Category: 塾ニュース|地域教育

日研トータルソーシング、熊本で半導体人材育成を加速

 半導体関連産業の集積が進む熊本県において、人材育成を軸とした産学連携の動きが広がっている。総合人材サービスを展開する日研トータルソーシングは12月9日、熊本県立玉名工業高等学校で、機械科1年生40名を対象とした半導体エンジニア派遣実習を実施した。地域産業の成長を背景に、高校段階から半導体分野への理解と実践力を育てる取り組みだ。

 熊本県内では、半導体関連企業の進出が相次ぎ、人材不足が課題となっている。熊本大学を中心とした高等教育機関の人材育成構想に加え、高校教育の段階から産官学が連携する動きが活発化している。日研トータルソーシングはこうした流れを受け、2023年に熊本テクノセンターを半導体教育専用施設として拡張移転。実機を用いた実践的な研修環境を整備してきた。

 今回の実習では、同社研修で実際に使用している機材を用い、機械メンテナンスの基礎説明に加え、空圧回路実習やLED点灯回路の作成などを実施。生徒たちは、半導体製造を支える設備保全の役割や重要性を体験的に学んだ。参加生徒からは「機械保全の仕事にやりがいを感じた」「日常点検の重要性を実感した」といった声が寄せられた。

 同社はこれまでにも、玉名工業高校の企業見学や派遣実習、県立高校教職員向け研修、全国初となる「半導体情報科」を設置した水俣高校での実技研修など、熊本県教育委員会と連携した人材育成を継続してきた。2026年1月には普通科生徒を対象とした研修、2月には教職員向け研修も予定している。

 日研トータルソーシングの担当者は「半導体産業の発展に伴い、人材育成は喫緊の課題。高校生の段階から業界を知る機会を提供することが重要だ」と話す。今後も同社は、研修に特化した強みを生かし、地域ニーズに即した産学連携を通じて、半導体産業を支える人材の裾野拡大に貢献していく考えだ。

「移動する教室」で地域探究 河合塾が通信制新設、NTT東日本と連携

 学校法人河合塾学園が2027年4月、岩手県一関市に広域通信制「ドルトンX(エックス)学園高等学校」を開設する。NTT東日本との提携により、ICTと実社会での経験を融合させた「地域拠点×通信制」のハイブリッド教育を導入。生徒が特定の校舎に留まらず、日本各地を移動しながら学ぶ新しい教育形態の構築を目指す。

■2年次は各地へ滞在 ミネルバ大学の手法を導入
 同校は、特定のキャンパスを持たずに世界各地を転々としながら学ぶ米ミネルバ大学の教育モデルを参考にする。特徴的なのは高校2年次のカリキュラムだ。生徒は3カ月ごとに、最大4カ所の地域拠点へと滞在場所を移す。1日のスケジュールは、午前中にオンラインでの教科学習を行い、午後はその地域のフィールドワークや課題解決型の探究学習に充てる。

■東京の研修施設を拠点に活用
 NTT東日本は、同校の戦略的パートナーとしてインフラと学習環境の両面を支援する。高校1年次と3年次には、東京都調布市の「NTT中央研修センタ」を宿泊・学習拠点として提供する。  同施設内にある実証フィールド「NTTe-City Labo」では、生徒が最先端のデジタル技術に直接触れる機会を設け、データ活用やITスキルの習得を促す。

■背景に地方の課題解決と人材育成
 今回の連携の背景には、人口減少が続く地域社会における教育格差の解消と、次世代リーダーの育成という狙いがある。NTT東日本はこれまでにも、ドルトン東京学園(東京都調布市)や河合塾グループとの間で、探究学習プログラムの共同開発などを進めてきた。今回の新設校との連携はそれらの取り組みを包括したもので、一関市をはじめとする東日本各地のネットワークを「学びの場」として活用していく。

■デジタルとリアルの融合図る
 NTT東日本は25年9月、ミネルバ大学とも連携協定を締結しており、河合塾グループ、ミネルバ大学、そして多様なパートナーと協力しながら、場所の制約を受けない革新的な教育モデルの確立を進める。

公立小で“思考習慣教育”への関心が急拡大 

西高宮小で公開授業、40名の教職員が視察
クレイバーキッズ・ラーナーズラーナーと三者連携

 スクール型民間学童「クレイバーキッズ」を運営する株式会社ランクアップは、福岡市立西高宮小学校、株式会社ラーナーズラーナーと三者連携協定を締結し、2025年9月から同校で思考習慣型リーダーシップ教育の導入を進めている。11月21日には公開授業と実践発表交流会が開催され、市内小学校から40名の教職員が参集した。

仮説思考で社会課題に向き合う公開授業

 4年生の総合学習では、クレイバーキッズが開発した「40の思考習慣」を基盤に授業を実施。今回の公開授業では「疑問に仮説を立てる」をテーマに、「長崎を若者が集まる街にするには」という社会課題を扱った。児童は「働く場所が少ない」「娯楽が不足している」「坂が多く移動が不便」など多様な仮説を提示。答えのない問いに挑む探究プロセスを体験し、思考の深まりが確認された。

民間×学校×大学が共同でカリキュラム設計

 導入プログラムは、ラーナーズラーナーCEOでミネルバ系教育の専門家である黒川公晴氏が監修し、公立小向けに最適化したもの。三つの思考テーマ(真理の探究、解決策の模索、効果的コミュニケーション)を軸に、「40の思考習慣」を段階的に育成する設計となっている。当日の交流会・講演では、同小教員に加え、早稲田大学の大村龍太郎准教授も登壇した。

地域から広がる「思考習慣教育」

 クレイバーキッズは今後、今回のモデルを起点に、公立・私立小学校へのカリキュラム提供、教員研修、学校導入支援を全国で展開していく。探究の基盤となる思考習慣を学校内外で一貫して育む教育モデルとして、自治体や学校からの関心が高まっている。

新居浜東高×新居浜市×スポーツフィールド、部活動と地域活性化で三者連携 スポーツ軸に人材育成を強化

 株式会社スポーツフィールドは12月2日、愛媛県立新居浜東高等学校、新居浜市との三者間連携協定を締結した。部活動支援、キャリア教育、地域貢献を一体で推進し、「スポーツの力で生徒と地域の未来を創る」ことを目的とする。県立校として初の「健康スポーツ科」を設置する新居浜東高では、生徒の競技力向上とキャリア形成支援が課題で、市もスポーツによる地域活性化を重視しており、三者の強みを掛け合わせる。

 具体的には、部活動の基盤整備、アスリート講演などによるキャリア教育、小中学生向けスポーツ教室の実施などを順次展開。練習用具の提供や自己分析ツールの活用など、企業の専門性をいかした支援も行う。

 今回の連携により、生徒には競技力向上に加え、主体性・協調性といった非認知能力の育成も期待される。学校の魅力向上や地域のスポーツ振興、企業のCSR推進にも寄与する取り組みとして注目される。

宮崎県都農町とUSEN NETWORKS、包括連携協定を締結公共Wi-Fi整備と地域通貨連携で町民向け光回線プラン提供

 宮崎県都農町(町長:坂田広亮)と株式会社USEN NETWORKS(東京都品川区、代表取締役社長:神田一樹)は、2025年11月28日、地方創生に係る包括連携協定を締結した。

 両者は、まず公民館など公共施設への公共Wi-Fi整備や、都農町電子地域通貨「つのコイン」と連携した町民向け光回線契約プランの提供から連携を開始。これにより、町民誰もが快適なデジタル環境を利用できる地域づくりを推進する。今後は、地域課題解決やデジタル人材育成など、SDGsの達成にも寄与する取り組みを共同で展開する予定。

 都農町は、コロナ禍に「デジタルフレンドリー宣言」を行い、全世帯へのタブレット貸与などデジタル活用を推進してきた。USEN NETWORKSは法人・個人向けの通信サービス提供に加え、IoTやBGMなどのソリューションを展開しており、両者の連携により、地域住民の学習機会や生活利便性向上、地域経済活性化を図る。

 今回の協定は、公共Wi-Fi整備や地域通貨活用を通じた通信環境提供に加え、地域おこし協力隊のキャリア支援も含まれ、教育・インフラ・まちづくり・働きがいの向上に寄与する取り組みとして位置づけられている。

都農町公式サイト:https://www.town.tsuno.lg.jp
USEN NETWORKS公式サイト:https://usen-networks.co.jp

くら寿司×海と日本プロジェクト、島根県内4小学校で出張授業

回転寿司を題材にSDGs・海洋資源保全を学ぶ 児童342人が参加

 一般社団法人海と日本プロジェクトinしまねは、くら寿司株式会社と連携し、海洋環境や食品ロスについて考える出張授業「お寿司で学ぶSDGs」を松江市内の4小学校で開催した。11月13日の宍道小学校を皮切りに、乃木小学校、美保関小学校、大庭小学校で実施され、計342人の児童が参加した。

 本プログラムは、回転寿司を題材に海洋資源問題を身近に捉えてもらうことを目的とした全国的な人気授業で、島根県での開催は今回が初めて。授業では、海洋汚染や気候変動、漁業従事者の減少など、地域の海が抱える課題を紹介。隠岐島前で実施された体験学習「隠岐めしと歴史 探険隊」の映像も上映し、県内の漁業の現状を伝えた。

 また、未来に魚のお寿司が食べられなくなる可能性や、低利用魚(未利用魚)活用の現状を紹介。児童が模型の魚を触りながら分類体験を行うなど、五感で学べる内容となった。さらに、くら寿司が開発した「お寿司屋さん体験ゲーム」を通じ、回転寿司で起こり得る過剰提供や廃棄を疑似体験し、食品ロスへの理解を深めた。

 授業の終盤では、低利用魚をおいしく食べる工夫や、食品廃棄削減に向けたアイデアをグループで検討し、児童が発表。「給食を残さず食べる」「余った寿司を動物のエサに活用する」など、身近な行動につながる意見が寄せられた。

 参加した児童からは「魚が食べられなくなる未来はこわい」「食品ロスが身近にあると知った」といった声が上がった。くら寿司広報担当者は「身近な回転寿司を切り口に、SDGsを自分ごととして考えるきっかけにしてほしい」と語った。

 海と日本プロジェクトinしまねは、今後も行政・企業・教育機関と連携し、海洋環境保全への理解促進と行動喚起に取り組む方針だ。

磐田市消防本部、全国初の産学官連携で消防職員の体力向上へ 大学・企業と協定締結

 磐田市消防本部(静岡県磐田市)は10月21日、静岡産業大学および株式会社Canvasと「消防職員の健康保持及び身体機能の維持・向上に関する連携協定」を締結した。産学官が連携して消防職員の体力維持に取り組む協定は全国で初となる(磐田市調べ)。

■ 腰痛経験6割、定年延長でシニア職員の負担増が背景

 磐田消防が実施したアンケートでは、約6割の職員が「腰痛の経験がある」と回答。さらに地方公務員の定年延長により60歳以上の職員の現場業務継続が求められるなど、体力維持と健康管理が課題となっていた。
 こうした状況を踏まえ、スポーツ科学の専門知見を持つ大学と、データ活用に強みを持つ民間企業と連携し、持続可能な消防力の強化を進める。

■ 各機関の役割

磐田市消防本部
職員の健康行動や勤務状況、熱中症対策意識を調査。ウェアラブルデバイスによるデータ計測にも協力し、得られた情報を職員の体力低下防止、パフォーマンス維持、公務災害防止に活用する。

静岡産業大学
スポーツ科学部の教員を中心とした研究チームが、収集データと消防業務の特性に基づき、職員の身体的・心理的負担軽減に関する研究を推進する。

株式会社Canvas
データ収集システムの構築・運用を担当。ウェアラブル等から得たデータを整理し、職員や関係者へフィードバックする。

■ 今後の取り組み(3年間)

協定期間は3年間で、以下の取り組みを進める。

  • 令和7年度(1年目):職員の健康・運動習慣の実態把握
  • 令和8年度(2年目):データ分析による課題抽出と予防プランの提案
  • 令和9年度(3年目):運動支援・教育プログラムの基盤整備

磐田市消防本部は、「シニア職員の活躍推進と、持続可能な消防力の確保につなげたい」としている。

アドベンチャーワールド×うつほの杜学園小学校

休園日のパークを“まるごと学校”に「いのちを通して学ぶ一日」を開催

 和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」(運営:株式会社アワーズ)は、和歌山県田辺市の探究型グローカルスクール「うつほの杜学園小学校」(校長:市川顕氏)と連携し、休園日のパーク全体を学校に変える特別授業「アドベンチャーワールドで学ぶDAY」を11月12日(水・休園日)に開催する。この取り組みは、同園と同校が締結した連携協定に基づく教育プログラムで、子どもたちが動物や自然、人との関わりを通して“いのちの尊さ”を体感しながら学ぶことを目的としている。

五感を使って学ぶ特別授業

 当日は、うつほの杜学園小学校の1~3年生16名が参加。園内全体を教室に見立て、動物たちの姿を観察しながら絵を描く「図工」、どうぶつの赤ちゃんや水の循環をテーマにした「探究学習」、動物の数や施設を題材にした「算数」、動物の動きをまねながら英語で学ぶ「体育」など、五感を使った体験的な授業を展開する。

 児童たちは動物との触れ合いを通じて命の大切さを感じ、学びの楽しさや地域とのつながりを実感することが期待されている。

学校と企業がつくる“地域協働型の学び”

 うつほの杜学園小学校は、「いっしょに学ぼう、創ろう、冒険しよう。」を理念に掲げ、教室の外に出て探究する学びを重視する私立小学校。国内外の学校や企業と連携した“グローカル教育”を通じて、想像力・探究力・関係力を育む教育を実践している。同校は2024年度、アドベンチャーワールドを運営する株式会社アワーズと連携協定を締結。「動物や自然を通して“いのち”を学ぶ教育」を柱とし、地域と企業が協働する新しい教育モデルの構築を進めている。

地域に広がる新しい学びのかたち

 アドベンチャーワールドでは、今回の取り組みを皮切りに、地域の子どもたちが“いのちを通して学ぶ”体験機会をさらに広げていく方針。教育と体験が交差する新しい学びのかたちを、地域との共創によって育んでいくとしている。

開催概要

  • イベント名:「アドベンチャーワールドで学ぶDAY」
  • 日時:2025年11月12日(水・休園日)9:30~15:40
  • 場所:アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)
  • 対象:うつほの杜学園小学校 1~3学年の児童(16名)

関連リンク
うつほの杜学園小学校公式サイト:https://utsuho.ac.jp
アドベンチャーワールド公式サイト:https://www.aws-s.com

鳴門市、教育系スタートアップ2社を「なるスタ」に認定

 徳島県鳴門市は、スタートアップ支援制度「鳴門市応援スタートアップ制度(通称:なるスタ)」の認定企業として、教育分野のスタートアップ2社「Yui Connection株式会社」と「株式会社con-」を新たに選定した。両社は今後、市内での実証や事業展開を進め、地域教育の質向上や防災意識の醸成に寄与する見通しだ。

スタートアップの定着を支援する「なるスタ」

「なるスタ」は、設立初期段階のスタートアップが直面する「社会的信用」「資金」「知名度・人脈」などの課題を行政が伴走支援する制度。鳴門市が掲げる「スタートアップが集まる・生まれるまち」構想の一環として実施されている。
 制度の詳細は公式サイト(naruto-biz.com/startup)で公開されている。

教員支援AI「結‐EN」を展開 Yui Connection株式会社

 Yui Connection株式会社(石川いずみ 代表取締役)は、教員が児童生徒の学校生活の様子をデータ化し、一人ひとりに応じた教育プランを提案する教員支援サービス「結‐EN(ゆい・えん)」を開発・提供している。
 同社は昨年度、鳴門市主催のスタートアップイベント「NARUTO CONNECT Vol.1 EdTech/BabyTech」に登壇後、市内小学校での実証実験を経て進出を決定。今後は、児童理解の深化や学級経営の効率化など、教育現場の質的向上に貢献することが期待されている。

新聞×生成AIで防災教育を支援 株式会社con-

 株式会社con-(伊勢太惇 代表取締役)は、新聞記事と生成AIを組み合わせた防災教育プログラムを展開している。AIが徳島新聞社・共同通信社の過去の地震報道を参照し、児童が指定した地域をもとに避難行動を考えるという実践的な防災授業を提供。
 今年度は、徳島県教育委員会の教育DX推進指定校である鳴門市立里浦小学校で「南海トラフ巨大地震」をテーマにした授業実証を開始しており、今回の市内進出につながった。

NTTe-Sports高等学院、企業・団体と連携する「スクールサポーター制度」を開始

eスポーツを通じた人材育成を推進 教育環境の拡充と地域連携を目指す

 NTT東日本グループのNTTe-Sports株式会社(東京・新宿区)は、運営する「NTTe-Sports高等学院」において、企業や団体と連携して教育活動を支援する「スクールサポーター制度」を新たに開始した。

 同学院は2025年4月に開校した通信制サポート校で、eスポーツを教育の軸に据え、デジタルスキルやコミュニケーション能力など、社会で求められる力を育成している。今回の制度は、こうした学びの場をより広げるため、企業・団体の協賛や支援を募り、教育環境の整備や生徒募集の拡大を図るもの。

 スクールサポーターには、ハード・ソフト両面での教育支援や、授業・イベントへの協力、学校公式サイトや発表会での紹介といったメリットが用意されている。また、学生との交流や共同企画を通じ、次世代人材との接点を持てることも特徴だ。

 同社は、「eスポーツを通じて、デジタル社会で活躍できる人材の育成を目指す」としており、今後も企業・自治体・教育機関との連携を強化し、学びの場の拡充を進めていく考えだ。