上野学園大学(東京・台東)が埼玉県草加市に置く日本音楽史研究所は、能楽や雅楽、仏教音楽など、明治維新より前の日本の音楽に関する史料を収集している。開設は1973年。楽器などを含めて約7万点を所蔵する。一つが1472年(文明4年)に高野山で印刷されたという仏教音楽の声明の楽譜。世界最古の楽譜は1476年にローマで印刷されたものとされていたが、それより4年早く日本で刷られていたと分かった。
西岡賢祐・宮崎大工学教育研究部准教授(40)、杉山正和・東京大大学院工学系研究科准教授(43)、藤井克司・同大総括寄付講座特任教授(55)の研究グループが、太陽光発電で得た電力で水を分解し、効率よく水素を生み出すことに成功した。太陽光が持つエネルギー量の24・4%を水素に蓄えることができ、エネルギー変換効率は世界最高という。グループは「二酸化炭素を出さない水素を活用する社会の実現につながる」としている。
立命館大学(本部・京都市中京区)は10月14日、「食科学部(仮称)」をびわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)に新設すると発表した。2018年度の開設を目指す。定員は300人前後を想定。「食」を農学や栄養学からだけでなく、文化的な背景やビジネス、環境といった総合的な視点からとらえることができる人材を育成したいとしている。
島根大は10月8日、文部科学省が行う「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」に、県立大や県立大短期大学部、松江工業高等専門学校と県、経済団体など計46機関が連携して行う、学生の定住推進事業が採択されたと発表した。同事業は、県内の全高等教育機関を地域の拠点と位置づけ、地元に根付く人材を育成するのが狙い。2019年度に、4教育機関の学生の県内就職率を、14年度の10ポイント増の45・1%にするほか、参加企業でインターンシップを経験する学生を130人増の473人にすることを目指す。
「日本の近代主義建築の父」とされる建築家アントニン・レーモンド(1888~1976年)が設計を手がけた三重大学レーモンドホールは、三重大学キャンパスの南門の近くに建っている。戦後の木造モダニズムの先駆けとして国の登録有形文化財に指定されているが、昨年春に耐震改修した。照明や床タイルは設計図を参考に復元した。ホールは木造平屋建て約230平方メートル。南側は全面がガラス戸。外観はシンプルな切妻屋根だが、内部の柱や棟木、梁にはヒノキの丸太が多用され、装飾を排した簡素な造形美は木造モダニズム建築の出発点と評価される。
追手門学院大学(大阪府茨木市)は10月8日、「笑学研究所」を設立すると発表した。「お笑い」を歴史や芸術、心理学の観点から研究、教育する。日本笑い学会を設立した井上宏・関西大名誉教授を所長に迎え、市民講座やシンポジウムを企画。来年春に学生向けの教養科目「笑学入門」も開講する。目標は「笑学部」への昇格だ。
地方の国立大学に「地域」を冠した学部が次々と誕生する。高知大に新設された地域協働学部。佐賀大の新学部は、地元のブランドである「有田焼」をはじめとする陶磁器産業を支える教育研究の一翼を担う。宇都宮大の新学部は2040年に栃木県民の4割近くが65歳以上になるとの試算にもとづき、高齢化問題に力を入れる方針。鳥取大では地域学部が中心になって、学生が過疎集落で高齢者からかつての農作業や暮らしぶりを聞き取って冊子にまとめた。来春には宇都宮大、福井大、佐賀大、宮崎大で新設される。
徳島大学は来春、農学系学部「生物資源産業学部」を新設する。入学定員100人。微生物の医療への活用などを研究する「応用生命」、機能食品の開発などの「食料科学」、1次産業の効率化や6次産業化を学ぶ「生物生産システム」の3コースを設け、工学部などと同じ徳島市の常三島キャンパスで講義を行う。食品の機能性や生薬を研究する医薬系学部と連携する一方、起業・経営教育も導入し、従来の農学部との違いを打ち出す。幅広い知識と技術を身につけ、国際的な視野を持って活躍できる人材の育成を目指す。
クロマグロの「完全養殖」事業を近畿大学とともに手がける豊田通商は9月15日、沖縄県名護市で準備を進めてきた幼魚の養殖を始めると発表した。幼魚まで育てる施設は、長崎県五島市に続いて2カ所目。来春以降に出荷する予定だ。全額を出資して運営会社「ツナドリーム沖縄」を設立。卵から孵化させた体長5センチほどの稚魚を五島市の施設などから持ってきて、30センチほどの幼魚(ヨコワ)に育てる。その後、さらに成魚まで育てる業者などに出荷する。2016年に1万匹、20年には5万~6万匹を養殖する計画だ。
筑波大の「国際統合睡眠医科学研究機構」(機構長・柳沢正史教授)の研究棟が完成した。同機構は、睡眠のメカニズム解明とともに、睡眠障害や関連疾患を治す創薬研究を進める。柳沢機構長は、眠りにかかわる神経伝達物質オレキシンを発見するなど、この分野の世界的権威だ。完成した研究棟だは6階建てで、2~4階が研究室領域。吹き抜けの空間には、芸術系教員が制作した眠りながら飛ぶブタ親子のオブジェがつるされるなど、医学系と芸術系の両方を持つ唯一の国立大ならではのユニークな内装となっている。