お知らせ
2019年1月10日学習塾白書の最新刊である「学習塾白書2018」は1月17日(木)より順次発送させていただきます。
ご注文は下記のリンクよりお申込用紙をダウンロードいただき、FAXにてお願い申し上げます。2019年1月31日までにお申し込みの方に限り、早期申込特別価格もご用意しておりますので、どうぞお早めにご注文下さい。
過去の学習塾白書はこちら
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データを重視したマーケティングに定評があるミツカンがユニークな取り組みを実施している。味覚のリサーチに特化した専門部署「味確認室」を立ち上げ、「おいしさ」や品質を高めることを目的とし、商品開発につなげる。
マーケティングリサーチを数多くやってきたが、「調査に頼るだけでは限界がある」と感じ始めていたことが、部署設立の背景にあった。リサーチ結果を集約して商品開発をすると、どうしても平均的な味になってしまう。更に消費者が求める傾向も、「簡単・便利・手間がかからない」といった比重が高くなり、おいしさへの関与度が低くなるという問題意識もあった。
そのような消費者に寄り添おうとすると、メーカーとしては、「より安くつくれる方でいい」という結論に陥りがちだ。それを防ぐために、味のプロフェッショナルである料理人に学ぶ姿勢が必要ではないか、と考えた。
味確認室は1名の専任課長と18名の室員から成る。課長は4年間で1500軒もの店を回る。室員は研究所と兼務の技術者であり、一人ひとりが味についてのテーマを持つ。彼らをそのテーマに合致した店へ同行し、自ら料理を味わい、料理人から説明を受ける。最近は「修行」と称して、半年間その店の厨房に入るという。まさに足でかせぐ、アナログな研究に立ち返ったのである。
これを学習塾に翻訳するとどうなるのであろうか。是非考えていただきたい。同業他社から学ぶことは多いが、異業種に学ぶことも重要である。
(如己 一)
早いもので、今年も残すところ二ヶ月。冬期講習の計画や、間もなく始まる入学試験へ向けたラストスパートの準備に余念がないことと思う。早いところでは、中学受験コースを中心に生徒募集を開始する学習塾もあろう。
ところで、次年度の計画はできているだろうか。そこには何か新たな事柄、変化、発展が描かれているであろうか。
某チルド・スイーツの大手メーカーでは、毎年新製品を開発することは勿論であるが、既製品も絶えず改良している。売れている既製品には愛好者も多いため、何かわからないが少し美味しくなった、と感じてもらえるように改良を加えているという。そして、それを繰り返えしている、と。
一方で、創業当時から何十年、何百年と同じレシピで、変わらぬ味を提供する老舗がある。どちらも大変重要なことだ。
この二つの事柄は、いつの時代も、どの業種も、企業規模に関係なく当てはまる。
貴塾では如何であろうか。何を変えて、何が不変であろうか。よもや十年一日の如く同じことを繰り返してはいまい。毎年同じ教材、同様のカリキュラム、そして教え方をしているのであろうか。それでは進歩はない。
しかし、同じ時間割、何年も変わらぬ授業分数で授業をしている学習塾が多く見受けられる。如何なものか。
教育理念や経営理念の太い幹がしっかりしていないと、変化を齎すことができない。貴塾の次年度計画や如何に。
(如己 一)
8月末大曲の花火へ行ってきた。
大曲の花火大会は、その正式名称「全国花火競技大会」が示す通り、純粋に競技大会である。全国150社あまりから厳選された30社以下――今年の第92回大会は27社――が、1年かけ作製し、花火をつくった本人が自らの手で打ち上げる。花火の種目は昼花火の部と夜花火の部に分かれる。昼花火は全国でもここ大曲にしか残っていないが、昔から花火通の粋人が好むものだそうだ。夜の花火は光を楽しむが、昼花火は色煙(紅、黄、青、緑、紫など)を駆使して色彩豊かに空に模様を描く。
夜花火の部は、10号玉・芯入割物の部、10号玉・自由玉の部、創造花火の部の三部門に分かれる。芯入割物とは、同心円状に真円を描く菊型花火のことであり、競技では四層以上の円を描くと規定されている。自由玉の部は、芯入割物と重複しないもので、冠菊、千輪などがあり、花火師の意図が色彩や形に現れる。創造花火の部は、花火の題名にイメージを表現し、音楽に合わせて打ち上げる。色彩、リズム、立体感、構成などを、創造性と独自性から審査される。
細かく規定され、厳格な統一ルールの基審査される。1910年から続く伝統的花火大会だが、創造花火の部などに見られる通り、常に新機軸を打ち出している。
学習塾にも次々新機軸が持ち込まれる。AIを用いたアダプティヴラーニングや英語四技能などだ。伝統的に生徒の成績を上げることを守りながら、新たな技術、方法にチャレンジする。それがなければ未来はない。
(如己 一)
地域、学校、そして同業者からも支持される柏の塾
話すだけではない4技能をバランスよく学べるオンライン英会話講座
「FLENS算数特訓」を軸に据えた小学部のカリキュラム改革
英語と最先端のIT技術を学べる大学がカンボジアに
株式会社学研塾ホールディングス
持続的な発展の礎を創る、新たな3年へ。
妙な事件が起きた。
今年6月に新たに導入された日本版「司法取引」の第一号事案である。タイの発電所建設をめぐる贈賄事件で、東京地検特捜部が大手発電機メーカーの元役員ら3人を、外国公務員に賄賂を贈った不正競争防止法違反で在宅起訴した。
この事件は、内部告発をきっかけに社内調査を進めた結果、会社側が不正を把握。会社自らが東京地検特捜部に申し出て、捜査協力の見返りに、不正競争防止法による会社への刑事訴追を免除された。
司法取引の本来の趣旨は、企業や組織の犯罪捜査において、社員などを免責する代わりに「巨悪」をあぶり出すことにある。しかし、この事案では反対のことが起きた。企業が自らを守るために、社員を「売った」のである。
冒頭に妙な事件と記したが、実は衝撃的な案件である。日本型雇用慣行の下では、終身雇用を前提に、会社が社員を守ってきた。総会屋事件、談合事件等々みなそうだ。最後まで面倒をみてくれることを前提に、社員は会社のために法を犯した。しかし、この事件は会社が社員を守らなかったのだ。
新卒一括採用、終身雇用、年功序列賃金をはじめとする、崩れつつある日本型雇用慣行の終焉を迎える引き金となるかも知れない。
自塾には関係ない。そんな声が聞こえてきそうだ。しかし、それは違う。日本型雇用慣行の終焉は、女性や障がい者の雇用、同一労働同一賃金など様々な労働法制の導入や雇用環境の変化へと続く。それらはどの学習塾にも多大な影響を及ぼす。
(如己 一)
アネムホールディングスの新たなICTソリューション
東証1部上場、さらなる教育ICT化の促進に期待。
スーパーシニアが現れた。若宮正子さん。御年82歳。17年6月、アップルが主催する世界開発者会議に、世界最高齢女性開発者として招待された。ティム・クックCEOも認めるアプリ開発者だ。
16年秋からiPhoneアプリの開発を始めたが、プログラミングのスキルを持っていた訳ではない。開発するゲーム・アプリのイメージが明確だったため、それに必要な技術だけに絞って、書店で購入した本で独学した。80歳を過ぎてからのことだ。翌年2月にアプリ「hinadan」が完成。以来8万件以上もダウンロードされる。
彼女がパソコンを使い始めたのは60代に入ってから。セットアップに大苦戦し、パソコン通信できるようになるまで3カ月を要す全くの初心者であった。その彼女がたった半年で開発した初めてのアプリがヒットしている訳である。
更に今年2月、国連に招かれ、英語でデジタル技術と高齢者についてスピーチした。英語を本格的に学習し始めたのは40歳を越えてから。生涯学習を地で行く。
プログラミング学習や英語4技能習得に関し、先取りで講座を導入している諸氏も多いことと思う。AI(人工知能)関連のエンジニアの大幅な不足が予測され、グローバル化による英語の重要性は高まるばかりだ。
21世紀型能力が示されて久しい。それに基づく改革が進む。来たるAI社会に備え。
若宮さんは語る。「AIが台頭する時代が本格的に到来した時に求められるのは『人間力』にほかない」と。これを読者諸氏はどのように捉えるか。
(如己 一)
乱立する塾ポータルサイトに、斬新な料金システムを導入
英語とプログラミングを国内留学で学ぶ
世界90カ国から学生が入学する、立命館アジア太平洋大学
無限の可能性を引き出す新しい学びの場2019年春開校へ
私塾界リーダーズフォーラム 2018
第1部【トークセッション】未来の教室実現に向けたEdTechの活用法
第2部【トークセッション】英語コース開講のソリューション
第3部【ショーケースセッション】
東京都心部で八百屋をチェーン展開する企業がある。「旬八青果店」を運営するアグリゲートだ。
1976年全国に6万6千カ所以上あった野菜・果実小売業者は2014年には4分の1以下の1万5千余カ所まで減少。更にコンビニやドラッグストア、そしてECサイトでも青果物に力を入れている環境下で、である。
立地は郊外の住宅地ではなく、品川区や港区などの都心部だ。
1店舗当たり売上は多く、10㎡以上20㎡未満の青果店の1日の売上高平均は約5万6千円(商業統計14年)だが、旬八青果店は平均で2倍、中には20万円を売り上げる店もある。しかも利益率も高い。通常の青果店の粗利は25~30%程度だが、旬八青果店の粗利は50%程度もある。これまでの青果店は仕入れ値に利益をプラスして売価を決めていたが、最初に売価を決めている。買う側の立場を最優先する。そのために仕入れルート、流通などに工夫を凝らす。また、どの商品がいくらで売れたかの単品管理を徹底し、仕入れに活かしていることも特徴だ。まさにマーチャンダイジングである。
15年程前、筆者は学習塾の業態も出尽くしたのではないかと思った。ところがどうであろう。次から次へと新フォーマットが出て来る。最新技術を取り入れたものもあれば、ローテク、ハイタッチのものもある。今後も更に多くのフォーマットが開発される勢いだ。
是非一度旬八青果店の店頭を覗いて欲しい。並んでいる野菜、価格、売り方、接客と新発見必定である。
(如己 一)
仕事柄インターネットで様々な物事を検索し、調べる。皆さんの学習塾の情報を得るためにも、まず最初にネット検索する。ところが見つからないケースが多々ある。ウェブサイトを持たない学習塾が結構あるようだ。
野村総研や経産省が示すデータによると、中小企業のウェブサイト保有率と従業員1人当たりの平均売上高には正の相関があるとのこと。にもかかわらず中小企業の保有率は3割程度に過ぎない。
ウェブサイト制作は自らでもできるソフトが沢山あり、維持費も安価で済むものが多数ある。
よく見かけるサイト製作の典型的誤りは、塾長自らは、ウェブは分からないので担当者を決め丸投げし、出来上がったサイトに対し、自分が分かることだけに注文をつけることである。それらを受け入れると、どうしても中途半端なものが出来上がる。これを防ぐにはコンセプトを明確にしコンテンツを作り込み、集客に繋げることである。自塾のことを最も理解しているのは塾長自身なのだから、コンテンツは自ら作成した方がより良いものができる。
また、中小企業の販促分配率が1%に満たないという調査結果がある。一部上場企業のそれは5~10%、「学習塾白書2017」にも「基準値は6%」とある。この彼我の差は一体何なのだろうか。
先行投資無きところに発展は無い。広告宣伝費も先行投資のひとつだ。読者諸氏のところではどのようになっていようか。是非点検して欲しい。そして投資して欲しい。
(如己 一)
博報堂買物研究所が新たな消費トレンド予測を発表した。その名も「選ばない買物」。
70年代までの高度経済成長期は「揃える買物」。三種の神器、3Cなどだ。80年代から90年代前半までは「憧れる買物」。DCブランド、海外ショッピングなど。90年代後半から00年代は「賢い買物」。デフレ基調下、コストパフーォマンスを重視し、ネットやそこでの価格比較サイトなど利用した買物である。そして、これからは「選ばない買物」。
27の商品カテゴリーを「任せたい・面倒な買物」なのか、「自分で選びたい買物」なのか。更にその商品に関心があるかないかで、4象限に分類する。自動車や住宅などの高額品は、「関心高く、自分で選ぶ」に入る。「関心高いが、面倒・お任せ」の象限に、旅行・交通や金融商品などに交じって教育・学習教材が入る。
この調査は、20歳から69歳までの男女約千人を対象としたものなので、教育・学習教材が即学習塾という訳ではない。但し、このトレンドには注意が必要だ。
もう一つ最近の流れを挙げる。
新卒社員の3割が入社3年目までに退職すると云われるようになって久しい。ところが、1年以内に辞める人が増えている。転職サイトを見れば、「我慢してやる気が更に下がるくらいなら、早く辞めて次の仕事に就く方が幸せになれる」など早々の転職を促すような文字が躍る。
「石の上にも三年」ではないのだ。
世の中の変化に敏感なアンテナを立てよう。
(如己 一)
新年度生募集は如何だろうか。そろそろ結果が判明する時期が来る。何か例年との相違があるだろうか。
今、市場規模拡大中の回転寿司業界で大きな変化が起きている。
回転寿司業界ではこの数年、ラーメンに力を入れたり、シャリを酢漬け大根にし、糖質オフを売りにしたりと、所謂「変わり種競争」が激化していた。ところが、業界首位を走るスシローが矢継ぎ早の施策を繰り出している。昨年9月、業界5位の元気寿司と経営統合を前提に資本提携し、売上規模で2位のくら寿司の1・6倍となる。更に11月からは、市場などの中間業者を介することなく、その日獲れた魚介類を直接店に配送する仕組みを導入した。新鮮な天然物を提供し、「いいものを食べたい」と思う客を満足させる、高付加価値商品に力を入れる。鮨本来のネタで勝負する。原点回帰である。
読者諸氏の学習塾では、どのような変化があるだろうか。新たな取組は如何か。
学習塾の基本である、成績を上げるための取組や生徒の自己実現をどのように図っているのであろうか。教材やカリキュラムを改善したり、講師研修を強化しているのであろうか。ICTを導入しているところもあるであろう。プログラミング学習、英語四技能強化、アクティブ・ラーニング等々、様々な新たなシステムが試みられている。
ここで一旦立ち止まり、原点回帰を考えようではないか。学習塾の原点とは何か、今一度振り返ってみよう。
(如己 一)