話(96)
- 108 自ら動き出すチームにする方法(102) 中谷彰宏
- 110 塾の家計簿(70)
- 112 シン・ジュクジン(16)
- 113 芸術見聞録(116)
- 114 わが子、就学中(24)
- 115 塾長の机
- 116 為田裕行の「教育ICT行」(96)
- 117 10¹⁵ PETA(23)
- 118 1981(47)
- 119 Opinion from School(45)
- 120 林明夫の「歩きながら考える」(211)
- 122 新・授業改革を目指して(131) 石川幸夫
- 124 私塾界インサイト(60)
- 128 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(16)
- 130 咲かせよ桜(97) 小林哲夫
- 134 論点2023(4) 大切なリードナーチャリング
- 138 編集後記
- 140 Book Review
- 142 塾長のためのガジェット講座