Category: 塾ニュース|地域教育

岩手県「一般の授業で十分」土曜授業導入なし

岩手県内33市町村は土曜授業を実施しない方針であることが分かった。理由については、「一般の授業の範囲で十分。子供と地域のつながりも強く、必要がない」(盛岡市教育委員会)などの声が多い。宮古市教委は、土曜日の地区の祭りなどに子供たちを任意で参加させる体験学習を行っているが、正規の土曜授業を行う予定はないとしている。

公立小中学校の92.5%が耐震基準を達成

文部科学省は6月2日、全国の公立小中学校の校舎や体育館など約11万9千棟のうち、4月1日時点で耐震基準を満たしているのは92.5%で、1年前と比べて3.6ポイント増えたと発表した。2002年の調査開始以来初めて9割を超えた。耐震性が十分に確保されていない建物のうち、震度6強の地震で倒壊する危険性が高い建物は1254棟。文科省は公立学校の耐震化を15年度中に完了することを目指しており、下村博文文科相は2日、整備が遅れている118市町村に対策を急ぐよう書簡を出した。

民事再生を申請した千葉国際中・高の今後 ビジュアルビジョンの井沢隆代表が語る

千葉県君津市の私立千葉国際中学校・高等学校を運営する学校法人千葉国際(大谷晋示理事長)が5月7日に東京地裁に申し立てた民事再生法の適用について、学校再建のために2010年から同校を支援しているビジュアルビジョンの井沢隆代表が本誌取材に応じた。

ビジュアルビジョンの井沢隆代表

ビジュアルビジョンの井沢隆代表

同校は、5月12日に記者会見を開いており、その中で大谷晋示理事長は「学校運営の継続を前提とした手続きで、授業はこれまで通り継続する」と発表している。また、同法人の代理人によれば、負債総額は約30億円で、生徒数はビジュアルビジョンが支援を始めた4年前に比べ生徒数は増え、授業料収入などが順調に伸びているものの、1992年の開校時に施設建設費として借り入れていた巨額の長期債務が現在も残り、遅延損害金などが発生していることが明らかにされている。

実際、4月時点の同校の生徒数は千葉国際高校が436人、同中学が136人で、今春の高校入学者数も4年前に比べると2倍の170名となり、中学生の生徒数も倍増している。大学合格実績も4年間で約4倍に伸び、運動部も剣道部が関東大会や全国大会で上位入賞を遂げるほか、プロ野球やサッカーのJリーグに選手を輩出している。記者会見に先だっておこなわれた、生徒や保護者に対する説明会でも、今回の申し立てへの理解を得ており、6月中旬には経営の立て直しに向けた具体案を裁判所に示す予定だ。

本誌では5月末、学校再建が順調に進む中で発表された民事再生の申請について、ビジュアルビジョンの井沢隆代表に直接話しを聞くことができた。井沢氏は「民事再生を申請したというと倒産したのだと誤解されることも多いが、まったく違う。生徒は自ら挨拶ができるようになり、乱れた服装も減ったことで地域の皆さまからの評判も良くなっている。このように学校改革が進んでいる今こそ、債権者の方々にもご理解をいただいて、千葉国際中・高に通う生徒や保護者の皆さんにとってさらにいい学校となるよう、今回の申請をおこなった」と語る。今後、具体的な再生計画案が示され裁判所から認可されれば、長期債権の一部免除など学校再建のスピードが一段と早まることが期待される。

アフタースクール「ひまわり学習塾」42小中学校を選定 北九州市教委

北九州市教育委員会は、空き教室を利用した放課後の補充学習「ひまわり学習塾」に、市立小学校31校と中学校11校を選んだと発表した。小学校は6月上旬から、中学校は7月中旬から、それぞれ来年3月まで週2回と1回、約1時間で始める。指導は、市教委が依頼した小中学校の元校長3人を中心に、公募で選ばれた市内外の大学生や元教員ら約200人が行う。元校長らは各学校の教員との調整や教材の準備、巡回指導を担当。大学生らは児童・生徒5、6人に1人がつき学習で分からないところを教えるという。

教職員の疲労度、一般の2倍

関西福祉科学大(大阪府柏原市)と宮城大(宮城県大和町)などが共同で、柏原市の教職員252人と、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県沿岸部の市の教職員142人を2013年に調べた。調査項目は①問診票②自律神経機能③手首型自動測定器を使った3日間の活動解析の三つ。その結果、両市とも「総合的疲労スコア」の平均値は一般成人の2倍で、「要注意」判定に相当する高値だった。自律神経のバランスも大きく乱れ、活動量は一般人より1割少なく、居眠り回数は1・5~2・2倍だった。

近江兄弟社高校 校名変更へ「ヴォーリズ高校」に

近江八幡市の「近江兄弟社高校」が、創立者のヴォーリズから名前をとって「ヴォーリズ高校」に校名変更を検討していることが、学校法人「近江兄弟社学園」への取材で分かった。小学校と中学校も同様に変更する方針。学園はOBやPTAらに意見を聞いたうえで、今年度中に正式決定し、早ければ2016年春から新名称にする。学園によると、学校法人も「近江兄弟社」に改名するが、幼稚園と保育園は、現在の名前のままとする。24日に開かれる学園のPTA総会で、池田健夫理事長が説明するという。

文科省「竹富町教委を訴えない」

沖縄県八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)の教科書採択問題で、下村博文・文部科学相は5月23日の記者会見で「違法確認訴訟は可能だが、あえて提起することはしない」と明言。理由について、地区割りの決定権がある沖縄県教委が竹富町を2市町から分離させたことを挙げ、「来年度以降は違法性が生じなくなる。訴訟に時間がかかること、途中から教科書を変えさせることが子供たちにとって望ましいかということも考えた」と説明した。

英語の楽しさを子どもたちに NPO愛進研「2014教育セミナー」を開催

「ゆとり」でも「詰め込み」でもない、「生きる力」の育成を目指した新学習指導要領が全面的に実施されたことに伴い、大学入試がどのように変わるのか、注目が集まっている。昨年12月には文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を発表。小・中・高を通じた英語教育全体の抜本的充実をうたった同計画では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、国際社会に対応できる英語力を身につけるための教育環境づくりの推進が明記され、教科の中でもとりわけ、英語教育が大きく様変わりすることが予想されている。

英語の楽しさを子どもたちに

愛知県の民間教育機関で働く教師たちで運営するNPO愛知県進学研究会(以下、愛進研)は、子どもたちの進学や未来についての研究を行っている。

「日本がグローバル化に遅れをとった一因は英語教育にある。単語は知っている。文法にも強い。にもかかわらず英語が使えない…子どもたちにもっと英語の楽しさ、大切さを伝えたい」との思いから、5月11日(日)、小中学生を対象とした「2014教育セミナー」を開催した。会場となった名古屋高等学校のチャペルは約400名の親子連れで満員となり、英語教育に対する関心の高さがうかがえた。

楽しいから英語が好きになる

安河内哲也先生

安河内哲也先生

第一部は基調講演『使える英語の学び方』。テレビなどで人気の安河内哲也先生が「良い子のみなさん、悪い大人のみなさん、こんにちは!」と登場すると、会場はたちまち楽しい雰囲気に。「僕は学生時代、英語の勉強が大の苦手でした。教科書の和訳や穴埋め問題に違和感を感じていたのです。大学受験に失敗してさすがにまずいなと思い、予備校に行ったのですが、そこで出会った先生が素晴らしく、僕に英語の楽しさを教えてくれたのです。

英語はコツをつかめば、誰でもいつからでも、できるようになるんですよ」と、自身の体験を紹介した。「英語の勉強の仕方はただ一つ。音で学ぶこと。今日はそれを実践していきましょう」と、英語を使ったクイズをゲーム形式で出題。面白いクイズが続出し、会場は笑いに包まれた。クイズを通して安河内先生は、耳と口とからだを使って楽しみながら英語を学ぶことの大切さを伝えた。

英語教育についての研究発表も

鹿島塾の鹿嶌將博塾長

鹿嶌將博会長

第二部ではNPO愛進研の会長・鹿嶌將博氏(鹿島塾代表取締役社長)による愛進研の研究報告が行われた。従来の常識と異なる新しい学びを展開している国際教養大学についてレポートした。

「学内には海外からの留学生が150名ほど在籍。日本人学生は留学生たちとともに、寮生活を送っています。授業も生活もほとんど英語で行われます。世界各国の仲間たちと切磋琢磨しながら生活していくことで、英語力、コミュニケーション力がどんどん磨かれて行きます」。

そして、鹿嶌会長は「英語は、テストのために勉強するものではなく、世界で活躍するためのツールなのです」と結んだ。

英語を通して見えてくる未来

敬愛塾の伊藤清博塾長

敬愛塾の伊藤清博塾長

第三部は、敬愛塾の伊藤清博塾長によるシチュエーションクイズ。きよひろくんの一日を場面ごとに描いたユーモラスなイラストを見ながら、子どもたちは楽しそうにクイズに挑戦した。

伊藤塾長は引き続きエンディングで、「君たちに贈るメッセージ・ある卒業生のストーリー」として、ある日本人少年のアメリカでのエピソードを紹介。「mission(責務)、Passion(情熱)、Never Give Up(あきらめない)、この三つの精神が、君たちの未来を切り開き、夢の扉を開く、大きな力となります」と会場の子どもたちにエールを贈った。

偏差値30台の生徒が1年で60に!? チャレンジカップ2014グランプリ決定戦開催

4月27日(日)に、北千住のシアター1010でチャレンジカップ2014グランプリ決定戦(主催:一般社団法人日本チャレンジ教育協会)が開催された。チャレンジカップは半年間のチャレンジ目標を子ども達自身が設定し、エントリーする。「志望校合格」や「サッカー全国大会出場」、「募金を100万円集める」など、チャレンジ目標は様々。まさに、何でもありの甲子園だ。

チャレンジカップ2014の会場

チャレンジカップ2014グランプリ決定戦の会場

今年で7回目となるチャレンジカップ2014は、過去最高となる
Robe demoiselle d’honneur violette 1万4000名を超える子ども達が学校・学習塾から参加。グランプリ決定戦では、3月に開かれた地域審査・全国審査を勝ち抜いてきた8組が半年間の活動の軌跡や、その中で得た気付きを発表した。

学習塾からは、小学生ながら2人で合計1400時間の勉強マラソンにチャレンジをした「チルドレン」(ITTO個別指導学院仙台中田校)、偏差値30台で学年ビリから1年で偏差値を60まで上げて大学合格を果たした「★あきなん★」(ITTO個別指導学院新小平校)、長年会話をしていなかった友達に謝罪することに挑戦した「琴音」(ITTO個別指導学院多摩落合校)の3組がグランプリ決定戦で発表した。

当日は、パズドラやブックオフのCMにも出演中の、日本で唯一のプロ応援団「我武者羅應援團」や、チャレンジカップ公式ソングを歌う「カラーボトル」が会場に応援に駆け付け、チャレンジカップに参加した全生徒にエールを送った。

杉山愛さんや柴田亜衣さん、土田和歌子さんといった世界一に輝いたプロのアスリートをはじめ、経済界・教育界の著名人が特別審査員として参加し、会場参加者の投票と合わせて日本一となるグランプリが決定した。

グランプリ表彰を受ける長崎創成館高等学校のYUDAIさん

グランプリ表彰を受ける長崎創成館高等学校のYUDAIさん

選ばれたのは、フリースタイルフットボールに挑戦し、100種類を超える技を身に着けた「YUDAI」(創成館高等学校)。ケガによりサッカー人生を断たれた高校生が、自分の人生をあき
Robe demoiselle d’honneur rouge らめることなく、サッカー部のマネージャーとして、そして、フリースタイルフットボールプレイヤーとしてサッカーに関わり続けたその活動は、多くの参加者の胸を打った。

「怪我をした事実は変えられない。でも、怪我をしたことをどうとらえるかは自分の考え方次第。それは変えられます」

「怪我をしたからサッカーができないと思うか、サッカーはできないけど他にできることはある、と思うかは自分次第です」

学校、学習塾の垣根を越えて参加できるチャレンジカップは、今年も9月に開催予定。実行委員は「子ども達に自信をつけさせることで、成績の向上はもちろん、自分の人生を主体的に生きる姿勢を身に着けさせることができると考えています。ぜひ、多くの学習塾にも参加してほしいと思っています」と話す。詳しいエントリー方法は7月中旬に公式ウェブサイトで公開予定。同サイトでは4月27日の発表内容の詳細も紹介している。

国立市 放課後に学習支援

国立市は5月12日、「放課後地域学習支援教室」を始めた。今年度は市立国立第一、第四、第六、第七の4小学校で導入し、来年度以降、全8小学校に拡大する予定。5、6年生を対象に希望者を募り、放課後に国語と算数を1時間勉強する。教科ごとに毎週2日ずつ開かれ、児童は参加日を自由に選択する。4小学校で計約200人が参加するという。地域の元教員と教職課程を勉強する大学生ら3〜4人のグループで指導する。