Category: 塾ニュース|地域教育

熊本テクノセンターにて初の高校教職員向け半導体研修を実施

 日研トータルソーシング株式会社(東京・大田区)は、2月13日、14日の2日間にわたり、熊本テクノセンターにて、熊本県の県立高校の教職員21名を対象に、日研トータルソーシング初の教職員向け半導体研修を実施した。

 熊本県内では、TSMCの工場増設など、半導体関連工場の新設・増設が相次ぎ、半導体関連の人材不足が課題となり、大学や高等学校と民間企業の連携による人材育成の動きが加速している。
 日研トータルソーシングは、より多くの人に、質の高い教育・研修を実施するため、2023年3月に熊本テクノセンターを「半導体教育」に特化した研修施設として拡張移転し、主にエンジニアの育成に取り組んできた。
 また、同年11~翌年1月には、熊本県教育委員会の協力のもと、熊本県立玉名工業高等学校の生徒に向け、熊本テクノセンターへの企業訪問、同校でのエンジニア派遣実習を実施するなど、様々な取り組みを実施してきた。

 産学連携を進める中で、熊本県教育庁より半導体関連産業の進路指導に対する要望があり、より取り組みを強化したいとの想いから、日研トータルソーシング初の熊本県内高等学校の教職員向けの半導体研修の実施に至った。

岩手県内初の「子ども第三の居場所」「つつみterrace」開所式を実施

 社会福祉法人堤福祉会(岩手・大槌町、芳賀 潤 理事長)は、日本財団の「子ども第三の居場所」事業の採択を受け、2月3日(土)に家でも学校でもない子どもの新しい居場所として「つつみterrace」を開所し、同日開所式を執り行った。なお、「つつみterrace」は、「子ども第三の居場所」事業において岩手県内初の拠点となる。

 開所式には、菊池 学 大槌町 副町長、松橋 文明 大槌町教育委員会 教育長、社会福祉法人堤福祉会 芳賀 潤 理事長など関係者が出席。堤福祉会 芳賀 潤 理事長は挨拶にて、「岩手県で初の拠点となる“つつみterrace”。子どもたちはもちろんだが、子どもたちが使わない時間はお年寄りらが集う場にも活用でき、多世代つなぐ地域みんなの居場所にしたい」と決意表明された。

 その後、テープカットを行い地域の皆様とともに、地域みんなの“居場所”である「つつみterrace」の開所を祝った。開所式の後は、岩手県男性保育士連チーム「ファンタジスタ」の皆様をお迎えしステージイベントを行った。晴天の中、子どもたちや保護者の皆様も一緒に体を動かし大いに盛り上がり、笑顔あふれる開所式となった。

 子ども第三の居場所「つつみterrace」では、子どもたちと高齢者の交流や地域のだれでも利用できる地域食堂の設置など、子どもたちの地域で子どもを見守る場だけでなく、子ども、児童、生徒、子育て世代、親を介護する世代、高齢者、介護を受ける世代、多世代をつなぐ地域みんなの居場所づくりを目指し、同エリアが抱える課題を解決していく。

今後のイベント予定
・「春休みつつみキッチン」  期間:3月18日~
・「春Café」        期間:桜が見ごろを迎えたころ
※イベント詳細はつつみterraceのInstagramへ。
アカウント:@TSUTSUMITERRACE2023

施設概要
施設名:つつみterrace
所在地:岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里 2-2-3
対象者:吉里吉里地区住民(放課後は小学生1.2年15名程度)
開所日時:月曜~金曜(10:00~18:00)
スタッフ:常勤職員1名、非常勤1名
HP:http://tsutsumifukushikai.jp
SNS:Instagram/@TSUTSUMITERRACE2023

ふくおか中央高等学院が2024年4月福岡市博多区に開校

 通信制高校サポート校「ふくおか中央高等学院」(福岡市・博多区、吉村 久朋 代表理事)は、2024年4月に福岡市博多区での開校を決定した。同校の母体である中央高等学院は長年にわたってサポート校を運営している。全国の教育事情や入試関連の豊富な情報や、30年を超える塾での生徒指導実績を活かし、福岡県に住む生徒たちの教育支援をしていく。

 中央国際高等学校福岡学習センターであるふくおか中央高等学院は、通信制高校の生徒が単位修得などをスムーズに行えるようサポートしていく民間の施設。
 2013年創立の学校法人「中央国際高等学校」の学習等支援施設として2024年に開校したサポート施設。卒業率99パーセント、留年をせずに確実に高校卒業・進級できる学校として実績を収めてきたその実績と指導体制を基盤として、ふくおか中央高等学院も万全の指導体制を整えている。 博多駅から徒歩1分。

福島県教育委員会とInspire Highが、不登校児童生徒や県立学校生徒のウェルビーイング実現に向けた連携協定を締結

 EdTech教材を提供する株式会社Inspire High(東京・千代田区、杉浦 太一 代表)と福島県教育委員会は、不登校児童生徒や県立学校生徒のウェルビーイング実現に向けた連携協定を締結した。「Inspire High」のプログラムを活用し、キャリア観の醸成と探究的な学びの実現を目指す。

 少子高齢化により児童生徒数全体が減少する中、小中学校における不登校児童生徒の数は約30万人と過去最多を記録した。文部科学省では令和5年3月31日に誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策「COCOLOプラン」を取りまとめ、「不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える」こととしている。

 福島県でも、令和5年度から「不登校児童生徒支援センター(通称:roomF)」を立ち上げ、県内の小中学生を対象にICTを活用したオンライン等による支援を行っており、学習コンテンツの整備が望まれている。また、総合的な学習(探究)の時間において、ICTを活用することで「時間と空間を超えた新たな学びの実現」を目指している。

 Inspire Highは、世界とつながる探究的な学びを手軽に教室やオンラインで実践できるプログラムだ。世界中の多様な大人の生き方や価値観、仕事、社会課題に触れ、毎回出題される「答えのない問い」に挑戦することで、自己理解や表現力を養い、全国の10代と意見や価値観を共有することで他者を知る心も育む。主に中学校・高校で「総合的な学習(探究)の時間」「道徳」や、キャリア教育・SDGs教育などに幅広く利用されている。

 今回の連携でInspire Highのプログラムを「roomF」に導入することで、不登校児童生徒が社会とつながり、自身のキャリアについて考えるきっかけを作る。また、県立高校にも導入を推進し、高校でのキャリア教育を充実させると同時に、義務教育段階から高等学校段階まで切れ目なく活用することで、個別最適化された支援及び一人ひとりのウェルビーイングの実現を目指す。

■連携協定における取り組み
(1)県内公立学校に在籍する不登校児童生徒を対象とした「roomF」にInspire Highを導入
(2)Inspire Highを活用した県立学校におけるキャリア教育の充実
(3)義務教育段階から高等学校段階までのInspire Highの切れ目ない活用による、個別最適化された学びの実現
(4)導入校へのサポートや、導入効果測定

埼玉県越谷市 学校教育に特化したサブサイトGIGAKOSHIGAYAがオープン

 越谷市では、GIGAスクールをはじめとした学校教育のICT取り組みの周知や教育相談に関する情報発信を行うサイトをオープンした。学校教育のICTや教育相談の情報を集約したサブサイトは県内初となる。今回のサイト開設をきっかけに、より良い学校教育を展開していく。

①本人も保護者もアクセスしやすいサイト
 学校教育のことで相談したいけれど、どこに相談したらよいかわからない。そんな保護者・子供それぞれのための専用ページを用意している。

②学校教育のICTが丸わかり
 GIGAスクールに関する市の取り組みから、配布されたipadのバージョンアップ方法など、幅広くICTに関する情報を掲載している。

③市内44小・中学校のホームページにアクセスできる
 各小・中学校のホームページにアクセスできるポータルサイトとしての機能を備えている。

④スマホで見やすいレイアウト
 スマホ世代をターゲットにしているので、スマホだと表示崩れを起こしがちな横長の表や容量の大きい添付ファイルをなるべく使用せずページ内で説明が完結するようなコンテンツ作成を心がけている。

越谷市公式ホームページのサブサイトとは
 いつものホームページをメインサイト、各事業に特化したサイトをサブサイトと位置づけ、市民がより便利でアクセスしやすいホームページ運営を目指している。

教育センター所長コメント
 越谷市では、昨年の9月14日から「オンラインおあしす」という不登校児童生徒向けのオンライン教室を開設した。また、専用回線によるSINET接続によりICTによる学習支援環境が飛躍的に向上した。教育分野におけるICTの利活用は喫緊の課題だ。越谷市の学校に通っていてよかった、通ってみたいと思える学校教育を目指す。

WIDE 佐賀県内における部活動の地域移行支援を目指し、九州電力株式会社と業務連携契約を締結

 株式会社WIDEは、九州電力株式会社(福岡市、池辺 和弘 代表取締役社長執行役員)と、2月14日(水)に業務連携契約を締結した。

 少子化や働き方改革など、部活動を取り巻く環境が変化しているなか、中学校における部活動の段階的な地域移行や合理的で効率的な部活動の推進が求められている。株式会社WIDEは、子どもたちがスポーツをする環境の向上を目的として、部活動指導者と教育機関を繋げるマッチングサービス「sukusupo」を佐賀県内の部活動の現場へ提供している。
 一方、九州電力は、学びを通じたまちづくりを目的として、文化・芸術活動を中心とした習い事のマッチングサービス「おけいこタウン」を九州各地で展開している。
 今回、両社は「sukusupo」と「おけいこタウン」を活用し、多様なスポーツ・文化活動の機会を子どもたちに提供することで、佐賀県内における部活動の地域移行支援に取り組むことを目的として、契約締結に至った。

 今後、佐賀県内において、部活動の地域移行支援を目的に、両社は多様なスポーツ・文化活動の機会を子どもたちへ提供する。具体的には、地域の講師と生徒のマッチングを促進すべく、「sukuspo」の運動系活動に関するノウハウ及び「おけいこタウン」の文化系活動を融合したウェブサイトを運営し、有益な情報を提供する。

 両社は、各地域の学校等と協力した運営体制を築き、子供たちの志向に応じ、主体的に「知る」「選択できる」環境構築を目指すとともに、それが賑やかなまちづくりにつながることを目指していく。

Classiと秋田県立秋田中央高校が共催で高校生による探究の発表会を実施

 SchoolTech事業を展開するClassi株式会社(東京・新宿区、加藤 理啓 代表取締役社長)は2024年2月17日に秋田県立秋田中央高等学校(秋田市、水谷 佳延 校長)と共催で「秋田県 高校生探究発表会」(後援:秋田県教育委員会・株式会社秋田銀行)を実施する。

 秋田中央高校は「躍進」という独自の学校設定科目で2022年に「総合的な探究の時間」が新設される以前から校内にて探究活動を実施し、県内唯一のSSH(正式名称:スーパーサイエンスハイスクール)指定校として科学に関する探究の取り組みを数多く実践している。また、Classiは「子どもの無限の可能性を解き放ち、学びの形を進化させる」という企業ミッションのもと、2022年から学校同士が集まる探究発表・交流の場作りに携わってきた。

 探究学習の実践に知見を重ねてきた秋田県立秋田中央高校と、子どもの可能性開拓に寄与する機会の提供に想いを持つClassi株式会社が、秋田県高校生の探究の成果発表の機会、生徒が所属高校を越えて学べる機会を創出すべく協議を重ね、秋田県教育委員会と秋田銀行の後援もいただきながら、今回「秋田県 高校生探究発表会」を開催する。

▼プログラム内容

  • 実施概要
    県内の高校7校(高校生104名・先生23名)が参加し、プレゼンテーションとポスターセッションの形式で、県内の地域課題やグローバル人材の育成、サイエンスなどをテーマにしたそれぞれの取り組み内容を発表する。
  • 目的
    探究活動を通じて、学校を越えてお互いに学び合い、フィードバックを受けることで、さらなる学びに繋げる場を設ける。
    将来、自立した社会人として、県の内外において、ふるさとと関わりをもちながら、自らの志や目標に向かって明るくたくましく生きていくための探究心と協働力を共創する。
  • 日時
    2024年2月17日 13時〜16時13:00 開会式 13:30 発表(コンテスト部門・ポスター部門)15:15 セミナー(生徒向けミニ講演・先生向けセミナー)16:00 表彰・閉会式16:30 終了

    主催 秋田県立秋田中央高等学校 Classi株式会社後援 秋田県教育委員会 株式会社秋田銀行

・参加校(50音順)

県立秋田中央高等学校(秋田市)

県立秋田南高等学校(秋田市)

県立新屋高等学校(秋田市)

県立角館高等学校(仙北市)

県立金足農業高等学校(秋田市)

県立由利高等学校(由利本荘市)

聖霊女子短期大学付属高等学校(秋田市)

参加人数:高校生104名・先生23名 合計:127名 (2/5時点)

・内容
┗コンテスト部門:各学校1テーマずつ探究のプレゼンテーションを行います

【サイエンス部門】

県立秋田中央高校「水や石鹸を使わない手の殺菌方法」

県立秋田南高校「バイオ医薬品の可能性と薬価削減への改善策」

県立角館高校「温泉の成分を利用して化粧水や塗り薬を作ろう」

県立由利高校「精油および植物成分入りアルコールの抗菌効果の比較」

【グローバル&ローカル部門】

県立新屋高校「少子高齢化地域においての保育の質」

県立金足農業高校「しょっつる革命!」

聖霊女子短期大学付属高校「生きた英語を話せるようになるための大学入試制度・形式とは ~グローバル人材育成のための授業の考案~」

*優秀チームには、明日へ躍進賞、秋田の未来賞、オリジナリティ賞が授与されます。

┗ポスター部門:オープン参加で探究のプレゼンテーションを行います

【発表グループ(A)】

県立秋田中央高校「日本がドイツにGDPを抜かれないようにするには」

県立秋田中央高校「圧電素子の性質」

県立新屋高校「『米粉』~小麦粉から米粉へ~」

県立新屋高校「企業が保つ力〜起業体験プロジェクトから学んだこと〜」

県立角館高校「地域の伝統野菜を若い世代に継承させるには?」

聖霊女子短期大学付属高校「食品ロスを減らすには?~野菜くずを活用してバランスの良いレシピを考案する~」

【発表グループ(B)】

県立秋田中央高校「秋田県はジェンダーレスか?〜若い女性が秋田に定着するためには〜」

県立秋田中央高校「いぶりがっこを守れ!」

県立秋田南高校「集団がもたらす心理現象とその対処法」

県立新屋高校「笑顔100%おいしさ100%の株式会社SOURIRE

〜in 起業体験プログラム〜」

県立新屋高校「お団子から生まれる絆~起業体験プログラムを通して~」

聖霊女子短期大学付属高校「今、見ている海の姿ではなく、本来の海の姿を将来の子供たちに見せるために」


【発表グループ(C)】

県立秋田中央高校「世界一英語が上手な国がオランダといわれているのはなぜか」

県立秋田南高校「真のグローバル人材とは何か」

県立新屋高校「TAMAKON&TAMAGONで深まる1−Bの団結力 〜これからの進路選択へ〜」

県立角館高校「武家屋敷にホタルを飛ばそうⅢ」

聖霊女子短期大学付属高校「どうしたらカンボジアの子供たちが質の高い教育を受けることができるか」

【発表グループ(D)】

県立秋田中央高校「海洋プラスチックごみ問題への挑戦~環境教育教材開発のための基礎調査~」

県立秋田中央高校「世界の取り組みから学ぶ秋田の再生可能エネルギー開発」

県立新屋高校「成功を創り上げる難しさ~起業体験プログラムを通して~」

県立角館高校「田沢湖にクニマスは復活できるかⅢ」

聖霊女子短期大学付属高校「日本とカンボジアの教育課題に苦しむ人々のために私たちが出来ることは?」

・セミナー

【生徒向け講演】

「課題解決のために自身が切り拓いた道」 

一般社団法人Sail On Japan 代表理事 奥 真由美氏

【先生向けセミナー】

「ICTを活用した探究学習の指導と事例紹介」

Classi株式会社 石川翔一

その他:参加者全員にClassi賞を参加賞として提供いたします

・審査員(50音順)

相庭 利成氏  株式会社秋田銀行・地域価値共創部 部長

小笠原 博信氏 株式会社秋田今野商店・技術部技術次長

柴田 登志継氏 石油資源開発株式会社・秋田事業所 操業部 部長

嶋崎 真仁氏 秋田県立大学・経営システム工学科 教授

高橋 大氏 秋田県教育委員会・指導主事

寺田 耕也氏 株式会社 Local Power・代表取締役社長

藤田 豪氏 国立大学法人秋田大学・客員教授/株式会社MTG Ventures・代表取締役

光村図書 相模原市のデジタル教科書と学習データの活用に関する共同研究成果を発表

 光村図書出版株式会社(東京・品川区、吉田 直樹 代表取締役社長)と、相模原市教育委員会、ネットワンシステムズ株式会社(東京・千代田区、竹下 隆史 代表取締役 社長執行役員)、大日本印刷株式会社(東京、北島義斉 代表取締役社長)、放送大学学園(千葉市、岩永 雅也 学長)は2024年1月30日(火)に、相模原市教育委員会におけるデジタル教科書を活用した共同研究事業の研究成果を発表した。

 この共同研究の成果として、デジタル教科書を活用した授業では、児童生徒の主体的な活動時間と対話を行う活動時間が確保されたことが明らかになった。また、児童生徒の思考時間が増え、考えを可視化することで意見の交流活動が活性化したこともわかった。

令和4年度共同研究の概要と目的
 2019年12月に閣議決定されたGIGAスクール構想により、1人1台のタブレットPCおよび学校の高速通信回線の整備が進んでいます。ICTツール等を活用した「教育現場におけるDX化」、「教育の情報化」が加速する中で、「デジタル教科書」が令和6年度に本格導入される。これに先立ち、「相模原市教育委員会・ネットワンシステムズ株式会社・大日本印刷株式会社・光村図書出版株式会社・放送大学学園(中川一史研究室)による、「授業中のデジタル教科書の成果物・テスト結果等のデータを用いた指導と評価に関する授業実践共同研究」に、2022年4月から2023年3月まで取り組んだ。デジタル教科書を活用した授業方法を開発し、相模原市の小・中学校で実証を行った。
 この共同研究の目的は、デジタル教科書や、授業支援ツール等を用いた授業を通じて、教員の授業・指導方法の開発や評価改善の研究。加えて、収集した学習履歴データの活用や児童生徒の主体的に学習に取り組む態度の育成につなげることも目的としている。

令和4年度共同研究の成果
 共同研究の成果として、デジタル教科書を活用した授業では、児童生徒の主体的な活動時間と対話を行う活動時間が確保されたことが明らかになった。
 黒板の内容をノートに書き取る時間が減ることで、授業中の児童生徒の思考時間が増えた。それにより、自分の考えをデジタル教科書や授業支援ツール上で整理することができる時間も生まれ、その結果、お互いの意見を交流させる活動が活性化した。また、デジタル教科書や「マイ黒板(本文抜き出し機能)」への書き込みが、デジタルデータとして残ることで、個人の学びの過程が可視化された。この書き込みや「振り返りシート」を学習成果物と捉え、それらをデータとして蓄積・可視化することで、児童生徒が自ら学習を分析し、自己調整する能力の育成につながる。
 実証授業に参加した中学生からのデジタル教科書への評価は高く、87%の生徒から、学習に取り組みやすくなったという回答があった。

■相武台中学校の生徒(31名回答)のデジタル教科書の評価
Q1.本文への書き込みやマイ黒板を利用し学習に取り組みやすくなった。
・「そう言える」+「どちらかと言えばそう言える」:27人
・「変化はない」+「紙の教科書、ノートの方がそうだった」:4名

Q3.デジタル教科書を使用することで自分の考えを整理し、表現しやすくなった。
・「そう言える」+「どちらかと言えばそう言える」:25人
・「変化はない」+「紙の教科書、ノートの方がそうだった」:6人

 加えて、教育現場におけるデジタル教科書をはじめとするICTツールを用いたデータの収集・活用には、安定した通信環境が必要不可欠であるため、教育現場でのネットワークインフラ基盤は重要な役割を担うと言える。

共同研究の手法(サマリー)
1.デジタル教科書を活用した授業方法の開発
 令和4年度の研究では、実証授業前に教員と研究メンバーで指導案を検討し、児童生徒の主体的な活動時間や対話を行う活動時間の確保を意識した指導案を作成した。その上で、学習者用デジタル教科書の操作方法や活用方法について、教員と児童生徒間で学び合う時間を取って授業に臨んだ。また、授業後の記録を基にした協議を経て、授業のあり方を記録に残した。

2.学習活動の状況
 学習者用デジタル教科書に書き込んだ内容や、「マイ黒板」によって可視化した考えを基に話し合いを行った。紙のワークシートの運用やノートを取ることによる負担が減少し、児童生徒の思考する時間が確保され、意見交流の活動が活性化した。

3.収集データの分析
 中学校の生徒を対象に、自分の学びを客観的に振り返ることができる「振り返りシート」を作成し記入してもらった。このツールの活用を通じて、毎時間の授業の内容を自分自身や他の生徒の言葉で記録し、単元の最後に授業全体の振り返りを行った。さらに継続的に記録を蓄積することで、生徒の学習内容を分析することが可能となった。

 光村図書出版株式会社は、教科書やデジタル教科書を活用した、児童・生徒の学習活動のデータを各地の共同研究校から広く収集し、学び方や成果の分析を通して、個別の活動を支援する資料作りを進めていく。また、これらの研究から得られた成果を、教科書をはじめとした製品開発に活かしていく。

再春館製薬所、キッザニア福岡に「漢方研究所」パビリオンをオープン

 株式会社再春館製薬所(熊本・上益城郡益城町、西川 正明 代表取締役CEO)は、KCJ GROUP 株式会社(東京・中央区、圓谷 道成 代表取締役社長 )が企画・運営するこどもの職業・社会体験施設「キッザニア福岡」(福岡県福岡市)に、再春館製薬所がオフィシャルスポンサーをつとめる「漢方研究所-Kampo Laboratory-」を、2024年2月28日(水)にオープンする。なお、全世界に展開するキッザニアに、熊本県の企業が出展するのは初の事例となる。

 キッザニアは3歳〜15歳のこども達が、楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができる職業・社会体験施設。病院、バス会社、通信会社など、実在する企業が提供する本格的なユニフォームや道具を使った職業・社会体験ができる。各パビリオンでは仕事の手順だけではなく、仕事の意義や本質、周囲との関わり合いなどの教育的要素が高い学びが楽しみながら得られるため、学校の課外授業として活用されることも多いキッザニア。現在、日本国内では、キッザニア東京、キッザニア甲子園、キッザニア福岡の3施設で展開され、2022年度での総来場者数は2,250万人を突破している。

 漢方の考え方や生活への取り入れ方を学ぶ本パビリオンでの体験が、「ものづくりの楽しさ」や「自然への感謝」につながることを期待し、今回の出展に至った。

■「漢方研究所」アクティビティ内容

 「漢方研究所」では、「漢方研究員」として漢方の考え方に基づく、「旬の植物の力を人の力に活かす知恵や考え方」を学び、四季をテーマに、お湯に溶かすと中から旬の植物が出てくるバスボムを作る。

 バスボム作りの前に、例えば春は、「冬に蓄えた毒素を抜く」ために、かぜ、せき、冷えなどにも用いられ、強い生命力を持つヨモギが適していることなどの漢方理念の知識を座学で深める。季節に合わせた2種の春の植物から外側にデコレーションする素材を選択し、入浴が楽しくなるような香りや色も含めてデザインを施す。こうして完成したバスボムに「商品名」を付け、各々が作ったサンプルを見せ合うまでが一連の流れとなる。

  • パビリオン概要

パビリオン名 :漢方研究所

職業名    :漢方研究員

定員     : 8名/1回

所要時間   : 約30分

お給料    : 8キッゾ

成果物    :バスボム

体験内容   :季節の植物を使ったバスボムのサンプル作り

スポンサー  :株式会社再春館製薬所

オープン日  : 2024年2月28日(水)

大阪府教育委員会と公益財団法人ベネッセこども基金が連携協定を締結

 大阪府教育委員会(大阪市・中央区、橋本 正司 教育長)と、こどもの学びの機会支援を行う公益財団法人ベネッセこども基金(東京・多摩市、五十嵐 隆 代表理事理事長)は、連携協力に関する協定を締結した。

 人権教育・インクルーシブ教育を始め、先進的な教育活動をいち早く取り入れ実践している大阪府教育委員会と、公教育のダイバーシティ&インクルージョンの推進を行っている公益財団法人ベネッセこども基金が、互いの人的・知的資源を活用し、障がい理解等における教育上の諸課題に適切に対応することにより、教育・研究の充実、発展に資することを目的としている。

◆日時 

 令和6年1月25日13時30分

◆場所 

 高槻城公園芸術文化劇場 会議室

また、連携協力による事業として、障がい理解教育研修会を実施する。

◆日時 

 令和6年1月25日13時30分~16時30分

 令和6年1月26日9時30分~12時30分

 令和6年1月26日13時30分~16時30分

◆場所 

 高槻城公園芸術文化劇場 サンユレックホール

◆研修目的

 小・中・高等学校等における、障がい理解教育の推進と指導の充実を図る

◆内容

 ・ダイアログ・イン・ザ・ダーク(暗闇での対話)体験

 ・一般社団法人UNIVA理事 野口晃菜氏基調講演「インクルーシブ教育とは」

 ・リフレクション

◆対象

 市町村教育委員会指導主事 府教育庁指導主事

 府立学校管理職等

大阪府教育委員会 https://www.pref.osaka.lg.jp/kyoikusomu/homepage/

公益財団法人ベネッセこども基金 https://benesse-kodomokikin.or.jp/

ダイアログ・イン・ザ・ダーク https://did.dialogue.or.jp/about/